JPH061360B2 - ハロゲン化銀カラ−写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラ−写真感光材料

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JPH061360B2
JPH061360B2 JP29608885A JP29608885A JPH061360B2 JP H061360 B2 JPH061360 B2 JP H061360B2 JP 29608885 A JP29608885 A JP 29608885A JP 29608885 A JP29608885 A JP 29608885A JP H061360 B2 JPH061360 B2 JP H061360B2
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    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/392Additives
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ハロゲン化銀カラー感光材料に関し、更に詳
しくは色汚染、色カブリの発生が改良された通常(コン
ベンショナル)カラー写真感光材料及びカラー拡散転写
写真感光材料に関する。
(従来の技術) ハロゲン化銀カラー写真感光材料を露光後、芳香族第1
級アミノ現像主薬を含有する発色現像液で処理すること
によりカラー画像を形成させる方法は従来から良く知ら
れている。
このようなカラー画像形成法において、上記の現像主薬
が空気中の酸素により酸化され、この現像主薬酸化体が
感材の未露光部または低露光部でカラーカプラーと反応
して色素を形成して色カブリを生起することは良く知ら
れている。
また、感色性が異なりかつ発色する色相の異なるカラー
カプラーを含有する乳剤層を二層以上有する通常のカラ
ー感材では、ひとつの感色性層における現像で生成した
現像主薬酸化体が他の感色性層まで拡散し、カプラーと
反応して色汚染(混色)を起すことも知られている。
これら好ましくない色カブリ、色汚染を防止するための
ひとつの手段として、ハイドロキノン系化合物を用いる
方法が提案されている。
たとえば、米国特許2,360,290号、同2,41
9,613号、同2,403,721号、同3,96
0.570号等にはモノ−n−アルキルハイドロキノン
類が、米国特許3,700,453号、特開昭49−1
06329、同50−156438、西独特許公開21
49789号などにはモノ分岐アルキルハイドロキノン
類が、米国特許2,728,659号、同2,732,
300号、同3,243,294号、同3,700,4
53号、英国特許752,146号、特開昭50−15
6438号、同53−9528号、同54−29637
号、特公昭50−21249号などにジアルキル置換ハ
イドロキノン類が、米国特許2,418,613号には
アリールハイドロキノン類が記載されている。
これらの化合物は確かに色カブリ、色汚染防止にある程
度の効果を有しているが、その効果は小さく、また該防
止効果を発現した後着色物を生成するという問題点があ
つた。
そこで、アシル基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、
ハロゲン化アルキル基などの電子吸引性基で核置換され
たハイドロキノンが米国特許第4,198,239号に
提案されている。これらは確かに色汚染防止能に優れて
いるものであるが、着色物を生成する、感材製造中、保
存中に性能が劣化する、ハロゲン化銀乳剤をかぶらせる
などの問題があつた。
また、脂肪族アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基
などで置換されたハイドロキノン類が米国特許4,19
8,239号に提案されている。確かにこれらの化合物
は色汚染防止能もある程度高く、また着色も少なかっ
た。しかしその色汚染防止能はまだまだ不充分であり、
また感材製造中などに結晶を析出するなど保存安定性に
も問題があった。
また、スルホン酸基を有するアルキル基、アラルキル
基、アシルアミノ基で置換されたハイドロキノン類が米
国特許第2,701,197号に提案されているが、こ
れら化合物は感材製造中、保存中に添加しない感材層に
まで拡散して、添加層の色汚染防止能、色カブリ防止能
を劣化させるばかりでなく、他層の写真性能も製造中、
保存中に変化させるという欠点があつた。
また、特開昭59−202465にはスルホンアミド基
で置換されたハイドロキノン類が記載されているが、そ
の色汚染防止能はまだ不充分であった。
また、特開昭57−22237には電子吸引性基を有す
るハイドロキノン類、たとえばカルバモイル基で置換さ
れたハイドロキノンが提案されているが、これらの化合
物は感材製造中および保存中に酸化されやすく、写真性
能が変化する、酸化体の着色度が大きいなどの問題があ
った。
さらに、ハイドロキノンは、米国特許第3,930,8
66号、米国特許第4,277,558号などに記載さ
れているが、米国特許第3,930,866号には本発
明の化合物は具体的に記載もなされていない。また米国
特許第4,277,558号はハイドロキノンとキノン
を併用するというものであり、本発明の化合物をこのよ
うな方法で用いると色汚染防止能をかえつて低下させ
る。また本発明の化合物は具体的に例示されてはいな
い。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の第1の目的は、色汚染、色カブリの少ない感光
材料(通常カラー写真感光材料及びカラー拡散転写写真
感光材料)を提供することであり、第2の目的は保存
中、現像中に着色物を生成しにくい色汚染防止剤を含有
する感光材料を提供することであり、第3の目的は製造
中および/または保存中に色汚染、染、色カブリ防止能
が変化せずに長期間安定な写真性能を示す色再現性の優
れた感光材料を提供することであり、第4の目的は乳剤
層膜厚、中間層膜厚の薄い感光材料を提供することであ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明の前記諸目的は、通常カラー写真感光材料又はカ
ラー拡散転写写真感光材料中に、下記一般式(I)で表
わされる実質的に無色の化合物を含有させることにより
達成された。
(I) (式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子、置換又は無置換のアルキル、アシルアミノ、
アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチ
オ、スルホニル、アシル、カルバモイルまたはスルファ
モイル基を表わし、またRとRは共同して炭素環を
形成してもよい。Rは水素原子またはアルキル基を表
わす。Rは置換または無置換の、複素環、シクロアル
キル基を表わす。R〜Rの炭素数の合計は8以上で
ある。) 本発明をさらに詳細に説明する。
一般式(I)式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原
子(例えば塩素原子、臭素原子、弗素原子など)、置換
または無置換の、アルキル基(炭素数1〜40。例えば
メチル、t−ブチル、t−オクチル、シクロヘキシル、
n−ヘキサデシル、3−デカンアミドプロピルなど)、
アシルアミノ基(炭素数2〜40。例えばアセチルアミ
ノ、n−ブタンアミド、2−ヘキシルデカンアミド、2
−(2′,4′−ジ−t−アミルフエノキシ)ブタンア
ミド、ベンゾイルアミノなど)、アルコキシ基(炭素数
1〜40。例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、n−
オクチロキシ、メトキシエトキシなど)、アリーロキシ
基(炭素数6〜40。例えばフエノキシ、4−t−オク
チルフエノキシなど)、アルキルチオ基(炭素数1〜4
0。例えばブチルチオ、ヘキサデシルチオなど)、アリ
ールチオ基(炭素数6〜40。例えばフエニルチオ、4
−ドデシルオキシフエニルチオなど)、スルホニル基
(炭素数1〜40。例えばメタンスルホニル、ベンゼン
スルホニル、ドデシルベンゼンスルホニル基など)、ア
シル基(炭素数2〜40。アセチル、ベンゾイル、テト
ラデカノイルなど)、カルバモイル基、スルファモイル
基を表わし、またRとRは共同して炭素環を形成し
ても良い。Rは水素原子、アルキル基(炭素数1〜2
0。例えばメチル、エチルなど)を表わす。Rは置換
または無置換の複素環基(炭素数3〜40。例えば2,
6−ジヘキシロキシピリジン−4−イル、N−テトラデ
シルピロリジン−2−イル、N−オクタデシルピペリジ
ン−3−イルなど)、シクロアルキル基(炭素数5〜4
0。例えば3−デカンアミドシクロヘキシル、3−
{(2′,4′−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンア
ミド}シ14クロヘキシルなど)を表わす。R〜R
の炭素数の合計は8以上である。
一般式(I)においてR、Rとして好ましい置換基
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基であり、これらのうち水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基である場合が最も好ましい。
一般式(I)においてRとして好ましい置換基は水素
原子である。
一般式(I)においてRとして好ましい置換基は複素
環基である。
一般式(I)におけるR〜Rは更に置換基を有する
ことができ、それらの基としては一般的に知られている
有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル
基、スルホ基などを挙げることができる。
本発明に用いられる前記一般式(I)で表わされる化合
物(以下常に本発明の化合物という)は、感材中の層、
たとえば、感光性乳剤層(青感層、緑感層および赤感
層)またはそれらの隣接層(たとえば異なる感色性乳剤
層に隣接する中間層および実質的に同一の感色性乳剤層
にはさまれた中間層など)、保護層、ハレーション防止
剤などに含有させることができるが、好ましくは感色性
の異なる乳剤層にはさまれた中間層に含有させる。
本発明の化合物の添加量は、中間層、アンチハレーショ
ン層および保護層の場合には1×10-7から1×10-2
mol/m2であり、好ましくは10-6から3×10-3
mol/m2、より好ましくは1×10-5から1×10
-3mol/m2である。ハロゲン化銀乳剤層の場合には
その層に含有されるハロゲン化銀1モル当り1×10-4
から1モル、 好ましくは3×10-4から3×10-1モル、より好まし
くは1×10-3から1×10-1モルである。
本発明の化合物の具体例を以下に挙げるが、本発明が
これらに限定されるものではない。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21) (22) 本発明の化合物は一般に下記合成例1に準じて2,5−
ジヒドロキシアニリン類とカルボン酸クロリド類とのア
ミド化反応によって得ることが出来るし、また合成例2
に見られるように、ヒドロキシル基にアルキル基、ベン
ジル基など保護基と称される基を導入した形でアミド化
反応を行ない、しかる後に脱保護を行なう合成ルートを
取ることも出来る。
合成例1−1.3−{α−(2,4−ジ−(t)−アミル
フェノキシ)ブタンアミド}シクロヘキサンカルボン酸
の合成 3−アミノシクロヘキサンカルボン酸エチル8.8gを
ピリジン50ml中に溶解し、そこへα−(2,4−ジ
−(t)−アミルフェノキシ)ブタノイルクロリド17.
0gを撹拌しながら徐々に滴下した。滴下終了後更に1
5分間撹拌を続けた後、系を濃塩酸60mlを含む氷水
300ml中に加え、酢酸エチルにより抽出した。硫酸
マグネシウムで乾燥後、濃縮して油状物22gを得た。
上記油状物をエチルアルコール200mlに溶解し、そ
こへ水酸化カリウム6.5gを含む水溶液50mlを徐
々に滴下した。湯浴上で2時間還流した後に放冷し、濃
塩酸20mlを含む氷水300ml中に開け、酢酸エチ
ルにより抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し
て3−{α−(2,4−ジ−(t)−アミルフェノキシ)
ブタンアミド}シクロヘキサンカルボン酸を油状物とし
て20g得た。
合成例1−2.例示化合物(5)の合成 ベリヒテ誌(Ber)54、2509(1921年)のヘ
ンリッヒ(Henrich)の方法によりニトロヒドロキノンか
ら調整したアミノヒドロキノン塩酸塩8.1gとトリエ
チルアミン7mlを、窒素気流下ピリジン80ml中に
溶解し、そこへ合成例1−1で合成したカルボン酸より
常法により誘導した3−{α−(2,4−ジ−(t)−ア
ミルフェノキシ)ブタンアミド}シクロヘキサンカルボ
ン酸クロリド21gを徐々に滴下した。系を室温で30
分撹拌した後、濃塩酸100mlを含む氷水500ml
中に撹拌下、徐々に注いだ。酢酸エチルにより抽出後、
乾燥、濃縮してカラムクロマトグラフィーにより精製を
行ない、例示化合物(5)の淡褐色の油状物23gを得
た。
3348としての 計算値(%) C:71.71,H:8.75, N:5.07 実測値(%) C:71.38,H:56, N:4.82 合成例2−1.N−(2−ヘキシルデカノイル)イソニ
ペコチン酸の合成 イソニペコチン酸エチル10gとピリジン6mlをアセ
トニトリル100ml中に溶解し、そこへ2−ヘキシル
デカノイルクロリド16.5gを撹拌しながら徐々に滴
下した。滴下終了後更に15分間撹拌を続けた後、系を
濃塩酸10mlを含む氷水300ml中に開け、酢酸エ
チルにより抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
して油状物を得た。
上記油状物をエチルアルコール200mlに溶解し、そ
こへ水酸化カリウム6.5gを含む水溶液50mlを徐
々に滴下した。湯浴上で2時間還流した後に放冷し、濃
塩酸20mlを含む氷水300ml中に注ぎ、酢酸エチ
ルにより抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し
てN−(2−ヘキシルデカノイル)イソニペコチン酸を
油状物として21g得た。
合成例2−2.例示化合物(6)の合成2,5−ジメト
キシアニリン9.2gとピリジン8mlをアセトニトリ
ル100ml中に溶解し、そこへ合成例2−1により得
たカルボン酸から常法により誘導したN(2−ヘキシル
デカノイル)イソニペコチルクロリド23gを撹拌しな
がら徐々に滴下した。系を更に15分撹拌した後、濃塩
酸15mlを含む氷水300ml中に加え、酢酸エチル
により抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して
油状物27gを得た。
上記油状物をジクロロメタン500ml中に溶解し、氷
冷下撹拌しながら三臭化ホウ素12mlを徐々に加え
た。滴下終了後室温で更に1時間撹拌した後、氷水50
0mlに開け酢酸エチルによる抽出、乾燥および濃縮を
行なった。得られた粗結晶をカラムクロマトグラフィー
により精製後n−ヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒(混
合比1対3)から再結晶して例示化合物(6)の無色の
結晶20gを得た。
2846としての 計算値(%) C:70.89,H:9.70, N:5.91 実測値(%) C:70.73,H:9.92 N:5.72 本発明の化合物あるいは後述する本発明に併用しうるカ
プラーまたは色素像供与化合物は、種々の公知分散方法
により感光材料中に導入でき、固体分散法、アルカリ分
散法、好ましくはラテックス分散法、より好ましくは水
中油滴分散法などを典型例として挙げることができる。
水中油滴分散法では、沸点が175℃以上の高沸点有機
溶媒および低沸点のいわゆる補助溶媒のいずれか一方の
単独液または両者混合液に溶解した後、界面活性剤の存
在下に水またはゼラチン水溶液など水性媒体中に微細分
散する。高沸点有機溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。分散には転相を伴つて
もよく、また必要に応じて補助溶媒を蒸留、ヌードル水
洗または限外瀘過法などによつて除去または減少させて
から塗布に使用してもよい。
高沸点有機溶媒の具体例としては、フタル酸エステル
類(ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジドデシルフ
タレートなど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類
(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、2−エチルヘキシルジフエニルホスフエート、トリ
シクロヘキシルホスフエート、トリ−2−エチルヘキシ
ルホスフエート、トリドデシルホスフエート、トリブト
キシエチルホスフエート、トリクロロプロピルホスフエ
ート、ジ−2−エチルヘキシルフエニルホスホネートな
ど)、安息香酸エステル類(2−エチルヘキシルベンゾ
エート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−
p−ヒドロキシベンゾエートなど)、アミド(ジエチル
ドデカンアミド、N−テトラデシルピロリドンなど)、
アルコール類またはフエノール類(イソステアリルアル
コール、2,4−ジ−tert−アミルフエノールな
ど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ジオクチルアゼレ
ート、グリセロールトリブチレート、イソステアリルラ
クテート、トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘
導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert
−オクチルアニリンなど)、炭化水素類(パラフイン、
ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレンなど)な
どが挙げられ、また補助溶剤としては、沸点が約30℃
ないし約160℃のが使用でき、典型例としては酢酸エ
チル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテ
ート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
ラテックス分散法を本発明の化合物の分散に適用でき、
その工程、効果および含浸用のラテックスの具体例は、
米国特許第4,199,363号、OLS第2,54
1,274号およびOLS第2,541,230号など
に記載されている。
本発明の化合物は好ましくはカプラー方式の通常カラー
写真感光材料、既成色素供与性化合物を使用するカラー
拡散転写写真感光材料に利用できる。
本発明の化合物をカラー拡散転写写真法に適用するとき
には、剥離(ピールアパート)型あるいは特公昭46−
16356号、同48−33697号、特開昭50−1
3040号および英国特許1,330,524号に記載
されているような一体(インテグレーテッド)型、特開
昭57−119345号に記載されているような剥離不
要型のフイルムユニットの構成をとることができる。
本発明に用いられる写真感光材料の写真乳剤層には、臭
化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀の
いずれのハロゲン化銀を用いてもよい。好ましいハロゲ
ン化銀は約30モル%以下の沃化銀を含む、沃臭化銀も
しくは沃塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約25モル%までの沃化銀を含む沃臭化銀である。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶体を有するいわゆるレギュ
ラー粒子でもよく、また球状などのような変則的な結晶
形を持つもの、双晶面などの結晶欠陥を持つものあるい
はそれらの複合形でもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、約0.1ミクロン以下の微粒子
でも投影面積直径が約10ミクロンに至る迄の大サイズ
粒子でもよく、狭い分布を有する単分散乳剤でも、ある
いは広い分布を有する多分散乳剤でもよい。
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、公知の方
法で製造でき、例えばリサーチ.デイスクロージャー
(RD)、No17643(1978年12月)、22〜
23頁、“I.乳剤製造(Emulsion Preparation and ty
pes)”および同、No18716(1979字11月)、
648頁に記載の方法に従うことができる。
本発明に用いられる写真乳剤は、酸性法、中性法、アン
モニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性
ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時
混合法、それらの組合わせなどのいずれを用いてもよ
い。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合
法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相中の
pAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロール
ド.ダブルジェット法を用いることもできる。この方法
によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハ
ロゲン化銀乳剤が得られる。
別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合して
用いてもよい。
前記のレギュラー粒子からなるハロゲン化銀乳剤は、粒
子形成中のpAgとpHを制御することにより得られ
る。
また単分散乳剤としては、平均粒子直径が約0.1ミク
ロンより大きいハロゲン化銀粒子で、その少なくとも約
95重量%が平均粒子直径の±40%内にあるような乳
剤が代表的である。平均粒子直径が約0.25〜2ミク
ロンであり、少なくとも約95重量%又は数量で少なく
とも約95%のハロゲン化銀粒子を平均粒子直径±20
%の範囲内としたような乳剤を本発明で使用できる。こ
のような乳剤の製造方法は米国特許第3,574,62
8号、同第3,655,394号および英国特許第1,
413,748号に記載されている。また特開昭48−
8600号、同51−39027号、同51−8309
7号、同53−137133号、同54−48521
号、同54−99419号、同58−37635号、同
58−49938号などに記載されたような単分散乳剤
も本発明で好ましく使用できる。
また、アスペクト比が約5以上であるような平板状粒子
も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォ
トグラフイク.サイエンス.アンド.エンジニアリング
(Gutoff,Photographic Science and Engineering)、
第14巻、248〜257頁(1970年):米国特許
第4,434,226号、同4,414,310号、同
4,433,048号、同4,439,520号および
英国特許第2,112,157号などに記載の方法によ
り簡単に調製することができる。平板状粒子を用いた場
合、増感色素による色増感効率の向上、粒状性の向上お
よび鮮鋭度の上昇などの利点のあることが、先に引用し
た米国特許第4,434,226号などに詳しく述べら
れている。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロ
ゲン組成からなる物でもよく、層状構造をなしていても
よい。また、エピタキシヤル接合によつて組成の異なる
ハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダ
ン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合さ
れていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用
いてもよい。
同発明の乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光
増感を行つたものを使用する。このような工程で使用さ
れる添加剤はリサーチ.ディスクロージャーNo1764
3および同No18716に記載されており、その該当箇
所を後掲の表にまとめた。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つの
リサーチ・ディスクロージャーに記載されており、後掲
の表に記載箇所を示した。
本発明には種々のカラーカプラーを併用することがで
き、その具体例は前出のリサーチ.ディスクロージャー
(RD)No17643、VII−C〜Gに記載された特許
に記載されている。色素形成カプラーとしては、減色法
の三原色(すなわち、イエロー、マゼンタおよびシア
ン)を発色現像で与えるカプラーが重要であり、耐拡散
性の、4当量または2当量カプラーの具体例は前述RD
17643、VII−CおよびD項記載の特許に記載され
たカプラーの外、下記のものを本発明で好ましく使用で
きる。
本発明に使用できるイエローカプラーとしては、バラス
ト基を有し疎水性のアシルアセトアミド系カプラーが代
表例として挙げられる。その具体例は、米国特許第2,
407,210号、同第2,875,057号および同
第3,265,506号などに記載されている。本発明
には、二当量イエローカプラーの使用が好ましく。米国
特許第3,408,194号、同第3,447,928
号、同第3,933,501号および同第4,022,
620号などに記載された酸素原子離脱型のイエローカ
プラーあるいは特公昭58−10739号、米国特許第
4,401,752号、同第4,326,024号、R
D18053(1979年4月)、英国特許第1,42
5,020号、西独出願公開第2,219,917号、
同第2,261,361号、同第2,329,587号
および同第2,433,812号などに記載された窒素
原子離脱型のイエローカプラーがその代表例として挙げ
られる。α−ピバロイルアセトアニリド系カプラーは発
色色素の堅牢性、特に光堅牢性が優れており、一方α−
ベンゾイルアセトアニリド系カプラーは高い発色濃度が
得られる。
本発明に使用できるマゼンタカプラーとしては、バラス
ト基を介し疎水性の、5−ピラゾロン系およびピラゾロ
アゾール系のカプラーが挙げられる。5−ピラゾロン系
カプラーは3−位がアリールアミノ基もしくはアシルア
ミノ基で置換されたカプラーが、発色色素や色相や発色
濃度の観点で好ましく、その代表例は、米国特許第2,
311,082号、同第2,343,703号、同第
2,600,788号、同第2,908,573号、同
第3,062,653号、同第3,152,896号お
よび同第3,936,015号などに記載されている。
二当量の5−ピラゾロン系カプラーの離脱基として、米
国特許第4,310,619号に記載された窒素原子離
脱基または米国特許第4,351,897号に記載され
たアリールチオ基が特に好ましい。また欧州特許第7
3,636号に記載のバラスト基を有する5−ピラゾロ
ン系カプラーは高い発色濃度が得られる。ピラゾロアゾ
ール系カプラーとしては、米国特許第3,369,87
9号記載のピラゾロベンズイミダゾール類、好ましくは
米国特許第3,725,067号に記載されたピラゾロ
〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類などが挙
げられる。発色色素のイエロー副吸収の少なさおよび光
堅牢性の点で米国特許第4,500,630号に記載の
イミダゾ〔1,2−b〕ピラゾール類は好ましく、欧州
特許第119,860A号に記載のピラゾロ〔1,5−
b〕〔1,2,4〕トリアゾールは特に好ましい。
本発明に使用できるシアンカプラーとしては、疎水性で
耐拡散性のナフトール系およびフエノール系のカプラー
があり、米国特許第2,474,293号に記載のナフ
トール系カプラー、好ましくは米国特許第4,052,
212号、同第4,146,396号、同第4,22
8,233号および同第4,296,200号に記載さ
れた酸素原子離脱型の二当量ナフトール系カプラーが代
表例として挙げられる。またフエノール系カプラーの具
体例は、米国特許第2,369,929号、同第2,8
01,171号、同第2,772,162号、同第2,
895,826号などに記載されている。湿度および温
度に対し堅牢なシアンカプラーは、本発明で好ましく使
用され、その典型例を挙げると、米国特許3,772,
002号に記載されたフエノール核のメタ−位にエチル
基以上のアルキル基を有するフエノール系シアンカプラ
ー、米国特許第2,772,162号、同第3,75
8,308号、同第4,126,396号、同第4,3
34,011号、同第4,327,173号、西独特許
公開第3,329,729号および欧州特許第121,
365号などに記載された2,5−ジアシルアミノ置換
フエノール系カプラーおよび米国特許第3,446,6
22号、同第4,333,999号、同第4,451,
559号および同第4,427,767号などに記載さ
れた2−位にフエニルウレイド基を有しかつ5−位にア
シルアミノ基を有するフエノール系カプラーなどであ
る。
発色々素の不要吸収を補正するために、撮影用のカラー
感材にはカラードカプラーを併用しマスキングを行うこ
とが好ましい。
発色色素が適度に拡散性を有するカプラーを併用して粒
状性を改良することができる。このようなカプラーは、
米国特許第4,366,237号および英国特許第2,
125,570号にマゼンタカプラーの具体例が、また
欧州特許第96,570号および西独出願公開第3,2
34,533号にはイエロー、マゼンタもしくはシアン
カプラーの具体例が記載されている。
色素形成カプラーおよび上記の特殊カプラーは、二量体
以上の重合体を形成してもよい。ポリマー化された色素
形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,82
0号および同4,080,211号に記載されている。
ポリマー化マゼンタカプラーの具体例は、英国特許第
2,102,173号および米国特許第4,367,2
82号に記載されている。
カップリングに伴つて写真的に有用な残基を放出するカ
プラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤
を放出するDIRカプラーは前述のRD17643、VI
I〜F項に記載された特許のカプラーが有用である。
本発明の感光材料には、現像時に画像状に造核剤もしく
は現像促進剤またはそれらの前駆体を放出するカプラー
を使用することができる。このような化合物の具体例
は、英国特許第2,097,140号、同第2,13
1,188号に記載されている。ハロゲン化銀に対して
吸着作用を有するような造核剤などを放出するカプラー
は特に好ましく、その具体例は、特開昭59−1576
38および同59−170840などに記載されてい
る。
本発明に従つたカラー写真感光材料は、前述のRD、No
17643の28〜29頁および同、No18716の6
51左欄〜右欄に記載された通常の方法によつて現像処
理することができる。
本発明のカラー写真感光材料は、現像、漂白定着もしく
は定着処理の後に通常水洗処理または安定化処理を施
す。
水洗工程は2槽以上の槽を向流水洗にし、節水するのが
一般的である。安定化処理としては水洗工程のかわりに
特開昭57−8543号記載のような多段向流安定化処
理が代表例として挙げられる。本工程の場合には2〜9
槽の向流浴が必要である。本安定化浴中には画像を安定
化する目的で各種化合物が添加される。例えば膜pHを
調整する(例えばpH3〜8)のため各種の緩衝剤(例
えば、ホウ酸塩、メタホウ酸宴、ホウ砂、リン酸塩、炭
酸塩、水酸化カリ、水酸化ナトリウム、アンモニア水モ
ノカルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸などを組
み合わせて使用)やホルマリンなどを代表例として挙げ
ることができる。その他、必要に応じて硬水軟化剤(無
機リン酸、アミノポリカルボン酸、有機リン酸、アミノ
ポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸など)、殺菌剤
(ベンゾイソチアゾリノン、イリチアゾロン、4−チア
ゾリンベンズイミダゾール、ハロゲン化フエノールな
ど)、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤などの各種添加
剤を使用してもよく、同一もしくは異種の目的の化合物
を二種以上併用してもよい。
また、処理後の膜pH調整剤として塩化アンモニウム、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム等の
各種アンモニウム塩を添加するのが好ましい。
本発明の化合物をカラー拡散転写写真感光材料に使用す
るとき、ハロゲン化銀乳剤層と組合せて使用される色素
像供与化合物は、ネガ型もしくはポジ型であり、アルカ
リ性の処理組成物で処理されたときに、最初は写真要素
中で可動性であるか、あるいは非可動性である。
本発明に有用なネガ型の色素像供与化合物としては、酸
化された発色現像薬と反応して色素を形成または放出す
るカプラーがあり、その具体例は米国特許3,227,
550号およびカナダ国特許602,607号等に記載
がある。本発明に使用するのに好ましいネガ型の色素像
供与化合物としては、酸化状態にある現像薬あるいは電
子移動剤と反応して色素を放出する色素放出レドックス
化合物があり、その代表的な具体例は米国特許3,92
8,312号、同4,135,929号、同4,05
5,428号、同4,336,322号、同4,05
3,312号などに記載されている。
本発明で使用しうる非可動性のポジ型色素供与化合物と
しては、アルカリ性条件の写真処理中に、全く電子を受
け取ることなく(すなわち、還元されずに)、あるい
は、少なくとも1つの電子を受け取つた(すなわち、還
元された)後、拡散性色素を放出する化合物があり、そ
の具体例は、米国特許4,199,354号、同3,9
80,479号、同4,199,355号、同4,13
9,379号、同4,139,389号、同4,23
2,107号及び特開昭53−69033号に記されて
いる。
さらに、最初からアルカリ性の写真処理条件下において
可動性のポジ型の色素像供与化合物も本発明の写真要素
に有用である。この代表例が色素現像薬であり、その代
表的具体例は、米国特許3,482,972号および同
3,880,658号などに記載されている。
本発明で使用される色素像供与化合物から形成される色
素は、既成色素であるか、あるいはまた写真処理工程あ
るいは追加処理段階において色素に変換しうる色素前駆
体であつてもよく、最終画像色素は金属錯体化されてい
てもいなくてもよい。本発明に有用な代表的染料構造と
しては、アゾ色素、アゾメチン色素、アントラキノン色
素、フタロシアニン色素の金属錯体化された、あるいは
金属錯体化されていない色素を挙げることができる。こ
の中で、シアン、マゼンタおよびイエローの色素が特に
重要である。
また色素前駆体の一種として、感光要素中では一時的に
光吸収をシフトさせてある色素部分を有する色素放出レ
ドツクス化合物も本発明に使用することができる。
色素放出レドツクス化合物を用いて、カラー拡散転写画
像を得るためのプロセスについては、「フォトグラフィ
ック.サイエンス.エンド.エンジニアリング」(Photo
graphic Science and Engineering)誌、Vol.20、No
4、p.155〜165、July/August1976に記載
されている。
本発明は種々のカラー感光材料に適用することができ
る。一般的もしくは映画用のカラーネガフイルム、スラ
イド用もしくはテレビ用のカラー反転フイルム、カラー
ペーパー、カラーポジフイルム、カラー拡散転写直接ポ
ジ感材料およびカラー反転ペーパーなどを代表例として
挙げることができる。本発明はまた、リサーチ.ディス
クロージャー17123(1978年7月)などに記載
の三色カプラー混合を利用した白黒感光材料にも適用で
きる。
(発明の効果) 本発明の通常カラー写真感光材料及びカラー拡散転写写
真感光材料は、色汚染、色カブリの極めて少ないカラー
画像を与える。また、本発明の感光材料において色汚染
防止剤は、保存中、あるいは現像中に容易に酸化される
ようなことがなく、安定した色汚染防止能を示す。本発
明の感光材料は製造中および/または保存中に色汚染、
色カブリ防止能が劣化するようなことがなく、写真性能
が長時間変化せず、色再現性に優れるものである。さら
に本発明の感光材料においては、乳剤層及び中間層の膜
厚を薄くできる。
実施例 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1 透明なトリアセチルセルロースフイルム支持体上に下記
に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材料
(試料101)を作成した。
第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 …………… 0.15g/m2 紫外線吸収剤 U−1 …… 0.08g/m2 同 U−2 …… 0.12g/m2 ゼラチン ………………… 1.3 g/m2 第2層:中間層 2,5−ジ−t−ペンタ デシルハイドロキノン … 0.18g/m2 カプラーC−1 …………… 0.11g/m2 ゼラチン ………………… 1.5 g/m2 第3層:第1赤感乳剤層 増感色素I …………… 銀1モルに対して 1.4×10-4モル 同 II …………… 銀1モルに対して 1.4×10-4モル 同 III …………… 銀1モルに対して 5.6×10-4モル 同 IV …………… 銀1モルに対して 4.0×10-4モル カプラーC−2 ……… 0.45g/m2 カプラーC−3 ……… 0.035g/m2 カプラーC−4 ……… 0.025g/m2 ゼラチン …………… 1.6 g/m2 第4層:第2赤感乳剤層 増感色素I …………… 銀1モルに対して 5.2×10-5モル 同 II …………… 銀1モルに対して 1.5×10-5モル 同 III …………… 銀1モルに対して 2.1×10-4モル 同 IV …………… 銀1モルに対して 1.5×10-5モル カプラーC−2 ……… 0.050g/m2 カプラーC−5 ……… 0.070g/m2 カプラーC−3 ……… 0.035g/m2 ゼラチン ………………… 1.0 g/m2 第5層:中間層 比較用化合物A−1 …… 0.10g/m2 トリクレジルフォス フェート … 0.10g/m2 ゼラチン ………………… 0.60g/m2 第6層:第1緑感乳剤層 増感色素V …………… 銀1モルに対して 4.0×10-4モル 増感色素VI …………… 銀1モルに対して 3.0×10-5モル 同 VII …………… 銀1モルに対して 1.0×10-4モル カプラーC−6 ………… 0.45g/m2 カプラーC−7 ………… 0.13g/m2 カプラーC−8 ………… 0.02g/m2 カプラーC−4 ………… 0.04g/m2 ゼラチン ………………… 1.0 g/m2 第7層:第2緑感乳剤層 増感色素V …………… 銀1モルに対して 2.7×10-4モル 増感色素VI …………… 銀1モルに対して 1.8×10-5モル 同 VII …………… 銀1モルに対して 7.5×10-5モル カプラーC−6 ……… 0.095g/m2 カプラーC−7 ……… 0.015g/m2 第8層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 ……… 0.08g/m2 2,5−ジ−t−ペンタ デシルハイドロキノン… 0.090g/m2 ゼラチン ………………… 1.0 g/m2 第9層:第1青感乳剤層 増感色素I …………… 銀1モルに対して 4.4×10-4モル カプラーC−9 ……… 0.71g/m2 カプラーC−4 ……… 0.07g/m2 ゼラチン ……………… 1.0 g/m2 第10層:第2青感乳剤層 増感色素VIII …………… 銀1モルに対して 3.0×10-4モル カプラーC−9 ……… 0.23g/m2 ゼラチン ………………… 0.9 g/m2 第11層:第1保護層 紫外線吸収剤 U−1 … 0.14g/m2 同 U−2 … 0.22g/m2 ゼラチン ………………… 0.9 g/m2 第12層:第2保護層 ポリメタクリレート粒子 (直径1.5μ) …… 0.10g/m2 ゼラチン ………………… 0.9 g/m2 各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1や界面
活性剤を塗布した。
(試料102〜113) 試料101の第5層の比較用化合物A−1の代わりに、
比較用の化合物A−2、A−3、A−4、A−5、A−
6およびA−7、本発明の化合物(1)、(2)、
(3)、(5)、(6)および(13)を等モル置き換
えたほかは試料101と同様にして試料102〜113
を作成した。
これら試料に赤色の像様露光を与え下記のカラー現像処
理を行なつた。処理後の試料を赤色フイルターおよび緑
色フイルター濃度測定し、赤色フイルターで測定したシ
アン濃度が(カブリ+1.5)の濃度を与える露光量に
おいて、マゼンタ濃度からマゼンタのカブリ濃度を引い
た値を色にごり度として第1表にまとめた。
ここで用いる現像処理は下記のとうりに38℃で行なつ
た。
カラー現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 2分10秒 定 着 4分20秒 水 洗 3分15秒 安 定 1分05秒 各工程に用いた処理液組成は下記の通りであつた。
カラー現像液 ジエチレントリアミン五酢酸 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン− 1,1−ジホスホン酸 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸カリウム 30.0g 臭化カリウム 1.4g 沃化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−β− ヒドロキシエチルアミノ) −2−メチルアニリン硫酸 塩 4.5g 水を加えて 1.0 pH10.0 漂 白 液 エチレンジアミン四酢酸第二 鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二ナ トリウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて 1.0 pH 6.0 定 着 液 エチレンジアミン四酢酸二ナ トリウム塩 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム水溶液 (70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1.0 pH 6.6 安 定 液 ホルマリン(40%) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モ ノノニルフエニルエーテル (平均重合度=10) 0.3g 水を加えて 1.0 また、これら試料に(A)25℃、相対湿度60%の条
件で7日間、および(B)40℃、相対湿度80%の条
件で7日間放置した後、白色光で像様露光し、前記カラ
ー現像を行つた。これら処理済試料を濃度測定し、
(A)条件でイエロー、マゼンタおよびシアン濃度がそ
れぞれ1.5の濃度になるような露光量における強制劣
化条件である(B)条件のそれぞれの濃度を第1表にま
とめた。
1表の結果から、色にごり度は本発明の試料108〜
113および比較例試料106、107が小さい値とな
つていてこれら試料に用いた化合物の色汚染防止の高い
ことが明らかである。一方、強制劣化条件下に置いた後
の写真性能では、試料106と107のマゼンタ濃度、
シアン濃度は著しく低下しているのに対し、本発明の試
料108〜113ではこのような濃度低下がわずかであ
ることがわかる。
実施例で用いた化合物の構造 U-1 C-1 U-2 C-2 C-3 C-4 C-5 C-6 C-7 C-8 C-9 H-1 増感色素 I II III IV VI VII VIII A-1(米国特許2336327号の化合物(6)) A-2(米国特許第4198239号の化合物(3)) A-3(米国特許第4277558号の化合物I−22) A-4(米国特許第4277553号の化合物(1)) A-5(特開昭57-22237の化合物(15)) A-6(米国特許第2701197号の化合物(9)) A-7(米国特許第2701197号の化合物(6)) 実施例2 透明なポリエチレンテレフタレートフイルム支持体上に
下記の層を順次塗布して感光シートAを作製した。
(1) コポリ〔スチレン−N−ビニルベンジル−N,
N,N−トリヘキシルアンモニウムクロリド〕3.0g
/m2、ゼラチン3.0g/m2を含有する媒染層。
(2) 二酸化チタン20g/m2、ゼラチン2.0g/m
2を含有する光反射層。
(3) カーボンブラック3.0g/m2、とゼラチン2.
0g/m2を含有する遮光層。
(4) 下記構造のマゼンタ色素放出レドックス化合物
0.65g/m2とゼラチン1.2g/m2とを含有する
層。
(5) 緑感性の内部潜像型直接反転臭化銀乳剤(銀の量
で1.2g/m2)、ゼラチン(1.3g/m2)、下記
構造の造核剤(0.04mg/m2)及び2−スルホ−5
−n−ペンタデシルハイドロキノン.ナトリウム塩
(0.12g/m2)を含有する層。
(6) 本発明の化合物(1)、0.53g/m2とトリシクロ
ヘキシルホスフエート0.2g/m2を含有する層。
(7) 下記構造のイエロー色素放出レドックス化合物
0.75g/m2とトリシクロヘキシルホスフエート0.
2g/m2及びゼラチン1.2g/m2を含有する層。
(8) ゼラチン(1.0g/m2)を含有する層。同様の
方法で感光シートB及び比較試料として感光シートC、
Dを作つた。
・感光シートB:感光シートAの層(6)の色汚染防止剤
と して本発明の化合物の代わりに特開昭 54−29637号記載の2,5−ジ −t−ペンタデシルハイドロキノンの 同一モル量、0.49g/m2に置き換
えた以外はAと同 一の感光シート。
・感光シートC:感光シートCの層(6)の色汚染防止剤 を米国特許4,277,553号の化
合物(22)、2−sec −オクタデシル−5−ベンゼンスルホ
ニルハイドロキノ ンの同一モル量0.47g/m2に置き
換えた以外はAと 同一の感光シート。
・感光シートD:感光シートAの層(7)及び層(8)を塗布
し ない以外はAと同一の感光シート。
透明なポリエステル支持体上に、順次以下の層を塗布し
たカバーシートを作製した。
(1) ポリアクリル酸17g/m2、N−ヒドロキシサク
シンイミドベンゼンスルホネート0.06g/m2とエチ
レングリコール0.5g/m2とを含む、厚さ7ミクロン
に塗布した層。
(2) 酢酸セルロース(酢酸度54)を厚さ2ミクロン
に塗布したタイミング層。
(3) 塩化ビニリデンとアクリル酸との共重合ラテック
スを厚さ4ミクロンに塗布したタイミング層。
下記の組成の処理液を作製した。
上記感光シートA〜Dをウエツジ露光後、前記の処理液
を含む容器及びカバーシートと共に一体化させて、25
℃及び35℃の条件で押圧部材により処理液を80ミク
ロンの厚みに展開して転写色画像を得た。転写画像をカ
ラー濃度計で測定しDg(緑フイルター濃度)、Db
(青フイルター濃度)の値を得た。Dg=2.0の時の
Dbの値を第2表に示す。
ここで作った感光シートA〜Cにおいて、色汚染防止剤
を含む層(6)は、緑感性ハロゲン化銀乳剤を含む層
(5)で発生した現像薬酸化体がハロゲン化銀乳剤層
(5)と組合つていないイエロー色素放出レドックス化
合物を含む層(7)の方向へ層(6)を通過して拡散し
た時、この現像薬酸化体と反応してイエロー色素の放出
を防止する(これによってマゼンタの色にごり、即ちマ
ゼンタにイエローが混じりマゼンタ色相が悪化すること
を防止する)ために塗布したものである。従って感光シ
ートA、B、Cにおける色汚染防止剤を含む層(6)の
能力はDb−Db(感光シートD)の値、即ち色にごり
度で判断できる。本発明の化合物を用いた感光シートA
は、比較用の感光シートB、Cに比べこの色にごり度の
値が著しく小さく、色汚染防止能が高いことが明らかで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−202465(JP,A) 特開 昭54−24019(JP,A) 特開 昭54−25823(JP,A) 特開 昭59−149348(JP,A) 特開 昭62−103638(JP,A) 特公 昭59−37497(JP,B2) 特公 昭62−37380(JP,B2) 米国特許第2701197号(US,A) 米国特許第4277558号(US,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる実質的に無
    色の化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする
    通常ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、置換または無置換の、アルキル、アシルアミノ、
    アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチ
    オ、スルホニル、アシル、カルバモイルまたはスルファ
    モイル基を表わし、またR1とR2は共同して炭素環を形
    成してもよい。R3は水素原子、アルキル基を表わす。
    4は置換または無置換の、複素環またはシクロアルキ
    ル基を表わす。R1〜R4の炭素数の合計は8以上であ
    る。)
  2. 【請求項2】下記一般式(I)で表わされる実質的に無
    色の化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする
    カラー拡散転写写真感光材料。 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、置換または無置換の、アルキル、アシルアミノ、
    アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチ
    オ、スルホニル、アシル、カルバモイルまたはスルファ
    モイル基を表わし、またR1とR2は共同して炭素環を形
    成してもよい。R3は水素原子、アルキル基を表わす。
    4は置換または無置換の、複素環またはシクロアルキ
    ル基を表わす。R1〜R4の炭素数の合計は8以上であ
    る。)
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