JP4072726B2 - プレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法 - Google Patents

プレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の外周壁を構成するプレキャストコンクリートパネルを構造物に取り付けるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物などの外周壁を構築する際、スラブなどの構造体にプレキャストコンクリートパネルを取り付けて構築する工法が実用化されている。従来、プレキャストコンクリートパネルを構造体に取り付ける場合、まずプレキャストコンクリートパネルを所定の位置に仮に保持し、仮に保持された状態で構造体に取り付けている。プレキャストコンクリートパネルを仮に保持するには、階下の支持面に高さ調節可能な支保工を立設し、支保工の上方にプレキャストコンクリートパネルを配置し、プレキャストコンクリートパネルを固定治具などを介して支保工に支持させることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−74361号公報 (第3−5頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した従来の方法によると、階下の支持面がスロープ状になっている場合や、階下の支持面からプレキャストコンクリートパネル下面までの高さが相当ある場合などには、支保工を立設することが困難であり、或いは支保工の補強が大規模になるという問題が存在する。このため、上記した場合などの時には、プレキャストコンクリートパネルを仮に保持する際の作業性は悪いため、相当の作業時間が費やされ、さらにプレキャストコンクリートパネルの仮保持の確実性に欠ける。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、下方に支保工を設けずにプレキャストコンクリートパネルを仮に保持させることで、プレキャストコンクリートパネルを仮に保持する際の作業性および確実性を向上させることを目的とする。また、外部足場無しで外周壁のプレキャストコンクリートパネルを取り付け可能とすることで、プレキャストコンクリートパネルを取り付ける際のコストダウンを図るとともに、安全性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、構造物の外周壁を構成するプレキャストコンクリートパネルを、前記構造物を構成する鉄骨横架材の外方に配置するとともに、該鉄骨横架材の軸方向に並行して取り付けるプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、前記鉄骨横架材の上面には、上方に立ち上げられた取付台が付設され、該取付台の上方には該取付台の上面に対向する下面と前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に対向する側面とを有する仮吊治具が配置され、該仮吊治具の下面は該取付台の上面に接合され、該仮吊治具の側面は前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に接合されていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、プレキャストコンクリートパネルは仮吊治具により鉄骨横架材に付設された取付台に支持され、プレキャストコンクリートパネルは所定の位置に仮に保持される。また、プレキャストコンクリートパネルによって外周壁が形成され、プレキャストコンクリートパネルは鉄骨横架材側から取り付けられる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、前記仮吊治具は、前記取付台および前記プレキャストコンクリートパネルにそれぞれ取り外し自在に取り付けられているとともに、該鉄骨横架材の上方に形成されて前記プレキャストコンクリートパネルに接合されるスラブの上方に配置されていることを特徴としている。
【0009】
このような特徴により、スラブが形成されてプレキャストコンクリートパネルがスラブから支持されるようになった際に、仮吊治具はスラブ内に埋め込まれずにスラブ上から容易に撤去される。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、前記取付台は前記鉄骨横架材の上面に固着される基台部と仮吊治具の下面に接合される載置部とから構成され、該載置部は前記鉄骨横架材の軸方向と直交する方向に延在され、前記載置部の一端は前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に当接され、前記載置部の他端は前記鉄骨横架材の内方に張り出されて前記仮吊治具に緊結されていることを特徴としている。
【0011】
このような特徴により、プレキャストコンクリートパネルの荷重によって生じる仮吊治具の下方向へのモーメントに対しては、載置部一端の強度によって対抗され、仮吊治具の上方向へのモーメントに対しては、仮吊治具と載置部他端との接合力(緊結する力)によって対抗される。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、前記鉄骨横架材の下部には鉄骨側ファスナー取付部が設けられ、該鉄骨側ファスナー取付部に対向する前記プレキャストコンクリートパネルの内側面には、該プレキャストコンクリートパネル内に定着されたパネル側ファスナー取付部が設けられ、前記鉄骨側ファスナー取付部と前記パネル側ファスナー取付部とは伸縮調整可能なファスナーを介して接合されていることを特徴としている。
【0013】
このような特徴により、プレキャストコンクリートパネルの傾きはファスナーを伸縮調節することで調節される。
【0014】
請求項5記載の発明は、構造物の外周壁を構成するプレキャストコンクリートパネルを、前記構造物を構成する鉄骨横架材の外方に配置するとともに、該鉄骨横架材の軸方向に並行して取り付けるプレキャストコンクリートパネルの取付方法において、前記鉄骨横架材の上面に上方に立ち上げられた取付台を形成し、前記プレキャストコンクリートパネルを前記鉄骨横架材の外方に配置し、前記取付台の上面に対向する下面と前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に対向する側面とを有する仮吊治具を前記取付台の上方に配置し、前記仮吊治具の下面を前記取付台に取り外し可能に取り付けるとともに前記仮吊治具の側面を前記プレキャストコンクリートパネルに取り外し可能に取り付け、前記プレキャストコンクリートパネルに接合されるスラブを前記仮吊治具の下方に形成し、該仮吊治具を前記取付台および前記プレキャストコンクリートパネルから撤去し、該仮吊治具を転用することを特徴としている。
【0015】
このような特徴により、プレキャストコンクリートパネルは支保工を使用せずに所定の位置に仮に保持される。また、仮吊治具はスラブ形成後に取り外されて転用されるため、スラブ上に障害物となる仮吊治具は残らず、複数のプレキャストコンクリートパネルを取り付ける際の仮吊治具の数量を軽減される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
【0017】
図1、図2に示すように、構造物1は、図示せぬ柱と柱の間に水平に架けられている鉄骨梁(以下、鉄骨横架材2と記す。)と、鉄骨横架材2の上方に水平に設けられ鉄骨横架材2と係合するスラブ3と、鉄骨横架材2の外方に鉛直に設けられスラブ3と一体構造となる外周壁4とを有している。
【0018】
鉄骨横架材2は、H型鋼からなるものであり、スラブ3に直交する向きのウェブ2aと、ウェブ2aの下端及び上端に直角に取り付けられた下フランジ2bおよび上フランジ2cとにより形成されている。スラブ3は、鉄筋コンクリートからなるものであり、鉄骨横架材2の軸方向に直交する向きに上下千鳥に一定間隔をあけてスラブ筋3aが配設されている。外周壁4は、プレキャストコンクリートパネル5からなるスパンドレル式のものであり、外側面には外装用の仕上げが施されている。
【0019】
プレキャストコンクリートパネル5の下部には、パネル側ファスナー取付部7が水平方向に間隔をあけて並列されている。パネル側ファスナー取付部7は鉄骨横架材2の下方に対向する位置に配置され、水平方向は少なくともプレキャストコンクリートパネル5の両端部にそれぞれ設けるのが好ましい。パネル側ファスナー取付部7は、鉄板からなる矩形のプレートであり、一端がプレキャストコンクリートパネル5内に定着され、他端がプレキャストコンクリートパネル5の鉄骨横架材2の方向に張り出されている。プレキャストコンクリートパネル5内に定着されているパネル側ファスナー取付部7の基端部には鉄筋挿通孔7aが、プレキャストコンクリートパネル5の鉄骨横架材2の方向に張り出されているパネル側ファスナー取付部7の先端部にはボルト孔7bがそれぞれ設けられている。また、プレキャストコンクリートパネル5内には、鉄筋挿通孔7a内を挿通する縦鉄筋8が鉛直に配設されており、プレキャストコンクリートパネル5内に水平に配設される横鉄筋9がパネル側ファスナー取付部7の基端部の上下それぞれに配設されている。
【0020】
パネル側ファスナー取付部7に対応する位置の鉄骨横架材2の下フランジ2bには、鉄骨側ファスナー取付部6が設けられている。鉄骨側ファスナー取付部6は、所定の長さのC型チャンネルからなり、鉄骨側ファスナー取付部6の一端の背面6aが下フランジ2bの上面および上フランジ2cの上面に接して一体に固定され、他端が鉄骨横架材2の軸方向と直交する向きでプレキャストコンクリートパネル5の方向と反対方向に張り出されている。この鉄骨側ファスナー取付部6の先端部にはボルト孔6bが設けられている。
【0021】
鉄骨横架材2の下フランジ2bの下方、且つ鉄骨側ファスナー取付部6とパネル側ファスナー取付部7との間にはファスナー10が介装されている。ファスナー10は、両端部に雌ねじが設けられている円筒形のファスナー本体10aと、ファスナー本体10aに設けられた雌ねじと対を成すねじが切られているボルト材の一端部にドーナツ形の金属部材が取り付けられている丸環10bと、丸環10bのねじと対を成す調整ナット10cとから構成され、調整ナット10cに挿通された丸環10bの先端がファスナー本体10aの両端部に取り付けられてなるものである。
【0022】
パネル側ファスナー取付部7とファスナー10とは、パネル側ファスナー取付部7の先端部とファスナー10の一方の丸環10bとが上下に重ねられて、パネル側ファスナー取付部7のボルト孔7bと丸環10bとに挿通するボルト11とワッシャー12及びナット13によって固定されている。
【0023】
鉄骨側ファスナー取付部6の先端の下方には、複数(図では3個)のパッキング14が積層されており、パッキング14の下方にワッシャー12及びナット13が配置されている。パッキング14とワッシャー12の間には、丸環10bが介装されており、ボルト11が、鉄骨側ファスナー取付部6の先端に設けられたボルト孔6bから、パッキング14及び丸環10bに挿通されており、ワッシャー12及びナット13で固定されている。
【0024】
鉄骨側ファスナー取付部6の上方に位置する鉄骨横架材2の上フランジ2cの上面にはT字形の取付台15が付設されており、取付台15の上方には三角形状の仮吊治具16が配置されている。仮吊治具16はスラブ3よりも高い位置に配置されており、仮吊治具16の下面は取付台15の上面に接合されている。プレキャストコンクリートパネル5側の仮吊治具16の側面はプレキャストコンクリートパネル5の内側面に接合されている。仮吊治具16側面の上端および下端に対向する各々のプレキャストコンクリートパネル5内には、図示せぬ雌ねじ穴を有するアンカー17がそれぞれ埋め込まれている。
【0025】
図3、図4は取付台15と仮吊治具16との接合部を表す詳細図である。図3、図4に示すように、取付台15は、L型の2本の第1のアングル材18からなる基台部19と、L型の2本の第2のアングル材20からなる載置部21とから構成されている。
【0026】
基台部19を形成する2本の第1のアングル材18は、鉄骨横架材2の軸方向に直交する方向にそれぞれ延在され、隙間をあけて背中合わせに上フランジ2c上面の中央に配置されている。鉄骨横架材2の上フランジ2cの上面に接する第1のアングル材18の水平部18a外周はそれぞれ重ね隅肉溶接されており、第1のアングル材18は上フランジ2cの上面にそれぞれ強固に固着されている。また、上方に立ち上げられている第1のアングル材18の鉛直部18bは、隙間をあけて平行に形成されている。
【0027】
載置部21を形成する2本の第2のアングル材20は、鉄骨横架材2の軸方向に直交する方向にそれぞれ延在され、隙間をあけて背中合わせに第1のアングル材18の上方にそれぞれ配置されている。第1のアングル材18の一端は上フランジ2cの外方に張り出されて図1に示すプレキャストコンクリートパネル5の内側面に当接されており、他端は上フランジ2cの内方に張り出されている。
【0028】
第2のアングル材20の鉛直部20aの中央下端は、第1のアングル材18の鉛直部18b上端の間に嵌挿されている。第1のアングル材18の鉛直部18b上端の外周は、第2のアングル材20の鉛直部20aに重ね隅肉溶接されており、第2のアングル材20と第1のアングル材18とは一体に形成されている。2本の第2のアングル材20の水平部20bは、第1のアングル材18の水平部18aにそれぞれ対向されており、第2のアングル材20は第2のアングル材20の水平部20b上面が図1に示すスラブ3の上面と面一になるように配置されている。
【0029】
2本の第1のアングル材18の鉛直部18bの中間部には、矩形プレート22が垂直にそれぞれ設けられており、矩形プレート22の端部は第1のアングル材18の鉛直部18bにT継手状に両側をそれぞれ隅肉溶接されている。2枚の矩形プレート22には、鉛直方向に延在する長ナット23がそれぞれ溶接されており、2個の長ナット23は、鉄骨横架材2の中心軸の鉛直上方、且つ第2のアングル材20の水平部20b下方にそれぞれ配置されている。
【0030】
図5は取付台15と仮吊治具16との接合部を表す詳細平面図である。図3、図4、図5に示すように、2本の第2のアングル材20の水平部20bの中央には第2のアングル材20の軸方向に長い長穴24がそれぞれ形成されており、長穴24は長ナット23の鉛直上方に配置されている。また、鉄骨横架材2の内方に張り出された2本の第2のアングル材20の水平部20bの他端には、第2のアングル材20の軸方向に長い2つの長穴25、26がそれぞれ形成されている。2つの長穴25、26は第2のアングル材20の軸方向に間隔をあけて配列されている。
【0031】
一方、図1、図2に示すように、取付台15上に載せられた仮吊治具16は、水平方向に延在する2本のL型の第3のアングル材27からなる底辺部28と、鉛直方向に延在する2本のL型の第4のアングル材29からなる側辺部30と、斜め方向に延在するフラットバー31からなる斜辺部32とから構成されている。
【0032】
図3、図4、図5に示すように、底辺部28を形成する2本の第3のアングル材27は、第2のアングル材20の軸方向に延在され、隙間をあけて背中合わせに第2のアングル材20と平行にそれぞれ配置されている。上方に立ち上げられている第3のアングル材27の鉛直部27aは、隙間をあけて平行に形成されている。第2のアングル材20の水平部20bに接する2本の第3のアングル材27の水平部27b中央には、第3のアングル材27の軸方向に長い長穴33が形成されており、この長穴33は第2のアングル材20の水平部20bに形成された長穴24に連通されている。また、鉄骨横架材2の内方に張り出された2本の第3のアングル材27の水平部27b他端には、第3のアングル材27の軸方向に長い2つの長穴34、35がそれぞれ形成されている。これらの長穴34、35は第2のアングル材20の水平部20bに形成された長穴25、26にそれぞれ連通されている。
【0033】
第2のアングル材20或いは第3のアングル材27の中央に形成され、上下方向に連通されている長穴24と長穴33には、鉛直方向に延在する全ネジボルトからなる第1の接合ボルト36が挿通されている。第1の接合ボルト36の下端は矩形プレート22に溶接された長ナット23に螺合されており、上端には二つ一組のナット37が重ねて螺合されている。このナット37は矩形のワッシャー板38を介して第3のアングル材27の水平部27b上面に締付けられている。
【0034】
また、第2のアングル材20或いは第3のアングル材27の他端に形成され、上下方向に連通されている長穴25、26と長穴34、35には、鉛直方向に延在する全ネジボルトからなる第2、第3の接合ボルト39、40がそれぞれ挿通されている。第2、第3の接合ボルト39、40の下端には、第2のアングル材20の水平部20bの下方に配置されている長ナット41、42がそれぞれ螺合されている。2つの長ナット41、42は、1枚の矩形のワッシャー板43を介して第2のアングル材20の水平部20b下面に締付けられている。また、第2の接合ボルト39の上端には二つ一組のナット44が重ねて螺合されており、第3の接合ボルト40の上端には二つ一組のナット45が重ねて螺合されている。第2の接合ボルト39のナット44と第3の接合ボルト40のナット45とは、1枚の矩形のワッシャー板46を介して第3のアングル材27の水平部27b上面にそれぞれ締付けられている。
【0035】
図1、図2、図4に示すように、側辺部30を形成する2本の第4のアングル材29は、隙間をあけて背中合わせにそれぞれ配置されている。プレキャストコンクリートパネル5の内側面に接する第4のアングル材29の接面部29aの下端部は第3のアングル材27の一端に一体に溶接されており、第4のアングル材29の接面部29aの上端および下端には、鉛直方向に長い長穴47がそれぞれ形成されている。これらの長穴47は、プレキャストコンクリートパネル5内に埋め込まれているアンカー17の図示せぬ雌ねじ穴にそれぞれ連通されており、これらの長穴47には六角ボルト48がそれぞれ挿通されている。六角ボルト48の先端はアンカー17内にそれぞれ螺合されており、六角ボルト48は丸型のワッシャー49を介して第4のアングル材29の接面部29aにそれぞれ締付けられている。
【0036】
2本の第4のアングル材29の接面部29a端部から内方にそれぞれ張り出された第4のアングル材29の張出部29bは、隙間をあけて平行に形成されている。第4のアングル材29の張出部29b上端の間には、斜辺部32を形成するフラットバー31の上端部が嵌挿されており、フラットバー31の上端部は2本の第4のアングル材29の張出部29bに一体に溶接されている。フラットバー31の下端部は、2本の第3のアングル材27の鉛直部27aの間に嵌挿されており、フラットバー31の下端部は2本の第3のアングル材27の鉛直部27aに一体に溶接されている。また、仮吊治具16の鉛直下方の鉄骨横架材2には、鉄骨横架材2を補剛するスチフナ−50が設けられており、スチフナ−50はプレキャストコンクリートパネル5側のウェブ2a、下フランジ2bおよび上フランジ2cにそれぞれT字継手状に隅肉溶接されている。
【0037】
一方、図2、図6に示すように、スラブ3とプレキャストコンクリートパネル5との間には、両者を繋ぎ合わせる複数のジョイント鉄筋51がスラブ3とプレキャストコンクリートパネル5との接合面に沿って並列されている。このジョイント鉄筋51の一端部はスラブ3内に配設され、継手金物52を介してスラブ筋3aに接合されている。継手金物52は両端部に雌ネジが切られた筒形の部材であり、スラブ筋3aの先端およびジョイント鉄筋51の先端には継手金物52の両端部に設けられた雌ネジに対応するネジが切られている。ジョイント鉄筋51の他端部はプレキャストコンクリートパネル5内に配設されており、千鳥配筋されたスラブ筋3aの上筋に接合されているジョイント鉄筋51は、プレキャストコンクリートパネル5内で下方向に屈曲され、スラブ筋3aの下筋に接合されているジョイント鉄筋51は、プレキャストコンクリートパネル5内で上方向に屈曲されている。
【0038】
次に、上記した構成からなるプレキャストコンクリートパネル5の取付方法について説明する。
【0039】
まず、図1に示すように、図示せぬ柱の間に鉄骨横架材2を架設する。鉄骨横架材2の所定の位置に予めスチフナー50を形成しておく。スチフナー50は、外側の下フランジ2bと上フランジ2cとの間にウェブ2aと直角に配置し、端部を下フランジ2b、上フランジ2cおよびウェブ2aにそれぞれT継手状に隅肉溶接する。また、下フランジ2bの内側上面に予め鉄骨側ファスナー取付部6を形成しておく。鉄骨側ファスナー取付部6は、ウェブ2aを挟んでスチフナー50の反対の位置に配置し、ボルト孔6bが形成された端部が下フランジ2bから内方に張り出すように設ける。さらに、上フランジ2cの中央上面に取付台15を形成しておく。取付台15は、上記したスチフナー50および鉄骨側ファスナー取付部の上方に位置する。
【0040】
図3、図4に示すように、取付台15は、鉄骨横架材2の軸方向に直交する方向に延在する2本の第1のアングル材18を上フランジ2cの中央上面に背中合わせに配置し、第1のアングル材18の水平部18a外周をそれぞれ重ね隅肉溶接する。また、2本の第1のアングル材18の鉛直部18b上端に、第1のアングル材18よりも長い第2のアングル材20をそれぞれ形成する。第2のアングル材20の鉛直部20aを第1のアングル材18の鉛直部18bに重ね隅肉溶接し、第1のアングル材18と第2のアングル材20とを一体に形成する。また、2本の第1のアングル材18の鉛直部18bに直角に矩形プレート22をそれぞれ溶接するとともに、二枚の矩形プレート22に長ナット23をそれぞれ溶接する。このとき。長ナット23が鉄骨横架材2の中心軸上方に位置するように、矩形プレート22の位置を調節する。
【0041】
次に、図1、図2に示すように、スラブ3を形成するための図示せぬスラブ型枠を水平に対向する鉄骨横架材2間に架設する。図示せぬスラブ型枠はスラブ荷重および作業衝撃等に耐え得るように、下方に図示せぬパイプサポート等を建てる。また、スラブ3を図示せぬデッキプレートにより形成する場合は、上記したパイプサポート等を建てる必要はなく、スラブ荷重および作業衝撃等に耐え得る性能を有するデッキプレートを使用する。
【0042】
次に、鉄骨横架材2の外方にプレキャストコンクリートパネル5を配置する。プレキャストコンクリートパネル5は、製作段階において、アンカー17、パネル側ファスナー取付部7および図6に示すジョイント鉄筋51が内側面の所定の位置に配設されて一体に成形されているものである。アンカー17は対向する鉄骨横架材2に形成された取付台15に合わせて縦に二箇所配置し、外方に張り出された載置部21の一端上方に位置している。また、パネル側ファスナー取付部7は対向する鉄骨横架材2に形成された鉄骨側ファスナー取付部6の位置に合わせて配置し、図6に示すジョイント鉄筋51はプレキャストコンクリートパネル5に接合されるスラブ3の位置に合わせて配置され、水平方向に千鳥に複数本設ける。
【0043】
次に、取付台15の上に仮吊治具16を載せて、取付台15の上面と仮吊治具16の下面とを接合させるとともに、仮吊治具16の側面とプレキャストコンクリートパネル5の内側面とを接合させ、プレキャストコンクリートパネル5を仮に支持する。仮吊治具16は、予め底辺部28と側辺部30と斜辺部32とを三角形状に組み立てることで一体に形成しておく。
【0044】
水平方向に延在する2本の第3のアングル材27を隙間をあけて背中合わせに配置するとともに、鉛直方向に延在する2本の第4のアングル材29を隙間をあけて背中合わせに配置する。第3のアングル材27の一端に第4のアングル材29の下端をそれぞれ溶接し、第3のアングル材27の他端と第4のアングル材29の上端との間にフラットバー31を介装させる。フラットバー31の下端は2本の第3のアングル材27の鉛直部27a間に挟持される状態で第3のアングル材27に溶接し、フラットバー31の上端は2本の第4のアングル材29の張出部29b間に挟持される状態で第4のアングル材29に溶接している。
【0045】
図3、図4に示すように、仮吊治具16を取付台15上に載せたとき、第2のアングル材20の水平部20bに形成された長孔24、25、26と第3のアングル材27の水平部27bに形成された長孔33、34,35とが連通するとともに、第4のアングル材29の接面部29aに形成された長孔24とプレキャストコンクリートパネル5内に埋め込まれたアンカー17の図示せぬ雌ねじ穴とが連通するように、仮吊治具16の位置合わせを行う。
【0046】
連通している第2のアングル材20の長孔24、25、26と第3のアングル材27の長孔33、34,35との中に第1、第2、第3の接合ボルト36、39、40をそれぞれ挿通させる。第1の接合ボルト36の下端を矩形プレート22に溶接された長ナット23に螺合し、上端にはワッシャー板を介して二重のナット37を螺合する。また、第2、第3の接合ボルト39、40の下端にはワッシャー板43を介して長ナット41、42をそれぞれ螺合し、上端にはワッシャー板46を介して二重のナット44、45をそれぞれ螺合する。ナット37、44、45をそれぞれ締付けることで第2のアングル材20と第3のアングル材27とを接合する。
【0047】
また、図1、図4に示すように、第4のアングル材29の接面部29aに形成された長穴47に六角ボルト48をワッシャー49を介してそれぞれ挿通させ、六角ボルト48の先端をプレキャストコンクリートパネル5内に埋め込まれたアンカー17の図示せぬ雌ねじ穴に螺合させる。六角ボルト48をそれぞれ締付けることで第4のアングル材29とプレキャストコンクリートパネル5とを接合する。
【0048】
次に、図1に示すように、鉄骨横架材2に固定された鉄骨側ファスナー取付部6とプレキャストコンクリートパネル5に一体に設けられたパネル側ファスナー取付部7とをファスナー10によって締結する。下フランジ2bの上面に固定された鉄骨側ファスナー取付部6の先端の下方に複数(図では3個)のパッキング14を積み重ねて、最下のパッキング14の下方にファスナー10の端部に取り付けられている丸環10bを配置する。鉄骨側ファスナー取付部6の先端には予めボルト孔6bがあけられており、上方からボルト孔6bにボルト11を挿入する。ボルト11はボルト孔6b、パッキング14及び丸環10bを挿通して、先端部に取り付けられるワッシャー12とナット13とで締付ける。
【0049】
プレキャストコンクリートパネル5と一体に固定されて内側に張り出した上下一対のパネル側ファスナー取付部7の先端の上方に、下フランジ2bに固定された鉄骨側ファスナー取付部6に締結されたファスナー10の端部に取り付けられている丸環10bを配置する。パネル側ファスナー取付部7の先端には予めボルト孔7bがあけられており、上方からボルト孔7bにボルト11を挿入する。ボルト11はボルト孔7b、丸環10bを挿通して、先端部に取り付けられるワッシャー12とナット13とで締付ける。
【0050】
下フランジ2bに固定された鉄骨側ファスナー取付部6に締結されたファスナー10のファスナー本体10aを、ファスナー本体10aの両端に挿入されている丸環10bを軸に逆ネジ式に回転させて伸縮調節をし、所定の長さのところで調整ナット10cによって固定する。この調整によって、プレキャストコンクリートパネル5の建ち調整を行う。
【0051】
次に、図6に示すように、プレキャストコンクリートパネル5に水平に並列され基端がプレキャストコンクリートパネル5内に定着しているジョイント鉄筋51のスラブ側に突出した先端を、継手金物52を介して上下千鳥に配筋されたスラブ筋3aに接続する。スラブ筋3aは、予め図示せぬスラブ型枠を建て込んだ後に配筋されるものである。プレキャストコンクリートパネル5内の定着部分が上向きのジョイント鉄筋51にはスラブ筋3aの下筋を接続し、定着部分が下向きのジョイント鉄筋51にはスラブ筋3aの上筋を接続する。
【0052】
次に、スラブ3のコンクリート打設を行い、スラブ3を形成する。スラブ3は、スラブ3天端が取付台15の上面と面一になるように打設し、取付台15はスラブ3内に埋め込み、仮吊治具16はスラブ3の上方に配置する。スラブ3のコンクリート強度が所定の強度まで達した後に、仮吊治具16を取り外し、この仮吊治具16を例えば上階のプレキャストコンクリートパネル5の仮支持に使用するなど、他の箇所の仮吊治具16として転用する。
【0053】
上記した構成からなるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法によれば、鉄骨横架材2の上面には取付台15が付設され、取付台15の上方には仮吊治具16が配置され、仮吊治具16の下面は取付台15の上面に接合され、仮吊治具16の側面はプレキャストコンクリートパネル5の内側面に接合されている。このため、プレキャストコンクリートパネル5は仮吊治具16により鉄骨横架材2に付設された取付台15に支持され、プレキャストコンクリートパネル5は所定の位置に仮に保持される。これによって、プレキャストコンクリートパネル5の下方に支保工を設ける必要はなく、仮吊治具16は簡単に取付できるため、プレキャストコンクリートパネル5の下方がスロープ状になっている場合などにおける作業性および確実性を向上させることができる。
【0054】
また、プレキャストコンクリートパネル5によって外周壁4が形成され、プレキャストコンクリートパネル5は鉄骨横架材2側から取り付けられるため、外部足場無しでプレキャストコンクリートパネル5を取り付け可能であり、プレキャストコンクリートパネル5を取り付ける際のコストダウンを図るとともに、安全性を向上させることができる。
【0055】
また、仮吊治具16は、取付台15およびプレキャストコンクリートパネル5にそれぞれ取り外し自在に取り付けられ、スラブ3の上方に配置されているため、スラブ3が形成されてプレキャストコンクリートパネル5がスラブ3から支持されるようになった際に、仮吊治具16はスラブ3内に埋め込まれずにスラブ3の上から容易に撤去される。これによって、仮吊治具16は転用可能であるとともに、スラブ3を形成した後に、スラブ3上を障害物が無い状態にすることができる。
【0056】
また、取付台15は基台部19と載置部21とから構成され、載置部21は鉄骨横架材2の軸方向と直交する方向に延在され、載置部21の一端はプレキャストコンクリートパネル5の内側面に当接され、載置部21の他端は鉄骨横架材2の内方に張り出されて仮吊治具16に緊結されている。このため、プレキャストコンクリートパネル5の荷重によって生じる仮吊治具16の下方向へのモーメントに対しては、第2のアングル材20の強度によって対抗され、仮吊治具16の上方向へのモーメントに対しては、第1、第2、第3の接合ボルト36,39,40によって対抗される。これによって、プレキャストコンクリートパネル5の荷重に対して効果的に対抗することができ、必要最小限の第1、第2、第3の接合ボルト36,39,40によって、所定の接合力を確保することができる。
【0057】
また、鉄骨横架材2の下フランジ2bには鉄骨側ファスナー取付部6が設けられており、プレキャストコンクリートパネル5の内側面にはパネル側ファスナー取付部7が設けられており、鉄骨側ファスナー取付部6とパネル側ファスナー取付部7とは伸縮調整可能なファスナー10を介して接合されている。このため、プレキャストコンクリートパネル5の傾きはファスナー10を伸縮調節することで調節され、プレキャストコンクリートパネル5の取付精度を容易に向上させることができる。
【0058】
以上、本発明に係るプレキャストコンクリートパネル5の取付構造および取付方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、取付台15および仮吊治具16はL型のアングル材を組み立てて形成しているが、本発明は、溝形鋼やI形鋼、H形鋼等のその他の鋼材によって形成してもよく、また取付台15用あるいは仮吊治具16用に成形された鋼製部材を使用してもよい。また、上記した実施の形態では仮吊治具16は三角形状になっているが、本発明は四角形状やその他の形状でもよく、形状や材質などは適宜設計変更することが可能である。
【0059】
また、上記した実施の形態では仮吊治具16は取付台15およびプレキャストコンクリートパネル5にボルト接合されているが、本発明は、溶接接合等でもよい。例えば、プレキャストコンクリートパネル5に溶接アンカーや鉄筋材を打ち込み、この溶接アンカー等に仮吊治具16を溶接してもよく、また、プレキャストコンクリートパネル5に欠き込み部を形成し、仮吊治具16に前記欠き込み部内に嵌挿される掛止部を形成してもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造は、プレキャストコンクリートパネルを鉄骨横架材の外方に配置するとともに鉄骨横架材の軸方向に並行して取り付けるプレキャストコンクリートパネルの取付構造であって、鉄骨横架材の上面には取付台が付設され、取付台の上方には仮吊治具が配置され、仮吊治具の下面は取付台の上面に接合され、仮吊治具の側面はプレキャストコンクリートパネルの内側面に接合されていることを特徴としている。請求項1記載の発明によれば、プレキャストコンクリートパネルは仮吊治具により鉄骨横架材に付設された取付台に支持され、プレキャストコンクリートパネルは所定の位置に仮に保持されるため、プレキャストコンクリートパネルの下方に支保工を設ける必要はなく、仮吊治具は簡単に取付でき、プレキャストコンクリートパネルの下方がスロープ状になっている場合など、支保工を設けることが困難な施工条件の際に、作業性および確実性を向上させることができる。また、プレキャストコンクリートパネルによって外周壁が形成され、プレキャストコンクリートパネルは鉄骨横架材側から取り付けられるため、外部足場無しでプレキャストコンクリートパネルを取り付け可能であり、プレキャストコンクリートパネルを取り付ける際のコストダウンを図るとともに、安全性を向上させることができる。
【0061】
請求項2記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造は、仮吊治具は取付台およびプレキャストコンクリートパネルにそれぞれ取り外し自在に取り付けられているとともに、スラブの上方に配置されていることを特徴としている。請求項2記載の発明によれば、スラブが形成されてプレキャストコンクリートパネルがスラブから支持されるようになった際に、仮吊治具はスラブ内に埋め込まれずにスラブ上から容易に撤去されるため、仮吊治具は転用させることが可能であり、プレキャストコンクリートパネルの取付作業に必要な器材費の軽減を図る事ができるとともに、スラブ上に障害になる突起物はなくすことができる。
【0062】
請求項3記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造は、取付台は基台部と載置部とから構成され、載置部は鉄骨横架材の軸方向と直交する方向に延在され、載置部の一端はプレキャストコンクリートパネルの内側面に当接され、載置部の他端は鉄骨横架材の内方に張り出されて仮吊治具に緊結されていることを特徴としている。請求項3記載の発明によれば、プレキャストコンクリートパネルの荷重によって生じる仮吊治具の下方向へのモーメントに対しては、載置部一端の強度によって対抗され、仮吊治具の上方向へのモーメントに対しては、仮吊治具と載置部他端との接合力によって対抗されるため、効率的に仮吊治具と取付台とを接合させることができる。
【0063】
請求項4記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造は、鉄骨横架材の下部には鉄骨側ファスナー取付部が設けられ、鉄骨側ファスナー取付部に対向するプレキャストコンクリートパネルの内側面にはパネル側ファスナー取付部が設けられ、鉄骨側ファスナー取付部とパネル側ファスナー取付部とはファスナーを介して接合されていることを特徴としている。請求項4記載の発明によれば、プレキャストコンクリートパネルの傾きはファスナーを伸縮調節することで調節されるため、プレキャストコンクリートパネルの取付精度を向上させることができる。
【0064】
請求項5記載のプレキャストコンクリートパネルの取付方法は、鉄骨横架材の上面に取付台を形成し、プレキャストコンクリートパネルを鉄骨横架材の外方に配置し、仮吊治具を取付台の上方に配置し、仮吊治具の下面を取付台に取り外し可能に取り付けるとともに仮吊治具の側面をプレキャストコンクリートパネルに取り外し可能に取り付け、プレキャストコンクリートパネルに接合されるスラブを仮吊治具の下方に形成し、仮吊治具を取付台およびプレキャストコンクリートパネルから撤去し、仮吊治具を転用することを特徴としている。請求項5記載の発明によれば、プレキャストコンクリートパネルは支保工を使用せずに所定の位置に仮に保持されるとともに、スラブ上に障害物となる仮吊治具は残らず、複数のプレキャストコンクリートパネルを取り付ける際の仮吊治具の数量を軽減されるため、支保工を設置することが困難な場合でもプレキャストコンクリートパネルを仮支持することができ、また、施工費用を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態を説明するための矢視図である。
【図2】 本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態を説明するための側面図である。
【図3】 本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態を説明するための詳細図である。
【図4】 本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態を説明するための詳細図である。
【図5】 本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態を説明するための詳細平面図である。
【図6】 本発明にかかるプレキャストコンクリートパネルの取付構造および取付方法の実施の形態を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 構造物
2 鉄骨横架材
3 スラブ
4 外周壁
5 プレキャストコンクリートパネル
6 鉄骨側ファスナー取付部
7 パネル側ファスナー取付部
10 ファスナー
15 取付台
16 仮吊治具
19 基台部
21 載置部

Claims (5)

  1. 構造物の外周壁を構成するプレキャストコンクリートパネルを、前記構造物を構成する鉄骨横架材の外方に配置するとともに、該鉄骨横架材の軸方向に並行して取り付けるプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、
    前記鉄骨横架材の上面には、上方に立ち上げられた取付台が付設され、該取付台の上方には該取付台の上面に対向する下面と前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に対向する側面とを有する仮吊治具が配置され、該仮吊治具の下面は該取付台の上面に接合され、該仮吊治具の側面は前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に接合されていることを特徴とするプレキャストコンクリートパネルの取付構造。
  2. 請求項1記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、
    前記仮吊治具は、前記取付台および前記プレキャストコンクリートパネルにそれぞれ取り外し自在に取り付けられているとともに、該鉄骨横架材の上方に形成されて前記プレキャストコンクリートパネルに接合されるスラブの上方に配置されていることを特徴とするプレキャストコンクリートパネルの取付構造。
  3. 請求項1または2記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、
    前記取付台は前記鉄骨横架材の上面に固着される基台部と仮吊治具の下面に接合される載置部とから構成され、該載置部は前記鉄骨横架材の軸方向と直交する方向に延在され、前記載置部の一端は前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に当接され、前記載置部の他端は前記鉄骨横架材の内方に張り出されて前記仮吊治具に緊結されていることを特徴とするプレキャストコンクリートパネルの取付構造。
  4. 請求項1から3のいずれか記載のプレキャストコンクリートパネルの取付構造において、
    前記鉄骨横架材の下部には、鉄骨側ファスナー取付部が設けられ、該鉄骨側ファスナー取付部に対向する前記プレキャストコンクリートパネルの内側面には、該プレキャストコンクリートパネル内に定着されたパネル側ファスナー取付部が設けられ、前記鉄骨側ファスナー取付部と前記パネル側ファスナー取付部とは伸縮調整可能なファスナーを介して接合されていることを特徴とするプレキャストコンクリートパネルの取付構造。
  5. 構造物の外周壁を構成するプレキャストコンクリートパネルを、前記構造物を構成する鉄骨横架材の外方に配置するとともに、該鉄骨横架材の軸方向に並行して取り付けるプレキャストコンクリートパネルの取付方法において、
    前記鉄骨横架材の上面に上方に立ち上げられた取付台を形成し、前記プレキャストコンクリートパネルを前記鉄骨横架材の外方に配置し、前記取付台の上面に対向する下面と前記プレキャストコンクリートパネルの内側面に対向する側面とを有する仮吊治具を前記取付台の上方に配置し、前記仮吊治具の下面を前記取付台に取り外し可能に取り付けるとともに前記仮吊治具の側面を前記プレキャストコンクリートパネルに取り外し可能に取り付け、前記プレキャストコンクリートパネルに接合されるスラブを前記仮吊治具の下方に形成し、該仮吊治具を前記取付台および前記プレキャストコンクリートパネルから撤去し、該仮吊治具を転用することを特徴とするプレキャストコンクリートパネルの取付方法。
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