JPH06263955A - 繊維強化シクロオレフィン共重合体材料、その製造方法及びその材料から得られる成形品 - Google Patents
繊維強化シクロオレフィン共重合体材料、その製造方法及びその材料から得られる成形品Info
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Abstract
可塑性加工性を有する、シクロオレフィン重合体を基材
とした繊維強化材料を提供する 【構成】 1−99重量%の強化繊維及び99−1重量
%のシクロオレフィン共重合体を含んで成る繊維強化シ
クロオレフィン重合体材料。該シクロオレフィン共重合
体は、a)ノルボルネンから誘導される少なくとも1種
のポリシクロオレフィン、並びにb)炭素原子数4〜1
2のモノシクロオレフィンから選択される少なくとも1
種のオレフィン及び/又は非環式オレフィンの群から製
造される。シクロオレフィン共重合体分子中において、
ポリシクロオレフィンのモノマー単位は、それぞれの場
合において、モノシクロオレフィンのモノマー単位及び
/又は非環式オレフィンのモノマー単位によって分離さ
れている。
Description
とも1種のポリシクロオレフィン(例えばノルボルネ
ン)並びに少なくとも1種のモノシクロオレフィン及び
/又は1種の非環式オレフィンよりなり、そして繊維、
特にガラス繊維によって強化された、「化学的に均質
な」シクロオレフィン共重合体に関する。
ベルの性質を有する種類の重合体である。これらは特
に、高い熱変形点、加水分解安定性、低い吸水性、耐候
性及び高い剛性によって特徴づけられる。
しうることが知られている。重合はここでは、触媒によ
り、開環(US 3,557,072)又は二重結合の
開裂(EP 156464、US 5,087,67
7)によって進む。
配合しうることは公知である。例えば、JP 3207
739、DD 203059及びEP 451858に
は、シクロオレフィンとエチレンとの又はポリシクロオ
レフィンとエチレンとのランダム重合体よりなる熱可塑
性組み合わせ物が報告されている。そのような熱可塑性
組み合わせ物は、例えば、剛性が著しく高い特徴を有す
る。しかしながら、これらの材料は、非晶質であるた
め、ガラス転移温度より少なくとも170℃高い温度で
処理しなければならないという決定的な欠点を有する。
シクロオレフィン重合体の熱安定性は350℃以下で保
証されているに過ぎないので、JP 3207739、
DD 203059及びEP 451858に記載の混
合物の熱変形点は辛うじて最高180℃となる。
的は、常に最高の熱変形点を確立することにある。従っ
て、本発明の目的とするところは、少なくとも180℃
の熱変形点及び良好な熱可塑性加工性を有する、シクロ
オレフィン重合体を基材とした繊維強化材料を提供する
ことである。この目的は本発明によって達成される。
9重量%の強化用繊維及び99−1重量%の少なくとも
1種のシクロオレフィン共重合体を含んで成る繊維強化
シクロオレフィン重合体材料が提供され、このシクロオ
レフィン共重合体は、(a)式I−VI:
びR8は、同一でもよく又は異なっていてもよい水素原
子又はC6−C16アリール基若しくはC1−C8アル
キル基である)で表される少なくとも1種のポリシクロ
オレフィン、並びに(b−1)式VII:
ロオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィ
ン、及び/又は(b−2)非環式オレフィンVIIIの
群:
く又は異なっていてもよい水素原子又はC1−C8アル
キル基である)から製造されたものであり、シクロオレ
フィン共重合体分子中、式I−VIで表されるポリシク
ロオレフィンのモノマー単位がそれぞれの場合におい
て、式VIIで表されるモノシクロオレフィンのモノマ
ー単位及び/又は式VIIIの非環式オレフィンのモノ
マー単位によって分離されている。このシクロオレフィ
ン重合体材料は式I−VIのポリシクロオレフィン、式
VIIのモノシクロオレフィン及び/又は式VIIIの
非環式オレフィンが重合体分子内でランダムに分布して
いるのではなく、2つのポリシクロオレフィンモノマー
単位はすぐ隣にはなく、それぞれの場合、少なくとも1
つのモノマー単位VII及び/又はVIIIによって分
離されているという特徴を有する。モノマーVIIIは
常に存在させるのが好ましく、モノマーVIIをさらに
存在させてもよい。
マー単位VII又はVIII、特にVIIIのみを2つ
のポリシクロオレフィンモノマー単位の間に配置させる
のが好ましい。上記モノマーが規則的に配列した重合体
は、以後「化学的に均質な」ものと記す。この言葉はこ
こでは幾分EP 0 503 422より狭い意味で用
いる。
多数のシクロオレフィン共重合体を含んで成るならば、
各共重合体は「化学的に均質な」ものである。化学的に
均質なシクロオレフィン共重合体の製造については、ヨ
ーロッパ特許出願EP 0503 422に記載があ
り、これは後述する。
合体の製造は、EP 0 503422に従い、(i)
モノマーの全量に基づいて、0.1−99.9重量%の
式I、II、III、IV、V又はVI:
びR8は同一でもよく又は異なっていてもよい水素原子
又はC6−C16アリール基若しくはC1−C8アルキ
ル基であり、各式中の同じ基が異なる意味を有していて
もよい)で表される少なくとも1種のモノマー、(ii)
モノマーの全量に基づいて、0−99.9重量%の式V
II:
ロオレフィン、及び(iii)モノマーの全量に基づい
て、0−99.9重量%の式VIII:
く又は異なっていてもよい水素原子又はC1−C8アル
キル基である)の少なくとも1種の非環式オレフィン
を、−78℃ないし150℃で、0.01−64バール
の圧力にて触媒の存在下、重合することによってシクロ
オレフィン重合体材料を製造し、ここで、該触媒はアル
ミノキサン及びメタロセンを含んで成り:該アルミノキ
サンは、線状タイプの場合は式IXで表され
ていてもよいC1−C6アルキル基又はフェニル基若し
くはベンジル基であり、nは0−50の整数である)該
メタロセンは、式XIで表される。
ジウム、ニオブ又はタンタルであり、R14及びR15
は同一でもよく又は異なっていてもよい水素原子、ハロ
ゲン原子、C1−C10アルキル基、C1−C10アル
コキシ基、C6−C10アリール基、C6−C10アリ
ールオキシ基、C2−C10アルケニル基、C7−C
40アリールアルキル基、C7−C40アルキルアリー
ル基又はC8−C40アリールアルケニル基であり、R
16及びR17は同一でもよく又は異なっていてもよい
中心原子M1と共にサンドイッチ構造を形成することが
できる単環式又は多環式炭化水素基であり、R18は
−、−S−、=SO、=SO2、=NR19、=CO、
=PR19又は=P(O)R19(式中、R19、R
20及びR21は同一でもよく又は異なっていてもよい
水素原子、ハロゲン原子、C1−C10アルキル基、C
1−C10フルオロアルキル基、C6−C10フルオロ
アリール基、C6−C10アリール基、C1−C10ア
ルコキシ基、C2−C10アルケニル基、C7−C40
アリールアルキル基、C8−C40アリールアルケニル
基又はC7−C40アルキルアリール基であるか、ある
いはR19及びR20、又はR19及びR21はそれぞ
れの場合それらと結合している原子と共に環を形成し、
そしてM2は珪素、ゲルマニウム又はスズである)であ
り、M1及び置換基R16−R17によって形成される
メタロセン分子の一部はC1対称性であるか、あるいは
R16及びR17が同じであるならば、メソ形である。
又は分枝鎖アルキルを意味する。
アリール又はアルキル基によって置換されてもよい。
I、ポリシクロオレフィンの混合物又は高濃度溶液中で
行うのが好ましい。
学的に均質な」シクロオレフィン共重合体の製造方法で
は、式I、II、III、IV、V又はVIの少なくと
も1種のポリシクロオレフィン、好ましくは式I又はI
IIのうち1種のポリシクロオレフィンを重合する。
(式中、R9、R10、R11及びR12は、同一でも
よく又は異なっていてもよい水素原子又はC1−C8ア
ルキル基である)の非環式オレフィンが好ましい。エチ
レン又はプロピレンが好ましい。適当である場合には、
式VII(式中、nは2−10の数である)のモノシク
ロオレフィンもさらに使用する。
式I及びIII)と非環式オレフィンIIIの共重合体
を製造する。
ボルネン及びテトラシクロドデセンであり、これらは
(C1−C6)アルキルで置換されていてもよい。これ
らはエチレンと共に共重合するのが好ましく、エチレン
/ノルボルネン共重合体が特に重要である。
ィン及び開鎖オレフィンはまた、特定のタイプの2種以
上のオレフィンの混合物を意味するものと考える。これ
は多環式二元共重合体の他に、三元及び多元共重合体も
製造することができることを意味する。
プ、ロッド及び繊維のような押し出し部材の製造、並び
にまたいかなる形及び大きさの射出成型品の製造にも非
常に適している。
の大きな利点は、製造が非常に容易であり、非極性溶剤
に対する安定性が非常に大きいことである。しかしなが
ら、他のランダムシクロオレフィン共重合体に公知の有
利な特性、例えば加水分解安定性、低吸水性及び耐候性
は維持している。
の結晶化度は、0.1−50%、好ましくは2−40%
である。
sai、X−Ray Diffraction by
Polymers、Elsevier、アムステルダ
ム、1972年参照)に記載の放射線透過写真法によっ
て測定することができる。
I−VIの1種のみのポリシクロオレフィン、及び式V
IIの少なくとも1種のモノシクロオレフィン又は式V
IIIの少なくとも1種の非環式オレフィンよりなるの
が好ましい。ポリシクロオレフィンのブロックは重合体
分子内に存在しない。限られた場合において、ポリシク
ロオレフィン並びにオレフィンVII及び/又はVII
Iを分子内で規則的にかつ交互に配列させる。
のような1−オレフィンを、式VIIIの非環式オレフ
ィンとして用いるのが特に好ましい。共重合体が等モル
量のノルボルネン及びエチレンよりなるならば、2種の
モノマー分子を重合体中に規則的にかつ交互に配列する
のが特に好ましい。
ラミック又はアラミドの繊維である。光を透過しない高
強度の材料をこの方法で製造することができる。経済的
な理由のため、強化用にガラス繊維を用いると都合がよ
い。用いるシクロオレフィン共重合体が透明であり、共
重合体とガラス繊維の屈折率が一致するならば、透明な
繊維強化シクロオレフィン重合体材料が得られる。屈折
率の差が大きすぎたり、用いるシクロオレフィン共重合
体の結晶化度が大きすぎる、すなわち、もはや透明でな
いならば、繊維強化シクロオレフィン共重合体材料もま
た透明ではない。しかしながら、透明性は多くの使用目
的には重要ではない。本発明による材料は通常、グラニ
ュールにさらに加工する。長繊維で強化した材料はパイ
プの巻き付けに用いることができる。
ィン共重合体(=「COC」)は部分的に結晶質であ
り、従って、融点を有する。溶融物は融点の上約10−
20K、すなわち、約295−310℃で加工すること
ができる。繊維材料を、例えば、溶融物に配合すること
ができる。
を有し、ガラス転移温度の上約170K(約350℃)
まで加工することができない。
%の部分結晶化度まで透明である。これらは20−40
%の部分結晶化度でしだいに不透明になる。結晶化度は
溶融物から急冷することによって減少させることができ
る。対称モノマー分子を使用すること、モノマーの数を
減少させること、及びCOCの合成中に等モル比へ近づ
けることで、結晶化に向かう傾向が高まる。ポリシクロ
オレフィンとしてメチル−ノルボルネンから誘導された
COCは、ノルボルネンから誘導された類似のCOCよ
りも、結晶化に向かう傾向が低い。
ることができるCOCは、式I−VIのモノマーを含ん
で成るブロック(「ノルボルネンブロック」)を特に含
まない。一般に、式I−VIのポリシクロモノマーの次
に、式VII及び/又はVIIIの少なくとも1種のモ
ノマーがくる。
503 422によるCOCに配合すると、延性(例え
ば、破断点伸び)がガラス転移温度の上の温度で増加す
る。この効果は、少なくとも20%の結晶化度を有する
部分的に結晶質の重合体にのみ知られているが、「化学
的に均質な」COCでは、これは著しくより低い結晶化
度(少なくとも5%)のものですでに生じている。本発
明の繊維強化材料は、非晶質COCよりなるEP 45
1 858の繊維強化材料よりもすぐれている。このこ
とはそれ自体、EP 503422によるCOCよりも
熱変形点が高く、熱可塑性加工性が改良されていること
を明示している。
がガラス繊維で著しく強化することができるという意外
な事実は、おそらく、これらの加工後の収縮が非常に小
さく、従って、ガラス繊維が重合体マトリックスから分
離しないためである。これによってよりすぐれた形状接
着が得られる。
ng rate)で説明され、これはDIN 5346
4に従って測定される。化学的に均質なシクロオレフィ
ン共重合体の加工率は0.4%未満である。
レフィン重合体の機械的性質は、熱で後処理することに
よって及び/又は適当な成核剤を用いることによって著
しく改良することができる。
ラス繊維の含有率は、好ましくは10−90重量%、特
に50−75重量%である。
共重合体を製造するには、上で詳しく定義した化学的に
均質なシクロオレフィン共重合体の溶融物を、好ましい
含有量の強化用繊維と混合する。
を機械的荷重から保護し、そしてガラスのストランドを
互いにゆるくつなぐサイズ剤が含まれる。
11によれば、フィルム形成用重合体及び潤滑剤、並び
に、必要ならば接着促進剤及び他の添加剤である。加工
助剤を含む反応生成物のように、フィルム形成用重合体
は水性媒質中に分散性、可溶性又は乳化性である。サイ
ズ成分の水性化学物質の組み合わせ中の水の含有量は、
これらがガラス繊維上で効果的な固体含有量となるよう
にする。
わせは、カットガラス繊維又は連続ガラス繊維のどのよ
うな製造方法にも用いることができる。例えば、これ
は、繊維を束にし、形成工程の間に直接カットする、又
は化学的に処理したガラス繊維を束若しくはストランド
にし、巻き取りそしてその後でのみカットする湿式カッ
ティング操作に用いることができる。
料の場合、(極性)ガラス繊維の非極性重合体への接着
がときには不十分であり、そのため成形品の機械抵抗性
が最適なものとならないという問題が生じる。従って、
よりよい結合を得るために接着促進剤がすでに用いられ
ている。これらの接着促進剤は、サイズ成分の水性化学
物質の組み合わせで処理する際に、又は接着促進剤の溶
液で別に処理にすることよって、ガラス繊維に施され
る。
入することも可能である。この方法は、溶液処理する必
要がないという利点を有する。接着促進剤はまた、他の
添加剤でもそうであるように、希釈の原理を用いるマス
ターバッチを製造することによって、複合材料にうまく
配合することもできる。
化した化学的に均質なシクロオレフィン共重合体を製造
する本発明の方法においても有利である。本発明では、
重合体溶融物を接着促進剤に加えても、又はガラス繊維
に接着促進剤を塗布してもよい。
リリルシラン、アミノシラン、エポキシシラン及びメタ
クリレート/塩化クロム複合体よりなる群から選ぶこと
ができる。
ましく、シクロオレフィン共重合体を官能化する有機接
着促進剤が特に好ましい。官能化された「化学的に均質
な」シクロオレフィン共重合体はここでは接着促進剤と
して有利に用いられる。
レフィン共重合体は「化学的に均質な」シクロオレフィ
ン共重合体に極性モノマーをグラフトすることによって
製造するのが好ましい。グラフトに用いる極性モノマー
はα,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン
酸誘導体、オレフィン性不飽和でかつ加水分解可能な基
を有する有機珪素化合物、ヒドロキシル基を有するオレ
フィン系不飽和化合物、及びオレフィン系不飽和エポキ
シモノマーよりなる群から選ぶと特に有利である。言う
までもなく、「化学的に均質な」シクロオレフィン共重
合体から誘導されたものではない、類似のグラフト重合
体はすでに知られている。
な」シクロオレフィン共重合体に極性モノマーをグラフ
トすることによって製造される接着促進剤に関する。
は、下記の(イ)及び(ロ)成分: イ) 50−99.9重量%の、(a)式I−VIで表
される少なくとも1種のポリシクロオレフィン、並びに
(b−1)式VIIで表される1種のモノシクロオレフ
ィン及び/又は(b−2)式VIIIで表される少なく
とも1種の非環式オレフィンから製造されるシクロオレ
フィン共重合体であって、それぞれの場合において、用
いられる式I−VIで表されるポリシクロオレフィンの
モノマー単位は重合体分子内でモノシクロオレフィンV
IIのモノマー単位及び/又は非環式オレフィンVII
Iのモノマー単位によって分離されているもの、及び ロ) 0.1−50重量%のグラフトした極性モノマー
を含んで成る。
は0.01−50重量%である。使用するガラスには特
に条件はない。ガラス繊維は、60−68重量%のSi
O2、23−29重量%のAl2O3及び8−12重量
%のMgOよりなる、屈折率が1.50−1.56のア
ルミノ珪酸マグネシウムでできているのが好ましい。配
合する繊維材料は通常、平均繊維長さが0.0001−
7mm、特に0.1−2mmである。
し、そしてノルボルネンの85重量%濃度のトルエン溶
液17.6リッター及びデカリン12.4リッターを導
入した。エチレン(6バール)を数回圧入することによ
って、溶液をエチレンで飽和させた。圧力を3.0バー
ル(加圧)にし、メチルアルミノキサンのトルエン溶液
950cm3(氷点測定による分子量が1300g/m
olのメチルアルミノキサン10.1重量%)を反応器
に導入し、混合物を70℃で15分間撹拌した。15分
間予備活性化した後、メチルアルミノキサンのトルエン
溶液80cm3中にイソプロピレン(9−フルオレニ
ル)(1−(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド157mgを含む溶液を加えた
(分子量を調整するため、触媒を加える前に水素を計り
入れてもよい)。撹拌しながら(毎分750回転)、重
合を70℃で30分間行ない、エチレン圧はトッピング
・アップすることによって3.0バールに保った。次
に、反応溶液を、予め200mlのイソプロパノールを
停止剤として導入してある第2反応器へ導入した。この
ようにして停止させた反応溶液を沈殿反応器へ排出し、
ここで200リッターのアセトンを入れて撹拌した。次
に、この沈殿浴を吸引濾過上に移して、沈殿した固体を
単離した。この固体をアセトンで数回以上洗浄し、0.
2バールの圧力下で14時間、80℃で乾燥した。
測定したところ、粘度数(デカリン、135℃)が75
cm3/g、ガラス転移温度が137℃及び融点が28
7℃であった。NMRスペクトルによると、ノルボルネ
ン/エチレン配合率はノルボルネン約50モル%対エチ
レン約50モル%である。このシクロオレフィン共重合
体を以後COC−A1と記す。
し、そしてノルボルネンの85重量%濃度のトルエン溶
液17.6リッター及びデカリン12.4リッターを導
入した。エチレン(6バール)を数回圧入することによ
って、溶液をエチレンで飽和させた。圧力を6.0バー
ル(加圧)にし、メチルアルミノキサンのトルエン溶液
950cm3(氷点測定による分子量1300g/mo
lのメチルアルミノキサンの10.1重量%)を反応器
に導入し、そして混合物を70℃で15分間撹拌した。
15分間予備活性化した後、メチルアルミノキサンのト
ルエン溶液40cm3中にジフェニルメチレン(9−フ
ルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロ
ライド75mgを含む溶液を加えた(分子量を調整する
ため、触媒を加える前に水素を計り入れてもよい)。撹
拌しながら(毎分750回転)、重合を70℃で30分
間行ない、エチレン圧はトッピング・アップすることに
よって6.0バールに保った。次に、反応溶液を、予め
200mlのイソプロパノールを停止剤として導入して
ある第2反応器へ導入した。このようにして停止させた
反応溶液を沈殿反応器へ排出し、ここで200リッター
のアセトンを入れて撹拌した。次に、この沈殿浴を吸引
濾過上に移して、沈殿した固体を単離した。この固体を
アセトンで数回以上洗浄し、0.2バールの圧力下で1
4時間、80℃で乾燥した。
転移温度は181℃であり、そして粘度数(135℃の
デカリン中で測定)は108であった。重合体は46重
量%のエチレン及び54重量%のノルボルネンからな
り、これらは重合体中にランダムに分布している。
化) COC−A1を30重量%のガラス繊維と共に押出機で
押し出し、グラニュールに加工した。押出温度は260
−300℃であった(押出機の加熱帯域ごとに温度は異
なる)。重合体溶融物の脱蔵のために100ミリバール
の真空にした。使用したガラス繊維は繊維ガラスロービ
ングP365(VETROTEXの市販品;ドイツ、ヘ
ルツォーゲンラート)であった。ガラス繊維の呼称フィ
ラメント直径(DIN 53811)は14μmであ
り、ロービング繊度(DIN 53830)は2400
texであり、そしてストランド繊度(DIN 538
30)は300texである。30重量%のガラス繊維
が添加されたCOC−Alの無色のグラニュールが得ら
れた。
C−A2を製造するには、押出温度を310−350℃
に上げなければならなかった。他の条件は、ガラス繊維
が添加されたCOC−A1の上記押出条件と一致する。
350℃はCOCにとってすでに高い方の加工温度なの
で、この粒状化の際にすでに重合体は損なわれ、グラニ
ュールは黄色に著しく着色した。
づけられる。加工温度でのMFI(DIN 5373
5)が高くなるほど、重合体溶融物の粘度は低くなりそ
して材料は押出及び射出成型によって加工しやすくな
る。従って、得られたグラニュールについてMFIを測
定した。測定値を、他のガラス繊維添加シクロオレフィ
ン共重合体の比較値と共に、表1に示す。
複合材料がすぐれた熱可塑性加工性を有することを示し
ている。
成形によって標準試験試料を製造した。これらの標準試
験試料のHDT−BをDIN 53461に従って測定
した。測定値を表2に示す。
シクロオレフィン共重合体は、シクロオレフィン共重合
体をベースにした相当する複合材料COC−A2より
も、熱変形点が著しく高いことが分かる。
OC−A2(それぞれ30重量%のガラス繊維)並びに
ガラス繊維非添加COC−A1から射出成形によって標
準試験試料を製造した。引張応力試験によって、これら
についての機械的性質を測定した。機械的性質の測定は
室温及び210℃で行った。相当する値を表3、4、5
及び6に示す。
質な重合体に導入することによって重合体の機械的性質
が著しく改良されることが分かる。ガラス繊維を加えた
COC−A1の210℃での剛性がすぐれていること
は、特に明らかである。
質な共重合体の機械的性質が、ガラス繊維を含有するラ
ンダムシクロオレフィン共重合体の機械的性質よりも著
しくすぐれていることが分かる。
学的に均質なシクロオレフィン共重合体のみで、180
℃より高い熱変形点(HDT−B)、高い剛性のような
良好な機械的性質、そして同時に良好な加工性を認める
ことができることを示している。
テロン社、ドイツ、オッフェンバッハ)を用いて、引き
裂強さ、すなわち、標準張力試料が破断する引張応力、
及び破断点伸び、すなわち、最大伸び率をDIN 53
455に従って測定した。E弾性率(弾性)はDIN
53457に従って、引っ張り応力−伸び曲線から計算
する。熱変形点HDT−Bは、DIN 53461に従
って測定した。MFIはDIN 53735に従って測
定した。粘度数はDIN 53726に従って測定し
た。
0.34実験室用押出機(ライストリッツ社、ドイツ、
ニュールンベルグ)を用いて製造した。
KM 90−210 B射出成形機(クラウス マッフ
ェイ クンストストッフテクニック社、ドイツ、デュッ
セルドルフ)を使用して射出成形することによって製造
した。
Claims (17)
- 【請求項1】 1−99重量%の強化用繊維及び99−
1重量%のシクロオレフィン共重合体を含んで成る繊維
強化シクロオレフィン重合体材料であって、シクロオレ
フィン共重合体は、(a)式I−VI: 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及
びR8は、同一でもよく又は異なっていてもよい水素原
子又はC6−C16アリール基若しくはC1−C8アル
キル基である)で表される少なくとも1種のポリシクロ
オレフィン、並びに(b−1)式VII: 【化2】 (式中、nは2−10の数である)で表されるモノシク
ロオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィ
ン、及び/又は(b−2)非環式オレフィンVIIIの
群: 【化3】 (式中、R9、R10、R11及びR12は同一でもよ
く又は異なっていてもよい水素原子又はC1−C8アル
キル基である)から製造されたものであり、 シクロオレフィン共重合体分子中、式I−VIで表され
るポリシクロオレフィンのモノマー単位がそれぞれの場
合において、式VIIで表されるモノシクロオレフィン
のモノマー単位及び/又は式VIIIの非環式オレフィ
ンのモノマー単位によって分離されている前記重合体材
料。 - 【請求項2】 式I−VIのただ1種のポリシクロオレ
フィン及び式VIIの少なくとも1種のモノシクロオレ
フィン又は式VIIIの少なくとも1種の非環式オレフ
ィンが重合体分子中に存在する、請求項1の材料。 - 【請求項3】 ポリシクロオレフィンとしてノルボルネ
ン又はテトラシクロドデセンが重合体分子中に存在し、
そして非環式オレフィンとして1−オレフィンが重合体
分子中に存在する、請求項1又は2の材料。 - 【請求項4】 重合体分子中に、ノルボルネン又はテト
ラシクロドデセン及びエチレンが規則的に配置されて存
在している、請求項3の材料。 - 【請求項5】 (i)モノマーの全量に基づいて、0.
1−99.9重量%の式I、II、III、IV、V又
はVI: 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及
びR8は同一でもよく又は異なっていてもよい水素原子
又はC6−C16アリール基若しくはC1−C8アルキ
ル基であり、各式中の同じ基が異なる意味を有していて
もよい)で表される少なくとも1種のモノマー、(ii)
モノマーの全量に基づいて、0−99.9重量%の式V
II: 【化5】 (式中、nは2−10の数である)で表されるモノシク
ロオレフィン、及び(iii)モノマーの全量に基づい
て、0−99.9重量%の式VIII: 【化6】 (式中、R9、R10、R11及びR12は同一でもよ
く又は異なっていてもよい水素原子又はC1−C8アル
キル基である)の少なくとも1種の非環式オレフィン
を、−78℃ないし150℃で、0.01−64バール
の圧力にて触媒の存在下、重合することによってシクロ
オレフィン重合体材料を製造し、ここで、該触媒はアル
ミノキサン及びメタロセンを含んで成り:該アルミノキ
サンは、線状タイプの場合は式IXで表され 【化7】 及び/又は環式タイプの場合は式Xで表され 【化8】 (式IX及びX中、R13基は同一でもよく又は異なっ
ていてもよいC1−C6アルキル基又はフェニル基若し
くはベンジル基であり、nは0−50の整数である)該
メタロセンは、式XIで表される、 【化9】 [式中、 M1はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ又はタンタルであり、 R14及びR15は同一でもよく又は異なっていてもよ
い水素原子、ハロゲン原子、C1−C10アルキル基、
C1−C10アルコキシ基、C6−C10アリール基、
C6−C10アリールオキシ基、C2−C10アルケニ
ル基、C7−C40アリールアルキル基、C7−C40
アルキルアリール基又はC8−C40アリールアルケニ
ル基であり、 R16及びR17は同一でもよく又は異なっていてもよ
い中心原子M1と共にサンドイッチ構造を形成すること
ができる単環式又は多環式炭化水素基であり、R18は 【化10】 =BR19、=AlR19、−Ge−、−Sn−、−O
−、−S−、=SO、=SO2、=NR19、=CO、
=PR19又は=P(O)R19 (式中、R19、R20及びR21は同一でもよく又は
異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、C1−C
10アルキル基、C1−C10フルオロアルキル基、C
6−C10フルオロアリール基、C6−C10アリール
基、C1−C10アルコキシ基、C2−C10アルケニ
ル基、C7−C40アリールアルキル基、C8−C40
アリールアルケニル基又はC7−C40アルキルアリー
ル基であるか、あるいはR19及びR20、又はR19
及びR21はそれぞれの場合それらと結合している原子
と共に環を形成し、そしてM2は珪素、ゲルマニウム又
はスズである)であり、 M1及び置換基R16−R17によって形成されるメタ
ロセン分子の一部はC1対称性であるか、あるいはR
16及びR17が同じであるならば、メソ形である]請
求項1の材料。 - 【請求項6】 強化用繊維がガラス繊維を含んで成る、
請求項1又は3の材料。 - 【請求項7】 強化用繊維が炭素、金属、セラミック又
はアラミドである、請求項1の材料。 - 【請求項8】 用いるシクロオレフィン共重合体が透明
である、請求項1の材料。 - 【請求項9】 用いるシクロオレフィン共重合体が透明
ではない、請求項1の材料。 - 【請求項10】 ガラス繊維の含有率が10−90重量
%であり、シクロオレフィン共重合体の含有率が90−
10重量%である、請求項6の材料。 - 【請求項11】 請求項1−10のうちの1つの材料か
ら得られる成形品。 - 【請求項12】 シクロオレフィン共重合体の溶融物を
1−99重量%の強化用繊維と混合する繊維強化シクロ
オレフィン重合体材料の製造方法であって、 (a)式I−VIの少なくとも1種のポリシクロオレフ
ィン並びに(b−1)式VIIのモノシクロオレフィン
の群から選ばれた少なくとも1種のオレフィン及び/又
は(b−2)式VIIIの非環式オレフィンの群のシク
ロオレフィン共重合体を使用することを含んで成り、そ
れぞれの場合において、用いられる式I−VIのポリシ
クロオレフィンのモノマー単位は重合体分子内でモノシ
クロオレフィンVII及び/又は非環式オレフィンVI
IIのモノマー単位によって分離されている、上記の方
法。 - 【請求項13】 屈折率が1.50−1.56のガラス
繊維を強化用繊維として用いる、請求項12の方法。 - 【請求項14】 ガラス繊維に接着促進剤を塗布し、次
ぎにシクロオレフィン共重合体の溶融物と混合する、請
求項13の方法。 - 【請求項15】 接着促進剤をシクロオレフィン共重合
体の溶融物に加える、請求項14の方法。 - 【請求項16】 官能化シクロオレフィン共重合体を接
着促進剤として用いる、請求項14又は15の方法。 - 【請求項17】 下記の(イ)及び(ロ)成分を含んで
成るガラス繊維用の接着促進剤: イ) 50−99.9重量%の、(a)式I−VIで表
される少なくとも1種のポリシクロオレフィン、(b−
1)式VIIで表される1種のモノシクロオレフィン及
び/又は(b−2)式VIIIで表される少なくとも1
種の非環式オレフィンから製造されるシクロオレフィン
共重合体であって、それぞれの場合に、用いられる式I
−VIで表されるポリシクロオレフィンのモノマー単位
は重合体分子内でモノシクロオレフィンVII及び/又
は非環式オレフィンVIIIのモノマー単位によって分
離されているもの、及び ロ) 0.1−50重量%のグラフトした極性モノマ
ー。
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