JP2511211Y2 - 枠組足場の妻面用手摺枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は建築現場等に仮設される枠組足場の妻面に
用いられる安全用の手摺枠に関する。

〔従来の技術〕

最近の枠組足場は、例えば第４図に示す如く所定の間
隔で並列させる建枠1,1の相隣れる建地1a,1a間には、従
来の筋違材に代えて補強と安全性とを兼ねる手摺枠２が
建枠のグラビティロック1dにより取付けられるので、建
枠の横地部材1b,1b間に差渡した足場板３上の作業員
は、枠組足場の正面及び背面に関してはこれらの手摺枠
２によって安全である。しかし、枠組足場の妻面が開放
されたままでは、ここから転落する等の危険がある。そ
こでこれらの妻面に取付けられるのが妻面用手摺枠４で
ある。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の妻面用手摺枠は単に一本の単管を両側の建地に
クランプして差渡すか、或いは建枠の左右の横桟1c,1c
に単管の両端をひっかけて取付けるものが一般で、如何
にも安全感に乏しい許りでなく横桟にひっかけるもので
は、外れ落ちる等の心配もある。最近は三角枠形や梯子
形等の妻面用手摺枠も開発されているが、建枠の建地が
不用意に左右に開くと、外れ落ちる恐れのあるものや、
取付け取外しが面倒であったりして問題点をのこしてい
る。

本考案は、建枠妻面への取付け取外しが極めて簡単で
あって、一たん取付けると建枠の建地が不用意に左右に
開いて手摺が外れるような懸念がなく、安全感と共に実
際の安全性にも優れた妻面用手摺枠を提供しようとする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

前記問題点を解決するため、本考案では、手摺枠を三
角枠形とし、建枠建地に上から手摺枠を嵌め込みで取付
けるようにした。取外しは逆に上方へ抜きとるのである
から取付け取外しは極めて簡単である。また建枠を組上
げた状態のままで、妻面手摺枠のみ取外す必要が生じた
ときのために、嵌め込み金具のボルトを緩めるだけで建
地から側方へ取り外せるように構成した。

すなわち本考案は、垂直材とその上端より伸びる水平
材と前記両部材の端部面を斜めに継ぐ斜材とで構成され
た枠体の上方両端部に、建枠建地に嵌め込むため、建地
断面よりも稍々大なる内面積を抱える形に屈曲した一対
の抱形腕金を枠体に固着させたベースメタルに該腕金の
一方または双方を緩めることができるように腕金の後方
基部においてボルトにより取付けた嵌込金具を設けると
ともに、枠体下方に建地のグラビティロックに嵌着する
透孔付の嵌着金具を設ける枠組足場の妻面用手摺枠を要
旨とする。

〔作用〕

本考案の妻面用手摺枠を取付ける場合、建枠の左右の
建地に上方から手摺枠上方左右の嵌込金具を嵌め込み、
続いて下方の嵌着金具を建地下方のグラビティロックに
嵌着することにより取付けを完了する。

取外しは上の建枠を解体してから取付けのときとは逆
の順序で先ず下の嵌着金具をグラビティロックから外
し、続いて手摺枠を上方へ抜きとる。

建枠を組上げた状態のままで妻面手摺枠のみ取外す必
要が生じたときは、嵌め込み金具のボルトを緩め抱形腕
金を緩めると、抱形腕金の先端が開くから、下方の嵌着
金具をグラビティロックより外し、第１図の場合は反時
計方向に手摺枠を回転させて建地より取外すことができ
る。

なお、本案妻面用手摺枠は、上方両端部の嵌込金具
を、腕金の抱形屈曲部の一方は上面を、他方は下面を、
それぞれ側面よりみて1/2切欠した段状に形成しておく
と、Ｈ型建枠の横に階段用建枠を建設したような場合、
相隣れる妻面に手摺枠を同じ高さに連続して取付けるこ
とができるので都合がよい。

〔実施例〕 実施例を第１図乃至第３図に基づいて説明する。

第１図は本案妻面用手摺枠の正面図であって、垂直材
4aとその上端より伸びる水平材4bと前記両部材の端部間
を斜めに継ぐ斜材4cとで構成された三角形状枠体の上方
両端部に建枠建地1aに嵌め込むための嵌込金具５を、ま
た枠体の下方に建地1aのグラビティロック1dに嵌着する
嵌着金具６を固着する。図示例では水平材4b（手摺材）
の両端にＲをもたせ美観とともに手摺位置が適当高さに
くるようにしている。なお図示例では垂直材4aとその上
端より伸びる水平材4bはφ27.2×2.0の１本の管材を湾
曲して形成しており、斜め材4cにはφ19.0×1.6の管材
を使用した。

枠体上方両端部の嵌込金具5,5を第２図に示す。同図
（イ）は第１図左側の嵌込金具の平面図、（ロ）は正面
図であり、同図（ハ）は第１図右側の嵌込金具の平面
図、（ニ）は同正面図である。

左右の嵌込金具は、抱形腕金5aの抱円部が図示例で左
側のは、上側が側面からみて1/2段に切欠し、右側のは
下側が側面からみて1/2段に切欠している点と、手摺枠
４に対して金具全体が左向き、及び右向きに固着されて
いる点以外は全て同一構成である。従って左右を一括し
て説明する。

第２図の5aは一対の抱形腕金であって、同図（イ）
（ハ）にみる如く、建地1a断面よりも稍々大なる円面積
を抱円部が抱える形に基部においてベースメタル（第２
図矢印）にボルト5bにより固定される。抱円部の前方は
適当角度、図示例では40°切欠する。なお、腕金の形状
は、円形断面状に限らず、第２図（ホ）（ヘ）の形状
等、三角形状や口形状等必要により各種形状が考えられ
る。

ベースメタル（第２図矢印）はアンビル形の鉄ブロッ
ク5cの両側に鉄プレート5d,5dを固着し、該鉄プレート5
d,5dを鉄ブロック5cの後端よりも後方に延長し、両鉄プ
レートと鉄ブロックとで出来る凹所に手摺枠４をさし挟
むようにして水平材の両側延長方向に金具５全体をむけ
て真直に溶接される。また抱形腕金5dの基部上面にスト
ッパー5f,5fが溶接付される。抱形腕金5a,5aは鉄ブロッ
ク5cの両側の鉄プレート5d,5dの外側に当接してボルト5
dにより固定される。なお、上記ベースメタルの形状、
構成は必ずしもこれに限定するものではない。

ボルト孔は、図示例では、ボルト先端側の腕金がねじ
穴で、ボルト先端側の鉄プレート5dと後端側（ボルト頭
の側）の腕金及び鉄プレート5dがキリ穴であり、キリ穴
側の抱形腕金はボルト頭で締付けられているだけであ
る。従ってボルト5bを緩めると、ボルトの頭側の屈曲腕
金は緩んで横に開くことができる。すなわち枠組足場を
分解せずに組立てた状態のまま手摺枠を取外すときは、
嵌込金具５のボルト5bを緩めることにより、両側の腕金
5aを水平に横に開いて、先端の開いた切欠部より建地1a
外に取外すのである。

この抱形腕金5aは上述の両方だけでなく、片側の抱形
腕金5aと鉄プレート5dとを一体構造とし、片方が緩んで
片側に開くようにしても勿論、差し支えない。

嵌込金具５は、金具のボルト5bをしっかりと締付けた
状態で手摺枠４を建枠の建地1aに嵌め込んだ場合、建地
1aをしっかりと抱え、建地に力が加わっても不用意に建
地が開いたりするようなことがないよう、特に抱形腕金
は十分な剛性をもったSS41等の鋼で製作することが望ま
しい。

第３図は妻面用手摺枠４の枠体の下方で建地1aのグラ
ビティロック1dに嵌着させる嵌着金具６の図で、（イ）
は正面図、（ロ）は平面図である。

図示例では嵌着金具６は手摺枠４の垂直材4aの下端に
近く、コ字形の透孔付金具を垂直材4aに両脚部において
溶接付けしただけのもので、コ字形金具の前記透孔に建
地側のグラビティロック1dが嵌着して結合する。嵌着金
具６は手摺枠の垂直材4aの下方を建地1aのグラビティロ
ックに嵌着できればよいのであって勿論上述図示の構造
に限定するものではない。

上記実施例の手摺枠４を建枠１の妻面に取付けるに
は、手摺枠の上方の両側の嵌込金具5,5を建枠の両側の
建地1a,1aに上方から嵌め込む、次いで手摺枠下方の嵌
着金具６を建地1aの下方のグラビティロック1dに嵌着す
る。以上で取付は完了する。

手摺枠を取外すには、上の建枠を解体してから、前記
取付けるときとは逆の順序で、先ず下方の嵌着金具６を
建地のグラビティロック1dから外し、次いで手摺枠全体
を持ち上げ両側の嵌込金具5,5を建枠の両側の建地1a,1a
から抜き取ることにより取外しは完了する。

建枠を解体せずに組立てた状態のままで手摺枠４を妻
面から取外す必要が生じた場合は、手摺枠上方両側の嵌
込金具5,5のボルト5b,5bを緩めると、抱形腕金5aが緩ん
で先端が開く、続いて下方の嵌着金具６を建地グラビテ
ィロック1dから外し、第１図の場合は手摺枠全体を反時
計方向に回すと、建枠両側の建地から簡単に外し取るこ
とができる。

図示実施例では、手摺枠上方両側の嵌め込み金具5,5
の抱形腕金5a,5aの抱円部を、第２図（ロ）（ニ）にみ
る如く、右側の嵌め込み金具では下側を側面からみて1/
2段切欠し、左側の嵌め込み金具では上側を側面からみ
て1/2段切欠させている。これは、通常のＨ型建枠の横
に段階用建枠を連設するような場合、相隣れる妻面の連
立する建地間に同一高さで隣接連続して妻面手摺枠を取
付け得るためであるが、これは切欠のない嵌め込み金具
を左右段違いに設けることでも解決できる。

〔考案の効果〕

上記本考案の妻面用手摺枠は、手摺枠をもって建枠の
妻面の建地に単に嵌め込むだけで後は１ケ所のグラビテ
ィロックに嵌着するだけで取付けが完了し、取外しはグ
ラビティロックを外して、手摺枠をもって上方へ抜き取
るだけで完了するから、取付け取外しが極度に簡単であ
る。

取付けた手摺枠は不用意にはずれることがなく、絶対
に安全であり、また外観にも優れ安全感に富んでいる等
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案妻面用手摺枠の正面図。第２図（イ）は第
１図左側の嵌込金具の平面図、（ロ）は同正面図、第２
図（ハ）は第１図右側の嵌込金具の平面図、（ニ）は同
正面図、（ホ）（ヘ）は嵌込金具の他の実施形状の平面
図、第３図は第１図下方の嵌着金具の図で（イ）は正面
図、（ロ）は平面図。第４図は組立てた建枠に本案妻面
用手摺枠を取付けたところを示す斜視図である。 1:建枠、1a:建地、1b:横地部材、1c:横桟、1d:グラビテ
ィロック、2:手摺枠、3:足場板、4:妻面用手摺枠、4a:
垂直材、4b:水平材、4c:斜材、5:嵌込金具、5a:抱形腕
金、5b:ボルト、5c:鉄ブロック、5d:両側鉄プレート、5
f:ストッパー、6:嵌着金具。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】垂直材とその上端より伸びる水平材と前記
   両部部材の端部面を斜めに継ぐ斜材とで構成された枠体
   の上方両端部に、建枠建地に嵌め込むため、建地断面よ
   りも稍々大なる内面積を抱える形に屈曲部を有する一対
   の抱形腕金を枠体に固着させたベースメタルに、該腕金
   の一方または双方を緩めることができるように腕金の後
   方の基部においてボルトにより取付けた嵌め込み金具を
   設けるとともに、枠体下方に建地のグラビティロックに
   嵌着する透孔付の嵌着金具を設けたことを特徴とする枠
   組足場の妻面用手摺枠。