JP3029468U - 仮設足場の手摺装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮設足場に簡単に組み付けることができる手
摺装置を提供する。 【解決手段】 隣合う建枠２間において対応する脚柱２
ａ間の水平寸法に対応する長さの手摺本体１０と、手摺
本体１０の両端に外側に向けて開放する態様に設けられ
て脚柱２ａを足場内側から外嵌可能な嵌込金具３０と、
手摺本体１０の両側部と脚柱２ａとの間に傾斜姿勢に架
け渡される方杖材２０と、を備える仮設足場の手摺装
置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、仮設足場において例えば隣合う建枠間の対応する脚柱間等に架け 渡される仮設足場の手摺装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７に示すように、建造物外周面に沿って組み立てられる仮設足場（１）は、 脚柱（２ａ）と水平材（２ｂ）とを有する建枠（２）が多数並んで立設されてお り、隣合う建枠（２）間において対応する水平桟（２ｂ）間に、それぞれ足場板 （３）が架け渡されている。

【０００３】 このような仮設足場（１）では、通路側方、すなわち隣合う建枠（２）間にお いて対応する２本の脚柱（２ａ）間に、手摺部材（４）が架け渡されることがあ る。

【０００４】 同図に示す手摺部材（４）は、２本の脚柱（２ａ）間の水平寸法に対応する長 さの手摺本体（５）と、手摺本体（５）の両端に上下方向に揺動自在に枢着され たホルダー（６）と、手摺本体（５）の両側に設けられる方杖材（７）等の高さ 保持材とを備えている。

【０００５】 この手摺部材（４）を仮設足場（１）に組み付ける場合には、あらかじめ両ホ ルダー（６）を図８（ａ）想像線に示すように上方に揺動させて上向きに配置し ておく。そしてその状態において、手摺部材（４）を２本の脚柱（２ａ）間に対 応させて配置し、両方杖材（７）先端を脚柱（２ａ）のブレース取付用ピン等に 取り付ける。

【０００６】 続いて手摺本体（４）を２本の脚柱（２ａ）間に正確に配置し、その位置に保 持した状態で、両ホルダー（６）を、図８想像線状態から実線状態に示すように 、下方へ揺動させて脚柱（２ａ）に外嵌する。

【０００７】 更にホルダー（６）を、ピン止めやボルト締め等のホルダー揺動規制操作によ り固定して、ホルダー（６）の脚柱（２ａ）からの脱外を防止する。

【０００８】 こうして手摺部材（４）の組付を完了する。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の手摺部材（４）においては、ホルダー（６）を揺動 させて脚柱（２ａ）に外嵌する際、手摺部材（４）と脚柱（２ａ）との位置決め が正確に行われていないと、ホルダー（６）を脚柱（２ａ）に嵌合できなくなっ てしまう。このため、手摺部材（４）の位置決めを慎重に行わねばならず、その 位置決めが面倒で、組付作業が繁雑になるという問題があった。

【００１０】 またホルダー（６）を脚柱（２ａ）に嵌合した後、ピン止め等のホルダー揺動 規制操作を行う際、ホルダー（６）の脚柱（２ａ）に対する位置がずれると、ホ ルダー揺動規制操作を正確に行えなくなってしまう。このため作業者は、ホルダ ー（６）を嵌合してから揺動規制操作を完了するまでの間、終始、手摺部材（４ ）を所定姿勢に保持しておく必要があり、その位置保持に気を取られてホルダー 揺動規制操作に専念できなくなる。従って、ホルダー揺動規制操作をスムーズに 行えず、一段と組付作業が繁雑になるという問題があった。

【００１１】 この考案は、上記従来技術の問題を解消し、簡単に組み付けることができる仮 設足場の手摺装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案は、仮設足場の通路側方における２本の立 設柱間に架け渡される仮設足場の手摺装置であって、前記２本の立設柱間の水平 寸法に対応する長さの手摺本体と、前記手摺本体の両端に外側に向けて開放する 態様に設けられて、前記立設柱を足場内側から外嵌可能な嵌込金具と、前記嵌込 金具を前記立設柱に外嵌した状態において前記嵌込金具の立設柱からの脱外を防 止するための外れ止め手段と、前記手摺本体を足場構造材に支持して所定高さに 保持するための高さ保持材と、を備えるものを要旨とする。

【００１３】 本考案においては、前記高さ保持材を、前記手摺本体の両側部と、前記２本の 立設柱との間に傾斜姿勢で架け渡される方杖材により構成するのが良い。

【００１４】 本考案の仮設足場の手摺装置においては、その組付時に、方杖材等の高さ保持 材を脚柱等の立設柱に取り付けることにより、嵌込金具が脚柱に対向配置されて 位置決めが図られるので、そのまま手摺本体を外側、すなわち脚柱側に押し込む だけで、簡単に嵌込金具を脚柱に外嵌できる。

【００１５】 更に嵌込金具を脚柱に外嵌した状態では、手摺装置の仮保持が図られるので、 作業者は、外れ止め手段による嵌込金具の外れ止め操作のみに専念でき、その操 作を簡単に行える。

【００１６】

【考案の実施の形態】

図１はこの考案の実施形態である手摺装置（Ｐ）が適用された仮設足場（１） を示す斜視図、図２及び図３は手摺装置（Ｐ）を示す図である。これらの図に示 すように、この手摺装置（Ｐ）は、仮設足場（１）の足場通路側方、すなわち隣 合う建枠（２）間において対応する２本の脚柱（２ａ）間の内側に架け渡される ものであって、上記２本の脚柱（２ａ）間の水平寸法に対応する長さの金属パイ プ製の手摺本体（１０）と、手摺本体（１０）の下部両側に固定された金属パイ プ製の方杖材（２０）（２０）と、手摺本体（１０）の両端に設けられた嵌込金 具（３０）（３０）と、嵌込金具（３０（３０）の開放部（３１）（３１）に設 けられた外れ止めレバー（４０）（４０）とを備えている。

【００１７】 図１ないし図６に示すように、嵌込金具（３０）（３０）には、取付金具（３ ２）（３２）が連設されており、この取付金具（３２）（３２）が手摺本体（１ ０）の両端に固定されている。

【００１８】 嵌込金具（３０）は、脚柱（２ａ）の半周面に倣って略Ｕ字状に形成されてお り、そのＵ字溝内に開放部（３１）から脚柱（２ａ）を嵌入できるよう構成され ている。更にこの嵌込金具（３０）は、装置組付時において、開放部（３１）が 外側に向けて開放されるよう構成されており、組付時に嵌込金具（３０）を足場 内側から脚柱（２ａ）に外嵌できるよう構成されている。

【００１９】 外れ止め手段を構成する外れ止めレバー（４０）は、枢着片（４１）と、開放 部閉塞片（４２）とを有しており、枢着片（４１）がレバー固定ボルト（４３） を介して取付金具（３２）に枢着されている。そして外れ止めレバー（４０）は 、ボルト（４３）を緩めた状態では、枢着部を支点として回転し得るよう構成さ れており、その回転により、図５及び図６実線に示すように開放部閉塞片（４２ ）が嵌込金具（３０）の開放部（３１）の一部を閉塞する位置（ロック位置）と 、図４及び図６想像線に示すように閉塞片（４２）が開放部（３１）から逸脱す る位置（ロック解除位置）との間で移動できるよう構成されている。なお外れ止 めレバー（４０）は、レバー固定ボルト（４３）の締結により、ロック位置やロ ック解除位置に固定できるよう構成されている。

【００２０】 一方、図１ないし図３に示すように高さ保持材を構成する方杖材（２０）（２ ０）は、手摺本体（１０）の両側下面に固定され、それぞれ対応する脚柱（２ａ ）（２ａ）に向けて斜め下方に延びるよう配置されている。更に方杖材（２０） には、その先端にピン挿着孔（２１）が穿設されており、建枠（２）に突設され るブレース取付ピン（２ｃ）（図３参照）を挿着できるよう構成されている。

【００２１】 なお図１において、（２ｂ）は一対の脚柱（２ａ）間に架け渡される水平桟、 （３）は隣合う建枠（２）間において対応する水平桟（２ｂ）間に架け渡される 足場板である。

【００２２】 以上の構成の手摺装置（Ｐ）を、仮設足場（１）に組み付ける場合、あらかじ めレバー固定ボルト（４３）を緩めておいて、外れ止めレバー（４０）を図４及 び図６想像線に示すように、ロック解除位置に配置し、嵌込金具（３０）の開放 部（３１）を開放しておく。

【００２３】 この状態で手摺装置（Ｐ）を所定の２本の脚柱（２ａ）の内側に配置し、そし て手摺装置（Ｐ）の方杖材（２０）先端のピン挿着孔（２２）を、それぞれ対応 する脚柱（２ａ）のブレース取付ピン（２ｃ）に内側から挿入し、方杖材（２０ ）をそれぞれ脚柱（２ａ）に連結する。このとき嵌込金具（３０）はその開放部 （３１）を外側に向けて、所定の脚柱（２ａ）に対向して配置されている。

【００２４】 次に、手摺本体（１０）を脚柱（２ａ）側に向けて外側に押し込み、嵌込金具 （３０）を、対応する脚柱（２ａ）に外嵌する。この状態においては、方杖材（ ２０）が脚柱（２ａ）に連結されるとともに、嵌込金具（３０）が脚柱（２ａ） に外嵌しているため、手摺装置（Ｐ）が所定の組付姿勢で仮保持される。従って 作業者は、手摺装置（Ｐ）から手を放したとしても、手摺装置（Ｐ）は仮止め状 態に維持される。

【００２５】 続いて、図５及び図６実線に示すように、外れ止めレバー（４０）を回転させ て、嵌込金具（３０）の開放部（３１）の一部を閉塞し、その位置でレバー固定 ボルト（４３）を締結して固定し、手摺装置（Ｐ）の組付を完了する。なおこの 組付状態ではレバー（４０）が脚柱（２ａ）に係止し、嵌込金具（３０）の脚柱 （２ａ）からの脱外が確実に防止される。

【００２６】 この手摺装置（Ｐ）によれば、嵌込金具（３０）をその開放部（３１）を外側 に向けて配置するものであるため、方杖材（２０）の脚柱（２ａ）への固定と同 時に、嵌込金具（３０）が脚柱（２ａ）に対向配置されて位置決めが図られるの で、そのまま嵌込金具（３０）を脚柱（２ａ）に向けて外側に押し込むだけで、 簡単に脚柱（２ａ）に外嵌することができる。更に嵌込金具（３０）を外嵌した 状態では、手摺装置（Ｐ）の仮保持が図られるので、作業者は手摺本体（１０） の位置保持作業に手間取ることがなく、レバー操作等、嵌込金具（３０）の外れ 止め操作のみに専念することができ、外れ止め操作を簡単に行える。このように 嵌込金具（３０）の嵌込操作や、外れ止め操作を簡単に行えるので、装置組付を 簡単に行える。

【００２７】

【考案の効果】

以上のように、この考案の仮設足場の手摺装置によれば、手摺本体両端の連結 手段が、外方に向けて開放し脚柱等の立設柱を足場内側から外嵌可能な嵌込金具 と、その嵌込金具の脚柱からの脱外を防止するための外れ止め手段と、嵌込金具 を所定高さに保持するための方杖材等の高さ保持材とを備えるものであるため、 方杖材を脚柱に取り付けることにより、嵌込金具が脚柱に対向配置されて位置決 めが図られるので、そのまま手摺本体を脚柱に向けて外側に押し込むだけで、簡 単に嵌込金具を脚柱に外嵌できる一方、嵌込金具を外嵌した状態では手摺装置の 仮保持が図られるので、作業者は、外れ止め手段による嵌込金具の外れ止め操作 のみに専念でき、その操作を簡単に行える。このように嵌込金具の嵌込操作や、 外れ止め操作を簡単に行えるので、装置組付を簡単に行えるという効果が得られ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施形態である手摺装置が組み付け
られた仮設足場を示す斜視図である。

【図２】実施形態の手摺装置を示す図であって、同図
（ａ）は平面図、同図（ｂ）は正面図である。

【図３】実施形態の手摺装置を示す斜視図である。

【図４】実施形態の手摺装置におけるクランプ機構を抜
止め解除状態で示す平面図である。

【図５】実施形態のクランプ機構を抜止め実施状態で示
す平面図である。

【図６】実施形態のクランプ機構を示す表面図である。

【図７】従来の手摺部材が適用された足場を示す正面断
面図である。

【図８】従来の手摺部材におけるクランプ周辺を示す図
であって、同図（ａ）は正面図、同図（ｂ）は平面図で
ある。

【符号の説明】

１…仮設足場 ２ａ…脚柱（立設柱） １０…手摺本体 ２０…方杖材（高さ保持材） ３０…嵌込金具 ４０…外れ止めレバー（外れ止め手段） Ｐ…手摺装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 仮設足場の通路側方における２本の立設
   柱間に架け渡される仮設足場の手摺装置であって、 前記２本の立設柱間の水平寸法に対応する長さの手摺本
   体と、 前記手摺本体の両端に外側に向けて開放する態様に設け
   られて、前記立設柱を足場内側から外嵌可能な嵌込金具
   と、 前記嵌込金具を前記立設柱に外嵌した状態において前記
   嵌込金具の立設柱からの脱外を防止するための外れ止め
   手段と、 前記手摺本体を足場構造材に支持して所定高さに保持す
   るための高さ保持材と、を備えることを特徴とする仮設
   足場の手摺装置。
2. 【請求項２】 前記高さ保持材は、前記手摺本体の両側
   部と、前記２本の立設柱との間に傾斜姿勢にそれぞれ架
   け渡される方杖材をもって構成されてなる請求項１記載
   の仮設足場の手摺装置。