JP2001035273A - 透明導電膜のシート抵抗値の調整方法及び透明導電膜の形成方法 - Google Patents

透明導電膜のシート抵抗値の調整方法及び透明導電膜の形成方法

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JP2001035273A
JP2001035273A JP11208947A JP20894799A JP2001035273A JP 2001035273 A JP2001035273 A JP 2001035273A JP 11208947 A JP11208947 A JP 11208947A JP 20894799 A JP20894799 A JP 20894799A JP 2001035273 A JP2001035273 A JP 2001035273A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板上に形成された透明導電膜のシート抵抗値
を、簡易かつ効率よく、所望のシート抵抗値に調整する
方法、及び所望の抵抗値を有し、高い可視光線透過率、
かつ均一な膜質の導電膜を、簡易かつ歩留り良く形成す
る方法を提供する。 【解決手段】基板上に、直接又はその他の膜を介して透
明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を、所定の
濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理する工程を有する透
明導電膜のシート抵抗値の調整方法、及び基板上に、直
接又はその他の膜を介して透明導電膜を形成する工程
と、前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下
に加熱処理する工程とを有する透明導電膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に、直接又
はその他の膜を介して透明導電膜を形成した後、該透明
導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理を
施すことにより、所定のシート抵抗値に調整する透明導
電膜のシート抵抗値の調整方法、及び透明導電膜の形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スズがドープされた酸化インジウム膜
(ITO膜)、フッ素がドープされた酸化スズ膜(FT
O膜)、アンチモンがドープされた酸化亜鉛膜やインジ
ウムがドープされた酸化亜鉛膜等の透明導電膜は、その
優れた透明性と導電性を利用して、液晶ディスプレイ、
エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発熱体、タ
ッチパネル電極、太陽電池等に広く使用されている。
【0003】これらの透明導電膜は、このように広い分
野で使用されるものであるため、使用目的によって種々
のシート抵抗値及び透明度を有するものが要求される。
例えば、フラットパネルディスプレイ用の透明導電膜の
場合では、低抵抗かつ高透過率のものが、タッチパネル
用の透明導電膜では、高抵抗、高透過率の膜がそれぞれ
要求される。特に近年開発されて市場の伸びが期待され
ているペン入力タッチパネル用の透明導電膜は、高い位
置認識精度が要求されることから、シート抵抗値が20
0〜3000Ω/□といった高抵抗でかつ抵抗値の均一
性に優れた膜であることが求められている。ここで、シ
ート抵抗値は、比抵抗/導電膜の膜厚で求められる値で
ある。
【0004】かかる透明導電膜の抵抗値の均一性を評価
する方法として、リニアリティ試験がある。この方法
は、透明導電膜の向かい合った2辺に銀ペースト等で低
抵抗の電極を作製し、両電極間に1〜10Vの直流電流
を印加する。このとき、両電極の間隔をD、印加電圧を
Vとし、透明導電膜の任意の点について、マイナスの電
極からの距離をd、マイナスの電極とその点の電位差を
vとすると、(d/D−v/V)×100をリニアリテ
ィ値(%)と定義される。
【0005】リニアリティ値は、位置と検出した電位差
から計算した位置とのずれを定義する量であり、文字や
図形を認識する目的で製作されるタッチパネルでは、通
常、リニアリティ値が±2%以内の導電膜が要求されて
いる。
【0006】従来、所望の比抵抗値を有する導電膜を形
成する方法としては、(A)酸処理する方法、(B)光
照射する方法、(C)還元的雰囲気で処理する方法、
(D)酸化的雰囲気で処理する方法、(E)導電膜の膜
厚を変化させる方法、及び(F)ITO膜の成膜方法に
おいて、スズドープ量を変化させる方法等が知られてい
る。
【0007】(A)の酸処理する方法としては、例え
ば、特開昭47−84717号公報には、真空蒸着法に
より酸化インジウムの導電膜を得た後、該膜を酸処理す
ることを特徴とする透明導電膜の製造法が記載されてい
る。この方法は、ガラス基板上に導電膜を成膜後、該基
板を酸で洗浄することによって、高い透過率を有し、か
つ所望の抵抗値を有する透明導電膜を形成するものであ
る。
【0008】(B)の光照射する方法としては、例え
ば、特開昭61−261234号公報には、耐熱基板上
に、インジウム化合物等を含有する有機溶媒液等を塗
布、焼成することにより、酸化インジウム等を含有する
被膜を形成せしめた後、空気を遮断して、30mW/c
2 以上の強度の光を照射する透明導電膜付着基板の製
造方法が記載されている。そしてこのように処理するこ
とによって、電気抵抗の低い透明導電性膜を形成するも
のである。
【0009】また、特開昭63−314714号及び特
開昭63−314715号公報には、基板上に導電膜を
成膜後、該導電膜に、紫外線、可視光線又は赤外線を照
射して、導電膜の抵抗値の調節(調整)する方法が記載
されている。
【0010】(C)の還元的雰囲気下で導電膜を処理す
る方法は、主に導電膜の低抵抗化を目的とする方法であ
り、例えば、以下の方法が知られている。 特開昭60−243280号公報には、有機金属化合
物と有機バインダーと溶媒とを含む透明電極形成液を、
基板に塗布して焼成する透明電極形成方法であって、焼
成の前半を酸素が豊富な雰囲気下で行い、後半を酸素の
乏しい雰囲気下手行う透明電極形成方法が記載されてい
る。この方法は、焼成の前半と後半の酸素濃度を変える
ことによって、有機金属の酸化をコントロールして、低
抵抗の透明電極を形成するものである。
【0011】特開昭61−261236号公報には、
熱分解することにより酸化物系透明導電膜を形成する化
合物溶液を基材に塗布し、200℃以下の温度で乾燥
後、水素を2容量%以下含有する不活性ガス雰囲気中、
500℃以下の温度で該化合物を焼成熱分解する透明導
電膜の形成方法が記載されている。この方法は、不活性
ガス雰囲気下で熱分解焼成することにより、酸化による
高抵抗化を抑制し、かつ高い透明度の導電膜を形成する
ものである。
【0012】さらに、特開昭63−164117号公
報には、有機インジウム化合物と有機錫化合物とを溶媒
に溶解した塗布液を基板上に塗布し、上記有機化合物を
熱分解した後、0.6体積%以上の水分を添加した雰囲
気中で熱処理し、還元的雰囲気中で加熱し、還元する透
明導電膜の形成方法が記載されている。
【0013】(D)の酸化的雰囲気で処理する方法とし
ては、例えば、特開平46−86730号公報には、
真空蒸着法によりガラス基板へ透明な導電膜を被覆する
方法において、室温にてガラス基板に真空蒸着法により
酸化インジウムに対し、重量で10〜40%の酸化第2
スズを含む被膜を形成せしめ、次いで該基板を酸素雰囲
気中で300〜600℃で加熱処理することにより酸化
させる、透明導電性ガラスの形成方法が記載されてい
る。この方法により、可視光線透過率75%以上、面積
抵抗値1kΩ/□〜100Ω/□の透明導電性ガラスを
形成することができる。
【0014】また、特開平6−135742号公報及
び特開平224374号公報には、スズのドープ量を、
インジウムに対して0.05〜2.0%又は10〜40
%で成膜し、酸素雰囲気にて200℃以上に加熱処理す
るITO膜の成膜方法、及び該加熱処理後、さらに酸素
雰囲気下で冷却するITO膜の成膜方法が記載されてい
る。これらの方法によれば、200〜3000Ω/□の
比較的高抵抗を有し、かつリニアリティ値が2%以内の
均一性に優れたITO膜を得ることができる。
【0015】(E)の方法は、従来からもっとも普通に
行われている方法である。シート抵抗値=比抵抗/膜厚
であるから、シート抵抗値の低い導電膜を得るために
は、一般的に、厚い膜厚の導電膜を形成せればよく、逆
にシート抵抗値の高い導電膜得るには薄い膜厚の導電膜
を形成しなければならないことになる。
【0016】さらに、(F)のスズドープ量を変化させ
てITO膜の抵抗値をコントロールする方法としては、
前記特開平6−135742号公報及び特開平2243
74号公報に記載された方法が知られている。これらの
方法は、一定量のスズを酸化インジウム中にドープさせ
ることにより、高い抵抗値を有するITO膜を成膜する
ことができるものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記した方法のうち、
(A)の方法は、酸により導電膜表面がダメージを受け
るおそれがあり、また、酸による洗浄後、精製水で洗浄
し、乾燥する工程がさらに必要となり、処理操作が煩雑
となる。
【0018】また、(B)の方法は、オゾンの発生によ
る酸化反応を引き起したり、光照射装置を別途必要とす
る。
【0019】(D)の酸化的雰囲気で処理する方法は、
導電膜を高抵抗化するには都合が良いが、低抵抗の導電
膜を得たい場合には適さない。また、高抵抗の導電膜を
得たい場合であっても、酸素濃度や焼成温度等の小さな
変化により抵抗値が高くなり過ぎたりする場合があり、
所望の抵抗値を有する導電膜を形成するのが難しい。
【0020】また、(E)の導電膜の膜厚を変化させる
方法は、ITO膜の膜厚を変化させるだけで所望の比抵
抗を有する導電膜を形成することができる簡便な方法で
ある。しかしながら、抵抗値を下げたい場合には膜厚を
厚くする必要があり、膜厚を厚くするのにも限界があ
り、均一かつ高い可視光線透過率を有する透明導電膜を
形成するのが困難な場合がある。一方、抵抗値を上げた
い場合、例えば、200〜3000Ω/□のシート抵抗
値を有する導電膜を得たい場合には、膜厚を1nm〜3
0nm程度にする必要があるが、この場合には、膜厚が
薄いため膜厚を均一にコントロールするのが困難であ
る。
【0021】さらに、(F)のITO膜の成膜方法にお
いて、スズドープ量を変化させる方法は、主に高抵抗の
ITO膜を成膜する方法であり、ITO膜の成膜に際
し、酸素雰囲気下で200℃以上の温度での加熱処理と
組み合わせて用いられるものである。
【0022】このように、従来の透明導電膜の形成方法
では、所望の抵抗値、特に100〜3000Ω/□とい
った比較的高抵抗で、かつ均一性に優れた透明導電膜を
形成することが困難であった。
【0023】本発明は、かかる実状に鑑みてなされたも
のであり、基板上に形成された透明導電膜のシート抵抗
値を、簡易かつ効率よく、所望のシート抵抗値に調整す
る方法、及び高い可視光線透過率、かつ均一な膜質の導
電膜を、簡易かつ歩留り良く形成する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、
本発明者らは鋭意検討した結果、基板表面に形成された
透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処
理することにより、極めて簡便に、該透明導電膜を所望
の抵抗値に調整できることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0025】即ち、本発明は、第1に、基板上に、直接
又はその他の膜を介して透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加
熱処理する工程を有する、透明導電膜のシート抵抗値の
調整方法を提供する。
【0026】前記第1の発明においては、前記透明導電
膜を形成する工程は、スパッター法、電子ビーム法、イ
オンプレーテイング法又は化学的気相成長法(CVD
法)により、透明導電膜を形成する工程を有するのが好
ましい。
【0027】前記透明導電膜を所定の濃度の有機溶剤の
存在下に加熱処理する工程は、前記透明導電膜を、所定
の濃度の有機溶剤の存在下に、好ましくは、100〜8
00℃、より好ましくは300〜500℃に加熱処理す
る工程を有する。
【0028】前記透明導電膜を所定の濃度の有機溶剤の
存在下に加熱処理する工程は、前記透明導電膜を、所定
の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理することにより、
前記透明導電膜のシート抵抗値を200〜3000Ω/
□に調整する工程を有するのが好ましい。
【0029】また、前記透明導電膜を所定の濃度の有機
溶剤の存在下に加熱処理する工程は、前記透明導電膜を
所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理することによ
り、リニアリティ値が±2%以内の透明導電膜を形成す
る工程を有するのが好ましい。
【0030】本発明は、第2に、基板上に、直接又はそ
の他の膜を介して透明導電膜を形成する工程と、前記透
明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理
する工程とを有する透明導電膜の形成方法を提供する。
【0031】前記第2の発明において、前記透明導電膜
を所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理する工程
は、前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下
に、好ましくは、100〜800℃、より好ましくは3
00〜500℃に加熱処理する工程を有する。
【0032】前記第1及び第2の発明においては、前記
透明導電膜を還元する作用を有する有機溶剤を用いるの
が好ましい。
【0033】また、前記透明導電膜としては、スズがド
ープされた酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素がド
ープされた酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがドー
プされた酸化亜鉛膜及びインジウムがドープされた酸化
亜鉛膜等を好ましく例示することができる。
【0034】さらに、前記基透明導電膜は、膜厚が10
〜25nmの透明導電膜であるのが好ましく、前記基板
としては、ガラス基板を用いるのが好ましい。
【0035】なお、前記第2の発明においては、これら
二つの工程を全く別々に実施することも、又、連続的に
実施することもできる。
【0036】第1の発明の透明導電膜のシート抵抗値の
調整方法によれば、有機溶媒の存在下に加熱処理すると
いう簡便な操作により、該透明導電膜のシート抵抗値を
所望の抵抗値に調整、設定することができる。
【0037】また、第2の発明である透明導電膜の形成
方法によれば、透明導電膜を形成する工程と、前記透明
導電膜を所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理する
工程とを組み合わせることにより、所定の抵抗値を有す
る透明導電膜を、効率良く、極めて簡便に、かつ、均一
な膜質(即ち、リニアリティに優れた)の所望のシート
抵抗値を有する透明導電膜を形成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。第1実施形態 本発明の第1の実施形態は、基板上に直接又はその他の
層を介して形成された透明導電膜を、所定濃度の有機溶
媒の存在下に加熱処理することによって、前記透明導電
膜のシート抵抗値を調整する例である。
【0039】本実施形態では、基板上に、直接又はその
他の膜を介して形成された透明導電膜を用いる。前記基
板としては、後工程である有機溶媒が熱分解を起こす温
度で耐熱性を有するものであれば特に制限はないが、例
えば、ガラス基板、セラミックス基板、金属基板等を挙
げることができる。
【0040】これらのうち、本実施形態ではガラス基板
を用いるのが好ましい。ガラス基板としては、例えば、
ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、
ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウ
ムガラス、ホウケイ酸ガラス等を挙げることができる。
【0041】前記透明導電膜としては、例えば、スズが
ドープされた酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素が
ドープされた酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがド
ープされた酸化亜鉛膜、インジウムがドープされた酸化
亜鉛膜及びアルミニウムがドープされた酸化亜鉛膜等を
挙げることができる。また、前記透明導電膜の膜厚は、
10〜25nm程度であるのが好ましい。
【0042】前記透明導電膜を成膜する方法としては、
基板上に透明導電膜を成膜する方法であれば特に制限は
ないが、例えば、スパッター法、電子ビーム法、イオン
プレーテイング法又は化学的気相成長法(CVD法)等
が挙げられる。
【0043】より具体的には、スパッター法によれば、
金属(インジウム、亜鉛等)及びドープされる金属(ス
ズ、フッ素、フッ素化合物、アルミニウム)の混合物及
び酸素ガス、或いは金属酸化物(酸化インジウム、酸化
亜鉛)を焼結させたもの等をターゲットとして用い、電
子ビーム法やイオンプレーテイング法によれば、金属
(インジウム、亜鉛等)及びドープされる金属(スズ、
フッ素、フッ素化合物、アルミニウム)の混合物及び酸
素ガス、或いは金属酸化物(酸化インジウム、酸化亜
鉛)を焼結させたもの等を蒸発物質として用いることに
より、前記透明導電膜を成膜することができる。
【0044】これら透明導電膜の膜厚は、用途によって
異なるが、一般的には、シート抵抗値が30Ω/□以下
の透明導電膜の場合には、80nm以上であり、シート
抵抗値が60〜200Ω/□程度の透明導電膜の場合に
は、30nm前後であり、シート抵抗値が200〜30
00Ω/□程度の透明導電膜の場合には、通常10〜2
5nm程度である。
【0045】本実施形態は、ITO膜を形成した場合に
好ましく適用することができる。ITO膜は、インジウ
ム化合物及びスズ化合物を成膜原料として形成すること
ができる。該インジウム化合物としては、熱分解して酸
化インジウムになるものが好ましい。かかるインジウム
化合物として、例えば、インジウムトリスアセチルアセ
トナート(In(CH3 COCHCOCH3 3 )、イ
ンジウムトリスベンゾイルメタネート(In(C6 5
COCHCOC6 5 3 )、三塩化インジウム(In
Cl3 )、硝酸インジウム(In(NO3 3 )、イン
ジウムトリイソプロポキシド(In(OPri 3 )等
を例示することができる。これらのうち、特にインジウ
ムトリスアセチルアセトナートを好ましく使用すること
ができる。
【0046】また、スズ化合物としては、熱分解して酸
化第2スズになるものを好ましく用いることができる。
かかるスズ化合物として、例えば、塩化第2スズ、ジメ
チルスズジクロライド、ジブチルスズジクロライド、テ
トラブチルスズ、スタニアスオクトエート(Sn(OC
OC7 152 )、ジブチルスズマレエート、ジブチル
スズズアセテート、ジブチルスズビスアセチルアセトナ
ート等を挙げることができる。
【0047】なお、前記インジウム化合物及びスズ化合
物に加えて、第3成分として、Mg、Ca、Sr、Ba
等の周期律表第2族元素、Sc、Y等の第3族元素、L
a、Ce、Nd、Sm、Gd等のランタノイド、Ti、
Zr、Hf等の第4族元素、V、Nb、Ta等の第5族
元素、Cr、Mo、W等の第6族元素、Mn等の第7族
元素、Co等の第9族元素、Ni、Pd、Pt等の第1
0族元素、Cu、Ag等の第11族元素、Zn、Cd等
の第12族元素、B、Al、Ga等の第13族元素、S
i、Ge、Pb等の第14族元素、P、As、Sb等の
第15族元素、Se、Te等の第16族元素等の単体若
しくはこれらの化合物を添加してITO膜を形成するこ
とも好ましい。
【0048】これらの元素の添加割合は、インジウムに
対して、0.05〜20原子%程度が好ましく、添加元
素によって添加割合は異なり、目的とする抵抗値にあっ
た元素及び添加量を適宜選定することができる。
【0049】また、本実施形態においては、前記基板と
前記透明導電膜の間に他の膜を介在させることもでき
る。かかる膜としては、例えば、酸化シリコン膜、有機
ポリシラン化合物から形成されるポリシラン膜、MgF
2 膜、CaF2 膜、SiO2 とTiO2 の複合酸化物膜
等を挙げることができる。
【0050】これらの膜は、例えば、基板としてソーダ
ーガラスを用いる場合のNaイオンの拡散防止の為に形
成される。また、透明導電膜と異なる屈折率、好ましく
は低屈折率の下地膜を形成することによって、反射防止
或いは透明性を向上させるために形成される。これらの
膜は、一般に知られている成膜方法、例えば、スパッタ
ー法、CVD法、スプレー法、ディップ法等により、膜
厚が20〜200nm程度で形成することができる。
【0051】次に、該基板上に形成された透明導電膜を
所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理を行う。ここ
で、加熱温度としては、用いる有機溶剤の種類等により
異なるが、通常100〜800℃、好ましくは300〜
500℃である。
【0052】この工程に用いることができる有機溶媒と
しては、常温で蒸気圧を有し、適当な温度で熱分解する
有機化合物であれば特に制限はない。かかる有機有機溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、アセチルアセ
トン等を挙げることができる。
【0053】これらの有機溶媒の種類及び添加量は、前
記透明導電膜のシート抵抗値の設定値に依存し、透明導
電膜の種類、透明導電膜の膜厚、用いる有機溶媒の種
類、加熱温度、加熱時間等により適宜定めることができ
る。例えば、他の条件を同一にして、より熱分解しやす
い有機溶媒を多量に添加することにより、シート抵抗値
をより低くすることができる。
【0054】この加熱処理は、導電膜を形成した基板を
加熱処理室内に設置した後、所定濃度の有機溶媒を霧化
させて加熱処理室内に導入しながら加熱することにより
行われる。
【0055】加熱温度は用いられる有機溶媒が透明導電
膜中の酸化成分(酸素等)と反応し、自らが酸化される
のに必要な温度以上であれば十分であるが、通常100
〜800℃、より好ましくは、300〜500℃の範囲
の温度に設定する。還元性の有機溶媒を用いる場合、こ
の加熱処理によって透明導電膜は還元され、そのシート
抵抗値は小さくなる。
【0056】以上のようにして、用いる有機溶媒の種
類、添加量及び加熱温度を適宜選択・設定することによ
り、所望のシート抵抗値を有する透明導電膜とすること
ができる。
【0057】従来は、透明導電膜のシート抵抗値を所定
の値に調整すること、特に所定の値にシート抵抗値を所
定の値に低下させることは困難であった。又、例え調整
できたとしても特別な装置を必要としたり、煩雑な処理
工程が必要であった。
【0058】本実施形態によれば、光照射装置や酸洗浄
装置、乾燥装置等の他の特別な装置を必要とせず、ま
た、処理室内を真空系にしたり、不活性ガス雰囲気にす
る必要もなく、有機溶媒を系内に導入して加熱処理すれ
ばよく、簡便かつ効率よく、透明導電膜のシート抵抗値
を所定の値に調整することができる。
【0059】第2実施形態 本発明の第2の実施形態は、基板上に、直接又はその他
の膜を介して、透明導電膜を形成する工程と、前記透明
導電膜を所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理する
工程からなる透明導電膜の形成方法である。
【0060】本実施形態では、先ず、基板上に、直接又
はその他の膜を介して、透明導電膜を形成する。前記基
板としては、後工程である有機溶媒が熱分解を起こす温
度で耐熱性を有有するものであれば特に制限はないが、
例えば、ガラス基板、セラミックス基板、金属基板等を
挙げることができる。
【0061】これらのうち、本実施形態ではガラス基板
を用いるのが好ましい。ガラス基板としては、例えば、
ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、
ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウ
ムガラス、ホウケイ酸ガラス等を挙げることができる。
【0062】前記透明導電膜としては、例えば、スズが
ドープされた酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素が
ドープされた酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがド
ープされた酸化亜鉛膜、インジウムがドープされた酸化
亜鉛膜及びアルミニウムがドープされた酸化亜鉛膜等を
挙げることができる。
【0063】前記透明導電膜を成膜する方法としては、
基板上に透明導電膜を成膜できるものであれば特に制限
はないが、例えば、スパッター法、電子ビーム法、イオ
ンプレーテイング法又は化学的気相成長法(CVD法)
等を挙げることができる。
【0064】より具体的には、スパッター法によれば、
金属(インジウム、亜鉛等)及びドープされる金属(ス
ズ、フッ素、フッ素化合物、アルミニウム)の混合物及
び酸素ガス、或いは金属酸化物(酸化インジウム、酸化
亜鉛)を焼結させたもの等をターゲットとして用い、電
子ビーム法やイオンプレーテイング法によれば、金属
(インジウム、亜鉛等)及びドープされる金属(スズ、
フッ素、フッ素化合物、アルミニウム)の混合物及び酸
素ガス、或いは金属酸化物(酸化インジウム、酸化亜
鉛)を焼結させたもの等を蒸発物質として用いることに
より、前記透明導電膜を成膜することができる。
【0065】これら透明導電膜の膜厚は、用途によって
異なるが、一般的には、シート抵抗値が30Ω/□以下
の透明導電膜の場合には、80nm以上であり、シート
抵抗値が60〜200Ω/□程度の透明導電膜の場合に
は、30nm前後であり、シート抵抗値が200〜30
00Ω/□程度の透明導電膜の場合には、10〜25n
m程度である。
【0066】本実施形態においては、前記透明導電膜は
ITO膜であるのが特に好ましい。ITO膜は、インジ
ウム化合物及びスズ化合物を成膜原料として形成するこ
とができる。該インジウム化合物としては、熱分解して
酸化インジウムになるものが好ましい。かかるインジウ
ム化合物として、例えば、インジウムトリスアセチルア
セトナート(In(CH3 COCHCOCH3 3 )、
インジウムトリスベンゾイルメタネート(In(C6
5 COCHCOC6 5 3 )、三塩化インジウム(I
nCl3 )、硝酸インジウム(In(NO3 3 )、イ
ンジウムトリイソプロポキシド(In(OPri 3
等を例示することができる。これらのうち、特にインジ
ウムトリスアセチルアセトナートを好ましく使用するこ
とができる。
【0067】また、スズ化合物としては、熱分解して酸
化第2スズになるものを好ましく用いることができる。
かかるスズ化合物として、例えば、塩化第2スズ、ジメ
チルスズジクロライド、ジブチルスズジクロライド、テ
トラブチルスズ、スタニアスオクトエート(Sn(OC
OC7 152 )、ジブチルスズマレエート、ジブチル
スズズアセテート、ジブチルスズビスアセチルアセトナ
ート等を挙げることができる。
【0068】本実施形態においては、前記ITO膜は、
ガラス基板上に、超音波霧化による常圧CVD法(パイ
ロゾル法)により形成するのが特に好ましい。
【0069】実際にパイロゾル法によりITO膜を成膜
する場合には、上に列記したインジウム化合物及びスズ
化合物のそれぞれ一種以上を、所定の割合で混合し、適
当な有機溶媒に溶解させたものを成膜材料として用い
る。
【0070】かかる有機溶媒としては、アセチルアセト
ン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケト
ン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、
メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン
等の脂肪族炭化水素類等を挙げることができる。
【0071】次いで、基板をパイロゾル成膜装置の成膜
室内に設置し、空気中で、前記インジウム化合物及びス
ズ化合物が熱分解を起こして酸化インジウム及び酸化第
2スズを形成し得る温度、例えば、300〜800℃程
度に加熱する。さらに、前記インジウム化合物及びスズ
化合物を含有する有機溶液を超音波により霧化させ、前
記成膜室内に導入する。以上のようにして、基板上にI
TO膜を成膜することができる。
【0072】なお、本実施形態においては、前記インジ
ウム化合物及びスズ化合物に加えて、第3成分として、
Mg、Ca、Sr、Ba等の周期律表第2族元素、S
c、Y等の第3族元素、La、Ce、Nd、Sm、Gd
等のランタノイド、Ti、Zr、Hf等の第4族元素、
V、Nb、Ta等の第5族元素、Cr、Mo、W等の第
6族元素、Mn等の第7族元素、Co等の第9族元素、
Ni、Pd、Pt等の第10族元素、Cu、Ag等の第
11族元素、Zn、Cd等の第12族元素、B、Al、
Ga等の第13族元素、Si、Ge、Pb等の第14族
元素、P、As、Sb等の第15族元素、Se、Te等
の第16族元素等の単体若しくはこれらの化合物を添加
してITO膜を形成することも好ましい。
【0073】これらの元素の添加割合は、インジウムに
対して、0.05〜20原子%程度が好ましく、添加元
素によって添加割合は異なり、目的とする抵抗値にあっ
た元素及び添加量を適宜選定することができる。
【0074】本実施形態においては、前記基板上に形成
された他の膜を介して前記透明導電膜を形成することも
できる。かかる膜としては、例えば、酸化シリコン膜、
有機ポリシラン化合物から形成されるポリシラン膜、M
gF2 膜、CaF2 膜、SiO2 とTiO2 の複合酸化
物膜等を挙げることができる。
【0075】これらの膜は、例えば、基板としてソーダ
ーガラスを用いる場合のNaイオンの拡散防止の為に形
成される。また、透明導電膜と異なる屈折率、好ましく
は低屈折率の下地膜を形成することによって、反射防止
或いは透明性を向上させるために形成される。これらの
膜は、一般に知られている成膜方法、例えば、スパッタ
ー法、CVD法、スプレー法、ディップ法等により、膜
厚が20〜200nm程度で形成することができる。
【0076】次に、該基板上に形成された透明導電膜を
所定の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理を行う。この
加熱工程は、導電膜を形成した基板を、加熱処理室内に
設置した後、所定濃度の有機溶媒を霧化させて加熱処理
室内に導入しながら、加熱することにより行われる。
【0077】この工程に用いることができる有機溶媒と
しては、常温で蒸気圧を有し、適当な温度で熱分解する
有機化合物であれば特に制限されない。かかる有機有機
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、アセチルアセトン
等を例示することができる。
【0078】これらの有機溶媒の種類及び有機溶媒の添
加量は、透明導電膜のシート抵抗値の設定値に依存し、
透明導電膜の種類、透明導電膜の膜厚、用いる有機溶媒
の種類、加熱温度、加熱時間等により適宜定めることが
できる。例えば、他の条件を同一にして、熱分解しやす
い有機溶媒を多量に添加することにより、導電膜のシー
ト抵抗値をより低くすることができる。
【0079】加熱温度は用いられる有機溶媒が透明導電
膜中の酸化成分(酸素等)と反応し、自らが酸化される
のに必要な温度以上であれば、特に制限されないが、通
常100〜800℃、より好ましくは、300〜500
℃の範囲の温度に設定する。還元性の有機溶媒を用いる
場合、この加熱処理によって、透明導電膜は還元され、
そのシート抵抗値は小さくなる。
【0080】以上のようにして、用いる有機溶媒の種
類、添加量及び加熱温度を適宜選択・設定することによ
り、所望のシート抵抗値を有する透明導電膜を形成する
ことができる。
【0081】本実施形態によれば、透明導電膜を形成す
る工程と、前記透明導電膜を所定の濃度の有機溶剤の存
在下に加熱処理する工程とを組み合わせることにより、
所定の抵抗値を有する透明導電膜を、効率良く、極めて
簡便に、かつ、均一な膜質(即ち、リニアリティ値が±
2%以内であるリニアリティに優れた)の所望のシート
抵抗値を有する透明導電膜を形成することができる。
【0082】特に、本実施形態では、超音波霧化による
常圧CVD法(パイロゾル法)によりITO膜等を形成
し、連続的に同一ライン上で加熱処理を行うことができ
るため、作業効率上も好ましいものとなっている。
【0083】なお、透明導電膜を高温で成膜し、シート
抵抗値の調整を連続的に行う場合には、膜表面が十分に
高温に保持されているので、新たに加熱処理を施すこと
なく、冷却工程時に所定量の有機溶媒を系内に添加する
だけで、シート抵抗値を所定の値に調整することが可能
である。
【0084】また、本実施形態の透明導電膜の形成方法
によれば、高い可視光線透過率及びリニアリティに優れ
た導電膜を形成することができる。
【0085】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。実施例1 スパッタ法あるいは超音波霧化による常圧CVD法(パ
イロゾル法)により、下記第1表に示すような種々の膜
厚(100〜300Å)及びシート抵抗値(200〜2
000Ω/□)のITO膜をガラス基板上に成膜した。
【0086】次いで、外気との循環を可能にした加熱処
理室内にこのITO膜付ガラス基板を設置し、空気中で
気化させたエタノールを、下記第1表に示すような濃度
(600ppm,1200ppm,1800ppm)に
なるように添加して、400℃、10分間の加熱処理を
施した。
【0087】加熱処理後のITO膜のシート抵抗値の測
定結果を第1表にまとめて示す。なお、シート抵抗値
は、四探針法を用いて測定した。
【0088】
【表1】
【0089】第1表から明らかなように、いずれのIT
O膜も加熱処理後においてはシート抵抗値が低くなって
おり、エタノールの添加濃度、加熱温度、加熱時間等を
適宜変更・設定することによって、ITO膜のシート抵
抗値を所望の値に調整することができることが分かっ
た。また、加熱処理後のいずれのITO膜もリニアリテ
ィ値は±2%以内となっており、均一性にも優れたもの
であった。
【0090】実施例2 スパッタ法あるいは超音波霧化による常圧CVD法(パ
イロゾル法)により、下記第2表に示すような種々の膜
厚(100〜300Å)及びシート抵抗値(200〜2
000Ω/□)のITO膜をガラス基板上に成膜した。
【0091】次いで、外気との循環を可能にした加熱処
理室内にこのITO膜付ガラス基板を設置し、空気中で
気化させたアセチルアセトンを下記第2表に示すような
濃度(28ppm,140ppm,280ppm)にな
るように添加して、400℃、10分間の加熱処理を施
した。
【0092】加熱処理後のITO膜のシート抵抗値の測
定結果を第2表にまとめて示す。なお、シート抵抗値は
実施例1と同様にして測定した。
【0093】
【表2】
【0094】第2表から明らかなように、いずれのIT
O膜も加熱処理後においてはシート抵抗値が低くなって
おり、アセチルアセトンの添加濃度、加熱温度、加熱時
間等を適宜変更・設定することによって、ITO膜のシ
ート抵抗値を所望の値に調整することができることが分
かった。また、加熱処理後のいずれのITO膜もリニア
リティ値は±2%以内となっており、均一性にも優れた
ものであった。
【0095】
【発明の効果】本発明の透明導電膜のシート抵抗値の調
整方法によれば、有機溶媒の存在下に、該有機溶媒の熱
分解される温度で加熱処理するという簡便な操作によ
り、該透明導電膜のシート抵抗値を所望の抵抗値に調
整、設定することができる。
【0096】また、本発明によれば、リニアリティ値が
±2%以内の均一性に優れた透明導電膜とすることがで
きる。
【0097】本発明の透明導電膜の形成方法によれば、
透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を所定の
濃度の有機溶剤の存在下に、該有機溶剤が熱分解を起こ
す温度で加熱処理する工程とを組み合わせることによ
り、所定の抵抗値を有する透明導電膜を、効率良く、極
めて簡便に、かつ、均一な膜質(即ち、リニアリティに
優れた)の所望のシート抵抗値を有する透明導電膜を形
成することができる。
【0098】また、本発明によれば、均一な膜質(即
ち、リニアリティ値が±2%以内であるリニアリティに
優れた)の透明導電膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬田 康弘 千葉県市原市五井南海岸12−8 日本曹達 株式会社千葉工場内 (72)発明者 山田 茂男 千葉県市原市五井南海岸12−8 日本曹達 株式会社千葉工場内 Fターム(参考) 5G323 BA02 BB03 BB04 BB05 BC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、直接又はその他の膜を介して透
    明導電膜を形成する工程と、 前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加
    熱処理する工程を有する、 透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  2. 【請求項2】前記透明導電膜を形成する工程は、スパッ
    ター法、電子ビーム法、イオンプレーテイング法又は化
    学的気相成長法(CVD法)により、透明導電膜を形成
    する工程を有する、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  3. 【請求項3】前記有機溶剤として、熱分解により前記透
    明導電膜を還元する作用を有する有機溶剤を用いる、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  4. 【請求項4】前記透明導電膜を所定の濃度の有機溶剤の
    存在下に加熱処理する工程は、 前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に、
    100〜800℃に加熱処理する工程を有する、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  5. 【請求項5】前記透明導電膜を所定の濃度の有機溶剤の
    存在下に加熱処理する工程は、 前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加
    熱処理することにより、前記透明導電膜のシート抵抗値
    を200〜3000Ω/□に調整する工程を有する、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  6. 【請求項6】前記透明導電膜は、スズがドープされた酸
    化インジウム膜(ITO膜)、フッ素がドープされた酸
    化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがドープされた酸化
    亜鉛膜又はインジウムがドープされた酸化亜鉛膜であ
    る、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  7. 【請求項7】前記基透明導電膜は、膜厚が10〜25n
    mの透明導電膜である、 する、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  8. 【請求項8】前記基板は、ガラス基板である、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  9. 【請求項9】前記透明導電膜を所定の濃度の有機溶剤の
    存在下に加熱処理する工程は、前記透明導電膜を、所定
    の濃度の有機溶剤の存在下に加熱処理することにより、
    リニアリティ値が±2%以内の透明導電膜を形成する工
    程を有する、 請求項1記載の透明導電膜のシート抵抗値の調整方法。
  10. 【請求項10】基板上に、直接又はその他の膜を介して
    透明導電膜を形成する工程と、 前記透明導電膜を、所定の濃度の有機溶剤の存在下に加
    熱処理する工程とを有する、 透明導電膜の形成方法。
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