JPH06136948A - クランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 喰い込みと締め付け力が良く、締め付け及び
弛め操作が容易であり、連設された型枠パネルに目違い
を発生させず、作業性、経済性にすぐれたクランプを提
供すること。 【構成】 水平な本体１と、本体の一端部に起立する第
１のフック２と、本体の他端部に直列に配設され、それ
ぞれ回転自在に結合した第２のフック３及びカム４と、
本体と第２のフックとの間に結合されて第２のフックを
内側回転方向に付勢するスプリング４とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建築、土木工事におい
て、壁、柱、梁、床等の躯体成形時に打設されたコンク
リートを支える型枠パネルを接続するのに適するクラン
プに関する。

【０００２】

【従来の技術】躯体を成形する際に打設されたコンクリ
ートを支える型枠パネルは躯体の成形面積に応じて、縦
方向、横方向に連設して使用する場合が多い。

【０００３】この際、型枠パネル同志を接続する金具と
して、例えば実公昭６３−１６７６６号公報に開示され
たようなクランプが使用されている。

【０００４】上記のクランプは断面コ字状の本体と、本
体を締め付ける楔とからなっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のクランプは
本体が断面コ字状であるから、隣接する型枠パネルの枠
体を重ねて挟持する際に喰い込みが悪く、脱落する危険
がある。

【０００６】又このクランプは喰い込みが悪いことによ
り、型枠パネル同志の位置がずれ目違いを発生しやす
い。

【０００７】更にクランプの締め付けは楔を使用してい
る為に、その締め付け、弛め操作が面倒であり部品点数
も多く経済性にも劣る。

【０００８】そこで、本発明の目的は、喰い込みと締め
付け力が良く、締め付け及び弛め操作が容易であり、連
設された型枠パネルに目違いを発生させず、作業性、経
済性にすぐれたクランプを提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の構成は水平な本体と、本体の一端部に起立
する第１のフックと、本体の他端部に直列に配設され、
それぞれ回転自在に結合した第２のフック及びカムと、
本体と第２のフックとの間に結合されて第２のフックを
内側回転方向に付勢するスプリングとからなることを特
徴とするものである。

【００１０】

【作用】フック間に二つの型枠パネルの枠体を挿入し、
二つの型枠パネルを第１のフックとスプリングで付勢さ
れた第２のフックとで挟持し、更にカムを回転して挟持
した位置で係止溝に突起を嵌合させ、第２のフックの戻
りを防止する。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図にもとづいて説明す
る。

【００１２】図１、図２は本発明の一実施例に係るクラ
ンプを示す斜視図と一部切欠き平面図である。

【００１３】クランプＡは水平な本体１と、本体１の一
端部に起立した第１のフック２と、本体１の他端部に直
列に配設した第２のカム３及びカム４と、本体１と第２
のカム３との間に設けられて第２のカム３を内側に向け
て矢印Ａ方向たる回転方向に付勢するスプリングｓとで
構成されている。

【００１４】本体１は水平なリブ１９で補強されてい
る。

【００１５】第１のフック２は図２において、本体１の
左側端部に直角に起立するフック本体５と、フック本体
５の先端に内側たる右方向に向けて突出する爪状の引掛
部７とからなる。

【００１６】フック本体５はリブ２０で補強されてい
る。

【００１７】引掛部７の外面は内端に垂直面９を形成
し、上下にテーパ面１１，１２を形成している。

【００１８】第２のフック３とカム４は水平な本体１の
右側端部において直列に配置され、それぞれ軸２１，２
２を介して回転自在に支持されている。

【００１９】第２のフック３は軸２１に支持されたフッ
ク本体６と、フック本体６の先端に内側に向けて設けた
引掛部８とからなり、フック本体６の右側背面にはスト
ッパとしての弯曲した突起１８が設けられている。

【００２０】フック本体６はリブ２３で補強されてい
る。

【００２１】引掛部８の外面には内側の垂直面１０と、
上下のテーパ面１３，１４とが形成されている。

【００２２】水平な本体１を補強するリブ１９の右側に
は屈曲部１９ａが形成され、又、第２のフック３のフッ
ク本体６には上方に向けてピン２４が突設されている。

【００２３】軸２１に巻き付けたスプリングＳの端部２
５，２６がそれぞれ上記の屈曲部１９ａとピン２４に引
掛けられ、このスプリングＳは常時第２のフック３を矢
印Ｂのように内側に向けて付勢している。

【００２４】カム４は扇形のカム本体１５と、カム本体
１５の外面に突出させたアイ型の駆動レバー１６と、本
体１５の内面たるカム面に形成した複数の係止溝１７と
を備え、本体１５は軸２２によって回転自在に支持され
ている。

【００２５】係止溝１７の一つには第２のカム３の突起
１８が選択的に嵌合し第２のフック３の位置決めを行な
う。

【００２６】次に作動について述べる。

【００２７】図３には本発明のクランプＡを型枠パネル
に取り付けた状態が示めされている。

【００２８】これはコンクリートで成形された躯体Ｃの
内側コーナを型枠パネルで支持した例である。

【００２９】型枠パネルはコーナ型枠パネルＤと水平部
支持用の型枠パネルＥとからなる。

【００３０】コーナ型枠パネルＤは合板からなる平板２
５と、平板２５の背面に固定したコーナ用枠体２７とか
らなり、枠体２７にはフックを挿入させる空間が形成さ
れ、その内面に断面台形状の溝２９が形成されている。

【００３１】型枠パネルＥは平板２６と、平板２６の背
面に固定した枠体２８からなり、枠体２８の両側には一
対の断面台形状の溝３０，３０が形成されている。

【００３２】型枠パネルＤ，Ｅの平板２５，２６はその
端面同志が密に当接し、同じく枠体２７，２８の端面同
志が当接する。

【００３３】この状態で、クランプＡの第１、第２のフ
ック２，３を枠体２７，２８の両サイドに多少第２のフ
ック３を手動で開きながら差し込み、第１のフック２の
引掛部９を溝２９に嵌合させ、同時にスプリングＳのば
ね力で第２のフック３の引掛部８を溝３０に嵌合させ
る。

【００３４】この際、溝２９，３０にはテーパが形成さ
れ、このテーパに引掛部８，９のテーパ面１１，１２，
１３，１４が密に係合する。

【００３５】次いで、カム４を矢印Ｘ方向に手動で回動
し、又はシノ等の工具等をアイに差し込んで、回動する
とスプリングＳと協働して第２のフック３が回動して更
に矢印Ｂ方向に回動し、引掛部８がより強力に溝３０に
喰い込み、枠体２７，２８を水平な本体１の端面に引き
寄せる。

【００３６】この為、二つの枠体２７，２８は二つの引
掛部８，９で強力に挟持され、より密接にその端面が当
接し、平板２５，２６も密接に当接する。

【００３７】同時に枠体２７，２８は二つの引掛部８，
９と本体１とで縦方向に挟持されて本体１の端面に均一
に当接するから、平板２５，２６も引き寄せられて両者
のコンクリート支持面が水平となり、目違いが発生しな
い。更にカム４が回動し、しっかりと引掛部８，９が溝
２９，３０に嵌合した時係止溝１７に突起１８が嵌合
し、これがストッパとなって弛みが防止される。

【００３８】カム４を上記と逆に工具を介して回動して
弛め、第２のカム３を開く方向に引張って回動するとク
ランプＡは枠体２７，２８から分離できる。

【００３９】図４は本発明の他の実施例に係り、これは
水平な本体１の背面にフランジ３１を突設したものであ
る。

【００４０】クランプＡは図３の使用例と同じく、水平
方向に連設する二つの型枠パネルＥ，Ｅを接続するが、
この際、型枠パネルＥを他の足場枠や支保工に接続する
ためにフランジ３１を利用する。

【００４１】フランジ３１は支持部３２と、支持部３２
に固定した断面フック状の引掛片３３とを有し、支持部
３２は引掛片３３が水平となるように垂直に配置して水
平な本体１に固着されている。

【００４２】フランジ３１の引掛片３３には爪、フック
等を介して足場枠又は支保工側に延びるブレースが引掛
けられる。

【００４３】フランジ３１はリング状、断面カップ状の
引掛部を備えたものであれば良く、図示のものに限定さ
れない。

【００４４】図５は支持部３２を水平に固定し、引掛片
３３を水平な本体１に対して直角に配置した例を示す。

【００４５】図６は支持部３２を水平な本体１に回転自
在に枢着し、引掛片３１をいろいろな方向に向けるよう
にした例を示す。

【００４６】図４、図５、図６のフランジ３１はブレー
スの方向によって選択的に使用される。

【００４７】その他の構造、作用は図１の実施例と同じ
である。

【００４８】

【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。

【００４９】１）第１、第２のフックを有し、第２のフ
ックはスプリングで回転方向に付勢されているから、第
１、第２のフックを接続する二つの型枠パネルの枠体等
に差し止めは自動的にこの枠体に装着されて挟持するか
ら、その装着作業が著しく向上する。

【００５０】２）第１、第２のフックは枠体等を両側か
ら挟持するから型枠パネルの枠体等を両側から締め付
け、且つ二つのフックと水平な本体とで縦方向にも挟持
するから、型枠パネルは密に当接すると共に水平位置が
ずれるいわゆる目違いが防止できる。

【００５１】３）第２のフックはカムで押し付けられる
から、スプリングと協働してより強力に被取付部材たる
型枠パネルの枠体等に喰い込み、締め力が向上する。

【００５２】４）カムに係止溝を設け、第２のフックに
突起が設けられているから、両者が嵌合した時ストッパ
となって第２のカムの弛みが防止され、脱落を防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るクランプの斜視図であ
る。

【図２】図１のクランプの一部切欠き平面図である。

【図３】型枠パネルに結合した状態の図１のクランプ一
部切欠き平面図である。

【図４】他の実施例に係るクランプの略示平面図であ
る。

【図５】他の実施例に係るクランプの略示平面図であ
る。

【図６】他の実施例に係るクランプの略示平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 水平な本体 ２ 第１のフック ３ 第２のフック ４ カム ５，６ フック本体 ７，８ 引掛部 ９，１０ 垂直面 １１，１２．１３，１４ テーパ面 １５ 扇形の本体 １６ 駆動レバー １７ 係止溝 １８ 突起 Ｓ スプリング

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平な本体と、本体の一端部に起立する
   第１のフックと、本体の他端部に直列に配設され、それ
   ぞれ回転自在に結合した第２のフック及びカムと、本体
   と第２のフックとの間に結合されて第２のフックを内側
   回転方向に付勢するスプリングとからなるクランプ。
2. 【請求項２】 第１のフックと、第２のフックとはフッ
   ク本体とフック本体の先端に内側に向けて突出する引掛
   部とからなり、引掛部の外面に垂直面とテーパ面とを形
   成している請求項１記載のクランプ。
3. 【請求項３】 カムは平面扇形のカム本体と、カム本体
   の外面に突出したアイ型の駆動レバーと、カム本体の内
   面に形成した複数の係止溝とを備え、第２のカムの外面
   に係止溝の一つと選択的に係合する弯曲した突起を設け
   ている請求項１記載のクランプ。
4. 【請求項４】 クランプの水平な本体の背面に他のブレ
   ース支持用のフランジを突設している請求項１記載のク
   ランプ。