JP3547920B2 - 水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金電極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルカリ蓄電池は各種の電源として広く使われており、小型電池は各種の携帯用の電子、通信機器に、大型電池は産業用にそれぞれ使われている。この種のアルカリ蓄電池においては、正極としてはほとんどの場合がニッケル電極である。一方、負極の場合は、カドミウムの他に、亜鉛、鉄、水素等が使われるが、主としてカドミウム電極が主体である。
【0003】
近年、高エネルギー密度のアルカリ蓄電池とするために、水素吸蔵合金電極を用いたニッケル−水素蓄電池が注目され、実用化されるようになった。このニッケル−水素蓄電池に用いる水素吸蔵合金としては、Ti−Ni系合金、La(またはMm(ミッシュメタル:セリウム族系希土類元素の混合物))−Ni系合金等が知られている。
【0004】
ところで、水素吸蔵合金をアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極として使用できるようにするためには各種の処理を施す必要がある。例えば、特開平7−326353号公報においては、水素吸蔵合金を粉末の状態または電極にした後に、コバルトイオンもしくは銅イオンを含む高温のアルカリ溶液中に浸漬処理する方法が提案されている。この公報において提案された方法によれば、アルカリ溶液への浸漬処理を施すことにより、水素吸蔵合金中の溶解し易い構成元素が除去され、水素吸蔵合金の高温アルカリ溶液中における耐久力が向上するというものである。
また、アルカリ溶液中のコバルトイオンもしくは銅イオンが金属粒子として水素吸蔵合金表面に析出するとともに、水素吸蔵合金中の構成元素の溶解に伴いアルカリ溶液に溶解しないニッケルが微粒子として水素吸蔵合金表面に露出することにより、電気化学的な活性が大きく向上するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−326353号公報において提案された製造法においては、アルカリ溶液処理を大気中の酸素がアルカリ溶液に多量に溶解するような雰囲気中で行うと、溶解した酸素により水素吸蔵合金の表面が酸化されるとともに、析出したコバルトが再溶解する。そのため、酸素との接触が断たれた状態で水素吸蔵合金のアルカリ溶液処理を行わなければならないという問題を生じる。
【0006】
水素吸蔵合金のアルカリ溶液処理を酸素との接触が断たれた状態で行うためには、酸素を取り除いて密閉した室内あるいは酸素を取り除いた容器内でアルカリ溶液処理を行わなければならないため、製造設備が複雑になるとともに高価になるという問題を生じる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、製造が容易で、高率放電特性、サイクル特性、ガス吸収性能の優れた水素吸蔵電極を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法であって、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明においては、水素吸蔵合金を金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に浸漬して水素吸蔵合金の表面に金属イオンを析出させる浸漬処理工程と、浸漬処理工程により金属イオンを析出させた水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理する熱処理工程とを備えたことにある。
【0008】
このような金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に水素吸蔵合金を浸漬すると、水素吸蔵合金の表面には金属イオンが水酸化物の状態で析出して、水素吸蔵合金の表面を被覆する。この金属イオンが水酸化物の状態で被覆された水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理されると、水酸化物の状態で析出した金属イオンが水素により還元されて活性な金属に変化する。このため、水素吸蔵合金の表面は活性な金属により被覆されるため、吸蔵・放出性能が優れた水素吸蔵合金となる。
【0009】
したがって、このような活性な金属により被覆された水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を形成すると、高率放電特性、ガス吸収性能の優れた水素吸蔵電極が得られる。また、浸漬処理時に遍在した水酸化物の状態の金属イオンの一部が合金化して高耐食性層を形成するため、この水素吸蔵電極を用いたアルカリ蓄電池のサイクル寿命が向上する。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、上述の金属イオンはニッケル、コバルトの内の少なくとも1種としたことにある。このようにニッケル、コバルトあるいはその両方をアルカリ水溶液中に含有させると、水素吸蔵合金の表面は水酸化物の状態のニッケル、コバルトあるいはその両方の金属イオンにより被覆されるようになる。ニッケル、コバルトは水素吸蔵合金を構成する金属であるので、このような金属で水素吸蔵合金の表面を被覆しても悪影響を及ぼすことがない。また、ニッケル、コバルトは活性な金属であるので、水素吸蔵合金の表面を活性なニッケル、コバルト金属で被覆すると、吸蔵・放出性能がさらに優れた水素吸蔵合金となる。
【0011】
請求項3に記載の発明においては、水素吸蔵合金を金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に浸漬して水素吸蔵合金の表面に金属イオンを析出させる第1浸漬処理工程と、この第1浸漬処理工程により金属イオンを析出させた水素吸蔵合金をアルカリ水溶液中に浸漬する第2浸漬処理工程と、この第2浸漬処理工程により浸漬処理された水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理する熱処理工程とを備えたことにある。
【0012】
このような各工程を備えると、第1浸漬処理工程にて水素吸蔵合金表面に析出させた水酸化物状態の金属イオンは第2浸漬処理工程によりオキソ酸イオン状態となる。オキソ酸イオン状態の金属イオンを水素雰囲気中での熱処理による還元処理を行うと、金属イオンは水素吸蔵合金の表面に均一に分散して均一な還元金属層が得られるようになる。水素吸蔵合金の表面に均一な還元金属層が形成されると、水素吸蔵合金はより活性になるため、水素吸蔵能力が向上するとともに電池内で発生したガスの吸収能力が向上する。
【0013】
請求項4に記載の発明においては、請求項3の第2浸漬処理工程におけるアルカリ水溶液の濃度を15〜40重量%としたことにある。このようにアルカリ水溶液の濃度を規定する理由は、濃度が15重量%未満ではアルカリ含浸効果が充分に発揮されないとともに、40重量%を超えるアルカリ水溶液の作成が困難であるという理由による。
【0014】
請求項5に記載の発明においては、上述の熱処理工程における熱処理温度を300〜900℃の温度範囲したことにある。このように熱処理温度を規制することにより、サイクル寿命の優れた水素吸蔵合金電極が得られる。
請求項6に記載の発明においては、上述の水素吸蔵合金はアトマイズ法により作製することにある。このように水素吸蔵合金をアトマイズ法により作製すると、水素吸蔵合金の比表面積が小さくなるため、充放電を繰り返し行ってもこの比表面積が小さい水素吸蔵合金は微細化しにくく、初期の表面状態を維持できるようになってガス吸収性能が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水素吸蔵合金電極をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
1.水素吸蔵合金の作製
MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6(なお、MmはMischmetal(ドイツ語):ミッシュメタルでCe40〜50%,La20〜40%を主成分とするセリウム族希土類金属の混合物である)となるように市販の金属元素を秤量して混合する。このものを高周波溶解炉に投入して溶解させ、冷却してMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金の塊を作製する。この水素吸蔵合金の塊1Kgに対して水1リットルを加えてボールミル内に投入し、平均粒径が50μmになるように粉砕する。これにより得られた平均粒径が50μmのMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金を水素吸蔵合金Aとする。
【0017】
一方、MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6となるように市販の金属元素を秤量して混合したものをアトマイズ法を用いて、平均粒径が50μmのMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金とする。このようにして得られた水素吸蔵合金を水素吸蔵合金Bとする。
【0018】
2.水素吸蔵合金の表面処理
ついで、上述のようにして得られた各水素吸蔵合金A,Bをそれぞれ別々にコバルトイオン(Co2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して各水素吸蔵合金A,Bをそれぞれ浸漬処理する。なお、コバルトイオン(Co2+)はアルカリ水溶液中で水酸化物イオンを配位してオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)となる。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された各水素吸蔵合金A,Bはその粒子表面に水酸化物状態のCo(OH)2が析出する。この水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A1とし、水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金Bを水素吸蔵合金B1とする。
【0019】
また、水素吸蔵合金Aをニッケルイオン(Ni2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金Aはその粒子表面に水酸化物状態のNi(OH)2が析出する。この水酸化物状態のNi(OH)2が析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A2とする。
【0020】
また、水素吸蔵合金Aをコバルトイオン(Co2+)とニッケルイオン(Ni2+)の両方を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金Aはその粒子表面に水酸化物状態のCo(OH)2とNi(OH)2とが析出する。この水酸化物状態のCo(OH)2とNi(OH)2とが析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A3とする。
【0021】
さらに、水素吸蔵合金Aを銅イオン(Cu2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金Aはその粒子表面に水酸化物状態のCu(OH)2が析出する。この水酸化物状態のCu(OH)2が析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A4とする。
【0022】
3.熱処理
ついで、上述のようにして得られた水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金A1、Ni(OH)2が析出した水素吸蔵合金A2、Co(OH)2とNi(OH)2とが析出した水素吸蔵合金A3、Cu(OH)2が析出した水素吸蔵合金A4をそれぞれ水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた各水素吸蔵合金A1,A2,A3,A4をそれぞれA1800(実施例1),A2800(実施例2),A3800(実施例3),A4800(実施例4)とする。
【0023】
また、上述のようにして得られた水酸化物状態のCo(OH)2が析出した4つの水素吸蔵合金A1を水素ガス雰囲気中(1atm)で300℃、500℃、900℃および1000℃の温度でそれぞれ10時間加熱処理する。300℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA1300(実施例5)とし、500℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA1500(実施例6)とし、900℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA1900(実施例7)とし、1000℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA11000(実施例8)とする。
【0024】
また、上述のようにして得られた水酸化物状態のCo(OH)2が析出した4つの水素吸蔵合金A1を水酸化カリウム(KOH)の5重量%、15重量%、30重量%、40重量%水溶液中にそれぞれ別々に入れて、常温(20℃)で撹拌して4つの水素吸蔵合金A1をそれぞれ別々に浸漬処理する。この浸漬処理を約10分間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理すると、水酸化物状態のCo(OH)2はオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)状態となる。
【0025】
5重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1aとし、15重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1bとし、30重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1cとし、40重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1dとする。
【0026】
このようにして得られたオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)状態の水素吸蔵合金A1a,A1b,A1c,A1dをそれぞれ水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた各水素吸蔵合金A1a,A1b,A1c,A1dをそれぞれA1a800(実施例9),A1b800(実施例10),A1c800(実施例11),A1d800(実施例12)とする。
【0027】
さらに、水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金B1を水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、常温(20℃)で撹拌して水素吸蔵合金B1を浸漬処理する。この浸漬処理を約10分間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理すると、水酸化物状態のCo(OH)2はオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)状態となる。このオキソ酸イオン状態の水素吸蔵合金B1を水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた水素吸蔵合金B1をB1c800(実施例13)とする。
【0028】
(比較例)
比較例1
上述した水素吸蔵合金Aを水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A5とする。この水素吸蔵合金A5をコバルトイオン(Co2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金A5を浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金A5を比較例1の水素吸蔵合金とする。
【0029】
比較例2
上述した水素吸蔵合金Aをコバルトイオン(Co2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金A6とする。この水素吸蔵合金A6をアルゴンガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた水素吸蔵合金A6を比較例2の水素吸蔵合金とする。
【0030】
比較例3
上述した水素吸蔵合金Aを水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理のみにより得られた水素吸蔵合金Aを比較例3の水素吸蔵合金とする。
【0031】
4.水素吸蔵合金負極板の作製
上述したように作製した実施例1〜13および比較例1〜3の水素吸蔵合金の16種類の粉末(スラリー状態)にそれぞれ結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を水素吸蔵合金粉末に対して5重量%加えて混練し、16種類の負極活物質ペーストとする。この16種類の負極活物質ペーストを、それぞれパンチングメタル等からなる帯状金属芯体にその左右両側面に塗着した後、両面から加圧して16種類の水素吸蔵合金負極板を作製する。
【0032】
5.ニッケル−水素蓄電池の作製
上述のように作製した16種類の水素吸蔵合金負極板のそれぞれと周知の焼結式ニッケル電極板を耐アルカリ性の不織布からなるセパレータを介して捲回する。このとき、水素吸蔵合金負極板が外側になるようにして渦巻状に捲回して16種類の渦巻状極板群を作製する。
このように作製した16種類の渦巻状極板群をそれぞれ16個の有底円筒状の金属外装缶に挿入した後、各金属外装缶内にそれぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を注液することにより、その理論放電容量が1000mAの16種類の円筒状ニッケル−水素蓄電池を作製する。
【0033】
6.電池特性試験
上述のように作製した16種類の各円筒状ニッケル−水素蓄電池を100mAの充電々流で16時間充電した後、1時間休止させる。その後、200mAの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。この充放電を室温で3サイクル繰り返して、各円筒状ニッケル−水素蓄電池を活性化する。
【0034】
A.電池内圧試験
このようにして充放電を室温で3サイクル繰り返した放電状態の16種類の円筒状ニッケル−水素蓄電池をそれぞれ1000mAの充電々流で1.5時間充電を行ったときの電池内圧を測定すると、下記表1に示すような実験結果が得られた。
【0035】
B.サイクル寿命試験
上述のようにして充放電を室温で3サイクル繰り返した放電状態の16種類の円筒状ニッケル−水素蓄電池を1500mAの充電々流で48分充電した後、1時間休止させる。その後、1500mAの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。室温でこの充放電をサイクルを繰り返して、その電池容量が500mAに達した時点をサイクル寿命とすると、下記表1に示すような実験結果が得られた。
【0036】
C.水素吸蔵合金特性
▲1▼試験セルの作製
上述したように作製した実施例1〜13および比較例1〜3の水素吸蔵合金の16種類の粉末のそれぞれ1gにそれぞれ導電剤としてカルボニルニッケル1.2gおよび結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末0.2gを加えて混練し、16種類の水素吸蔵合金負極活物質ペーストとする。この16種類の水素吸蔵合金負極活物質ペーストを、それぞれニッケルメッシュで包みプレス加工して16種類の水素吸蔵合金負極を作製する。
この16種類の水素吸蔵合金負極のそれぞれと、この水素吸蔵合金負極より充分に大きな放電容量の周知の焼結式ニッケル正極とを密閉容器内にそれぞれ配置し、それぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を過剰に注液して16種類の試験セルを作製する。
【0037】
▲2▼高率放電特性の評価
この16種類の試験セルを50mA/gの充電々流で8時間充電した後、1時間休止させる。その後、200mA/gの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電容量をCHとする。この後、1時間休止させて電圧を復帰させた後、50mA/gの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電容量をCLとする。このようにして求めた放電容量CHおよびCLを用い、以下の数1の数式に基づいて試験セルの活性度、即ち高率放電特性を算出すると以下の下記表1に示すような実験結果が得られた。
【0038】
【数1】
活性度=(CH/(CH+CL))×100(%)
【0039】
【表1】
【0040】
この表1の実験結果より、以下の▲1▼〜▲4▼に記載する事項が明らかとなった。
▲1▼ 実施例1〜13と比較例1および3とを比較すると明らかなように、コバルト、ニッケル、コバルトおよびニッケル、銅等の金属イオンを含有する水酸化カリウムからなるアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬した後、熱処理すると電池内圧、活性度(高率放電特性)およびサイクル寿命の全ての点で優れた水素吸蔵合金が得られた。
【0041】
この理由は次のように考えることができる。即ち、コバルト、ニッケル、コバルトおよびニッケル、銅等の金属イオンを含有する水酸化カリウムからなるアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬することにより、水素吸蔵合金の表面にコバルト、ニッケル、コバルトおよびニッケル、銅等の金属イオンが水酸化物の状態で析出する。この水酸化物の状態で析出した金属イオンを水素雰囲気中で熱処理することにより、活性な金属となって水素吸蔵合金の表面をコーティングするためと考えられる。
しかしながら、実施例4と実施例1〜3および実施例5〜13とを比較すると明らかなように、水素吸蔵合金の表面をコーティングする金属はコバルトおよびニッケルが優れている。この理由は、コバルトおよびニッケルは銅より電極反応およびガス吸収能に対する触媒性に優れた金属であることによる。
【0042】
▲2▼ 実施例1〜13と比較例2とを比較すると明らかなように、アルカリ溶液中での浸漬処理後の熱処理は水素雰囲気中でないと、電池内圧、活性度(高率放電特性)およびサイクル寿命の全ての点で優れた効果が得られない。この理由は、アルゴンは還元作用を有しないので、アルゴン雰囲気中で加熱処理しても、酸化状態の金属イオンは活性な金属とならないことに起因する。
【0043】
一方、水素は還元作用を有するため、水素吸蔵合金の表面は活性な金属によりコーティングされることに起因して電池内圧、活性度(高率放電特性)が向上する。また、加熱処理を行うことにより、水素吸蔵合金表面に析出する活性な金属は均一に析出するようになるとともに、その析出した金属の一部は水素吸蔵合金と合金化されて、高耐蝕性層を形成するため、サイクル寿命が向上する。
【0044】
また、実施例5〜7と実施例8とを比較すると明らかなように、熱処理温度は300〜900℃とするのが好ましい。この理由は、1000℃のような高温度で熱処理すると水素吸蔵合金の一部が溶融されて単一相の水素吸蔵合金の一部が二相化するためと考えられる。単一相の水素吸蔵合金の一部が二相化すると、水素を吸蔵する能力が減少するため、その電池容量が速く減少するのでサイクル寿命が短くなるものと考えられる。また、300℃より低い温度で熱処理しても還元反応を生じない。
【0045】
なお、アルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬する処理は、上記各実施例においては100℃で約1時間にわたって行ったが、この温度を変化させることにより浸漬時間を調整することが可能となる。そして、65℃以上の温度で行うことにより浸漬効果が得られた。
【0046】
▲3▼ 実施例1〜8と実施例9〜13とを比較すると明らかなように、金属イオンを含有するアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬した後、水素雰囲気中で加熱処理する前にアルカリ溶液中に浸漬すると、電池内圧が低下する。この理由は次のように考えることができる。即ち、金属イオンを含有するアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬したときに水素吸蔵合金の表面に析出した水酸化物(Co(OH)2,Ni(OH)2等)が、アルカリ溶液中に浸漬することによりオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−,Ni(OH)4 2−等)状態となり、このオキソ酸イオン状態の金属イオンが水素雰囲気中での熱処理による還元処理時に水素吸蔵合金の表面に均一に分散して均一なコーティング層となるためと考えられる。
そして、このアルカリ溶液の濃度は実施例9と実施例10〜12とを比較すると明らかなように、15〜40重量%とするのが好ましい。なお、濃度が15重量%未満ではアルカリ含浸効果が充分に発揮されないとともに、40重量%を超えるアルカリ水溶液の作成が困難である。
【0047】
▲4▼ 実施例11と実施例13とを比較すると明らかなように、アトマイズ法により作製した水素吸蔵合金Bを使用した水素吸蔵合金電極(実施例13)は、ボールミルを用いて粉砕により作製した水素吸蔵合金Aを使用した水素吸蔵合金電極(実施例11)より電池内圧が上昇しない。この理由は次のように考えることができる。即ち、一般に水素吸蔵合金電極は充放電を繰り返すことにより、その合金粉末が微細化してその表面積が小さくなることが知られている。しかしながら、アトマイズ法により作製した水素吸蔵合金は比表面積が小さく、充放電を繰り返してもこれ以上は微細化しにくいため、初期の合金表面の状態を保ち、充電時に電池内で発生するガスの吸収性能が優れているためと考えられる。
【0048】
なお、上述の実施形態においては水素吸蔵合金としてMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6を用いる例について説明したが、水素吸蔵合金としてはTi−Ni系あるいはLa(もしくはMm)−Ni系の多元合金から適宜選択して使用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金電極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルカリ蓄電池は各種の電源として広く使われており、小型電池は各種の携帯用の電子、通信機器に、大型電池は産業用にそれぞれ使われている。この種のアルカリ蓄電池においては、正極としてはほとんどの場合がニッケル電極である。一方、負極の場合は、カドミウムの他に、亜鉛、鉄、水素等が使われるが、主としてカドミウム電極が主体である。
【0003】
近年、高エネルギー密度のアルカリ蓄電池とするために、水素吸蔵合金電極を用いたニッケル−水素蓄電池が注目され、実用化されるようになった。このニッケル−水素蓄電池に用いる水素吸蔵合金としては、Ti−Ni系合金、La(またはMm(ミッシュメタル:セリウム族系希土類元素の混合物))−Ni系合金等が知られている。
【0004】
ところで、水素吸蔵合金をアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極として使用できるようにするためには各種の処理を施す必要がある。例えば、特開平7−326353号公報においては、水素吸蔵合金を粉末の状態または電極にした後に、コバルトイオンもしくは銅イオンを含む高温のアルカリ溶液中に浸漬処理する方法が提案されている。この公報において提案された方法によれば、アルカリ溶液への浸漬処理を施すことにより、水素吸蔵合金中の溶解し易い構成元素が除去され、水素吸蔵合金の高温アルカリ溶液中における耐久力が向上するというものである。
また、アルカリ溶液中のコバルトイオンもしくは銅イオンが金属粒子として水素吸蔵合金表面に析出するとともに、水素吸蔵合金中の構成元素の溶解に伴いアルカリ溶液に溶解しないニッケルが微粒子として水素吸蔵合金表面に露出することにより、電気化学的な活性が大きく向上するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−326353号公報において提案された製造法においては、アルカリ溶液処理を大気中の酸素がアルカリ溶液に多量に溶解するような雰囲気中で行うと、溶解した酸素により水素吸蔵合金の表面が酸化されるとともに、析出したコバルトが再溶解する。そのため、酸素との接触が断たれた状態で水素吸蔵合金のアルカリ溶液処理を行わなければならないという問題を生じる。
【0006】
水素吸蔵合金のアルカリ溶液処理を酸素との接触が断たれた状態で行うためには、酸素を取り除いて密閉した室内あるいは酸素を取り除いた容器内でアルカリ溶液処理を行わなければならないため、製造設備が複雑になるとともに高価になるという問題を生じる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、製造が容易で、高率放電特性、サイクル特性、ガス吸収性能の優れた水素吸蔵電極を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法であって、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明においては、水素吸蔵合金を金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に浸漬して水素吸蔵合金の表面に金属イオンを析出させる浸漬処理工程と、浸漬処理工程により金属イオンを析出させた水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理する熱処理工程とを備えたことにある。
【0008】
このような金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に水素吸蔵合金を浸漬すると、水素吸蔵合金の表面には金属イオンが水酸化物の状態で析出して、水素吸蔵合金の表面を被覆する。この金属イオンが水酸化物の状態で被覆された水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理されると、水酸化物の状態で析出した金属イオンが水素により還元されて活性な金属に変化する。このため、水素吸蔵合金の表面は活性な金属により被覆されるため、吸蔵・放出性能が優れた水素吸蔵合金となる。
【0009】
したがって、このような活性な金属により被覆された水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を形成すると、高率放電特性、ガス吸収性能の優れた水素吸蔵電極が得られる。また、浸漬処理時に遍在した水酸化物の状態の金属イオンの一部が合金化して高耐食性層を形成するため、この水素吸蔵電極を用いたアルカリ蓄電池のサイクル寿命が向上する。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、上述の金属イオンはニッケル、コバルトの内の少なくとも1種としたことにある。このようにニッケル、コバルトあるいはその両方をアルカリ水溶液中に含有させると、水素吸蔵合金の表面は水酸化物の状態のニッケル、コバルトあるいはその両方の金属イオンにより被覆されるようになる。ニッケル、コバルトは水素吸蔵合金を構成する金属であるので、このような金属で水素吸蔵合金の表面を被覆しても悪影響を及ぼすことがない。また、ニッケル、コバルトは活性な金属であるので、水素吸蔵合金の表面を活性なニッケル、コバルト金属で被覆すると、吸蔵・放出性能がさらに優れた水素吸蔵合金となる。
【0011】
請求項3に記載の発明においては、水素吸蔵合金を金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に浸漬して水素吸蔵合金の表面に金属イオンを析出させる第1浸漬処理工程と、この第1浸漬処理工程により金属イオンを析出させた水素吸蔵合金をアルカリ水溶液中に浸漬する第2浸漬処理工程と、この第2浸漬処理工程により浸漬処理された水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理する熱処理工程とを備えたことにある。
【0012】
このような各工程を備えると、第1浸漬処理工程にて水素吸蔵合金表面に析出させた水酸化物状態の金属イオンは第2浸漬処理工程によりオキソ酸イオン状態となる。オキソ酸イオン状態の金属イオンを水素雰囲気中での熱処理による還元処理を行うと、金属イオンは水素吸蔵合金の表面に均一に分散して均一な還元金属層が得られるようになる。水素吸蔵合金の表面に均一な還元金属層が形成されると、水素吸蔵合金はより活性になるため、水素吸蔵能力が向上するとともに電池内で発生したガスの吸収能力が向上する。
【0013】
請求項4に記載の発明においては、請求項3の第2浸漬処理工程におけるアルカリ水溶液の濃度を15〜40重量%としたことにある。このようにアルカリ水溶液の濃度を規定する理由は、濃度が15重量%未満ではアルカリ含浸効果が充分に発揮されないとともに、40重量%を超えるアルカリ水溶液の作成が困難であるという理由による。
【0014】
請求項5に記載の発明においては、上述の熱処理工程における熱処理温度を300〜900℃の温度範囲したことにある。このように熱処理温度を規制することにより、サイクル寿命の優れた水素吸蔵合金電極が得られる。
請求項6に記載の発明においては、上述の水素吸蔵合金はアトマイズ法により作製することにある。このように水素吸蔵合金をアトマイズ法により作製すると、水素吸蔵合金の比表面積が小さくなるため、充放電を繰り返し行ってもこの比表面積が小さい水素吸蔵合金は微細化しにくく、初期の表面状態を維持できるようになってガス吸収性能が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水素吸蔵合金電極をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
1.水素吸蔵合金の作製
MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6(なお、MmはMischmetal(ドイツ語):ミッシュメタルでCe40〜50%,La20〜40%を主成分とするセリウム族希土類金属の混合物である)となるように市販の金属元素を秤量して混合する。このものを高周波溶解炉に投入して溶解させ、冷却してMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金の塊を作製する。この水素吸蔵合金の塊1Kgに対して水1リットルを加えてボールミル内に投入し、平均粒径が50μmになるように粉砕する。これにより得られた平均粒径が50μmのMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金を水素吸蔵合金Aとする。
【0017】
一方、MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6となるように市販の金属元素を秤量して混合したものをアトマイズ法を用いて、平均粒径が50μmのMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金とする。このようにして得られた水素吸蔵合金を水素吸蔵合金Bとする。
【0018】
2.水素吸蔵合金の表面処理
ついで、上述のようにして得られた各水素吸蔵合金A,Bをそれぞれ別々にコバルトイオン(Co2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して各水素吸蔵合金A,Bをそれぞれ浸漬処理する。なお、コバルトイオン(Co2+)はアルカリ水溶液中で水酸化物イオンを配位してオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)となる。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された各水素吸蔵合金A,Bはその粒子表面に水酸化物状態のCo(OH)2が析出する。この水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A1とし、水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金Bを水素吸蔵合金B1とする。
【0019】
また、水素吸蔵合金Aをニッケルイオン(Ni2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金Aはその粒子表面に水酸化物状態のNi(OH)2が析出する。この水酸化物状態のNi(OH)2が析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A2とする。
【0020】
また、水素吸蔵合金Aをコバルトイオン(Co2+)とニッケルイオン(Ni2+)の両方を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金Aはその粒子表面に水酸化物状態のCo(OH)2とNi(OH)2とが析出する。この水酸化物状態のCo(OH)2とNi(OH)2とが析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A3とする。
【0021】
さらに、水素吸蔵合金Aを銅イオン(Cu2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金Aはその粒子表面に水酸化物状態のCu(OH)2が析出する。この水酸化物状態のCu(OH)2が析出した水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A4とする。
【0022】
3.熱処理
ついで、上述のようにして得られた水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金A1、Ni(OH)2が析出した水素吸蔵合金A2、Co(OH)2とNi(OH)2とが析出した水素吸蔵合金A3、Cu(OH)2が析出した水素吸蔵合金A4をそれぞれ水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた各水素吸蔵合金A1,A2,A3,A4をそれぞれA1800(実施例1),A2800(実施例2),A3800(実施例3),A4800(実施例4)とする。
【0023】
また、上述のようにして得られた水酸化物状態のCo(OH)2が析出した4つの水素吸蔵合金A1を水素ガス雰囲気中(1atm)で300℃、500℃、900℃および1000℃の温度でそれぞれ10時間加熱処理する。300℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA1300(実施例5)とし、500℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA1500(実施例6)とし、900℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA1900(実施例7)とし、1000℃の温度で加熱処理された水素吸蔵合金A1をA11000(実施例8)とする。
【0024】
また、上述のようにして得られた水酸化物状態のCo(OH)2が析出した4つの水素吸蔵合金A1を水酸化カリウム(KOH)の5重量%、15重量%、30重量%、40重量%水溶液中にそれぞれ別々に入れて、常温(20℃)で撹拌して4つの水素吸蔵合金A1をそれぞれ別々に浸漬処理する。この浸漬処理を約10分間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理すると、水酸化物状態のCo(OH)2はオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)状態となる。
【0025】
5重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1aとし、15重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1bとし、30重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1cとし、40重量%の水酸化カリウムに浸漬処理してオキソ酸イオン状態となった水素吸蔵合金A1を水素吸蔵合金A1dとする。
【0026】
このようにして得られたオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)状態の水素吸蔵合金A1a,A1b,A1c,A1dをそれぞれ水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた各水素吸蔵合金A1a,A1b,A1c,A1dをそれぞれA1a800(実施例9),A1b800(実施例10),A1c800(実施例11),A1d800(実施例12)とする。
【0027】
さらに、水酸化物状態のCo(OH)2が析出した水素吸蔵合金B1を水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、常温(20℃)で撹拌して水素吸蔵合金B1を浸漬処理する。この浸漬処理を約10分間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理すると、水酸化物状態のCo(OH)2はオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−)状態となる。このオキソ酸イオン状態の水素吸蔵合金B1を水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた水素吸蔵合金B1をB1c800(実施例13)とする。
【0028】
(比較例)
比較例1
上述した水素吸蔵合金Aを水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた水素吸蔵合金Aを水素吸蔵合金A5とする。この水素吸蔵合金A5をコバルトイオン(Co2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金A5を浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金A5を比較例1の水素吸蔵合金とする。
【0029】
比較例2
上述した水素吸蔵合金Aをコバルトイオン(Co2+)を含有する水酸化カリウム(KOH)の30重量%水溶液中に入れて、100℃に加熱して撹拌して水素吸蔵合金Aを浸漬処理する。この浸漬処理を約1時間行った後、冷却して洗浄する。このようにして浸漬処理された水素吸蔵合金A6とする。この水素吸蔵合金A6をアルゴンガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理により得られた水素吸蔵合金A6を比較例2の水素吸蔵合金とする。
【0030】
比較例3
上述した水素吸蔵合金Aを水素ガス雰囲気中(1atm)で800℃の温度で10時間加熱処理する。この加熱処理のみにより得られた水素吸蔵合金Aを比較例3の水素吸蔵合金とする。
【0031】
4.水素吸蔵合金負極板の作製
上述したように作製した実施例1〜13および比較例1〜3の水素吸蔵合金の16種類の粉末(スラリー状態)にそれぞれ結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を水素吸蔵合金粉末に対して5重量%加えて混練し、16種類の負極活物質ペーストとする。この16種類の負極活物質ペーストを、それぞれパンチングメタル等からなる帯状金属芯体にその左右両側面に塗着した後、両面から加圧して16種類の水素吸蔵合金負極板を作製する。
【0032】
5.ニッケル−水素蓄電池の作製
上述のように作製した16種類の水素吸蔵合金負極板のそれぞれと周知の焼結式ニッケル電極板を耐アルカリ性の不織布からなるセパレータを介して捲回する。このとき、水素吸蔵合金負極板が外側になるようにして渦巻状に捲回して16種類の渦巻状極板群を作製する。
このように作製した16種類の渦巻状極板群をそれぞれ16個の有底円筒状の金属外装缶に挿入した後、各金属外装缶内にそれぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を注液することにより、その理論放電容量が1000mAの16種類の円筒状ニッケル−水素蓄電池を作製する。
【0033】
6.電池特性試験
上述のように作製した16種類の各円筒状ニッケル−水素蓄電池を100mAの充電々流で16時間充電した後、1時間休止させる。その後、200mAの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。この充放電を室温で3サイクル繰り返して、各円筒状ニッケル−水素蓄電池を活性化する。
【0034】
A.電池内圧試験
このようにして充放電を室温で3サイクル繰り返した放電状態の16種類の円筒状ニッケル−水素蓄電池をそれぞれ1000mAの充電々流で1.5時間充電を行ったときの電池内圧を測定すると、下記表1に示すような実験結果が得られた。
【0035】
B.サイクル寿命試験
上述のようにして充放電を室温で3サイクル繰り返した放電状態の16種類の円筒状ニッケル−水素蓄電池を1500mAの充電々流で48分充電した後、1時間休止させる。その後、1500mAの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。室温でこの充放電をサイクルを繰り返して、その電池容量が500mAに達した時点をサイクル寿命とすると、下記表1に示すような実験結果が得られた。
【0036】
C.水素吸蔵合金特性
▲1▼試験セルの作製
上述したように作製した実施例1〜13および比較例1〜3の水素吸蔵合金の16種類の粉末のそれぞれ1gにそれぞれ導電剤としてカルボニルニッケル1.2gおよび結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末0.2gを加えて混練し、16種類の水素吸蔵合金負極活物質ペーストとする。この16種類の水素吸蔵合金負極活物質ペーストを、それぞれニッケルメッシュで包みプレス加工して16種類の水素吸蔵合金負極を作製する。
この16種類の水素吸蔵合金負極のそれぞれと、この水素吸蔵合金負極より充分に大きな放電容量の周知の焼結式ニッケル正極とを密閉容器内にそれぞれ配置し、それぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を過剰に注液して16種類の試験セルを作製する。
【0037】
▲2▼高率放電特性の評価
この16種類の試験セルを50mA/gの充電々流で8時間充電した後、1時間休止させる。その後、200mA/gの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電容量をCHとする。この後、1時間休止させて電圧を復帰させた後、50mA/gの放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電容量をCLとする。このようにして求めた放電容量CHおよびCLを用い、以下の数1の数式に基づいて試験セルの活性度、即ち高率放電特性を算出すると以下の下記表1に示すような実験結果が得られた。
【0038】
【数1】
活性度=(CH/(CH+CL))×100(%)
【0039】
【表1】
【0040】
この表1の実験結果より、以下の▲1▼〜▲4▼に記載する事項が明らかとなった。
▲1▼ 実施例1〜13と比較例1および3とを比較すると明らかなように、コバルト、ニッケル、コバルトおよびニッケル、銅等の金属イオンを含有する水酸化カリウムからなるアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬した後、熱処理すると電池内圧、活性度(高率放電特性)およびサイクル寿命の全ての点で優れた水素吸蔵合金が得られた。
【0041】
この理由は次のように考えることができる。即ち、コバルト、ニッケル、コバルトおよびニッケル、銅等の金属イオンを含有する水酸化カリウムからなるアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬することにより、水素吸蔵合金の表面にコバルト、ニッケル、コバルトおよびニッケル、銅等の金属イオンが水酸化物の状態で析出する。この水酸化物の状態で析出した金属イオンを水素雰囲気中で熱処理することにより、活性な金属となって水素吸蔵合金の表面をコーティングするためと考えられる。
しかしながら、実施例4と実施例1〜3および実施例5〜13とを比較すると明らかなように、水素吸蔵合金の表面をコーティングする金属はコバルトおよびニッケルが優れている。この理由は、コバルトおよびニッケルは銅より電極反応およびガス吸収能に対する触媒性に優れた金属であることによる。
【0042】
▲2▼ 実施例1〜13と比較例2とを比較すると明らかなように、アルカリ溶液中での浸漬処理後の熱処理は水素雰囲気中でないと、電池内圧、活性度(高率放電特性)およびサイクル寿命の全ての点で優れた効果が得られない。この理由は、アルゴンは還元作用を有しないので、アルゴン雰囲気中で加熱処理しても、酸化状態の金属イオンは活性な金属とならないことに起因する。
【0043】
一方、水素は還元作用を有するため、水素吸蔵合金の表面は活性な金属によりコーティングされることに起因して電池内圧、活性度(高率放電特性)が向上する。また、加熱処理を行うことにより、水素吸蔵合金表面に析出する活性な金属は均一に析出するようになるとともに、その析出した金属の一部は水素吸蔵合金と合金化されて、高耐蝕性層を形成するため、サイクル寿命が向上する。
【0044】
また、実施例5〜7と実施例8とを比較すると明らかなように、熱処理温度は300〜900℃とするのが好ましい。この理由は、1000℃のような高温度で熱処理すると水素吸蔵合金の一部が溶融されて単一相の水素吸蔵合金の一部が二相化するためと考えられる。単一相の水素吸蔵合金の一部が二相化すると、水素を吸蔵する能力が減少するため、その電池容量が速く減少するのでサイクル寿命が短くなるものと考えられる。また、300℃より低い温度で熱処理しても還元反応を生じない。
【0045】
なお、アルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬する処理は、上記各実施例においては100℃で約1時間にわたって行ったが、この温度を変化させることにより浸漬時間を調整することが可能となる。そして、65℃以上の温度で行うことにより浸漬効果が得られた。
【0046】
▲3▼ 実施例1〜8と実施例9〜13とを比較すると明らかなように、金属イオンを含有するアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬した後、水素雰囲気中で加熱処理する前にアルカリ溶液中に浸漬すると、電池内圧が低下する。この理由は次のように考えることができる。即ち、金属イオンを含有するアルカリ溶液中に水素吸蔵合金を浸漬したときに水素吸蔵合金の表面に析出した水酸化物(Co(OH)2,Ni(OH)2等)が、アルカリ溶液中に浸漬することによりオキソ酸イオン(Co(OH)4 2−,Ni(OH)4 2−等)状態となり、このオキソ酸イオン状態の金属イオンが水素雰囲気中での熱処理による還元処理時に水素吸蔵合金の表面に均一に分散して均一なコーティング層となるためと考えられる。
そして、このアルカリ溶液の濃度は実施例9と実施例10〜12とを比較すると明らかなように、15〜40重量%とするのが好ましい。なお、濃度が15重量%未満ではアルカリ含浸効果が充分に発揮されないとともに、40重量%を超えるアルカリ水溶液の作成が困難である。
【0047】
▲4▼ 実施例11と実施例13とを比較すると明らかなように、アトマイズ法により作製した水素吸蔵合金Bを使用した水素吸蔵合金電極(実施例13)は、ボールミルを用いて粉砕により作製した水素吸蔵合金Aを使用した水素吸蔵合金電極(実施例11)より電池内圧が上昇しない。この理由は次のように考えることができる。即ち、一般に水素吸蔵合金電極は充放電を繰り返すことにより、その合金粉末が微細化してその表面積が小さくなることが知られている。しかしながら、アトマイズ法により作製した水素吸蔵合金は比表面積が小さく、充放電を繰り返してもこれ以上は微細化しにくいため、初期の合金表面の状態を保ち、充電時に電池内で発生するガスの吸収性能が優れているためと考えられる。
【0048】
なお、上述の実施形態においては水素吸蔵合金としてMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6を用いる例について説明したが、水素吸蔵合金としてはTi−Ni系あるいはLa(もしくはMm)−Ni系の多元合金から適宜選択して使用することができる。
Claims (6)
- 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法であって、
前記水素吸蔵合金を金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に浸漬して同水素吸蔵合金の表面に前記金属イオンを析出させる浸漬処理工程と、
前記浸漬処理工程により前記金属イオンを析出させた前記水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理する熱処理工程とを備えたことを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。 - 前記金属イオンはニッケル、コバルトの内の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 電気化学的に水素の吸蔵・放出を可逆的に行うことができる水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵合金電極の製造方法であって、
前記水素吸蔵合金を金属イオンを含有する高温のアルカリ水溶液中に浸漬して同水素吸蔵合金の表面に前記金属イオンを析出させる第1浸漬処理工程と、
前記第1浸漬処理工程により前記金属イオンを析出させた前記水素吸蔵合金をアルカリ水溶液中に浸漬する第2浸漬処理工程と、
前記第2浸漬処理工程により浸漬処理された前記水素吸蔵合金を水素雰囲気中で熱処理する熱処理工程とを備えたことを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。 - 前記第2浸漬処理工程におけるアルカリ水溶液の濃度を15〜40重量%としたことを特徴とする請求項3に記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 前記熱処理工程における前記熱処理温度は300〜900℃であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 前記水素吸蔵合金はアトマイズ法により作製したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
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JPH10162821A (ja) | 1998-06-19 |
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