JPH0329447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （本考案の目的及び従来技術の問題点） 本考案は構築物床板用デツキプレートの端面開
口部を閉塞する閉塞部材に関する。

現在鉄骨、鉄筋コンクリート構築物の床板工事
においては、第２図、第３図で示すように鉄骨の
梁ａ上に凹凸状のデツキプレートｂを一帯に敷設
し、この板上にコンクリートｃを打設して構築物
の床板を形成する工法が行われている。

しかしデツキプレートは、その端面を梁上に配
置した際プレート端面に台形状の開口部ｄが形成
されるためコンクリート打設の際、この開口部か
らコンクリートが洩れるため、この洩出を防止す
る手段として従来開口部に簡単な構造のキヤツプ
体を被蓋し、熔接固着し、又は係着片をプレート
上端面に係着させる方法がとられていた。しかし
床板工事の際キヤツプが外れ易く熔接固定費等の
点で難点が多いため、これを改良した実公昭55−
35363号構造の閉塞部材が広く使用されてきた。

本案はこの公知技術を更に改良したものであ
る。即ち現在の前記閉塞部材はキヤツプ体の取付
固定性に難点があり、コンクリート打設の際位置
ずれ等により隙間を生じてコンクリートの漏出す
る難点を生じ、又第３図のｅに示すようにデツキ
プレートの接合部や、嵌合の際の密着性不良の場
合にキヤツプ体の嵌着に不適となる場合が生じ、
これら施工不良や寸法上の誤差を吸収調節した
り、取付安定性にすぐれた閉塞部材の改良が望ま
れていた。

本考案は上述の難点を解消することを目的とし
たものでワンタツチで使い易く、デツキプレート
の接続部分や寸法誤差のある端面開口部にも適合
して取付される閉塞部材を提供することを目的と
したものである。

（本考案の構成及び実施例） 本考案の構成は、上述の実用新案登録請求の範
囲に記載した要件に係るものである。以下本考案
の具体的な実施態様について図示説明する。

第１図は本考案の適切な実施例を示す全体斜視
図で、１は閉塞部材となるキヤツプ体でデツキプ
レートｂの端面開口部ｄの台形部に適合する台形
もしくは矩形その他の開口部形状に形成する。２
は台形の開口部ｄに適合する閉塞部である。閉塞
部２の周縁より左右両側及び上下に一定の深さと
巾を持つた折曲片３，４，５，６をそれぞれ起立
させ閉塞部２が凹状を呈するように折曲げる。折
曲片はそれぞれ外方に拡開するテーパーに起立さ
せた断面台形のキヤツプ体に折曲形成して端面開
口部の寸法差に対応できる構成とワンタツチで嵌
め込み易い閉塞部材に形成したものである。

次に左右両側の折曲片３，４にはそれぞれ適宜
切込溝７，８を設け数片の折曲片に分設する。
９，１０は中央に設けたキヤツプ体の係着片で先
端に反転させた折曲部１１，１２を設け、デツキ
プレートの開口部ｄの両側に係着する作用をす
る。１３，１３も係着片で端面開口部内側面に係
着するよう先端を彎曲突出させる。

１４，１４は調節片で、デツキプレートｂ，
b′間の狭くなつた接合開口部や、接合端縁ｅが施
工不良や寸法誤差で隙間が生じ開口部が狭溢化さ
れてもキヤツプ体嵌着の際、調節片１４は適宜内
側方向に折曲げられて嵌合し易い様に調節可能に
形成したものである。

従つてこの部分の切込溝７，８は深く形成す
る。１５は係着部で先端縁を上方に折曲げ上部折
曲片５が開口部上面内壁に係着してキヤツプ体の
嵌着作用を昂める。

１６は下部折曲片の両側を外方向アール状に張
出形成させた係着部でキヤツプ体を嵌着の際先端
係着部をデツキプレートの平面部下面に差込んで
係着させ打設したコンクリートが凹状部に充填し
てもその圧力によつて下部折曲片前面が浮上つて
梁ａとの間に隙間を生じない様にするものであ
る。

以上は図面に示した実施例にもとづき構造、作
用を記述したが、本考案の構成はこれに限定され
るものではなく、例えば閉塞部２は台形に直立形
成させてあるが、開口部に応じて適宜設計変更し
た形状や彎曲体であつてもよく、又下部折曲片の
係着部１６も他の形状としてもよい。又材質につ
いては金属材が一般的であるが、強質プラスチツ
ク材による型成形による成形加工でもよい。

（本考案の効果） 以上本考案は、上述の構成作用を備えたキヤツ
プ体で、従来構造の難点を解消したもので次の特
長を備えている。

先づ第１にキヤツプ体の形状をデツキプレート
の端面開口部に対応させた形状の閉塞部２を底部
とする外方に拡開した断面台形状の凹状部とし、
テーパーに拡開形成した折曲片３，４をデツキプ
レートの端面開口縁に係着するように設けること
によりキヤツプ体を開口部ｄにワンタツチで嵌合
し易い形状とした。

第２に左右両側の調節片１４は切込溝により揺
倒自在に形成したのでデツキプレートの接合部の
不一致や開口部の大小にも充分対応できる構造と
なり取付施工の際の嵌着不能の難点が改善され
た。

第３に折曲片にはそれぞれ端面開口部の内壁面
に係着する係着部（爪）を形成させたので取付係
着が確実で密着安定性にすぐれ、キヤツプ内にコ
ンクリート充填の際の重圧にもずれたり、浮上つ
たりする難点が解消され、コンクリートの洩れを
有効に阻止する効果を有する。

以上本考案は叙上の特長利点を備えた実用的な
閉塞部材として提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体斜視図、
第２図は本考案閉塞部材の取付箇所を示す斜視
図、第３図はデツキプレートの敷設例を示す断面
図、第４図はデツキプレートへの本考案の取付例
を示す一部破断斜視図、第５図は取付例を示す側
面図を示す。 図面中１は本考案閉塞部材を示すキヤツプ体、
２は閉塞部、３，４は左右折曲片、５，６は上下
折曲片、７，８は切込溝、９，１０は係着片、１
４は調節片、１５，１６は係着部、ａは梁、ｂは
デツキプレート、ｃはコンクリート、ｄは端面開
口部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 閉塞部が凹状部を形成するように周縁を適宜巾
   に折曲起立させて前記凹状部を外方に拡開するテ
   ーパーに形成したデツキプレートの端面開口部閉
   塞部材において、左右両側の折曲片３，４を切欠
   溝７，８を介して係着片１３と係着片９，１０、
   および調節片１４に分設し、調節片１４を揺倒自
   在に形成し、下部折曲片６の両端１６を外方向ア
   ール状に張出形成したことを特徴とする構築物床
   板用デツキプレートの端面開口部閉塞部材。