JPH06124705A - アルカリ蓄電池およびその水素吸蔵合金の製造法 - Google Patents

アルカリ蓄電池およびその水素吸蔵合金の製造法

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JPH06124705A
JPH06124705A JP4297667A JP29766792A JPH06124705A JP H06124705 A JPH06124705 A JP H06124705A JP 4297667 A JP4297667 A JP 4297667A JP 29766792 A JP29766792 A JP 29766792A JP H06124705 A JPH06124705 A JP H06124705A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素吸蔵合金粉末の表面に、金属などの微小
粉末材料を、強固に結合させることで水素吸蔵合金の優
れた特性を長期間、安定して発揮することができるアル
カリ蓄電池を提供する。 【構成】 金属酸化物を主構成材料とする正極と、水素
吸蔵合金を主構成材料とする負極と、セパレータと、ア
ルカリ電解液とからなるアルカリ蓄電池において、前記
負極には、水素吸蔵合金粉末からなる母粒子とそれより
も粒径が小さく、かつ母粒子よりも延性に富む金属粒子
などからなる子粒子との間に、主に圧縮力、摩砕力等の
機械的エネルギーを作用させることにより、個々の母粒
子表面を凹凸化し、かつその凹凸表面に子粒子を圧延、
被覆する、表面処理を施したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負極に水素吸蔵合金を
用いたアルカリ蓄電池およびその水素吸蔵合金粉末の製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負極に水素吸蔵合金を用い、正極にニッ
ケル酸化物などの金属酸化物を用いた金属酸化物・水素
アルカリ蓄電池は、従来のニッケル・カドミウム蓄電池
に比べて高容量化が可能であるため、盛んに開発が進め
られている。
【0003】しかしながら、この電池はくり返し充放電
を行うと、その過充電時に正極から発生する酸素によっ
て負極の水素吸蔵合金の表面が酸化され、合金の水素吸
蔵能力が低下して電池容量が低下する。
【0004】また、その充電時には水素吸蔵合金におい
て、(化1)に示す水素吸蔵反応と、(化2)に示す水
素発生反応が起こる。
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】 したがって、充電時とくに大電流による急速充電時に
は、正極から発生する酸素ガスと負極から発生する水素
ガスによって、電池内圧は上昇していた。
【0007】そして、この電池内圧の上昇により、電池
に備えられた安全弁が作動して、ガス放出の際に同時に
電解液が電池外に漏れ出て電解液量は減少し、電池の充
放電サイクル特性は低下する。
【0008】また、このとき、正極から発生した酸素ガ
スは、水素吸蔵合金に吸蔵された水素と反応して水に還
元されるが、負極自体から発生した水素ガスは電池内に
蓄積されやすかった。
【0009】そして、これらの課題を解決するために、
特開昭61−163569号公報では、水素吸蔵合金の
表面をニッケル(Ni)またはニッケル合金で被覆する
技術が提案されている。これにより水素吸蔵合金の酸素
ガスとの接触を遮断して合金の酸化を防止するととも
に、合金に導電性を付与することにより充放電を効率良
く行うことが提案されている。
【0010】また、特公平2−204965号公報で
は、水素吸蔵合金粉末と錫(Sn)、銅(Cu)、鉛
(Pb)などの金属粉末を混合することにより、負極全
体の導電性を向上させて、充放電サイクル寿命特性を向
上させる技術が提案されている。
【0011】また、水素吸蔵合金において(化1)で示
される水素吸蔵反応を効率良く行うために、水素吸収反
応に対して触媒機能を有する材料を、水素吸蔵合金の表
面に付与する技術も提案されている。
【0012】さらに、充電時に負極から発生した水素ガ
スを、水素吸蔵合金自体において効率良く吸収するため
に、合金の表面に撥水材料を塗布する技術が提案されて
おり、合金の撥水部において合金と水素ガスの固体−気
体間の化学反応を高めることがなされている。
【0013】そして、これらの水素吸蔵合金上に付与さ
れる上記の粉末材料は、ボールミルなどの粉砕機におい
て、水素吸蔵合金粉末とともに混合されていた。そし
て、この混合時に、水素吸蔵合金からなる母粒子の表面
に前記粉末材料からなる子粒子を付着させ、母粒子を被
覆していた。
【0014】また、水素吸蔵合金の表面を、前記材料で
化学メッキすることにより被覆する方法も一部では用い
られていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法で得られた合金粉末では、水素吸蔵合金からなる母
粒子と前記粉末材料からなる子粒子との結合力、とくに
物理的な結合力が弱かった。
【0016】また、電池として充放電を繰り返した場
合、充放電にともない水素吸蔵合金粉末は膨張、収縮を
繰り返す。
【0017】そして、この合金粉末における膨張、収縮
により、前記母粒子と子粒子との物理的結合力がさらに
弱まり、母粒子の表面から子粒子が脱落することがあ
り、子粒子である粉末材料の付与効果が充分に得られな
いことがあった。
【0018】したがって、水素吸蔵合金粉末に上記の粉
末材料を付与したにもかかわらず、電池の充放電サイク
ル寿命特性は低下していた。
【0019】本発明は、このような課題を解決すること
を第1の目的とするものである。また本発明は水素吸蔵
合金での水素吸収反応を効率良く行うとともに、水素吸
蔵合金表面の酸化を防止するために付与される金属など
の粉末材料を、水素吸蔵合金粉末の表面に強固に結合さ
せて、水素吸蔵合金粉末の優れた特性を長期間、安定し
て発揮させることができるアルカリ蓄電池を提供するこ
とを第2の目的とする。
【0020】さらに前記電池の製造法およびこの電池に
好適な水素吸蔵合金の製造法を提供することを第3およ
び第4の目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明の主題は、金属酸化物を主構成材料とする
正極と、水素吸蔵合金を主構成材料とする負極と、セパ
レータと、アルカリ電解液とからなるアルカリ蓄電池に
おいて、前記負極には、水素吸蔵合金粉末からなる母粒
子と、それよりも粒径が小さく、かつ母粒子よりも延性
に富む金属粒子などからなる子粒子との間に、主に圧縮
力、摩砕力よりなる機械的エネルギーを作用させること
により、個々の母粒子表面を凹凸化し、かつその表面に
子粒子を圧延、被覆するという表面処理を施したもので
ある。
【0022】また、この電池に好適なメカノケミカル反
応に基づき母粒子表面に子粒子を圧延、被覆させる水素
吸蔵合金の表面処理方法を提供するものである。
【0023】
【作用】本発明では、水素吸蔵合金からなる母粒子と、
それよりも粒子径が小さく母粒子よりも延性に富む子粒
子に、主に圧縮力、摩砕力を加えてこれらの混合を行
う。
【0024】このとき、各粒子間に圧縮力、摩砕力より
なる機械的エネルギーが作用し前記母粒子の表面は凹凸
化されるとともに、前記子粒子は前記母粒子の表面に延
展、圧延される。
【0025】また、このとき母粒子と子粒子には、本発
明の圧縮力、摩砕力よりなる大きな機械的エネルギーが
作用するので、各粒子の表面は摩擦熱などによって一時
的に極めて高いエネルギー状態になっている。そして、
この状態の母粒子と子粒子を結合させることにより、極
めて強固な両者の結合を実現することができる。
【0026】したがって、水素吸収反応を効率良く行う
とともに、水素吸蔵合金表面の酸化を防止するために付
与される金属などの粉末材料を、水素吸蔵合金の表面に
長期間にわたり強固に結合させることができ、水素吸蔵
合金の優れた特性を長期間、安定して発揮させることが
できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照にしなが
ら説明する。
【0028】(実施例1)水素吸蔵合金としてAB5
のMmNi5系水素吸蔵合金を用いた。
【0029】まず、Mm(ミッシュメタル:La、C
e、Nd、Smなどを含む希土類元素の混合物)とN
i、Mn、Al、Coを一定の組成比に秤量して混合
後、これらを加熱溶解して組成式MmNi3.9Mn0.3
0.3Co0.5の水素吸蔵合金を作製した。そしてこれを
平均粒径が30μmになるように微粉砕し、母粒子とし
た。
【0030】また、前記水素吸蔵合金の母粒子の表面を
被覆する子粒子として、平均粒径0.03μmで球状の
超微粉Ni粉末を用いた。
【0031】次に、前記母粒子と子粒子を混合する圧縮
摩砕式超微粉砕機の概略構造図を図1(A)に、その要
部拡大図を(B)に、また、粉砕機内において各粒子間
に作用する圧縮および摩砕の模式状態を図2にそれぞれ
示す。
【0032】そして、図1に示した本微粉砕機におい
て、平均粒径30μmの水素吸蔵合金粉末(母粒子)と
平均粒径0.03μmのNi粉末(子粒子)とを重量比
で100対2の割合で混合し、回転するケース1内に投
入した。ここでのケース1の回転速度は毎分1000回
転、処理温度は120℃、処理時間は1時間、ケース1
とケース内に固定された粉砕用作用片2とが最も接近す
る距離(以下、最接近距離)は3mmにそれぞれ設定し
た。
【0033】この装置の動作を基に被覆処理について説
明すると、図1に示した圧縮摩砕式超微粉砕機のケース
1は、固定軸3を中心として高速回転し、これにより発
生する遠心力により水素吸蔵合金粉末の粒子(母粒子)
とNi粒子(子粒子)を混合した試料はケース1の内壁
に押しつけられる。また、これにより形成されるケース
1の円壁上の原料層4に作用片2の加圧力が作用する。
そして、この時に図2に示すように母粒子5と母粒子5
の間、または母粒子5と子粒子6の間に主に圧縮力、摩
砕力を働かせ、個々の母粒子表面を凹凸化し、かつその
母粒子表面に子粒子を圧延、被覆する。さらに、かきと
り片7によるケース内壁よりの粉末のかきとりと攪拌混
合により、この表面被覆処理を効率良く行う。
【0034】なお、この表面処理は、大気中では水素吸
蔵合金粉末が酸化され、特性上好ましくないことが考え
られたため、Arガス雰囲気中にて行った。
【0035】以下、この表面被覆処理方法を、メカノフ
ュージョン法と呼ぶ。この被覆処理を施した母粒子表面
の走査型電子顕微鏡写真(以下、SEM写真)を図3
に、その母粒子の断面の拡大モデル図を図4(A)に、
その部分拡大模式図を(B)に、子粒子として用いた超
微粉Ni粉末の透過型電子顕微鏡写真を図5にそれぞれ
示す。
【0036】また、図6に水素吸蔵合金の母粒子の未処
理時のSEM写真を、図7にこの未処理の母粒子に対し
て、Ni粉末を加えず、それ以外は前記と同様の条件で
圧縮および摩砕を行った時のSEM写真をそれぞれ示
す。
【0037】図6および図7からわかるように、未処理
の水素吸蔵合金の母粒子に、圧縮力および摩砕力を作用
させると、母粒子の表面には凹凸が形成される。
【0038】そして、図5に示した球状のNi粉末から
なる子粒子とともに前記母粒子を混合すると、図3およ
び図4に示したようにNiの子粒子が圧縮力および摩砕
力を受けて、母粒子の表面に圧延一体化される。
【0039】そして、このようにして得た合金粉末を、
本発明の子粒子被覆処理後の水素吸蔵合金粉末Aとし
た。
【0040】比較のため前記水素吸蔵合金の母粒子と前
記Niの子粒子をボールミル内で混合して、前記母粒子
の表面に前記子粒子を付着させたものを、従来の被覆処
理後の水素吸蔵合金粉末Bとした。
【0041】また、前記水素吸蔵合金の母粒子に金属N
iを無電解メッキにより被覆したものを、従来の被覆処
理後の水素吸蔵合金粉末Cとした。
【0042】ここで、図8(A)に無電解メッキによっ
て表面を金属Niで被覆した水素吸蔵合金粉末CのSE
M写真を示し、(B)はその拡大写真である。またその
粉末の拡大断面モデルを図9(A)に、さらにその部分
拡大模式図を図9(B)に示す。
【0043】図8および図9に示したように、無電解メ
ッキによって水素吸蔵合金の表面に形成される金属Ni
は球状に核成長を行う。
【0044】先の図4に示した本発明の合金粉末Aと、
図9に示した従来の合金粉末Cとを比較してわかるよう
に、本発明の合金粉末ではNiの子粒子が母粒子の凹凸
化した表面に圧縮力、摩砕力を受けて凹凸に沿って圧延
されており、密着面積が大きく図9に示す従来例よりも
強固に母粒子と子粒子が物理的に結合している。
【0045】次に、前記水素吸蔵合金粉末A〜Cに対し
て、X線光電子分光法(XPS)を用い、水素吸蔵合金
粉末とその表面を被覆したNi粉末との結合力を測定し
た。
【0046】ここで、この結合力は、アルゴンエッチン
グした表面に、MgのKα線をX線源として、X線を照
射し、Niの2P軌道の結合エネルギーを測定すること
により評価した。
【0047】その結果を図10に示す。図10に示した
ように、本発明の合金粉末Aでは従来の合金粉末B,C
に比べて、水素吸蔵合金とNiとの結合エネルギーが大
きくなった。
【0048】これは、本発明では、水素吸蔵合金からな
る母粒子とNi粉末からなる子粒子に主に圧縮力および
摩砕力からなる機械的エネルギーを作用させ、これらの
粒子の表面を一時的に高いエネルギー状態にし、この状
態の母粒子と子粒子とを結合させたため、従来よりも母
粒子と子粒子間の結合力が向上したと考えられる。
【0049】次に、本発明の表面被覆処理後の合金粉末
Aを結着剤であるPVA(ポリビニルアルコール)の水
溶液と混練し、ペースト状にして、発泡状ニッケル多孔
体へ充填した後、AAサイズの電池用寸法(縦39mm×
横80mm×厚み0.5mm)に加圧、切断し、水素吸蔵合
金電極を得た。
【0050】この水素吸蔵合金電極を公知の発泡メタル
式ニッケル正極と組合せ、渦巻状に巻いて正極容量規制
の公称容量1000mAhでAAサイズの密閉型ニッケ
ル・水素アルカリ蓄電池を作成し、本発明の電池Aとし
た。
【0051】比較のため水素吸蔵合金の母粒子と、超微
粉Ni粉末からなる子粒子をボールミルにより混合し
て、前記母粒子の表面に前記子粒子を付着させた合金粉
末Bを用いたものを、従来の電池Bとした。
【0052】また、水素吸蔵合金の母粒子に金属Niを
無電解メッキにより被覆した合金粉末Cを用いたもの
を、従来の電池Cとした。
【0053】さらに、水素吸蔵合金に表面処理を施さな
かったものを、従来の電池Dとした。
【0054】そして、これらの電池A〜Dを用いて充放
電サイクルに対する放電容量の寿命特性を評価した。
【0055】各電池の寿命試験は、20℃の一定温度下
にて、充電を電流1/3CmAで4.5時間行い、放電
は電流1/2CmAで終止電圧を1.0Vとして行っ
た。
【0056】そして、初期容量に対して容量比80%と
なる時のサイクル数をその電池の寿命とした。
【0057】図11に本発明の電池Aと、従来の電池
B,C,Dの寿命試験の結果を示す。図11の結果か
ら、従来の電池Bは約460サイクル、電池Cは約70
0サイクル、電池Dは約340サイクルの寿命特性を示
した。これに対して本発明の電池Aは約1200サイク
ルの優れた寿命特性を示した。
【0058】これは、金属Ni粉末を添加しない電池D
に比べ、電池A、B、CはNi粉末の母粒子表面被覆に
より、過充電時に正極から発生する酸素ガスが直接水素
吸蔵合金と接する確率が減少すること、また水素ガスに
よる酸素ガスの還元反応が効率良く行われることによ
り、水素吸蔵合金自体の酸化が抑制でき、その寿命特性
が向上したと考えられる。
【0059】また、水素吸蔵合金は充放電すなわち水素
の吸収、放出に伴い、体積の膨張、収縮を繰り返すた
め、合金の内部または表面部分に歪みが生じ、合金本
体、または表面に亀裂ができる。このため、水素吸蔵合
金と金属被膜との物理的結合力が弱いと、金属被膜が合
金表面から脱落する。
【0060】母粒子表面を凹凸化し、かつその表面に機
械的エネルギーを用いて子粒子を圧延、被覆するという
表面処理を施した本発明の水素吸蔵合金は、従来例に比
較して、合金表面と金属被膜が強固に結合し合金表面上
の金属被膜の物理的な結合強度が大きくなった。そし
て、充放電サイクルに伴う水素吸蔵合金自体の膨張、収
縮に対する金属被膜の物理的な結合強度が高くなり、耐
久性に優れるため、金属被膜の効果が長期間、安定に持
続した。このため、水素吸蔵合金の優れた電極特性を長
期間、安定に発揮でき、優れた電池特性を長期間、安定
に発揮することができたと考えられる。
【0061】次に、電池特性の一例として、過充電特性
について評価した。各電池の過充電試験は、20℃の一
定温度下にて充電を電流1/3CmAで6時間充電を行
い、このときの電池内圧を、電池ケース底部に穴をあ
け、圧力センサーを取り付けた固定装置にこの電池を固
定して測定した。電池に設けられている安全弁は、電池
内圧を測定するために電池内圧が30kg/cm2以上で作
動するよう設定した。また、放電は電流1/2CmAで
終止電圧を1.0Vとして行った。
【0062】この時の充放電サイクルによる電池内圧の
最大値の変化を図12に示す。ここで、充放電サイクル
初期において、金属Ni粉末を加えない電池Dに比べ、
電池A、B、Cの電池内圧が低くなっている。これは、
合金表面に形成されたNi粉末の金属被膜により、過充
電時に正極から発生する酸素ガスが直接水素吸蔵合金と
接することを防止して効率良く酸素ガスを水に還元で
き、過充電時の酸素分圧が下がること、また充電時にお
いて合金表面の金属被膜が水素吸収反応に対して触媒効
果を有するため、電池内の水素分圧が下がることが効率
良く行われているためと考えられる。
【0063】また、前述したように、本発明では、従来
例に比較して水素吸蔵合金表面上の金属被膜の物理的な
結合強度が大きく、その耐久性に優れるため、この金属
被膜の効果が長期間、安定に持続する。このため水素吸
蔵合金の優れた電極特性を長期間、安定に発揮すること
ができ、図12に示したように、優れた過充電特性を長
期間、安定に発揮することができたと考えられる。
【0064】さらに本発明においては、合金表面が凹凸
化されるため、電極反応に関わる電極の比表面積が増大
し、電極反応の分極が低減されて反応効率が向上して優
れた充電特性を示したと考えられる。
【0065】また、電池内圧上昇の挙動と、図12に示
した充放電サイクルによる放電容量の低下の挙動が一致
していることから、この放電容量の低下は、電池内圧が
安全弁の弁作動圧(約12kg/cm2以上)を越えるまで
上昇し、電解液がガスとして安全弁から出ていくためそ
の量が減少して全体的な電池活物質の利用率の低下、お
よび電池の内部抵抗の上昇が起因していると考えられ
る。
【0066】ここで、本実施例では、母粒子の粒子径を
30μmとした。なぜならば粒子径を10μmよりも小
さくすると、母粒子の比表面積が小さくなり、充電時に
おける水素吸蔵反応の効率が低下するため、充電時の電
池内圧は15kg/cm2を越えるまで上昇した。
【0067】逆に母粒子の粒子径を50μmより大きく
すると、これを用いたペーストは発泡状ニッケル多孔体
に充填しにくくなり、電極の作業効率が低下した。
【0068】したがって、水素吸蔵合金からなる母粒子
の平均粒子径は、10〜50μmの範囲内にあることが
好ましい。
【0069】また、本実施例では、母粒子に対する子粒
子の配合重量比を2/100としたが、この重量比を1
/10より大きくすると子粒子を母粒子の表面に圧延、
被覆しにくくなり、子粒子が脱落しやすくなって子粒子
の被覆効果が低減していた。
【0070】さらに、この重量比を1/10000より
小さくすると、母粒子の表面における子粒子の量が少な
く、母粒子の水素吸収反応の効率を向上させることがで
きないため、充電時の電池内圧が15kg/cm2を越える
まで上昇した。
【0071】したがって、母粒子に対する子粒子の重量
比は、1/10〜1/10000の範囲であることが好
ましい。
【0072】また、母粒子に対する子粒子の平均粒径比
は1/10〜1/1000の範囲にすることが好まし
い。
【0073】これは、この平均粒径比を1/10より大
きくすると、子粒子が大きくなり過ぎ母粒子から脱落し
やすく、また、1/1000より小さくすると子粒子が
小さくなり過ぎるため、母粒子の表面と結合しにくくな
り、子粒子による被覆効果が低減するためである。
【0074】また、本実施例では、圧縮摩砕式超微粉砕
機の回転速度を毎分1000回転とした。この回転速度
を毎分700回転よりも小さくすると、母粒子と子粒子
に与える機械的エネルギーが減少する。そして、子粒子
と母粒子の結合力が低下し、これにより子粒子による被
膜効果が低下して充放電サイクル寿命特性が低下した。
【0075】さらに、この回転速度を毎分2000回転
よりも大きくすると、母粒子と子粒子との衝突などによ
って発生する摩擦熱が大きくなりすぎ、子粒子であるN
iが溶融して、これが直接、水素吸蔵合金と反応し、合
金の水素吸蔵量を低下させた。
【0076】したがって、圧縮摩砕式超微粉砕機の回転
速度は、毎分100〜2000回転の範囲にすることが
好ましい。
【0077】また、圧縮摩砕式超微粉砕機内の温度は、
上記のようなNiの溶融を防止するために、500℃以
下に設定することが好ましい。
【0078】また、本実施例では圧縮摩砕式超微粉砕機
のケースと粉砕用作用片との最接近距離を3mmとした
が、この最接近距離は1〜5mmの範囲にすることによ
り、本発明の母粒子と子粒子の結合に必要な圧縮力、摩
砕力を得ることができる。
【0079】なお、本実施例では、子粒子としてNi粒
子を用いたが、この他に、Cu、Mn、Al、Co、F
e、Zn、C、Moよりなる群のうちのいずれかであれ
ば同様の効果が得られる。
【0080】(実施例2)実施例1と同じ組成をもつM
mNi5系水素吸蔵合金に対し、本発明のメカノフュー
ジョン法により、その表面に撥水材料の粒子を被覆し
た。
【0081】この被覆処理には実施例1と同一の装置を
使用した。そして、平均粒径30μmの水素吸蔵合金粉
末と、撥水材料として平均粒径0.1μmの四フッ化エ
チレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂を用い、水素吸
蔵合金粉末の粒子と撥水材粒子を重量比で100対0.
1の割合で混合して投入した。ついで、ケース3の回転
速度を毎分500回転、処理温度を60℃、処理時間を
1時間、ケース3と作用片5との最近接距離を3mmにそ
れぞれ設定して合金の被覆処理を行った。また、この処
理はArガス雰囲気中にて行った。
【0082】そして、実施例1と同様にして水素吸蔵合
金電極を得た後、正極容量規制の公称容量1000mA
hでAAサイズの密閉型ニッケル・水素アルカリ蓄電池
を作成し、これを本発明の電池Eとした。
【0083】比較例として、前記水素吸蔵合金電極を前
記撥水材料の水性ディスパージョンに浸漬して作成した
電池を従来の電池Fとし、また前記水素吸蔵合金と撥水
材料を乳鉢において単純に混合して作成した電池を従来
の電池Gとした。
【0084】次に、実施例1と同一条件で充放電試験を
行った。この時の充放電サイクルによる電池内圧の最大
値の変化を図13に示す。
【0085】図13に示したように、本発明の電池Eで
は、長期間の充放電サイクルにおいて電池内圧は低く保
たれ、寿命特性は良好であった。
【0086】しかし、従来の方法により撥水材料被覆を
施した電池F、Gでは、サイクル初期においてその効果
が認められたが、サイクルをくり返した場合、250サ
イクル以上経過すると電池内圧が約12kg/cm2すなわ
ち、安全弁が作動する圧力領域に達し、安全弁からの電
解液の漏出による電解液量の減少によって電池特性の劣
化が引き起こされた。
【0087】充電時の水素吸蔵合金の水素吸収反応は、
液(電解液)−固体(合金)間の電気化学的反応と気
(電池内空間)−固体(合金)間の化学的反応の両者が
競争的に同時に起こるが、前者と後者の反応を効率良く
進行させ、水素ガス発生という副次反応による電池内圧
の増加を抑制するためには、合金表面に適切な親水部と
撥水部とを設けることが有効であることが分かってい
る。また、合金表面に撥水部を設ける場合の撥水材料と
して、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂、あるいはポリ四フッ化エチレン樹脂などのフッ素系
樹脂を用い、その塗布方法としてディスパージョン浸漬
法、または噴霧塗布法を用いることが有効であることが
分かっている。
【0088】このように、合金表面に適切な親水部と撥
水部を設けることにより、充電時の水素吸蔵合金の水素
吸収反応が効率良く進行して、水素ガス発生という副次
反応による電池内圧の増加が抑制される。しかし、実施
例1で述べたように水素吸蔵合金は充放電にともなっ
て、合金本体、あるいは表面に亀裂が生じるため、合金
と撥水樹脂の被膜との間の物理的結合力が弱いと、撥水
樹脂被膜が合金表面から脱落する。
【0089】本発明の電池Eの場合、圧縮摩砕式超微粉
砕機において個々の粒子に作用するせん断力と圧縮力を
用いてメカノケミカル反応(メカノフュージョン)を行
うことにより、母粒子表面を凹凸化し、かつその表面に
前記機械的エネルギーを用いて撥水樹脂材料を圧延、被
覆する。このため、従来例に比較して、合金表面上にお
ける樹脂被膜の物理的な結合強度が大きくなり、充放電
サイクルに伴う水素吸蔵合金自体の膨張、収縮に対する
樹脂被膜の物理的な結合強度が高くなり、耐久性に優れ
る。したがって、樹脂被膜の効果が長期間、安定に持続
し、水素吸蔵合金の優れた電極特性を長期間、安定に発
揮することができ、優れた電池特性を長期にわたり、安
定して得ることができたと考えられる。
【0090】このように、合金表面に長期間、安定な親
水部と撥水部を設けることにより、電池内圧の増加が抑
制され、安定かつ優れた充電特性(電池内圧特性)が得
られた結果、寿命特性も向上した。
【0091】また、本実施例では、母粒子の粒子径を3
0μmとした。この粒子径の決定理由は実施例1での説
明と同じである。
【0092】また、本実施例では、母粒子に対する撥水
材料からなる子粒子の配合重量比を2/1000とし
た。これはその重量比を1/10よりも大きくすると子
粒子を母粒子の表面に圧延、被覆しにくく、子粒子が脱
落しやすくなって子粒子による被覆効果が低減したから
である。
【0093】また逆にその重量比を1/10000より
も小さくすると、母粒子の表面における子粒子の量が少
なすぎて母粒子の水素吸収反応の効率を向上させること
ができないため、充電時の電池内圧が15kg/cm2を越
えるまで上昇した。
【0094】したがって、母粒子に対する子粒子の重量
比は、1/10〜1/10000の範囲であることが好
ましい。
【0095】また、母粒子に対する子粒子の平均粒径比
は1/10〜1/1000の範囲にすることが好まし
い。
【0096】この平均粒径比を1/10より大きくする
と、子粒子が母粒子から脱落しやすく、また、1/10
00より小さくすると子粒子が母粒子の表面と結合しに
くくなり、子粒子による被覆効果が低減する。
【0097】また、本実施例では、圧縮摩砕式超微粉砕
機の回転速度を毎分500回転としたが、この回転速度
を毎分100回転より小さくすると、母粒子と子粒子に
与える機械的エネルギーが減少して、子粒子と母粒子の
表面を一時的に高いエネルギー状態にしてこれらを結合
させることができなく、充放電サイクル寿命特性が低下
した。
【0098】さらに、この回転速度を毎分1000回転
より大きくすると、母粒子と子粒子との衝突などによっ
て発生する摩擦熱が大きくなりすぎ、高分子化合物であ
る撥水材料が熱分解して、子粒子としての役目を果たさ
なくなり、水素吸蔵合金の水素吸蔵反応を向上させるこ
とができなかった。
【0099】したがって、圧縮摩砕式超微粉砕機の回転
速度は、毎分100〜1000回転の範囲にすることが
好ましい。
【0100】また、温度上昇による撥水材料の熱分解を
防止するために、圧縮摩砕式超微粉砕機内の温度は20
0℃以下に設定することが好ましい。
【0101】また、本実施例では圧縮摩砕式超微粉砕機
のケースと粉砕用作用片との最接近距離を3mmとした
が、この最接近距離を1〜5mmの範囲にすることによ
り、本発明の母粒子と子粒子との結合に必要な圧縮力、
摩砕力を得ることができる。
【0102】なお、本実施例では撥水材料として、四フ
ッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂を用いた
が、アルカリ溶液中において安定で疎水性のあるもので
あれば良く、ポリ四フッ化エチレン樹脂などのフッ素系
樹脂であれば良い。
【0103】(実施例3)実施例1および2と同じ組成
をもつMmNi5系水素吸蔵合金に対し、本発明のメカ
ノフュージョン法により、その表面に水素の吸収反応に
対して触媒機能を有する子粒子を被覆した。
【0104】この被覆処理には実施例1および2と同一
の装置を使用した。そして、平均粒径30μmの水素吸
蔵合金粉末と、触媒材料として平均粒径0.1μmのM
oCo3粒子を用い、水素吸蔵合金粉末とMoCo3粒子
を重量比で100対1の割合で混合してケースに投入し
た。ついで、ケース3の回転速度を毎分1000回転、
処理温度を100℃、処理時間を1時間、ケース3と作
用片5の最近接距離を3mmにそれぞれ設定して合金の被
覆処理を行った。
【0105】また、これらの処理はArガス雰囲気中に
て行った。そして、実施例1および2と同様にして水素
吸蔵合金電極を得た後、正極容量規制の公称容量100
0mAhでAAサイズの密閉型ニッケル・水素アルカリ
蓄電池を作成し、これを本発明の電池Hとした。
【0106】比較例として、前記水素吸蔵合金粉末とM
oCo3粒子をボールミルにおいて単純に混合し、その
他は上記と同様の処理を行って電池を作成し、これを電
池Iとした。次に、実施例1および2と同一の条件で充
放電試験を行った。この時の充放電サイクルによる電池
内圧の最大値の変化を図14に示す。
【0107】図14に示したように、本発明の電池Hで
は、従来の電池Iに比べ長期間の充放電サイクルにおい
て安定な充電特性を示した。水素化反応に触媒能を有す
る材料を用いることにより、優れた充電特性を示すの
は、充電時の水素吸蔵合金の水素吸収反応が効率良く進
行し、水素ガス発生という副次反応による電池内圧の増
加が抑制されることによると考えられる。
【0108】そして、本発明の電池Hの場合、圧縮摩砕
式超微粉砕機において個々の粒子に作用するせん断力と
圧縮力を用いてメカノケミカル反応(メカノフュージョ
ン)を行うことにより、母粒子表面を凹凸化し、かつそ
の表面に前記機械的エネルギーを用いて触媒材料を圧
延、被覆する。このため、従来例に比較して、合金表面
上の触媒被膜の物理的な結合強度が大きくなり、充放電
サイクルに伴う水素吸蔵合金自体の膨張、収縮に対する
触媒被膜の物理的な結合強度が高くなり、耐久性に優れ
る。したがって、被膜の効果が長期間、安定に持続し、
水素吸蔵合金の優れた電極特性を長期間、安定に発揮す
ることができ、優れた電池特性を長期間、安定して得る
ことができたと考えられる。
【0109】このように、長期間、安定かつ優れた充電
特性(電池内圧特性)が得られた結果、寿命特性も向上
した。
【0110】また、本実施例でも、母粒子の粒子径を3
0μmとした。これは先の決定理由と同じである。
【0111】また、本実施例では、母粒子に対する子粒
子の配合重量比を1/100とした。この重量比を1/
10より大きくすると子粒子を母粒子の表面に圧延、被
覆しにくく、子粒子が脱落しやすくなって子粒子による
被覆効果が低減していた。
【0112】逆にこの重量比を1/10000より小さ
くすると、母粒子の表面における子粒子の量が少なく、
母粒子の水素吸収反応の効率を向上させることができな
いため、充電時の電池内圧が15kg/cm2を越えるまで
上昇した。
【0113】したがって、母粒子に対する子粒子の重量
比は、1/10〜1/10000の範囲であることが好
ましい。
【0114】また、母粒子に対する子粒子の平均粒径比
は1/10〜1/1000の範囲にすることが好まし
い。
【0115】ここで、この平均粒径比を1/10より大
きくすると、子粒子が大きくなり過ぎ母粒子から脱落し
やすく、また、1/1000より小さくすると子粒子が
小さくなり過ぎるため、母粒子の表面と結合しにくくな
り、子粒子による被覆効果が低減する。
【0116】また、本実施例では、圧縮摩砕式超微粉砕
機の回転速度を毎分1000回転としたが、この回転速
度を毎分700回転より小さくすると、母粒子と子粒子
に与える機械的エネルギーが減少して、子粒子と母粒子
を強固に結合することができなく、充放電サイクル寿命
特性が低下した。
【0117】さらに、この回転速度を毎分2000回転
より大きくすると、母粒子と子粒子との衝突などによっ
て発生する摩擦熱が大きくなりすぎ、子粒子であるMo
Co3の粒子が溶融して、これが直接、水素吸蔵合金と
反応し、合金の水素吸蔵量を低下させていた。
【0118】したがって、圧縮摩砕式超微粉砕機の回転
速度は、毎分700〜2000回転にすることが好まし
い。
【0119】また、温度上昇によるMoCo3の溶融を
防止するために、圧縮摩砕式超微粉砕機内の温度は50
0℃以下にすることが好ましい。
【0120】また、本実施例では圧縮摩砕式超微粉砕機
のケースと粉砕用作用片との最接近距離を3mmとした
が、この最接近距離を1〜5mmの範囲にすることによ
り、前記同様母粒子と子粒子との結合に必要な圧縮力、
摩砕力を得ることができる。
【0121】なお、本実施例では、触媒材料として、M
oCo3を用いたが、六方晶構造を有して一般式XY
3(XはMo、YはCo、Niまたはこれらの混合物)
で表される化合物であればよい。
【0122】また、水素吸収反応に対して触媒機能を有
するパラジウム(Pd)や白金(Pt)であっても良
く、さらに、炭素に担持されたPd,Ptであっても同
様の効果が得られる。
【0123】なお、本実施例では、母粒子の表面を被覆
する子粒子として一種類の金属、合金、撥水材料を用い
たが、これらを二種類以上組み合わせたものであっても
良い。
【0124】さらに、金属や合金の種類、またはその被
覆処理の条件によっては、被覆処理を複数回行うことに
より子粒子による母粒子表面の被覆効果を高めることが
できる。
【0125】また、メカノフュージョンによる被覆処理
以前にあらかじめ、前記母粒子の表面を酸あるいはアル
カリによるエッチング、電解あるいは無電解メッキ、マ
イクロカプセル化方法等により改質すると、さらに被覆
効果が向上した。
【0126】また、被覆処理を効率良く行うために水素
吸蔵合金の粒子形状が球状あるいは、ほぼ球状であるこ
とが好ましい。この球状合金は遠心噴霧法、ガスアトマ
イズ法により得ることができる。
【0127】なお、水素吸蔵合金としては本実施例に示
した組成式MmNi3.90Mn0.3Al0.3Co0.50で表さ
れるようなCaCu5構造を有するAB5系合金、あるい
は組成式ZrMn0.30.2Cr0.2Ni1.3で表されるよ
うなラーベス相構造を有するAB2系合金のいずれかで
あることがその特性上、電極素材として好ましく、メカ
ノフュージョンによる被覆処理の効果も高かった。
【0128】さらに本実施例では密閉型アルカリ蓄電池
の例を示したが、開放型のアルカリ蓄電池でも同様の効
果が認められた。
【0129】なお、本実施例で用いた圧縮摩砕式超微粉
砕機の概略図を図4に示したが、粉砕機は図4の構造に
限定されるものではなく、本発明の目的とする表面処
理、すなわち水素吸蔵合金粉末の母粒子とそれよりも粒
径が小さく、延性に富む金属などの粒子からなる子粒子
との間に、主に圧縮力、摩砕力からなる機械的エネルギ
ーを作用させることにより、個々の母粒子表面を凹凸化
し、かつその表面に子粒子を圧延、被覆することが可能
である装置であれば、いかなる構造を持つものであって
も良い。
【0130】
【発明の効果】以上のように、本発明では、水素吸蔵合
金からなる母粒子と、それよりも粒子径が小さく、かつ
母粒子よりも延性に富む子粒子とに、主に圧縮力と摩砕
力よりなる機械的エネルギーを作用させて、母粒子の表
面を凹凸化するとともに、母粒子の表面に子粒子を圧
延、被覆するものである。
【0131】これにより母粒子、子粒子間の物理的な結
合を強固にすることができ、水素吸蔵合金の表面に金属
などの粉末材料を長期間、安定に結合させて、サイクル
寿命に優れた金属酸化物・水素アルカリ蓄電池を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の被覆処理に用いた圧縮摩砕式超
微粉砕機の概略構造図 (B)同要部拡大図
【図2】本発明の被覆処理に用いた圧縮摩砕式超微粉砕
機における圧縮および摩砕の模式状態図
【図3】本発明の表面被覆処理を施した水素吸蔵合金の
表面を示す走査型電子顕微鏡写真
【図4】(A)本発明の被覆処理を施した水素吸蔵合金
の断面のモデル図 (B)同部分拡大模式図
【図5】超微粉Ni粉末を示す透過型電子顕微鏡写真
【図6】未処理の水素吸蔵合金の表面を示す走査型電子
顕微鏡写真
【図7】圧縮摩砕式超微粉砕機により、水素吸蔵合金に
対して本発明の圧縮および摩砕を施したときの表面を示
す走査型顕微鏡写真
【図8】(A)無電解メッキ法を用いて金属Niを被覆
した水素吸蔵合金の表面を示す走査型顕微鏡写真 (B)同拡大写真
【図9】(A)無電解メッキ法を用いて金属Niを被覆
した水素吸蔵合金の断面モデル図 (B)同部分拡大模式図
【図10】表面被覆処理後の水素吸蔵合金における合金
とNi粉末との結合エネルギーを示す図
【図11】本発明の電池Aと従来の電池B、C、Dの充
放電サイクル寿命特性を示す図
【図12】本発明の電池Aと従来の電池B、C、Dの充
放電サイクルにおける電池内圧の変化を示す図
【図13】本発明の電池Eと従来の電池F、Gの充放電
サイクルにおける電池内圧の変化を示す図
【図14】本発明の電池Hと従来の電池Iの充放電サイ
クルにおける電池内圧の変化を示す図
【符号の説明】
1 圧縮摩砕式超微粉砕機のケース 2 粉砕用作用片 3 固定軸 4 原料層 5 母粒子 6 子粒子 7 かきとり片
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の被覆処理に用いた圧縮摩砕式超
微粉砕機の概略構造図 (B)同要部拡大図
【図2】本発明の被覆処理に用いた圧縮摩砕式超微粉砕
機における圧縮および摩砕の模式状態図
【図3】本発明の表面被覆処理を施した水素吸蔵合金の
表面を示す金属組織図
【図4】(A)本発明の被覆処理を施した水素吸蔵合金
の断面のモデル図 (B)同部分拡大模式図
【図5】超微粉Ni粉末を示す粒子構造図
【図6】未処理の水素吸蔵合金の表面を示す金属組織図
【図7】圧縮摩砕式超微粉砕機により、水素吸蔵合金に
対して本発明の圧縮および摩砕を施したときの表面を示
す金属組織図
【図8】(A)無電解メッキ法を用いて金属Niを被覆
した水素吸蔵合金の表面を示す金属組織図 (B)同拡大図
【図9】(A)無電解メッキ法を用いて金属Niを被覆
した水素吸蔵合金の断面モデル図 (B)同部分拡大模式図
【図10】表面被覆処理後の水素吸蔵合金における合金
とNi粉末との結合エネルギーを示す図
【図11】本発明の電池Aと従来の電池B、C、Dの充
放電サイクル寿命特性を示す図
【図12】本発明の電池Aと従来の電池B、C、Dの充
放電サイクルにおける電池内圧の変化を示す図
【図13】本発明の電池Eと従来の電池F、Gの充放電
サイクルにおける電池内圧の変化を示す図
【図14】本発明の電池Hと従来の電池Iの充放電サイ
クルにおける電池内圧の変化を示す図
【符号の説明】 1 圧縮摩砕式超微粉砕機のケース 2 粉砕用作用片 3 固定軸 4 原料層 5 母粒子 6 子粒子 7 かきとり片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 功 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物を主構成材料とする正極と、水
    素吸蔵合金粉末を主構成材料とする負極と、セパレータ
    と、アルカリ電解液とからなるアルカリ蓄電池であっ
    て、前記水素吸蔵合金粉末は、水素吸蔵合金からなる母
    粒子とそれよりも粒径が小さく、少なくとも一種類の金
    属または合金からなる子粒子との間に、主に圧縮力、摩
    砕力よりなる機械的エネルギーを作用させることによ
    り、個々の母粒子表面を凹凸とし、かつその表面に子粒
    子を圧延し、被覆するという表面処理が施されているア
    ルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】母粒子の平均粒子径は、10〜50μmの
    範囲である請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】母粒子に対する子粒子の重量比が10-1
    10-4の範囲である請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  4. 【請求項4】母粒子に対する子粒子の平均粒子径の比が
    10-1〜10-3の範囲である請求項1記載のアルカリ蓄
    電池。
  5. 【請求項5】子粒子による母粒子の被覆処理は、圧縮摩
    砕式超微粉砕機を用い、前記母粒子と子粒子の間に主に
    圧縮力、摩砕力よりなる機械的エネルギーを作用させ
    て、母粒子の表面を凹凸化し、かつその表面に子粒子を
    圧延、被覆するというメカノケミカル反応による請求項
    1記載のアルカリ蓄電池。
  6. 【請求項6】メカノケミカル反応による被覆処理時の雰
    囲気温度が500℃以下である請求項1記載のアルカリ
    蓄電池。
  7. 【請求項7】子粒子となる金属は、ニッケル、銅、マン
    ガン、アルミニウム、コバルト、鉄、亜鉛、炭素、モリ
    ブデンよりなる群から選ばれたいずれかである請求項1
    記載のアルカリ蓄電池。
  8. 【請求項8】子粒子となる合金は、母粒子とその組成が
    異なる水素吸蔵合金である請求項1記載のアルカリ蓄電
    池。
  9. 【請求項9】メカノケミカル反応による被覆処理以前
    に、前記母粒子の表面を酸あるいはアルカリによるエッ
    チング、電解あるいは無電解メッキ、マイクロカプセル
    化方法等により改質している請求項1記載のアルカリ蓄
    電池。
  10. 【請求項10】母粒子の粒子形状は球状または、ほぼ球
    状である請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  11. 【請求項11】前記水素吸蔵合金は、その結晶相がCa
    Cu5構造を有するAB5系合金またはラーベス(Lav
    es)相構造を有するAB2系合金である請求項1記載
    のアルカリ蓄電池。
  12. 【請求項12】前記球状の母粒子は遠心噴霧法あるいは
    ガスアトマイズ法により製造されたものである請求項1
    0記載のアルカリ蓄電池。
  13. 【請求項13】金属酸化物を主構成材料とする正極と、
    水素吸蔵合金粉末を主構成材料とする負極と、セパレー
    タと、アルカリ電解液とからなるアルカリ蓄電池であっ
    て、前記水素吸蔵合金粉末は、水素吸蔵合金からなる母
    粒子とそれよりも粒径が小さく、少なくとも一種類の撥
    水性材料からなる子粒子との間に、主に圧縮力、摩砕力
    よりなる機械的エネルギーを作用させることにより、個
    々の母粒子表面を凹凸とし、かつその表面に子粒子を圧
    延し、被覆するというメカノケミカル反応による表面処
    理が施されているアルカリ蓄電池。
  14. 【請求項14】子粒子となる撥水材料は、四フッ化エチ
    レン−六フッ化ポリプロピレン共重合樹脂、ポリ四フッ
    化エチレン樹脂などのフッ素系樹脂から選ばれたもので
    ある請求項13記載のアルカリ蓄電池。
  15. 【請求項15】メカノケミカル反応による被覆処理時の
    雰囲気温度が200℃以下である請求項13記載のアル
    カリ蓄電池。
  16. 【請求項16】メカノケミカル反応による被覆処理以前
    に、前記母粒子の表面を酸あるいはアルカリによるエッ
    チング、電解メッキ、無電解メッキあるいはマイクロカ
    プセル化方法により改質している請求項13記載のアル
    カリ蓄電池。
  17. 【請求項17】母粒子の粒子形状は球状または、ほぼ球
    状である請求項13記載のアルカリ蓄電池。
  18. 【請求項18】前記水素吸蔵合金は、その結晶相がCa
    Cu5構造を有するAB5系合金またはラーベス相構造を
    有するAB2系合金である請求項13記載のアルカリ蓄
    電池。
  19. 【請求項19】球状の母粒子は遠心噴霧法あるいはガス
    アトマイズ法により製造されたものである請求項17記
    載のアルカリ蓄電池。
  20. 【請求項20】金属酸化物を主構成材料とする正極と、
    水素吸蔵合金粉末を主構成材料とする負極と、セパレー
    タと、アルカリ電解液とからなるアルカリ蓄電池であっ
    て、前記水素吸蔵合金粉末は、水素吸蔵合金からなる母
    粒子とそれよりも粒径が小さく、水素吸蔵反応に対し触
    媒機能を有する少なくとも一種類の材料からなる子粒子
    との間に、主に圧縮力、摩砕力よりなる機械的エネルギ
    ーを作用させることにより、個々の母粒子表面を凹凸と
    し、かつその表面に子粒子を圧延し、被覆するというメ
    カノケミカル反応による表面処理が施されているアルカ
    リ蓄電池。
  21. 【請求項21】触媒機能を有する子粒子は、一般式XY
    3(但しXはMo、YはCo、Niまたはその混合物)
    で表され、六方晶構造を持つ合金を主成分としたもので
    ある請求項20記載のアルカリ蓄電池。
  22. 【請求項22】触媒機能を有する子粒子は、パラジウ
    ム、または白金からなる請求項20記載のアルカリ蓄電
    池。
  23. 【請求項23】触媒機能を有する子粒子は、炭素に担持
    されたパラジウムかまたは炭素に担持された白金からな
    る請求項20記載のアルカリ蓄電池。
  24. 【請求項24】メカノケミカル反応による被覆処理以前
    に、前記母粒子の表面を酸あるいはアルカリによるエッ
    チング、電解メッキ、無電解メッキあるいはマイクロカ
    プセル化方法により改質している請求項20記載のアル
    カリ蓄電池。
  25. 【請求項25】母粒子の粒子形状は球状または、ほぼ球
    状である請求項20記載のアルカリ蓄電池。
  26. 【請求項26】前記水素吸蔵合金は、結晶相がCaCu
    5構造を有するAB5系合金またはラーベス相構造を有す
    るAB2系合金である請求項20記載のアルカリ蓄電
    池。
  27. 【請求項27】前記球状の母粒子は遠心噴霧法あるいは
    ガスアトマイズ法により製造されたものである請求項2
    5記載のアルカリ蓄電池。
  28. 【請求項28】粉砕用作用片をケース内壁とある間隔を
    もって備えたケースの内部に、水素吸蔵合金からなりそ
    の粒子径が10〜50μmである母粒子と、一種類の金
    属または合金からなりその粒子径が0.01〜0.5μ
    mである子粒子を入れた後、このケースを毎分700〜
    2000回転で回転させ、その遠心力により前記母粒子
    と子粒子をケースの内壁に押し付けて原料層を形成する
    とともに、前記粉砕用作用片とケース内壁との間隔部に
    おいて前記原料層を圧縮および摩擦し、その際の圧縮
    力、摩砕力からなる機械的エネルギーを前記原料層の粒
    子間に作用させて前記母粒子の表面を凹凸化し、かつそ
    の表面に前記子粒子を圧延、被覆するアルカリ蓄電池用
    水素吸蔵合金の製造法。
  29. 【請求項29】前記ケース内の雰囲気を不活性ガスまた
    は真空にするとともに、その雰囲気温度を500℃以下
    とした請求項28記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
    の製造法。
  30. 【請求項30】前記子粒子となる金属は、ニッケル、
    銅、マンガン、アルミニウム、コバルト、鉄、亜鉛、炭
    素およびモリブデンよりなる群から選ばれたいずれかで
    ある請求項28記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の
    製造法。
  31. 【請求項31】前記子粒子となる合金は、前記母粒子と
    は組成が異なる水素吸蔵合金である請求項28記載のア
    ルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  32. 【請求項32】前記子粒子による母粒子の被覆処理以前
    に、前記母粒子の表面を、酸あるいはアルカリによるエ
    ッチング、電解メッキ、無電解メッキあるいはマイクロ
    カプセル化方法により改質している請求項28記載のア
    ルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  33. 【請求項33】前記母粒子の粒子形状は、球状またはほ
    ぼ球状である請求項28記載のアルカリ蓄電池用水素吸
    蔵合金の製造法。
  34. 【請求項34】前記母粒子となる水素吸蔵合金の主たる
    結晶相は、CaCu5構造を有するAB5系合金またはラ
    ーベス相構造を有するAB2系合金である請求項28記
    載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  35. 【請求項35】前記母粒子に対する子粒子の重量比が、
    10-1〜10-4である請求項28記載のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金の製造法。
  36. 【請求項36】前記母粒子に対する子粒子の平均粒子径
    の比が、10-1〜10-3である請求項28記載のアルカ
    リ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  37. 【請求項37】前記ケース内壁と粉砕用作用片の最近接
    距離が1〜5mmである請求項28記載のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金の製造法。
  38. 【請求項38】前記球状の母粒子は、遠心噴霧法、ガス
    アトマイズ法のいずれかにより製造されたものである請
    求項33記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造
    法。
  39. 【請求項39】粉砕用作用片をケース内壁とある間隔を
    もって備えたケースの内部に、水素吸蔵合金からなりそ
    の粒子径が10〜50μmである母粒子と、少なくとも
    一種類の撥水材料からなりその粒子径が0.01〜0.
    5μmである子粒子を入れた後、このケースを毎分10
    0〜1000回転で回転させ、その遠心力により前記母
    粒子と子粒子をケースの内壁に押し付けて原料層を形成
    するとともに、前記粉砕用作用片とケース内壁との間隔
    部において前記原料層を圧縮および摩擦してその際の圧
    縮力、摩砕力からなる機械的エネルギーを前記原料層の
    粒子間に作用させて、前記母粒子の表面を凹凸化し、か
    つその表面に前記子粒子を圧延、被覆するアルカリ蓄電
    池用水素吸蔵合金の製造法。
  40. 【請求項40】前記ケース内の雰囲気を不活性ガスまた
    は真空にするとともに、その雰囲気温度を200℃以下
    とした請求項39記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
    の製造法。
  41. 【請求項41】前記撥水材料は、フッ素系樹脂から選ば
    れたものである請求項39記載のアルカリ蓄電池用水素
    吸蔵合金の製造法。
  42. 【請求項42】前記被覆処理以前に、前記母粒子の表面
    を、酸あるいはアルカリによるエッチング、電解メッ
    キ、無電解メッキあるいはマイクロカプセル化方法によ
    り改質している請求項39記載のアルカリ蓄電池用水素
    吸蔵合金の製造法。
  43. 【請求項43】前記母粒子の粒子形状は、球状またはほ
    ぼ球状である請求項39記載のアルカリ蓄電池用水素吸
    蔵合金の製造法。
  44. 【請求項44】前記球状の母粒子は、遠心噴霧法、ガス
    アトマイズ法のいずれかにより製造されたものである請
    求項43記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造
    法。
  45. 【請求項45】前記母粒子となる水素吸蔵合金の主たる
    結晶相は、CaCu5構造を有するAB5系合金、または
    ラーベス相構造を有するAB2系合金である請求項39
    記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  46. 【請求項46】前記母粒子に対する子粒子の重量比が、
    10-1〜10-4である請求項39記載のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金の製造法。
  47. 【請求項47】前記母粒子に対する子粒子の平均粒子径
    の比が、10-1〜10-3である請求項39記載のアルカ
    リ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  48. 【請求項48】前記ケース内壁と粉砕用作用片の最近接
    距離が1〜5mmである請求項39記載のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金の製造法。
  49. 【請求項49】粉砕用作用片をケース内壁とある間隔を
    もって備えたケースの内部に、水素吸蔵合金からなりそ
    の粒子径が10〜50μmである母粒子と、水素吸収反
    応に対し触媒機能を有する少なくとも一種類の材料から
    なりその粒子径が0.01〜0.5μmである子粒子を
    入れた後、このケースを毎分700〜2000回転で回
    転させ、その遠心力により前記母粒子と子粒子をケース
    の内壁に押し付けて原料層を形成するとともに、前記粉
    砕用作用片とケース内壁との間隔部において前記原料層
    を圧縮および摩擦してその際の圧縮力、摩砕力からなる
    機械的エネルギーを前記原料層の粒子間に作用させて、
    前記母粒子の表面を凹凸化し、かつその表面に子粒子を
    圧延、被覆するアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造
    法。
  50. 【請求項50】前記ケース内の雰囲気を不活性ガスまた
    は真空にするとともに、その雰囲気温度を500℃以下
    とした請求項49記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
    の製造法。
  51. 【請求項51】前記触媒材料は、一般式XY3(ただ
    し、XはMo、YはCo、Niまたはその混合物)で表
    され、六方晶構造を持つ合金を主成分としたものである
    請求項49記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造
    法。
  52. 【請求項52】前記触媒材料は、パラジウム又は白金か
    らなる請求項49記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
    の製造法。
  53. 【請求項53】前記触媒材料は、炭素に担持されたパラ
    ジウム、又は炭素に担持された白金からなる請求項49
    記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  54. 【請求項54】前記被覆処理以前に、前記母粒子の表面
    を、酸あるいはアルカリによるエッチング、電解メッ
    キ、無電解メッキあるいはマイクロカプセル化方法によ
    り改質している請求項49記載のアルカリ蓄電池用水素
    吸蔵合金の製造法。
  55. 【請求項55】前記母粒子の粒子形状は球状またはほぼ
    球状である請求項49記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵
    合金の製造法。
  56. 【請求項56】前記母粒子となる水素吸蔵合金の主たる
    結晶相は、CaCu5構造を有するAB5系合金またはラ
    ーベス相構造を有するAB2系合金である請求項49記
    載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  57. 【請求項57】前記母粒子に対する子粒子の重量比が、
    10-1〜10-4である請求項49記載のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金の製造法。
  58. 【請求項58】前記母粒子に対する子粒子の平均粒子径
    の比が、10-1〜10-3である請求項49記載のアルカ
    リ蓄電池用水素吸蔵合金の製造法。
  59. 【請求項59】前記ケース内壁と粉砕用作用片の最近接
    距離が1〜5mmである請求項49記載のアルカリ蓄電池
    用水素吸蔵合金の製造法。
  60. 【請求項60】前記球状の母粒子は、遠心噴霧法、ガス
    アトマイズ法のいずれかにより製造されたものである請
    求項55記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造
    法。
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