JP3387314B2 - 水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極の製造方法

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JP3387314B2 JP10671996A JP10671996A JP3387314B2 JP 3387314 B2 JP3387314 B2 JP 3387314B2 JP 10671996 A JP10671996 A JP 10671996A JP 10671996 A JP10671996 A JP 10671996A JP 3387314 B2 JP3387314 B2 JP 3387314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素の吸蔵・放出を可
逆的に行うことのできる水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵
合金電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電源として広く使われている蓄電
池として、鉛蓄電池とアルカリ蓄電池がある。このうち
アルカリ蓄電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化も可
能なことから小型蓄電池は各種ポータブル機器用に、大
型蓄電池は産業用として使われてきた。
【0003】このアルカリ蓄電池において、正極として
は一部空気極や酸化銀極なども取り上げられているが、
ほとんどの場合水酸化ニッケルを用いたニッケル極であ
る。アルカリ蓄電池のニッケル極がポケット式から焼結
式に代わって電池特性が向上し、さらに密閉化が可能に
なったことからアルカリ蓄電池の用途も広がった。
【0004】一方、負極としてはカドミウムの他に亜
鉛、鉄、水素などが対象となっている。そして一層の高
エネルギー密度を達成するために金属水素化物、つまり
水素吸蔵合金を使ったニッケル−水素蓄電池が注目さ
れ、製法などに多くの提案がされている。
【0005】水素を可逆的に吸収・放出し得る水素吸蔵
合金を負極に使用するアルカリ蓄電池では、水素吸蔵合
金電極の理論容量密度がカドミウム極より大きいため、
高エネルギー密度を有するアルカリ蓄電池用負極として
期待できる。そのうえ、カドミウム極や亜鉛極のような
金属の酸化還元による溶解析出を伴わないため、極板の
変形やデンドライトの形成などが少ないことから、長寿
命が期待でき、かつ、無公害であるという特徴を有して
いる。
【0006】このような水素吸蔵合金電極に用いられる
合金として、一般的にはTi−Ni系、Zr−Mn−N
i系およびLa(またはMm)−Ni系の多元系合金が
よく知られている。Ti−Ni系の多元系合金はABタ
イプ、Zr−Mn−Ni系合金はAB2 タイプとして分
類できるが、両タイプとも初期に高容量を示すが、寿命
特性が劣り、寿命特性を改善した合金では放電特性が非
常に劣るという問題を有している。
【0007】これら合金に対してAB5タイプとして分
類されるLa(またはMm)−Ni系合金はABタイプ
やAB2タイプに比べ若干容量は低下するが、寿命特
性、放電特性に優れていることから近年電極材料として
多くの開発が進められ、実用化されている。
【0008】しかしながら、AB5タイプの合金を用い
たニッケル−水素蓄電池でもニッケル−カドミウム蓄電
池に比べ低温等での高率放電特性が劣ることからさらな
るAB5タイプの合金の特性改善が要望されている。ま
た、AB5タイプの合金より高容量が期待できるABタ
イプやAB2タイプの合金では寿命特性を改善した合金
組成での放電特性の改善が要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
処する方法の一つとして、水素吸蔵合金粉末もしくは水
素吸蔵合金電極をアルカリ溶液に浸漬して水素吸蔵合金
電極の放電特性を向上させる方法が提案されている。い
わゆるアルカリ処理と言われ、水素吸蔵合金粉末もしく
は水素吸蔵合金電極を水酸化カリウムを溶解したアルカ
リ水溶液に浸漬して処理する方法である。この処理によ
り合金表面のコバルト、マンガン、バナジウム、アルミ
ニウム、ミッシュメタル等のアルカリ水溶液に溶解し易
い金属元素が、アルカリ水溶液中に溶解し、このために
アルカリ水溶液に対して上記した金属元素より安定なニ
ッケルが合金の表面層に残り、相対的に表面層のニッケ
ル比率が高まり金属ニッケル微粒子が生成される。この
金属ニッケル微粒子は高活性な触媒としてよく知られて
いるラネ−ニッケル触媒と同等の活性を有していると考
えられている。このように、合金粉末もしくは合金電極
の電気化学的活性を向上させることにより、放電特性を
向上させていた。また、アルカリ水溶液に溶出する合金
粉末粒子表面や合金電極表面の成分元素を予め除去する
ことによって、電池寿命を向上させることが考えられて
いた。
【0010】しかし、水素吸蔵合金粉末もしくは水素吸
蔵合金電極を上記のような水酸化カリウムだけを溶解し
たアルカリ水溶液を用いた処理を行っても、低温におけ
る放電特性の向上や、高温におけるアルカリ水溶液に対
する耐食性の向上ができない。
【0011】本発明は以上に鑑み、低温における高率放
電特性の改善と、高温におけるアルカリ水溶液に対する
耐食性の改善によって、アルカリ蓄電池負極として優れ
た水素吸蔵合金電極を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、水素吸蔵合金粉末をコバルトイオンおよび
/または銅イオンを含み、かつ、水酸化リチウム・一水
塩を10〜150g/l含む水溶液中に80〜150℃
のアルカリ溶液中に浸漬する工程を有する。
【0013】また、水素吸蔵合金からなる電極をコバル
トイオンおよび/または銅イオンを含み、かつ、水酸化
リチウム・一水塩を10〜150g/l含む水溶液中に
80〜150℃のアルカリ溶液中に浸漬する工程を有す
る。
【0014】コバルトイオンを含むアルカリ溶液は水酸
化コバルト、酸化コバルト、塩化コバルト、硝酸コバル
ト等をアルカリ溶液に添加して、また銅イオンを含むア
ルカリ溶液は水酸化銅、酸化銅、塩化銅、硝酸銅等をア
ルカリ水溶液に添加してそれぞれ調整するものである。
銅イオンを含むアルカリ水溶液は、酒石酸またはクエン
酸を加えることが好ましい。
【0015】また、水素吸蔵合金粉末もしくは水素吸蔵
合金電極のアルカリ処理は、不活性ガス雰囲気中や大気
を遮断した状態など、アルカリ水溶液への酸素の溶解が
抑制された、実質的に酸素ガスとの接触を断たれた状態
において行われることが好ましい。
【0016】本発明に用いる水素吸蔵合金は、一般式L
nNixy(Lnはランタノイド元素の少なくとも2
種、AはMn,Co,Al,Fe,Si,Cr,および
Cuよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で
あり、4.5<x+y<5.5、3.0<x、0<y<
2.5)で表される合金である。また、一般式Zr1.2-
aTiaMnwxNiyZ(ただし、MはB,Al,S
i,Cr,Fe,Co,Cu,Zn,Nb,Mo,Ta
およびWよりなる群から選択される少なくとも1種の元
素であり、0≦a<1.2,0.1≦w≦1.2,0≦
x≦0.4,0.8≦y≦1.6,0<z≦1.2、
1.7≦(v+w+x+y+z)≦2.7)で表される
合金であり、その合金相の主成分がC14(MgZ
2)およびC15(MgCu2)型ラーベス相である。
【0017】合金に、Ln(ただし、Lnはランタノイ
ド元素の少なくとも1種)とNiを主成分とする合金相
を30重量%以下含有させた合金でもよい。
【0018】
【実施例】
(実施例1)水素吸蔵合金試料は、粒径45μm以下の
一般式ZrTi0.2Mn0.60.1Cr0.3Co0.1Ni1.2
で表される合金粉末を用いた。
【0019】この合金粉末100gに対して1gの金属
コバルト量に相当する水酸化コバルトを含む31重量%
KOH水溶液200mlに所定量の水酸化リチウム・一
水塩を入れてアルカリ処理液とした。
【0020】上記アルカリ処理液を耐熱性の樹脂製容器
に入れ、120℃に加熱した。120℃のアルカリ処理
液中に合金粉末を投入し、蓋をして撹拌し、4時間処理
した。処理終了後、冷却、静置して上澄み液を除去後、
水洗、液のpHを下げ、ろ過、乾燥して合金粉末を作成
した。
【0021】今回の処理は120℃で行ったが、処理温
度を高くすることにより処理時間を短縮することができ
る。 (1)単電池試験 各合金試料についてアルカリ蓄電池用負極としての電極
特性、特に、0℃における放電特性を評価するために単
電池試験を行った。
【0022】上記の各処理条件で処理した合金試料粉末
3gについて結着剤のポリエチレン微粉末0.15gを
十分混合撹拌し、これにカルボキシメチルセルロースの
希釈水溶液(1重量%水溶液)と水を加えてペースト状
にし、平均ポアサイズ150μm、多孔度95%、縦4
0mm、横25mm、厚さ1.0mmの発泡状ニッケル
シートに充填した。これを130℃で真空乾燥し、総圧
100トンでプレス加工して試験用合金電極板を作成し
た。
【0023】これらの試験用合金電極板にニッケル線の
リードを取り付けて負極とし、正極として過剰の容量を
有する焼結式ニッケル電極を、セパレータとしてポリア
ミド不織布をそれぞれ用い、比重1.30の水酸化カリ
ウム水溶液を電解液として試験電池を作成した。
【0024】まず、25℃において一定電流で充電と放
電サイクルを20〜50サイクル繰り返して試験用合金
電極の活性化を行った。なお、充放電条件は、水素吸蔵
合金1gあたり100mAの電流で5時間充電し、同様
に合金1gあたり50mAの電流で放電し、放電終止電
圧は0.8Vとした。
【0025】活性化終了後、25℃において合金1gあ
たり20mAの電流で30時間充電し、合金1gあたり
50mAで放電し、0.8Vまでの放電容量を測定し
た。つぎに、再度、25℃において合金1gあたり20
mAの電流で30時間充電し、充電終了後、0℃におい
て合金1gあたり250mAの電流で放電し、放電容量
を測定した。図1に各試験用合金電極板の25℃、50
mA/合金1gの放電容量と0℃、250mA/合金1
gの放電容量比を示した。また、各試験用合金粉末の飽
和磁化を小型全自動振動試料型磁力計により求め、その
値より試料中の金属ニッケル量として換算した結果を図
2に示した。
【0026】図1および図2中の黒点は水酸化リチウム
・一水塩と水酸化コバルトだけを溶解した水溶液で処理
した場合の結果である。この結果より水酸化リチウム・
一水塩と水酸化コバルトだけを溶解した水溶液では合金
粉末を十分に活性化することはできなかった。合金を処
理するアルカリ溶液は水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化ルビジウム等を溶解させておく必要があるこ
とがわかった。
【0027】図1および図2の結果より合金粉末のアル
カリ処理水溶液に水酸化リチウムを溶解することにより
合金表面の磁性を有する金属ニッケルやコバルトの生成
量が増加し、合金電極の高率放電特性が向上することが
わかった。これは水酸化リチウムが存在することにより
合金の溶存酸素、または水酸化コバルトによる酸化溶解
が促進され、合金表面に活性な金属ニッケルやコバルト
が生成されるためであると推測される。しかし、水酸化
リチウム・一水塩の溶解量が100gを越える領域は放
電特性は低下傾向であった。これは合金表面の腐食が大
きくなり過ぎて合金粒子間の接触抵抗が増大したためで
ある。 (2)密閉形電池試験 次に、電池特性を調べるために密閉形電池を試作した。
【0028】上記のアルカリ処理を施した合金試料粉末
にカルボキシメチルセルロースの希水溶液(1重量%水
溶液)と水を加え、混合撹拌してペースト状にし、平均
ポアサイズ150μm、多孔度95%、厚さ1.0mm
の発泡状ニッケルシートに充填した。これを120℃で
乾燥し、ローラプレスで加圧し、さらにその表面にフッ
素樹脂粉末をコーティングして電極を作成した。
【0029】これらの電極を幅3.5cm、長さ14c
m、厚さ0.4mmに調整し、リード板を所定の2カ所
に取り付けた。そして、正極(容量1.5Ah)および
セパレータと組み合わせて渦巻状に捲回して4/5Aサ
イズの電池ケースに収納した。これら電池の正極には公
知の発泡式ニッケル電極を用い、セパレータには親水性
を付与したポリプロピレン不織布を用いた。比重1.3
の水酸化カリウム水溶液に水酸化リチウムを30g/l
溶解した電解液を注入後、電池ケースを封口して密閉形
電池を作成した。
【0030】このようにして作成した電池を25℃にお
いて0.1C(10時間率)で150%まで充電し、
0.2Cで終止電圧0.8Vまで放電する充放電を10
サイクル行い、電池化成を行った。電池化成後、20
℃、1Cで120%充電後、0.2Cで0.8Vまで放
電し、0.8Vまでの放電容量を測定した。再度、20
℃、1Cで120%充電し、0℃における1C放電、
0.8Vまでの放電容量を測定した。図3に0℃、1C
における放電容量の20℃、0.2Cにおける放電容量
に対する比率を示した。
【0031】図2と図3より合金中の飽和磁化換算ニッ
ケル量が約2%以上で電池の0℃,1C放電特性が大き
く向上することがわかった。この結果から、本実施例に
よる処理により特性に優れた電極を得ることができるこ
とがわかった。
【0032】(実施例2)水素吸蔵合金試料は、粒径4
5μm以下の一般式ZrMn0.550.15Cr0.2Co0.1
Ni1.15で表される合金粉末を用い、銅イオンを含むア
ルカリ水溶液で処理を行った。このアルカリ水溶液は合
金粉末100gに対して1gの金属銅量に相当する水酸
化銅を含む31重量%KOH水溶液200mlに所定量
の水酸化リチウム一水塩を入れたものである。
【0033】上記アルカリ処理液を耐熱性の樹脂製容器
に入れ、120℃に加熱した。120℃のアルカリ処理
液中に合金粉末を投入し、蓋をして撹拌し、6時間処理
した。処理終了後、冷却、静置して上澄み液を除去後、
水洗、液のpHを下げ、ろ過、乾燥して合金粉末を得
た。 (1)単電池試験 実施例1と同様に試験用合金電極板を作成し、同様の試
験をおこなった。図4に各試験用合金電極板の25℃、
50mA/合金1gの放電容量と0℃、250mA/合
金1gの放電容量比を示した。また、各試験用合金粉末
の飽和磁化を測定し、その値より試料中の金属ニッケル
としての換算量を求めた。その結果を図5に示した。
【0034】金属銅は、実施例1の金属コバルトに比べ
触媒としての活性が低いことから図4の結果は図1に比
べ低い値を示した。また、図5の合金中の飽和磁化換算
ニッケル量も金属銅が磁性を有していないことから図2
に比べ低い値を示した。しかし、合金粉末を処理する銅
イオンを溶解したアルカリ水溶液に、さらに水酸化リチ
ウム・一水塩を溶解することで合金電極の放電特性を向
上させることができた。
【0035】銅の場合はアルカリ処理により生成した合
金表面の金属ニッケルによる活性化と合金の腐食により
還元された金属銅による各合金粒子間の接触抵抗が減少
したことにより放電特性が向上した。
【0036】水酸化リチウム・一水塩の溶解量が100
gを越える領域では合金電極の放電特性および飽和磁化
換算ニッケル量も向上しなかった。 (2)密閉形電池試験 次に、電池特性を調べるために密閉形電池を試作した。
【0037】上記のアルカリ処理を施した合金試料粉末
を用いて実施例1と同様に密閉型電池を作成した。
【0038】このようにして作成した電池を25℃にお
いて0.1C(10時間率)で150%まで充電し、
0.2Cで終止電圧0.8Vまで放電する充放電を10
サイクル行い、電池化成を行った。電池化成後、20
℃、1Cで120%充電後、0.2Cで0.8Vまで放
電し、0.8Vまでの放電容量を測定した。再度、20
℃、1Cで120%充電し、0℃における1C放電、
0.8Vまでの放電容量を測定した。図6に0℃、1C
における放電容量の20℃、0.2Cにおける放電容量
に対する比率を示した。
【0039】図6の結果より水酸化リチウム・一水塩と
水酸化銅を溶解したアルカリ処理水溶液で合金粉末を処
理することにより0℃,1C放電特性が向上することが
わかった。この結果から、本実施例による処理により特
性に優れた電極を得ることができる。
【0040】(実施例3)水素吸蔵合金試料は、粒径7
5μm以下の一般式MmNi3.6Co0.65Mn0.4Al
0.2Cr0.15で表される合金粉末を用いた。
【0041】上記の合金粉末にポリエチレン微粉末5重
量%を添加し、平均ポアサイズ150μm、多孔度95
%、縦40mm、横25mm、厚さ1.0mmの発泡状
ニッケルシートに充填した。このシートを総圧100ト
ンでプレスした後真空乾燥機中において130℃で熱処
理して合金2g含む電極を作成した。
【0042】この電極を合金に対して0.6重量%の金
属コバルト量に相当する水酸化コバルトを含む31重量
%KOH水溶液200mlに所定量の水酸化リチウム・
一水塩を入れた水溶液中に浸漬してアルカリ処理を行っ
た。アルカリ処理は100℃で1時間行った。処理後、
アルカリ処理液より取り出し、水洗、乾燥して各試験用
合金電極板を作成した。 (1)単電池試験 実施例1と同様の単電池試験を行った。図7に各試験用
合金電極板の25℃、50mA/合金1gの放電容量と
0℃、250mA/合金1gの放電容量比を示した。ま
た、各試験用合金電極より合金粉末を取り出し、その飽
和磁化を測定し、その値より試料中の金属ニッケルとし
ての換算量を求めた。その結果を図8に示した。
【0043】図7の結果より水酸化リチウム・一水塩と
水酸化コバルトを溶解したアルカリ水溶液でよりするこ
とにより合金電極の放電特性が向上することがわかっ
た。図8の結果で合金中の飽和磁化換算ニッケル量が図
2に比べ少ないのは、極板状態でアルカリ水溶液での活
性化処理を行っているために極板内部の合金腐食がほと
んど起こっていないためである。
【0044】極板による活性化は粉末状態での活性化処
理に比べ特性は低いが、過度の処理条件による特性の低
下が少ない。 (2)密閉形電池試験 次に、電池特性を調べるために密閉形電池を試作した。
【0045】上記の合金試料粉末にカルボキシメチルセ
ルロースの希水溶液を加え、混合撹拌してペースト状に
し、平均ポアサイズ150μm、多孔度95%、厚さ
1.0mmの発泡状ニッケルシートに充填した。これを
120℃で乾燥し、ローラプレスで加圧して電極を作成
した。この電極板を上記電極板処理と同様の処理を行っ
た。電極板処理後、電極板表面にフッ素樹脂粉末をコー
ティングした。
【0046】これらの電極を用いて実施例1と同様の密
閉型電池を作成した。このようにして作成した電池を2
5℃において0.1C(10時間率)で150%まで充
電し、0.2Cで終止電圧0.8Vまで放電する充放電
を10サイクル行い、電池化成を行った。電池化成後、
20℃、1Cで120%充電後、0.2Cで0.8Vま
で放電し、0.8Vまでの放電容量を測定した。再度、
20℃、1Cで120%充電し、0℃における1C放
電、0.8Vまでの放電容量を測定した。図9に0℃、
1Cにおける放電容量の20℃、0.2Cにおける放電
容量に対する比率を示した。図9の結果より水酸化リチ
ウム・一水塩と水酸化コバルトを溶解したアルカリ処理
水溶液で合金電極板を処理することにより0℃、1C放
電特性が向上することがわかった。この結果から、本実
施例による処理により特性に優れた電極を得ることがで
きる。
【0047】(実施例4)水素吸蔵合金試料は、粒径7
5μm以下の一般式MmNi3.2Co0.85Mn0.6Al
0.2Cr0.15で表される合金粉末を用いた。
【0048】上記の合金粉末を用いて実施例3と同様の
方法で合金2gを含む電極板を作成した。この試験電極
を合金に対して0.6重量%の金属銅量に相当する水酸
化銅を含む31重量%KOH水溶液200mlに所定量
の水酸化リチウム・一水塩を入れた水溶液中に浸漬して
アルカリ処理を行った。アルカリ処理は100℃で1時
間行った。処理後、アルカリ処理液より取り出し、水
洗、乾燥して各試験用合金電極板を作成した。 (1)単電池試験 実施例1と同様の単電池試験を行った。図10に各試験
用合金電極板の25℃、50mA/合金1gの放電容量
と0℃、250mA/合金1gの放電容量比を示した。
また、各試験用合金電極より合金粉末を取り出し、その
飽和磁化を測定し、その値より試料中の金属ニッケルと
しての換算量を求めた。その結果を図11に示した。
【0049】図10の結果より水酸化リチウム・一水塩
と水酸化銅を溶解したアルカリ水溶液で合金電極板を活
性化することにより合金電極の放電特性は向上した。 (2)密閉形電池試験 次に、電池特性を調べるために密閉形電池を試作した。
【0050】上記の合金試料粉末にカルボキシメチルセ
ルロースの希水溶液を加え、混合撹拌してペースト状に
し、平均ポアサイズ150μm、多孔度95%、厚さ
1.0mmの発泡状ニッケルシートに充填した。これを
120℃で乾燥し、ローラプレスで加圧して電極を作成
した。この電極板を上記電極板処理と同様の処理を行っ
た。電極板処理後、電極板表面にフッ素樹脂粉末をコー
ティングした。
【0051】これらの電極を用いて実施例1と同様の密
閉型電池を作成した。このようにして作成した電池を2
5℃において0.1C(10時間率)で150%まで充
電し、0.2Cで終止電圧0.8Vまで放電する充放電
を10サイクル行い、電池化成を行った。電池化成後、
20℃、1Cで120%充電後、0.2Cで0.8Vま
で放電し、0.8Vまでの放電容量を測定した。再度、
20℃、1Cで120%充電し、0℃における1C放
電、0.8Vまでの放電容量を測定した。図12に0
℃、1Cにおける放電容量の20℃、0.2Cにおける
放電容量に対する比率を示した。図12の結果より水酸
化リチウム・一水塩と水酸化銅を溶解したアルカリ処理
水溶液で合金電極板を処理することにより0℃、1C放
電特性が向上することがわかった。この結果から、本実
施例による処理により特性に優れた電極を得ることがで
きる。
【0052】以上、本実施例ではアルカリ水溶液として
水酸化カリウムを溶解したものについて述べたが、水酸
化ナトリウム、水酸化ルビジウムを溶解したアルカリ水
溶液についても同様の効果を得ることができる。
【0053】さらに、アルカリ処理した合金粉末を用い
て電極を形成し、これをアルカリ処理しても同様の効果
を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ処理を高温で
できるため、作業高率が向上し、また低温における放電
容量の電極特性に優れた水素吸蔵合金電極を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する低温における高率放電容量比を示す
【図2】本発明の実施例1による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する電極中の金属ニッケルの重量比を示
す図
【図3】本発明の実施例1による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する低温における放電容量比を示す図
【図4】本発明の実施例2による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する低温における高率放電容量比を示す
【図5】本発明の実施例2による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する電極中の金属ニッケルの重量比を示
す図
【図6】本発明の実施例2による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する低温における放電容量比を示す図
【図7】本発明の実施例3による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する低温における高率放電容量比を示す
【図8】本発明の実施例3による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する電極中の金属ニッケルの重量比を示
す図
【図9】本発明の実施例3による水酸化リチウム・一水
塩の溶解量に対する低温における放電容量比を示す図
【図10】本発明の実施例4による水酸化リチウム・一
水塩の溶解量に対する低温における高率放電容量比を示
す図
【図11】本発明の実施例4による水酸化リチウム・一
水塩の溶解量に対する電極中の金属ニッケルの重量比を
示す図
【図12】本発明の実施例4による水酸化リチウム・一
水塩の溶解量に対する低温における放電容量比を示す図

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を、水酸化リチウム・
    一水塩を10〜150g/l含み、かつコバルトイオン
    を存在させた温度80〜150℃のアルカリ溶液中に浸
    漬する工程と、前記の処理を施した水素吸蔵合金粉末を
    用いて電極を形成する工程を有する水素吸蔵合金電極の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 水素吸蔵合金粉末を用いて形成した電極
    を、水酸化リチウム・一水塩を10〜150g/l含
    み、かつコバルトイオンを存在させた温度80〜150
    ℃のアルカリ溶液中に浸漬する工程を有する水素吸蔵合
    金電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 水素吸蔵合金に対して10重量%以下の
    金属コバルトに相当するコバルトイオンを用いて前記の
    処理がなされる請求項1または2記載の水素吸蔵合金電
    極の製造方法。
  4. 【請求項4】 水素吸蔵合金粉末を、水酸化リチウム・
    一水塩を10〜150g/l含み、かつ銅イオンを存在
    させた温度80〜150℃のアルカリ溶液中に浸漬する
    工程と、前記の処理を施した水素吸蔵合金粉末を用いて
    電極を形成する工程を有する水素吸蔵合金電極の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 水素吸蔵合金粉末を用いて形成した電極
    を、水酸化リチウム・一水塩を10〜150g/l含
    み、かつ銅イオンを存在させた温度80〜150℃のア
    ルカリ溶液中に浸漬する工程を有する水素吸蔵合金電極
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 水素吸蔵合金に対して10重量%以下の
    金属銅に相当する銅イオンを用いて前記処理がなされる
    請求項4または5記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ処理溶液が水酸化カリウム、水
    酸化ナトリウムおよび水酸化ルビジウムのうちの少なく
    とも1つを溶解したものである請求項1〜6記載の水素
    吸蔵合金電極の製造方法。
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