JPH06150741A - 透明導電膜の形成方法 - Google Patents

透明導電膜の形成方法

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JPH06150741A
JPH06150741A JP4293295A JP29329592A JPH06150741A JP H06150741 A JPH06150741 A JP H06150741A JP 4293295 A JP4293295 A JP 4293295A JP 29329592 A JP29329592 A JP 29329592A JP H06150741 A JPH06150741 A JP H06150741A
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transparent conductive
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tin oxide
solution
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Takashi Sagane
孝志 砂金
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スズのアルコキシドの溶液を基板に塗布し、
次いで熱処理することによる酸化スズ系透明導電膜を製
造する方法において、溶液が一般式 Sn(OR)nCl4-n (ただし、Rはアルキル基を表し、nは2≦n≦4であ
る。)で表されるスズのアルコキシド、三塩化アンチモ
ンなどのアンチモン化合物およびフッ化第一スズなどの
フッ素化合物を含むアルコール性溶液であることを特徴
とする酸化スズ系透明導電膜の製造方法。 【効果】 本発明の方法によると、ディップコート法あ
るいはスピンコート法といった簡便な方法で高い導電率
と可視光透過率を有する透明導電膜を形成することがで
きるという効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示素子や太陽電池の
透明電極、防曇ガラス、ガラス面ヒーター、静電遮蔽
板、熱線反射ガラスなどに用いられる酸化スズ系の透明
導電膜を耐熱性基板上に形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化スズ系の透明導電膜はアンチ
モンあるいはフッ素などの不純物をドープして導電性の
改良を図ってきた。たとえば、アンチモンドープ酸化ス
ズ系透明導電膜は、水などの溶媒に塩化第二スズと三塩
化アンチモンを溶解した溶液を加熱されたガラス表面に
スプレー塗布することにより形成する方法が知られてい
る。
【0003】また、フッ素ドープ酸化スズ系透明導電膜
では、同様に水などの溶媒に塩化第二スズとフッ化アン
モニウム、フッ化水素、酸性フッ化アンモニウム等を溶
解した溶液を加熱されたガラス表面にスプレー塗布する
ことにより形成する方法が知られている。
【0004】これらのアンチモンまたはフッ素をドープ
された酸化スズ系透明導電膜はそれぞれについて各種の
方法および製膜条件が検討されてきたが、一つの方向と
してアンチモンとフッ素を同時に含有させる方法が提案
されている。
【0005】例えば、アンチモンとフッ素を同時に含有
した酸化スズ系透明導電膜については、特開昭58─3
0005号公報明細書に、有機スズ化合物を含むガスと
酸素を含むガスとフッ素化合物を含むガスとアンチモン
化合物を含むガスとの混合ガスから基板表面に堆積させ
ることにより形成する方法が開示され、また、特開平4
─33213号公報明細書にはスズ化合物とアンチモン
およびフッ素を含む溶液を加熱された基板表面にスプレ
ー塗布することにより形成する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】酸化スズ膜を形成する
方法には、スパッタリング法、CVD法、スプレー法、
ディップコート法、スピンコート法、印刷法など各種の
方法があり、対象とする基板、目的とする膜物性に応じ
て選択されている。
【0007】これらのうち、ディップコート法およびス
ピンコート法は平滑性の高い高品質の膜を与える方法と
して知られている。ところが、ディップコート法または
スピンコート法によりアンチモンとフッ素を同時にドー
プした酸化スズ系透明導電膜を作成する場合、水溶媒を
もちいると塗布溶液と基板のなじみが悪く、はじき、ガ
ラス表面の浸食などにより均一な膜ができず、また、水
以外の溶媒を用いるとフッ素含有化合物が溶液に充分溶
解せず、したがって、充分な導電率の改善がなされない
という問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スズアル
コキシドの有機溶媒溶液を室温で基板に塗布し、次いで
熱処理することによる、導電率が高く平滑性に優れたア
ンチモンとフッ素を同時に含有した酸化スズ系透明導電
膜を形成する方法を検討したところ、溶媒として特定の
アルコールを用い、また、特定のフッ素化合物を使用し
た場合にフッ素の溶解度が高く、したがって、製膜した
場合に導電率の向上が見られることを見出し、本発明を
完成した。
【0009】すなわち、本発明は、スズのアルコキシド
の溶液を基板に塗布し、次いで熱処理することにより酸
化スズ系透明導電膜を製造する方法において、溶液が一
般式 Sn(OR)nCl4-n (ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表し、n
は2≦n≦4である。)で表されるスズのアルコキシ
ド、アンチモン化合物およびフッ素化合物を含むアルコ
ール性溶液であることを特徴とする酸化スズ系透明導電
膜の製造方法である。
【0010】本発明において使用されるアンチモン化合
物としては、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三
フッ化アンチモン、五フッ化アンチモンなどのハロゲン
化アンチモン、一般式 Sb(OR)m3-m (ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基、Xはハロ
ゲンを表し、m は1≦m≦3である。)または一般式 Sb(OR)m5-m (ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基、Xはハロ
ゲンを表し、m は1≦m≦5である。)で表されるアン
チモンアルコキシド、オキシ塩化アンチモン、三酢酸ア
ンチモンなどが例示できる。
【0011】また、フッ素化合物としては、フッ化第一
スズ、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、
三フッ化アンチモン、五フッ化アンチモンなどが例示で
きる。これらのうち、フッ化第一スズ、三フッ化アンチ
モン、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウムな
どが好ましい。
【0012】塗布溶液中のスズの濃度は、0.1〜0.
8モル/Lが好ましい。0.1モル/Lよりも濃度が低
い場合1回の塗布での膜厚が薄くなり、また、0.8モ
ル/L以上では得られた膜にクラックが入るために好ま
しくない。
【0013】塗布溶液中のSb/Sn原子比は、1/9
9〜10/90で低い抵抗値の膜が得られるが、Sbの
比率が大きくなるにつれて膜が青みを帯びてくるため、
透過率の良い膜を得るにはSb/Sn原子比は、1/9
9〜7/93が好ましい。
【0014】塗布溶液中のF/Sn原子比は、フッ素化
合物の溶解度が小さいことから、1/99〜30/70
である。溶媒は、これらの化合物を良く溶解するものが
適しており、アルコール、ケトン、ハロゲン化炭化水
素、炭化水素などが可能であるが、本発明の効果を有効
に発現するには溶解度および得られた膜の平滑性の点か
らアルコール類が好ましく、特に、n−プロパノール、
i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノー
ル、t−ブタノール、アミルアルコール類などの炭素数
3〜5のものが好ましい。
【0015】また、アルコキシドの安定剤としてアミン
類を添加することが好ましいが、特にエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アミノアルコール類が好ましい。
【0016】これらの溶液をスピンコート法あるいはデ
ィップコート法により基板に塗布し、つぎに熱処理する
ことで不純物のドープされた酸化スズの結晶を成長させ
ることにより多結晶酸化スズ系薄膜を形成する。膜厚を
厚くし、表面抵抗率を小さくするためには、重ね塗りを
行えばよい。熱処理は、大気中で行うかまたは窒素、ア
ルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で行う。熱処
理温度は、高い程低抵抗の膜が得られるが、基板の材質
の軟化点に応じ適宜選択する。たとえば、SiO2アン
ダーコートしたソーダライムガラスの場合、400〜6
50℃で行い、硼珪酸ガラスの場合、400〜750℃
で行う。
【0017】塗布・熱処理は、1回づつ塗布・熱処理を
行い必要回数繰り返すことが可能であるが、あらかじめ
塗布のみを複数回行い、その後熱処理を行うことも可能
である。
【0018】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を説明する。実施例1 スズテトライソプロポキシドのn−ブタノール溶液(S
n濃度、0.30モル/L)にSb/Sn原子比が5/
95になるように三塩化アンチモンを、F/Sn原子比
が10/90になるようにフッ化スズを溶解させ、この
溶液をスピンコート法により硼珪酸ガラス(コーニング
グラスワークス製、#7059、50mmX50mm)
に塗布し、5分間室温で放置、100℃で10分間乾燥
後、大気中600℃で1時間熱処理した。この塗布・乾
燥・熱処理の操作を6回繰り返すことで膜厚3000O
A、550nmでの透過率95%の緻密・平滑な膜が得
られた。表面抵抗率は100Ω/□、体積抵抗率は3.
0X10-3Ωcmであった。実施条件および得られた透
明導電膜の物性を表1に示す。
【0019】実施例2〜10、比較例1〜2 実施例1と同様の手順に従い、スズアルコキシド、アン
チモン化合物、フッ素化合物および溶媒を変更し、また
塗布方法、乾燥・熱処理条件を変えることにより各種の
膜を形成し、得られた透明導電膜の物性を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によると、ディップコート
法あるいはスピンコート法といった簡便な方法で高い導
電率と可視光透過率を有する透明導電膜を形成すること
ができるという効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スズのアルコキシドの溶液を基板に塗布
    し、次いで熱処理することによる酸化スズ系透明導電膜
    を製造する方法において、溶液が一般式 Sn(OR)nCl4-n (ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表し、n
    は2≦n≦4である。)で表されるスズのアルコキシ
    ド、アンチモン化合物およびフッ素化合物を含むアルコ
    ール性溶液であることを特徴とする酸化スズ系透明導電
    膜の製造方法。
  2. 【請求項2】アンチモン化合物が三塩化アンチモン、三
    フッ化アンチモンまたはアンチモントリエトキシドであ
    る請求項1記載の酸化スズ系透明導電膜の製造方法。
  3. 【請求項3】フッ素化合物がフッ化第一スズ、三フッ化
    アンチモンまたはフッ化アンモニウムである請求項1記
    載の酸化スズ系透明導電膜の製造方法。
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