JPH09231969A - ニッケル・水素蓄電池 - Google Patents

ニッケル・水素蓄電池

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JPH09231969A
JPH09231969A JP8031561A JP3156196A JPH09231969A JP H09231969 A JPH09231969 A JP H09231969A JP 8031561 A JP8031561 A JP 8031561A JP 3156196 A JP3156196 A JP 3156196A JP H09231969 A JPH09231969 A JP H09231969A
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storage alloy
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陽一 和泉
Yoshio Moriwaki
良夫 森脇
Katsumi Yamashita
勝己 山下
Takashi Tokuhiro
敬 徳弘
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で、充放電サイクル寿命に優れるニッ
ケル・水素蓄電池を提供する。 【解決手段】 負極材料である水素吸蔵合金粉末とし
て、組成が一般式ZrTitMnuMovwCrxCoy
z(ただし0.15≦t≦0.25,0.4≦u≦
0.6,0.01≦v≦0.2,0≦w≦0.1,0.
15≦x≦0.25,0≦y≦0.2,1≦z≦1.
3,1.6≦(u+v+w+x+y+z)/(1+t)
≦2)で表されその主たる合金相がLaves相に属す
る金属間化合物であり、粉末X線回折においてLave
s相に帰属されない回折線の積分値の和が全回折線の積
分値の和の5%以下のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活物質である水素を
電気化学的に吸蔵、放出可能な水素吸蔵合金を電極に用
いたニッケル・水素蓄電池、および水素吸蔵合金粉末の
製造法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種ポータブル機器用電源に広く用いら
れているアルカリ蓄電池として、ニッケル・カドミウム
蓄電池,ニッケル・水素蓄電池などがある。このうち、
ニッケル・水素蓄電池は、より高容量密度が期待できる
ため、小型密閉蓄電池として近年急速に普及しつつあ
る。
【0003】このニッケル・水素蓄電池において重要な
役割を果たす水素吸蔵合金には、これまで特開昭63−
284758号公報,特開平1−102855号公報,
特開平2−65060号公報などにおいて主としてZr
Mn2系合金を改良したものが高容量合金として提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の水素吸蔵合金は、その容量や電池でのサイクル寿
命特性などに改善の余地があった。すなわち従来の水素
吸蔵合金には主たる合金相の他に偏析相,不純物相など
が含まれており、それらは水素吸蔵合金の有効相として
は作用せず合金の容量を低下させる結果となっていた。
また一般に金属材料は均質であるほど耐食性が優れる
が、従来の水素吸蔵合金には微小な偏析相,不純物相が
含まれていたため、ミクロには均質であるとは言えず、
アルカリ電解液中での耐食性が充分ではなかった。特に
合金構成元素中の溶出しやすい元素、例えばMnなどが
選択的にアルカリ電解液中へ溶出し、その結果合金の容
量が低下することによりサイクル寿命特性の低下を引き
起こしていた。
【0005】本発明は、ZrMn2系合金における上記
の問題点に鑑み、良好な特性の合金を探索,研究した結
果得られたもので、水素吸蔵合金の均質性を高めること
により、不純物相の割合を減少させ、さらに合金の耐食
性を向上させることで合金構成元素中の溶出しやすい例
えばMnなどの元素が選択的にアルカリ電解液中へ溶出
するのを防止し、容量が大きく、サイクル寿命特性にも
優れたニッケル・水素蓄電池を提供することを主たる目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のニッケル・水素
蓄電池は、その負極材料である水素吸蔵合金粉末とし
て、組成が一般式ZrTitMnuMovwCrxCoy
z(ただし0.15≦t≦0.25,0.4≦u≦
0.6,0.01≦v≦0.2,0≦w≦0.1,0.
15≦x≦0.25,0≦y≦0.2,1≦z≦1.
3,1.6≦(u+v+w+x+y+z)/(1+t)
≦2)で表されその主たる合金相がLaves相に属す
る金属間化合物であり、粉末X線回折においてLave
s相に帰属されない回折線の積分値の和が全回折線の積
分値の和の5%以下のものを用いたものである。より好
ましくはその粉末を平均粒径100μm以下の状態で、
少なくとも水酸化リチウムを含み比重1.2以上のアル
カリ水溶液に60℃以上で1時間以上浸漬処理して用い
たものである。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、負極に
用いる水素吸蔵合金粉末の物性を特定したもので、その
作用機構の詳細は明らかではないが、水素吸蔵合金粉末
を構成する元素の含有比率を適正にし、かつ合金の組織
を均質性の高いものにすることにより、合金自身の耐食
性を高めたものである。請求項4に記載の発明は、前記
の水素吸蔵合金粉末を、平均粒径100μm以下の状態
で、少なくとも水酸化リチウムを含み比重1.2以上液
温60℃以上のアルカリ液に1時間以上浸漬処理するこ
とで、合金粉末表面に存在する溶出しやすい元素を予め
溶出させ、この処理粉末を用いて電池を構成することに
より、電池内での合金および負極からの溶出物の量を極
めて低いレベルに抑制することができる。そのため充放
電サイクルにともなう電池の容量劣化が小さくできる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)水素吸蔵合金として、ZrTi0.2Mn0.6
Mo0.1Cr0.2Co0.1Ni1.15を選び、この合金をガ
スアトマイズ法で粉末状に作製した。作製量は1回50
0gとした。
【0009】なお水素吸蔵合金作製の際、合金を構成す
る金属原料として純度99.9%以上の市販品を用い
た。得られた合金を真空中1000℃で6時間熱処理し
た後、篩別して平均粒径を約45μmとした。
【0010】この合金粉末を、水酸化リチウム・一水和
物を40g/l含み比重1.31の水酸化カリウム水溶
液に水酸化コバルトを飽和量溶解させた処理液に浸漬、
煮沸した。このとき処理液の温度は約110℃、処理時
間は6時間とした。その後、この合金粉末を処理液から
分離し、水洗、乾燥して電池作製に供した。
【0011】得られた合金粉末を水および結着剤である
カルボキシメチルセルロースと練合してペースト状に
し、多孔度95%の発泡状ニッケル多孔体に充填した。
これを90℃で真空乾燥し、厚さ0.33mmにプレス
したのち、幅39mm、長さ97mmにして負極とし
た。
【0012】正極としては活物質が水酸化ニッケルで、
その利用率を向上させるためにこれにCo化合物を混合
してなる公知の発泡式ニッケル極を選び、幅39mm、
長さ77mm、厚さ0.70mmとしてリード板を取り
付けて用いた。またセパレータは親水性を付与したポリ
プロピレン不織布とした。
【0013】この負極,正極,セパレータを組み合わせ
て、渦巻状に巻回してAAサイズの円筒状の電槽に収納
した。これに、比重1.30の水酸化カリウム水溶液に
水酸化リチウムを40g/l溶解したもの2.2ccを
電解液として注入し、封口して密閉電池とした。これを
本発明電池Aとする。
【0014】また、この電池の特性を比較するために従
来の電池も併せて作製した。すなわち水素吸蔵合金とし
て高周波溶解−鋳造法で作製したZrMn0.60.2Cr
0.1Ni1.2を用いて、処理液への浸漬処理を行わずに、
先と同様の方法で電池とした。これを従来電池Bとす
る。
【0015】これらA,B両電池の5時間率放電時の容
量は約1200mAhである。これらの電池A,Bを充
放電サイクル試験によって評価した。充電は5時間率で
6時間、放電は1時間率で終止電圧1.0Vまでとし、
雰囲気温度は40℃とした。雰囲気温度を40℃とした
のは、一般的に室温よりも高温のほうが合金の劣化速度
が速く、合金の耐食性の評価結果が明確になるからであ
る。なお、電池の放電可能容量が初期のそれの60%に
なったサイクル数を電池の寿命とした。その結果を図1
に示す。従来電池Bでは寿命が約200サイクルであっ
たのに対し、本発明電池Aでは約300サイクルの寿命
を示した。
【0016】上記の充放電サイクル試験が終了した電池
を分解して、水素吸蔵合金負極を電子顕微鏡で観察した
ところ、従来電池Bでは水素吸蔵合金粉末の表面が荒れ
ており、電池内部でアルカリ電解液により腐食されたこ
とは明白であった。これに対し、本発明電池Aでは水素
吸蔵合金粉末の表面は比較的平滑に保たれており、本発
明が合金粉末の劣化防止に有効であることが分析結果か
らも確認できた。
【0017】さらに本発明電池で合金の劣化が抑制され
ていた原因を詳細に調査した。まずそれぞれの水素吸蔵
合金粉末を粉末X線回折により解析した。その結果、主
たる合金相はいずれもLaves相構造を有していた。
しかしながら本発明電池Aに使用した合金では、Lav
es相に起因する回折線の強度が強く、不純物相に起因
する回折線は観察されず、その割合が極めて小さいこと
が明らかになった。すなわちLaves相に帰属されな
い回折線の積分値の和が全回折線の積分値の和の5%以
下であった。これに対し、従来電池Bに使用した合金で
は明らかに不純物相に帰属すると考えられる回折線が観
測され、Laves相に帰属されない回折線の積分値の
和が全回折線の積分値の和の約10%であった。
【0018】また走査型電子顕微鏡およびX線微小分析
装置を使用して合金組織の調査を行ったところ、従来電
池Bに使用した合金ではLaves相以外の偏析相(不
純物相)が観察され、合金構成元素の分布も不均一であ
ったが、本発明品では偏析相はほとんど観察されず、元
素の分布も均一であった。
【0019】これらの解析結果より、本発明電池Aに使
用した合金は組織が非常に均一であるため耐食性が高
く、ニッケル・水素蓄電池に用いた場合、充放電サイク
ル特性が優れているものと考えられる。
【0020】なお、本発明電池Aに使用した合金粉末は
処理液に浸漬後にBET法にて測定した比表面積が約9
2/gであり、10kOeの磁場での磁化が25℃に
おいて約1emu/gであった。これに対し、従来電池
Bに使用した合金ではBET法にて測定した比表面積が
約0.2m2/gであり、10kOeの磁場での磁化が
約0.1emu/gであった。
【0021】合金表面に存在する元素がアルカリ処理液
中に溶出すると合金表面は微細に荒れ、比表面積が増大
する。このとき多元系合金では元素によって溶解しやす
さが異なるため、溶解しにくい元素は合金表面上に金属
単体として残留する傾向がある。本発明においては残留
しやすい元素はNi,Coと考えられ、これらが磁化さ
れやすいため、アルカリ処理液に浸漬した合金では大き
な磁化が観測されることになる。
【0022】この場合、比表面積および磁化は合金表面
の荒れの程度を表す指標であり、数値が大きいほど表面
が荒れていることを示している。本発明電池Aに使用し
た合金はこれらの値が従来品と比較して大きく、合金表
面には溶出しやすい元素がほとんど存在しない状態にな
っていたことが推定される。このこともサイクル寿命伸
長の大きな要因の一つと考えられる。
【0023】なお磁化の値は、合金表面上に金属単体と
して残留するNi,Coの量に大きく依存するが、この
磁化の値が過大である場合、すなわち合金表面上に金属
単体として残留するNi,Coの量が多すぎる場合に
は、合金の容量低下がもたらされる。なぜなら合金表面
に残留するNiあるいはCoは、水素をほとんど吸蔵し
ないからである。磁化の値が5emu/gより大きくな
ると合金の容量低下が無視できない水準に達する。これ
らのことから総合して好ましい磁化の値は0.5emu
/g以上、5emu/g以下である。
【0024】(実施例2)本発明の効果をより大きく発
揮するためには合金の組織のみならず、合金の構成元素
の量も最適化する必要があることが研究の中で明らかに
なった。以下、そのことについて説明する。
【0025】ここでは合金組成について調査した。なお
合金製法、電池作製方法および評価方法は本発明電池A
のそれと同様とした。
【0026】最初にTi量について述べる。合金組成Z
rTitMn0.6Mo0.1Cr0.1Co 0.1Ni1.15におい
て、tの値を0〜0.3の範囲で変化させたときの結果
を図2に示す。t値すなわちTi量が0.15〜0.2
5の範囲で250サイクル以上のサイクル寿命が得られ
た。
【0027】次にMn含有量について調べた。合金組成
ZrTi0.2MnuMo0.1Cr0.2Co0.1Ni1.15にお
いて、uの値を0.2〜0.7の範囲で変化させたとき
の結果を図3に示す。u値すなわちMn量が0.4〜
0.6の範囲で250サイクル以上のサイクル寿命が得
られた。
【0028】次にMo量について述べる。合金組成Zr
Ti0.2Mn0.6MovCr0.2Co0. 1Ni1.15におい
て、vの値を0〜0.3の範囲で変化させたときの結果
を図4に示す。v値すなわちMo量が0.01〜0.2
の範囲で250サイクル以上のサイクル寿命が得られ
た。
【0029】次にV量について述べる。合金組成ZrT
0.2Mn0.6Mo0.1wCr0.2Co0.1Ni1.15におい
て、wの値を0〜0.2の範囲で変化させたときの結果
を図5に示す。w値すなわちV量が0〜0.1の範囲で
250サイクル以上のサイクル寿命が得られた。
【0030】次にCr量について述べる。合金組成Zr
Ti0.2Mn0.6Mo0.1CrxCo0. 1Ni1.15におい
て、xの値を0〜0.3の範囲で変化させたときの結果
を図6に示す。x値すなわちCr量が0.15〜0.2
5の範囲で250サイクル以上のサイクル寿命が得られ
た。
【0031】次にCo量について述べる。合金組成Zr
Ti0.2Mn0.6Mo0.1Cr0.2Co yNi1.15におい
て、yの値を0〜0.3の範囲で変化させたときの結果
を図7に示す。y値すなわちCo量が0〜0.2の範囲
で250サイクル以上のサイクル寿命が得られた。
【0032】次にNi量について述べる。合金組成Zr
Ti0.2Mn0.6Mo0.1Cr0.2Co 0.1Nizにおいて、
zの値を0.8〜1.5の範囲で変化させたときの結果
を図8に示す。z値すなわちNi量が1.0〜1.3の
範囲で250サイクル以上のサイクル寿命が得られた。
【0033】以上の結果より合金組成としては、一般式
ZrTitMnuMovwCrxCoyNiz(ただし0.
15≦t≦0.25,0.4≦u≦0.6,0.01≦
v≦0.2,0≦w≦0.1,0.15≦x≦0.2
5,0≦y≦0.2,1≦z≦1.3)で表されるもの
が優れていることが明らかとなった。
【0034】しかしながら上記の合金組成に合致するも
のであっても、1.6≦(u+v+w+x+y+z)/
(1+t)≦2の条件を満たすものでなければ、優れた
サイクル寿命特性が得られないことも別の実験の結果か
ら明らかとなった。
【0035】またさらに別の実験から合金は熱処理を実
施した方がより高い水素吸蔵量が得られることが判明で
き、その熱処理条件は800〜1200℃の真空中もし
くは不活性ガス雰囲気中が好ましいことが認められた。
【0036】ここで評価した電池を分解してその負極の
解析を行ったところ、サイクル寿命特性が劣るものは、
いづれも後方散乱電子像において偏析相が観察され、粉
末X線回折におけるLaves相に帰属されない回折線
の積分値の和が全回折線の積分値の和の5%以上であ
り、合金組織の均質性が損なわれていたことが確認され
た。
【0037】これに対してサイクル寿命が250サイク
ル以上であったものは偏析相はほとんど観察されない
か、観察されても主たる合金相がLaves相であり、
粉末X線回折におけるLaves相に帰属されない回折
線の積分値の和が全回折線の積分値の和の5%以下であ
り合金組織の均質性が極めて高いことが確認された。
【0038】(実施例3)本発明の合金粉末の効果をよ
り大きく発揮させるためには、合金の組織、組成のみな
らず合金のアルカリ液への浸漬処理条件をも最適化する
必要があることが研究の中で明らかになった。以下その
ことについて説明する。なお合金組成、合金製法、電池
作製方法および評価方法は、先の本発明電池Aと同様と
した。
【0039】最初に処理温度について述べる。合金粉末
を、水酸化リチウム・一水和物を40g/l含み比重
1.31の水酸化カリウム水溶液に水酸化コバルトを飽
和量溶解させた処理液に浸漬する工程において、処理液
温度を40℃〜110℃の範囲で変化させたときの結果
を図9に示す。なお処理時間は6時間とした。処理温度
が60℃以上であれば、電池として250サイクル以上
のサイクル寿命が得られた。
【0040】次に処理時間について述べる。合金粉末
を、水酸化リチウム・一水和物を40g/l含み比重
1.31の水酸化カリウム水溶液に水酸化コバルトを飽
和量溶解させた処理液に浸漬する工程において、処理時
間を0.1時間〜10時間の範囲で変化させた時の結果
を図10に示す。なお処理温度は110℃とした。処理
時間が1時間以上であれば、電池として250サイクル
以上のサイクル寿命が得られた。
【0041】以上の結果より浸漬処理条件は、60℃以
上の温度において1時間以上とするのが好ましいことが
明らかになった。
【0042】また別の実験より、Coを含むイオン種を
処理液に溶解させておくことで、さらに優れた結果が得
られた。
【0043】ここで用いた合金粉末を解析したところ、
電池として250サイクル以上の優れた寿命特性を示し
たものはいづれも浸漬処理後の水素吸蔵合金粉末の比表
面積が2m2/g以上であるか、もしくは10kOeの
磁場での磁化が25℃において0.5emu/g以上で
あった。一方、250サイクル以下のサイクル寿命を示
したものは、比表面積が2m2/g未満でかつ10kO
eの磁場での磁化が0.5emu/g未満であった。な
お比表面積が2m2/g以上であり、かつ10kOeの
磁場での磁化が25℃において0.5emu/g以上で
あるものは特に優れたサイクル寿命特性を示した。
【0044】
【発明の効果】本発明では水素吸蔵合金粉末として一般
式ZrTitMnuMovwCrxCoyNiz(ただし
0.15≦t≦0.25,0.4≦u≦0.6,0.0
1≦v≦0.2,0≦w≦0.1,0.15≦x≦0.
25,0≦y≦0.2,1≦z≦1.3,1.6≦(u
+v+w+x+y+z)/(1+t)≦2)で表されそ
の主たる合金相がLaves相に属する金属間化合物で
あり粉末X線回折においてLaves相に帰属されない
回折線の積分値の和が全回折線の積分値の和の5%以下
であるものを用いるものであり、これによりサイクル寿
命特性に優れるニッケル・水素蓄電池が得られ、その実
用的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】充放電サイクルに伴う放電容量の変化を示すサ
イクル寿命特性図
【図2】Ti含有量とサイクル寿命との関係を示す特性
【図3】Mn含有量とサイクル寿命との関係を示す特性
【図4】Mo含有量とサイクル寿命との関係を示す特性
【図5】V含有量とサイクル寿命との関係を示す特性図
【図6】Cr含有量とサイクル寿命との関係を示す特性
【図7】Co含有量とサイクル寿命との関係を示す特性
【図8】Ni含有量とサイクル寿命との関係を示す特性
【図9】処理温度とサイクル寿命との関係を示す特性図
【図10】処理時間とサイクル寿命との関係を示す特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳弘 敬 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化ニッケルを主体とする正極と、活物
    質である水素を電気化学的に吸蔵・放出することが可能
    な水素吸蔵合金粉末を主構成材料とする負極と、セパレ
    ータと、アルカリ電解液とで構成されるニッケル・水素
    蓄電池であって、前記水素吸蔵合金粉末は、その組成が
    一般式ZrTitMnuMovwCrxCoyNiz(ただ
    し0.15≦t≦0.25,0.4≦u≦0.6,0.
    01≦v≦0.2,0≦w≦0.1,0.15≦x≦
    0.25,0≦y≦0.2,1≦z≦1.3,1.6≦
    (u+v+w+x+y+z)/(1+t)≦2)で表さ
    れその主たる合金相がLaves相に属する金属間化合
    物であり、粉末X線回折においてLaves相に帰属さ
    れない回折線の積分値の和が全回折線の積分値の和の5
    %以下であることを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
  2. 【請求項2】水素吸蔵合金粉末は、少なくとも水酸化リ
    チウムを含み比重1.2以上のアルカリ水溶液に浸漬後
    の比表面積が2m2/g以上である請求項1記載のニッ
    ケル・水素蓄電池。
  3. 【請求項3】水素吸蔵合金粉末は、少なくとも水酸化リ
    チウムを含み比重1.2以上のアルカリ水溶液に浸漬後
    において10kOeの磁場での磁化が25℃において
    0.5emu/g以上、5emu/g以下である請求項
    1記載のニッケル・水素蓄電池。
  4. 【請求項4】請求項1記載の水素吸蔵合金粉末を平均粒
    径100μm以下の状態で、少なくとも水酸化リチウム
    を含み比重1.2以上のアルカリ水溶液に60℃以上で
    1時間以上浸漬処理することを特徴とする水素吸蔵合金
    粉末の製造法。
  5. 【請求項5】少なくとも水酸化リチウムを含み比重1.
    2以上のアルカリ水溶液にCoを含むイオン種を溶解さ
    せた請求項4記載の水素吸蔵合金粉末の製造法。
  6. 【請求項6】アルカリ水溶液中にはCoを含むイオン種
    が飽和量溶解されている請求項5記載の水素吸蔵合金粉
    末の製造法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の水素吸蔵合金粉末を真空中
    もしくは不活性ガス雰囲気中において800℃〜120
    0℃で熱処理する水素吸蔵合金粉末の製造法。
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