JP3001841B2 - 架構のボルト止め構造およびその金具 - Google Patents

架構のボルト止め構造およびその金具

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JP3001841B2 JP9281637A JP28163797A JP3001841B2 JP 3001841 B2 JP3001841 B2 JP 3001841B2 JP 9281637 A JP9281637 A JP 9281637A JP 28163797 A JP28163797 A JP 28163797A JP 3001841 B2 JP3001841 B2 JP 3001841B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、事務所,倉庫,
催し物会場,住宅,その他の仮設建物等の架構のボルト
止め構造およびその金具に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】現場事務
所等となる仮設建物においては、土台への角柱の建込み
に、次のボルト止め構造が一般に採用されている。すな
わち、土台に載せられる角柱の下端のベースプレートを
逆L字状として、その立ち下がり片部を土台の建物外周
側の側面に重ね、前記土台の側面に設けられたボルト挿
通孔からベースプレートのボルト挿通孔にわたり土台の
内側からボルトを挿通し、このボルトにナットをねじ込
んでベースプレートを土台に締結する。前記土台には溝
形鋼または木製のものが用いられる。このボルト止め構
造では、土台の各部のボルト挿通孔にボルトを挿通して
突出させておき、この状態で、角柱をクレーンで吊り下
げ、作業者の補助で角柱の位置を調整しながら、角柱の
ベースプレートのボルト挿通孔に上記ボルトを挿通させ
る。しかし、このとき、角柱は重量物であって吊り下げ
位置の調整が難しいため、土台から突出したボルトに角
柱の下端のベースプレート部分等が当たり、土台のボル
ト挿通孔からボルトが外れて土台の内部に脱落してしま
う場合がある。角柱の建込み時には、一般に土台の内側
に床パネルが設置済みとなっているので、土台のボルト
挿通孔に再度、ボルト挿通孔を挿通するには、床パネル
を取り外した後、ボルトを挿通することが必要となり、
非常に手間と時間がかかる。木製の土台の場合は、土台
のボルト挿通孔にボルトを挿通した後、ボルト頭に係合
するように釘を土台に打ち込み、ボルトの抜け止めを図
っているが、手間がかかるうえ、鋼製の土台の場合はこ
のような釘によるボルトの抜け止めを行うことができな
い。そこで、従来は、土台のボルト挿通孔からボルトが
脱落しないように作業員がボルトを押さえた状態で、角
柱をクレーンで土台上に吊り下げている。そのため、1
人分の作業員が余計に必要になるばかりか、角柱がクレ
ーン吊りされた下に作業員を待機させることになるの
で、玉掛けが外れて柱が倒れた場合などに柱の下敷きに
なる恐れがあり、安全上にも問題がある。特に、現場事
務所等の仮設建物では、現場施工を非常に短時間で行う
必要があり、安全、かつ迅速に柱の建て込みを行えるよ
うにすることが強く要望される。
【0003】この発明は、このような課題を解消し、ボ
ルト抜け落ち防止を作業員に頼ることなく、簡単にかつ
確実に行うことのできる架構のボルト止め構造およびそ
の金具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明のボルト止め構
造は、架構を構成する第1部材に第2部材をボルト止め
する構造であって、切欠溝を有する薄板状のボルト抜け
落ち防止金具を用いたことを特徴とする。すなわち、こ
の架構のボルト止め構造は、第1部材の側面に設けられ
たボルト挿通孔と、このボルト挿通孔に第1部材の内部
から挿通されたボルトと、下向きの切欠溝を有する薄板
状に形成されて前記ボルトが前記切欠溝に嵌まり込むよ
うに前記第1部材の外側面に沿って配置されかつこの嵌
まり込み状態で前記切欠溝の両側縁が前記ボルトのねじ
溝に噛み合うボルト抜け落ち防止金具と、第2部材に設
けられて前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔と、前記
ボルトにねじ込まれて第2部材を第1部材に締結するナ
ットとを備える。この構成によると、第1部材のボルト
挿通孔から突出させたボルトに、ボルト抜け落ち防止金
具を、その切欠溝にボルトが嵌まるように差し込むだけ
で、前記ボルトの抜け止めがなされる。例えば、クレー
ン吊りされた第2部材の揺れにより、そのベースプレー
ト等がボルトに当たっても、ボルト抜け落ち防止金具は
切欠溝の側縁でボルトのねじ溝に噛み合っているため、
容易にボルトが抜けたり引っ込んだりすることがない。
そのため、ボルトの抜け落ちを、作業員の手を煩わせる
ことなく確実に防止でき、作業の安全、省力化、および
効率化が図れる。
【0005】このボルト止め構造において、前記第1部
材が鋼製の土台であり、前記第2部材が鋼製の柱であっ
て、この柱の下面に設けられた逆L形のベースプレート
の立ち下がり片部に、前記ボルト挿通孔を有するものと
しても良い。この構成の場合、土台への柱の建込み作業
において、柱をクレーンで土台上に吊り下げるときに、
土台の側面から突出したボルトが、吊り下げ状態の柱の
ベースプレート等に当たって抜けることを、作業員の手
を煩わせることなく防止できる。そのため、作業員が余
計に必要になることがなく、作業の安全性も向上する。
これらの構成のボルト止め構造において、前記ボルト抜
け落ち防止金具は、切欠溝をV字状に開く形状としても
良い。この構成の場合、ボルト径が種々異なっても、切
欠溝におけるボルトが嵌まり込む深さ位置が変わるだけ
で、一種類のボルト抜け落ち防止金具で各種の径のボル
トの抜け落ち防止に対応できる。
【0006】この発明のボルト抜け落ち防止金具は、切
欠溝を有する薄板状に形成されたボルト抜け落ち防止金
具であって、架構構成部材の側面のボルト挿通孔に内側
から挿通されたボルトに前記切欠溝で嵌まり込むように
前記架構構成部材の外側に配置され、前記切欠溝の両側
縁が前記ボルトのねじ溝に噛み合うものとしている。す
なわち、ボルト抜け落ち防止金具の板厚をボルトのねじ
溝のピッチよりも薄い板厚とし、かつ切欠溝の幅をボル
トのねじ山の外径よりも狭く、ねじ溝の溝底径よりも広
いものとしている。この構成によると、架構構成部材の
ボルト挿通孔に挿通されたボルトに、この金具が切欠溝
の両側縁でねじ溝に噛み合うことにより、別の架構構成
部材やその他の器物が当たったときにボルトが抜け落ち
ることが防止される。しかも、ボルト抜け落ち防止金具
は、その切欠溝にボルトが嵌まるように差し込むだけで
取付けられるため、取り付けが簡単であり、また薄板状
であるため、ナットの締め込みの邪魔にならず、そのま
ま外側にナットを重ねて締め込むことが可能で、取り外
しの手間が不要である。さらに、単に切欠溝を形成した
薄板状のものであるため、構成が簡単で、安価に製造で
きる。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1ない
し図4と共に説明する。図3は、この実施形態にかかる
ボルト止め構造を備えた仮設建物の架構の破断側面図を
示す。建物1の架構1Aを構成する第1部材である鋼製
の土台2は、リップ溝形等の溝形鋼からなり、地面に埋
め込んだコンクリート製の基礎3の上に、開口が建物内
向きとなるように設置される。この土台2は、建物1の
1階部分の外周の全周または一部を除く略全周に沿うよ
うに設けられる。この場合に、全周の土台2の角部は、
隣合う両辺の土台2を工場溶接しておき、各辺の中間で
土台2を継ぐ箇所は、添え板を用いて現場でボルト接合
するものとしてある。図1に示すように、土台2のウェ
ブで形成される外側面と、片方のフランジで形成される
上面にはそれぞれ柱締結用のボルト挿通孔4,5が設け
られる。これらボルト挿通孔4,5は、土台2上の長手
方向における各部の柱建て込み位置に設けられる。建物
1の架構1Aを構成する第2部材である鋼製の各柱6の
下面には、鋼板の曲げ加工品からなる逆L形のベースプ
レート7が設けられ、溶接等で接合されている。柱6に
も、リップ溝形等の溝形鋼が用いられている。ベースプ
レート7の立ち下がり片部7aには、土台2の外側面の
ボルト挿通孔4に整合するボルト挿通孔8が形成され、
ベースプレート7の横片部7bには、土台2の上面のボ
ルト挿通孔5に整合するボルト挿通孔9が形成されてい
る。ベースプレート7の横片部7bのボルト挿通孔9お
よび土台2の上面のボルト挿通孔5は、必ずしも設けな
くても良い。図4は上記柱6の具体例を示す正面図であ
る。柱6は、この例では2階建用の通し柱としてあり、
高さ方向の中間部に2階床梁となる梁30を接合する接
合金物20が溶接等で固着状態に設けられ、上端に屋根
パネル21(図3)および天井パネル22の接合用の接
合金物23が溶接等で固着状態に設けられている。ま
た、高さ方向の各部に、垂直面のブレース(図示せず)
を係合させる頭付きピン状のブレース係合部24が設け
られている。梁30と柱6との接合構造については、後
に説明する。
【0008】土台2への柱6の建込みに先立ち、土台2
の外側面のボルト挿通孔4には、土台2の内側からボル
ト10を挿通し、ボルト抜け落ち防止金具11を土台2
の外側でボルト10に係合させる。ボルト抜け落ち防止
金具11は、図2のように略矩形に形成されて、下向き
の切欠溝11aが下辺に形成されている。ボルト抜け落
ち防止金具11は、鋼板等の薄板からなり、ボルト10
のねじ溝のリードよりも薄いものとされる。切欠溝11
aはこの例では、切欠の底部となる上縁部が半円状に、
この上縁部から続く両側縁が平行となったU字状とさ
れ、その半円の直径および平行部分の間隔は、ボルト1
0のねじ山の外径よりも小さく、ねじ溝の底径よりも大
きな寸法とされている。このボルト抜け落ち防止金具1
1は、土台2の外側面から突出するボルト10に切欠溝
11aが嵌まり込むように、土台2の外側面に沿って配
置される。これにより、ボルト10のねじ溝に切欠溝1
1aの半円状の上縁部および両側縁が噛み合い、ボルト
10が抜け止め状態となる。
【0009】建物1の建方は、次の順序で行われる。
建物1の周囲に土台2を設置する。この土台2の側面
の各ボルト挿通孔4にボルト10を挿通し、このボルト
10に前記のようにボルト抜け落ち防止金具11を係合
させる。床パネル12を敷く。柱6を建てる。
梁,トラス,ブレースを取付ける。壁パネル(図示せ
ず)を隣合う柱6の間に入れる。屋根パネル21を張
る。このように、土台2の内側に床パネル12が設置さ
れた後で、土台2への柱6の建込み作業が行われる。こ
の建込み作業では、クレーンで柱6を吊り下げた状態
で、柱下端のベースプレート7の立ち上がり片部7aの
ボルト挿通孔8に、土台2の外側面から突出するボルト
10を挿通し、このボルト10にナット13をねじ込ん
で締めつける。これにより、ベースプレート7の立ち下
がり片部7aが土台2の外側面に締結される。なお、ベ
ースプレート7の横片部7bは、特に強度が必要である
場合に、そのボルト挿通孔9およびこれに整合する土台
上面のボルト挿通孔5に挿通するボルトによって土台2
に締結され、通常は立ち下がり片部7aのボルト10だ
けで柱6の土台2への接合が行われる。
【0010】この構成の架構のボルト止め構造による
と、柱6の建込み作業において、クレーン等で吊り上げ
られた柱6が、そのベースプレート7のボルト挿通孔8
を土台6から突出したボルト10に合わせるときなど
に、ベースプレート7の立ち下がり片部7a等がボルト
10に当たっても、ボルト10はボルト抜け落ち防止金
具11で抜け止めされ、簡単には土台2の内側へ抜ける
ことがない。そのため、土台2からボルト10が抜け落
ちるのを作業員が手で防止する必要がなく、作業の安全
性が向上すると共に、作業人員の削減が図れ、建方作業
の時間も短縮される。また、前記のように床パネル12
が敷かれた状態で柱6の建て込みを行っても、ボルト1
0が土台の内側に抜けて床パネル12を敷き直すことが
必要になることもなくなる。
【0011】なお、上記実施形態では、ボルト抜け落ち
防止金具11の切欠溝11aを均一な幅寸法のものとし
ているが、ボルト抜け落ち防止金具11は、図5(A)
に示すように切欠溝11aがV状に開いた形状としても
良い。同図の例では、ボルト抜け落ち防止金具11の全
体をV字状の正面形状としてある。このように切欠溝1
1aをV字状に形成した場合には、一種類のボルト抜け
落ち防止金具11でボルト径の異なる複数種類のボルト
10の抜け落ち防止に対応できる。また、ボルト抜け落
ち防止金具11は、図5(B)に示すように把手11b
を形成したものであっても良い。把手11bは、この例
では切欠溝11aと反対側の側縁で一体に形成した折曲
片からなるものとしてある。このように把手11bを設
けておくと、ボルト10の挿通後、ナットの本締め前に
ボルト抜け落ち防止金具11を外すことが必要な場合
に、架構構成部材間に介在したボルト抜け落ち防止金具
11を、把手11bを用いて簡単に除去することができ
る。さらに、ボルト抜け落ち防止金具11は、同図
(C)に示すように、切欠溝11aが途中で屈曲したも
のであっても良い。この例では、切欠溝11aは90°
屈曲し、またボルト抜け落ち防止金具11の外周形状が
円形のものとしてある。また、このボルト抜け落ち防止
金具11は、水平なボルトに係合させた自然状態で、切
欠溝11aの底が上端に位置する重心に形成してある。
このように切欠溝11aを屈曲させた場合、水平なボル
トに対して横方向からボルト抜け落ち防止金具11を嵌
め込み、その後、ボルト抜け落ち防止金具11の角度を
変えて切欠溝11aがボルトから外れないようにするこ
とができる。そのため、ボルト抜け落ち防止金具11の
差し込み方向が制限されるような場合に効果がある。
【0012】図6(A),(B)は、各々この発明の他
の実施形態を示す。図6(A)の例は、柱6のベースプ
レート7を平板状とし、土台2の上フランジに設けられ
たボルト挿通孔とベースプレート7のボルト挿通孔に渡
って挿通したボルト10で柱6を土台2に接合した例で
ある。この場合、建方時に、ボルト10は、土台2の上
フランジのボルト挿通孔に下方から挿通し、ボルト抜け
落ち防止金具11で上方へ突出状態に保持しておく。こ
の状態で、ベースプレート7のボルト挿通孔がボルト1
0に合うように、柱6のベースプレート7を土台2上に
降ろしてナット13を締めつける。その他の構成は図1
ないし図4の実施形態と同じである。図6(B)は、コ
ンクリート基礎3の上に設置した木製の土台2の上に鋼
製の柱6を建込む場合に、上記ボルト止め構造を採用し
た例を示す。土台2は、角形の長尺の木材からなり、長
手方向の複数箇所に、座繰り付きのボルト挿通孔4Aが
設けられている。
【0013】なお、前記の各実施形態は、土台2と柱6
とを接合するボルト10にボルト抜け落ち防止金具11
を使用した例を示したが、このボルト抜け落ち防止金具
11は、土台2に限らず、架構1Aを構成する部材同志
の各部のボルト接合箇所に使用することができる。例え
ば、図4の例では、柱6と梁30との接合に、前記のボ
ルト抜け落ち防止金具11を使用している。すなわち、
柱6に溶接したプレート状の接合金物20に、H形鋼か
らなる鉄骨梁30のウェブ部を重ね、両者に設けたボル
ト挿通孔に挿通されたボルト31およびナット32によ
り、柱6と梁30との接合を行っている。この場合に、
建方時には、柱6の接合金物20のボルト挿通孔にボル
ト31を挿通し、このボルト31にボルト抜け落ち防止
金具11を係合させて、ボルト31を接合金物20から
突出状態としておき、この突出状態のボルト31に梁3
0のボルト挿通孔を合わせてナット32の締め付けを行
う。梁30の柱6への接合作業は、一般には梁30をク
レーン吊りし、作業者の補助で柱6の接合金物20と梁
30のボルト挿通孔を合わせ、その合った瞬間にボルト
31を挿通する必要があるため、非常に作業性が悪く、
また高所作業であることから、安全性にも問題が生じや
すいが、このボルト抜け落ち防止金具11の使用によ
り、ボルト31を無溶接で突出状態としておけるので、
クレーンで吊られた梁30のボルト挿通孔を合わせ易
く、ボルト止め作業が効率良く安全に行える。なお、こ
の発明は、仮設の建物1に限らず、建物の架構一般にこ
の発明の架構のボルト止め構造およびその金具11を適
用することができる。
【0014】
【発明の効果】この発明の架構のボルト止め構造は、架
構を構成する第1部材に第2部材をボルト止めする構造
であって、第1部材の側面に設けられたボルト挿通孔
と、このボルト挿通孔に第1部材の内部から挿通された
ボルトと、下向きの切欠溝を有する薄板状に形成されて
前記ボルトが前記切欠溝に嵌まり込むように前記第1部
材の外側面に沿って配置されかつこの嵌まり込み状態で
前記切欠溝の両側縁が前記ボルトのねじ溝に噛み合うボ
ルト抜け落ち防止金具と、第2部材に設けられて前記ボ
ルトが挿通されるボルト挿通孔と、前記ボルトにねじ込
まれて第2部材を第1部材に締結するナットとを備えた
ものであるため、ボルトの抜け落ち防止を、作業員に頼
ることなく、簡単にかつ確実に行うことができ、作業の
安全性が確保できるうえ、構造が簡単で、安価に施工お
よび金具の生産が行える。前記ボルト止め構造におい
て、前記第1部材が鋼製の土台であり、前記第2部材が
柱であって、この柱の下面に設けられた逆L形のベース
プレートの立ち下がり片部に、前記ボルト挿通孔を有す
るものとした場合は、土台への柱の建込み作業におい
て、柱をクレーンで土台上に吊り下げるとき、土台の側
面のボルト挿通孔に挿通したボルトの抜け止めを作業員
の手を煩わせることなく防止できるので、作業員が余計
に必要になることがなく、作業の安全性も向上する。ま
た、前記ボルト止め構造において、前記ボルト抜け落ち
防止金具の切欠溝をV状に開くものとした場合は、一種
類のボルト抜け落ち防止金具で各種の径のボルトの抜け
落ち防止に対応できる。また、この発明のボルト抜け落
ち防止金具は、切欠溝を有する薄板状に形成されたもの
であって、架構構成部材の側面のボルト挿通孔に内側か
ら挿通されたボルトに前記切欠溝で嵌まり込むように前
記架構構成部材の外側に配置され、前記切欠溝の両側縁
が前記ボルトのねじ溝に噛み合うものとしたため、架構
構成部材のボルト挿通孔からボルトが抜け落ちるのを作
業員の手を煩わせることなく確実に防止でき、しかも簡
単に使用でき、簡素な構成で安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる架構の
ボルト止め構造を示す分解斜視図、(B)は同ボルト止
め構造の組立状態を示す斜視図である。
【図2】(A)は同ボルト止め構造に使用するボルト抜
け落ち防止金具の斜視図、(Bは同金具のボルトへの嵌
め込み状態を示す斜視図、(C)は同ボルト止め構造に
よる土台への柱の建込み前の状態を示す断面図、(D)
は同ボルト止め構造による土台への柱の建込み後の状態
を示す断面図である。
【図3】同ボルト止め構造を備えた仮設建物の架構を示
す破断側面図である。
【図4】(A)は同仮設建物の柱の具体例および同柱に
接合した梁の一部を示す側面図、(B)はその柱梁接合
部の拡大正面図である。
【図5】(A)〜(C)は、各々ボルト抜け落ち防止金
具の互いに異なる他の例を示す正面図,斜視図,および
正面図である。
【図6】(A),(B)はそれぞれ前記ボル止め構造を
採用した柱建込み部の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…建物 7a…立ち下がり片部 1A…架構 8…ボルト挿通孔 2…土台(第1部材) 10…ボルト 4…ボルト挿通孔 11…ボルト抜け落ち防
止金具 6…柱(第2部材) 11a…切欠溝 7…ベースプレート 13…ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04B 2/56 652 E04B 2/56 652J F16B 41/00 F16B 41/00 J

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架構を構成する第1部材に第2部材をボ
    ルト止めする構造であって、第1部材の側面に設けられ
    たボルト挿通孔と、このボルト挿通孔に第1部材の内部
    から挿通されたボルトと、下向きの切欠溝を有する薄板
    状に形成されて前記ボルトが前記切欠溝に嵌まり込むよ
    うに前記第1部材の外側面に沿って配置されかつこの嵌
    まり込み状態で前記切欠溝の両側縁が前記ボルトのねじ
    溝に噛み合うボルト抜け落ち防止金具と、第2部材に設
    けられて前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔と、前記
    ボルトにねじ込まれて第2部材を第1部材に締結するナ
    ットとを備えた架構のボルト止め構造。
  2. 【請求項2】 前記第1部材が鋼製の土台であり、前記
    第2部材が鋼製の柱であって、この柱の下面に設けられ
    た逆L形のベースプレートの立ち下がり片部に、前記ボ
    ルト挿通孔を有する請求項1記載の架構のボルト止め構
    造。
  3. 【請求項3】 前記ボルト抜け落ち防止金具の切欠溝が
    V字状に開くものである請求項1または請求項2記載の
    架構のボルト止め構造。
  4. 【請求項4】 切欠溝を有する薄板状に形成されたボル
    ト抜け落ち防止金具であって、架構構成部材の側面のボ
    ルト挿通孔に内側から挿通されたボルトに前記切欠溝で
    嵌まり込むように前記架構構成部材の外側に配置され、
    前記切欠溝の両側縁が前記ボルトのねじ溝に噛み合うボ
    ルト抜け落ち防止金具。
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