JPH0249306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、とくに組払しの作業が安全、容易
にするに行えるようにした枠組足場に関する。

〈従来の技術〉 現在汎用の枠組足場は、門型の建枠を採用して
いる。すなわち、第４図に示すように門型の建枠
１を所定の間隔で複数並列させ、その相隣れるも
のどうしの間にクロス筋違２，２をとり、その建
枠の上端に位置する横地部材２ａ，２ａ間に足場
板３をかけ渡し、これを最下段としてこの上に同
様の構成単位を建枠１，１どうしの連結で所要段
数繰り返し設置するようになつている。最上段の
建枠１には支柱４を立てて手摺５がセツトされ
る。

〈発明が解決しようとする問題点〉 ところが、こうした足場は組立或いは解体（組
払し）作業の途中において、各段の足場板３上に
立つ作業者に対し安全確保のため手摺がなく、甚
だ危険な作業を余儀なくされる問題があつた。

そこで本考案の枠組足場は、この安全性の問題
の解決を図つたものであり、とくに建枠の形態と
ともに筋違、手摺の構造に工夫を加えることによ
つて、組払し作業面での安全性と取扱い易さを確
保した点を特徴としている。

〈問題を解決するための手段・作用、実施例〉 以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る枠組足場を示
す斜視図、第２図は同上足場の模式正面図であ
る。同図において、は最下段の足場構成単位を
示し、足場全体としてはこの最下段の上に符号
で示されるように同様の構成単位を必要な段数
だけ積み上げ設置して構成される。足場構成単位
の一つひとつは、並列する所要数の建枠６（作業
対象として建造物の外壁面に沿つて建込まれる）
と、該建枠の相隣れるものどうしの間に架設され
た足場板３、そして後で詳しく説明する強度メン
バーとして機能する剛性枠８および筋違としての
役目を果す斜材９よりなる。前記建枠はＨ型の枠
で、一対の建地部材６ｂ，６ｃとその両部材の
略々中位部位間をつなぐ横地部材６ａとを有して
おり、足場板３はその横地部材６ａに繋止させ
る。建枠の建地部材６ｂ，６ｃにはそれぞれ、上
記剛性枠８や斜材９を取付けるための係合ピン１
０が付設されている。すなわち、各建地部材にお
いて、その上端および下端付近、横地部材６ａ取
付位置を挾んでその直上、直下の、計４個所に配
設され、これらは何れも枠自身の内側に突き出し
ていにる。係合ピン１０にはそれぞれ、係止爪１
０ｂが備わり、これがピン本体１０ａから弾発的
に突出していて、ピン本体に嵌込んだ後述剛性枠
８の取付片１１、或いは斜材９の取付部９ａを抜
止めする。建枠の建地部材６ｂ，６ｃの上端に
は、適当長のピン６ｄが突設され、これが当該直
上段の建枠の建地部材の下端を挿し込んで相互に
連結するジヨイント構造になつている。なお、最
下段の建枠の建地部材６ｂ，６ｃの下端にはジ
ヤツキベース７が装着される。

次に剛性枠８は、強度メンバーの筋違と手摺の
両機能を兼ねさせるものである。枠の形は略々三
角形状であり、垂直部材８ａとその上端から水平
に伸びる水平部材８ｂとで形成されるＬ形枠８
ｃ、該Ｌ形枠の両端部間を斜めにつなぐ補剛材８
ｄよりなる。各部材は、丸管、角管、形鋼等で形
成される。Ｌ形枠８ｃは図示例では、一本の材料
（丸管材）で垂直部材８ａと水平部材８ｂをつく
り出し直接Ｌ形枠を形成している。この水平部材
側の端部は下向きに曲げられ、その先端近くに前
記補剛材８ｄが接合している。Ｌ形枠８ｃの高さ
（垂直部材８ａの長さ）ｈは、前記建地部材６ｂ
の約半分の長さに等しく、その巾（水平部材８ｂ
の長さ）ｗは、建枠６の並列間隔におおよそ一致
する。Ｌ形枠８ｃと補剛材８ｄの接合は溶接付け
で、三角形状全体が一つの剛体を構成する。

上記剛性枠８はその三角形状の各頂点の付近
に、透孔付の取付片１１を有していて、その三つ
の取付片をそれぞれ前記建地部材６ｂ側の係合ピ
ン１０に嵌め込み三点支持で取付けられる。

この剛性枠８は、相隣れる外側（反建造物側）
の建地部材６ｂ，６ｂ間の足場板３レベルの上方
側に設けてある。剛性枠はこのような状態で、足
場に働く水平方向の力に対し、枠全体としての剛
性が抵抗し、とくに斜めの補剛材８ｄが単独に引
張或いは圧縮を受ける、いわゆる筋違的な役割を
も果すことと相俟つて、足場の変形防止に合理的
かつ効果的に寄与する。またその水平部材８ｂ
は、足場板３上に立つ作業者に対し適切な高さの
手摺を提供することにもなる。

なお、剛性枠８のＬ形枠８ｃは、垂直部材８ａ
と水平部材８ｂとを別個のパーツにして溶接によ
り組立てるようにしても無論よい。

次に斜材９は、一本の管材からなり、その両端
を平偏にして前記係合ピン１０に対する取付部９
ａを設けている。この斜材９は、前記外側の建地
部材６ｂ，６ｂ間の足場板３レベルの下方側、す
なわち前記剛性枠８の直下において、前記両建地
部材６ｂ，６ｂの高さの違う係合ピン１０，１０
を使いその両部材間に斜めにまたがるようにして
設けてある。

この斜材９は足場に作用する水平力の向きによ
り引張、圧縮の両方を受けることになる。したが
つて従来にみられるような引張だけを意図したク
ロス筋違２よりも、断面サイズが大きく圧縮に対
しても効果のあるものでなければ意味がない。

この斜材９は、足場強度についての要求のグレ
ードに応じ、省略され、或いは第３図に示すよう
にクロス筋違に変更され、更に場合によつてはこ
れらに代えて前記剛性枠８を利用することも考え
られる。

なお、足場の内側（建造物側）の面について
は、建地部材６ｃと建造物壁面との間で壁つなぎ
材（図示せず）をとるが、足場自体の強度メンバ
ーは原則として配さない。ただし、特殊な用途な
どでことの他高い強度が求められる場合には、こ
の内側の面にも前記外側の面と同様に剛性枠８や
適当な筋違を設けてもよい。

以上のような構成になる本考案の枠組足場は、
次のようにして組立て、設置される。まず最下段
の建枠６を建込み、これに建枠９を取付けると
ともに足場板３を架設し、ここで足場内から剛性
枠８をセツトする。次いでこの最下段の建枠６
の上に第２段目の建枠６を連結し、前記同様斜
材９の取付けおよび足場板３の架設を行い、所要
の個所に壁つなぎ材をとり、このようにして下方
から一段ずつ順の組上げてゆく。解体するときに
は、これと全く逆の手順を踏んで最上段から順次
下方へ作業を進めてゆく。

このような組払しの作業は、作業者が各段毎に
足場板３上に立つて当該段の剛性枠８ならびに当
該直上段の建枠６および斜材９について脱着を行
うことによつて進められる。

〈本考案の効果〉 本考案の枠組足場はしたがつて、組払し時、各
段毎の建枠６および斜材９の脱着作業を、作業中
の段に手摺として役立つ剛性枠８がある状態で行
うことができ、作業の安全性が確保される。

また本考案の足場では、各段の水平方向の剛性
を保つ剛性枠８、斜材９はいずれも各段において
足場板３レベルを境にその上方側或いは下方側に
片寄つた形になつているから、組払しに際しては
各々、足場板上に立つ作業者の無理のない態勢で
容易に脱着することができる。のみならず、剛性
枠８には手摺としての機能も期待できるから、別
途手摺をとる必要がなく、その手間が省れるとと
もに、剛性枠自体、建枠との取合いが３個所と少
なく作業性に優れている。

しかも、剛性枠８は、きわめてシンプルな構成
ながら水平力に対する強度メンバーとして著しく
有効に作用し、重量を取扱い容易な範囲に止めつ
つ実用上十分な強度を確保し得る。

その上、実用上に当つての重要課題である経済
性についても、上記剛性枠がその部品点数の少な
いシンプルな構成ゆえに、きわめて安価でつくり
得ることから、足場全体としての供給コストを経
済的に見合うところに十分抑えることができる。

以上に詳細説明したように本考案の枠組足場は
組払しの作業についての高い安全性を保証し得、
しかもすぐれた作業性を備え、強度的にも高い信
頼性を有する他、経済的にもメリツトがあり、そ
の実用価値はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る枠組足場を示
す斜視図、第２図は同上足場の模式正面図、第３
図は本考案の他の実施例としての枠組足場の模式
正面図、第４図は従来型の枠組足場を模式的に示
した説明図、である。 図中、１：門型の建枠、２：クロス筋違、３：
足場板、４：支柱、５：手摺、６：Ｈ型の建枠、
７：ジヤツキベース、８：剛性枠、９：斜材、１
０：係合ピン、１１：取付片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並列する複数の建枠の間に足場板を架設した構
   成単位を建枠の相互連結によつて上下に所要段数
   繰り返し設置した枠組足場において、前記建枠と
   して、一対の建地部材６ｂ，６ｃとその部材の
   略々中位部位間をつなぐ足場板支持用の横地部材
   ６ａとを有するＨ型の建枠６を用い、その相隣れ
   るものどうしの間において、少なくとも外側の建
   地部材６ｂ，６ｂ間の前記足場板３レベルの上方
   側に、垂直部材８ａとその上端から伸びる水平部
   材８ｂとよりなるＬ形枠８ｃとその両端部間を斜
   めにつなぐ補剛材８ｄで形成された略々三角形状
   の剛性枠８を設けたことを特徴とする枠組足場。