JPH07282807A - 水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極の製造方法

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JPH07282807A
JPH07282807A JP6066153A JP6615394A JPH07282807A JP H07282807 A JPH07282807 A JP H07282807A JP 6066153 A JP6066153 A JP 6066153A JP 6615394 A JP6615394 A JP 6615394A JP H07282807 A JPH07282807 A JP H07282807A
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electrode
alloy
alkaline solution
hydrogen storage
storage alloy
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JP6066153A
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Koji Yamamura
康治 山村
Tokukatsu Akutsu
徳勝 阿久津
Yoichi Izumi
陽一 和泉
Yoshio Moriwaki
良夫 森脇
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温状態での高率放電特性の性能に優れた水
素吸蔵合金電極を提供する。 【構成】 Coを含む水素吸蔵合金粉末および/または
同合金からなる電極を大気雰囲気下、アルカリ溶液中に
酸素を溶解させながら浸漬処理した後、雰囲気をアルカ
リ溶液中への酸素の溶解を抑制した状態に変えて、さら
にアルカリ溶液中に浸漬処理する工程を有する水素吸蔵
合金電極の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素ガスの吸蔵・放出
を可逆的に行うことのできる水素吸蔵合金を用いた電極
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電源として広く使われている蓄電
池には鉛電池とアルカリ電池がある。このうちアルカリ
蓄電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化も可能などの
理由から小型電池は各種ポ−タブル機器用に、また大型
電池は産業用にそれぞれ使われてきた。このアルカリ蓄
電池において、正極としては一部空気極や酸化銀極など
も取り上げられているが、ほとんどの場合ニッケル電極
である。ポケット式から焼結式に代わって特性が向上
し、さらに密閉化が可能になるとともに用途も広がっ
た。一方、負極としてはカドミウムの他に亜鉛、鉄、水
素などが対象となっているが、現在のところカドミウム
電極が主体である。最近では、一層の高エネルギ−密度
を達成するために金属水素化物、つまり水素吸蔵合金極
を使ったニッケル−水素蓄電池が注目され、製法などに
多くの提案がされている。水素を可逆的に吸収・放出し
うる水素吸蔵合金を使用する水素吸蔵合金電極は、理論
容量密度がカドミウム電極より大きく、亜鉛電極のよう
な変形やデンドライトの形成などもないことから、長寿
命・無公害であり、しかも高エネルギー密度を有するア
ルカリ蓄電池用負極として期待されている。
【0003】このような水素吸蔵合金電極に用いられる
合金として、一般的にはTi−Ni系およびLa(また
はMm)−Ni系の多元系合金がよく知られている。T
i−Ni系の多元系合金は、ABタイプとして分類でき
る。このタイプの合金は、充放電サイクルの初期には比
較的大きな放電容量を示すが、充放電を繰り返すと、そ
の容量を長く維持することが困難であるという問題があ
る。また、AB5タイプのLa(またはMm)−Ni系
の多元系合金は、近年電極材料として多くの開発が進め
られており、これまでは比較的有力な合金材料とされて
いた。しかし、この合金系も比較的放電容量が小さく、
電池電極としての寿命性能が不十分であり、さらに材料
コストが高いなどの問題を有している。したがって、さ
らに高容量化が可能で長寿命である水素吸蔵合金電極が
望まれていた。上記のような問題に対し水素吸蔵合金粉
末もしくは水素吸蔵合金電極をアルカリ溶液に浸漬処理
する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の水素吸蔵合金も
しくは水素吸蔵合金電極をアルカリ溶液に浸漬して処理
する方法は、合金表面のCo、Mn、V等の金属元素を
アルカリ溶液中に酸化溶解させ、合金表面の金属Ni量
を多くして合金粉末もしくは合金電極の電気化学的活性
を向上させるとともにアルカリ溶液に溶出する合金粉末
粒子表面や合金電極表面の成分元素を除去することによ
り、電池寿命を向上させようとするものである。しか
し、さらにニッケルー水素蓄電池の高率放電特性、特に
低温における高率放電特性の向上が要望される状況で
は、合金粉末もしくは合金電極のアルカリ処理だけでは
上記高率放電特性を満足させるのが困難である。つま
り、最適条件以上の過度のアルカリ処理は、合金粉末粒
子表面や合金電極表面の酸化物を多くし、合金粉末相互
の接触抵抗を増大させ、合金粉末や合金電極の電気化学
的な活性を低下させ、逆に電池特性を低下させる。本発
明は、従来のこのような課題を考慮し、低温における高
率放電特性等の放電特性に優れた水素吸蔵合金電極を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金電
極の製造方法は、大気雰囲気下、アルカリ溶液中に酸素
を溶解させながらCoを含む水素吸蔵合金粉末を浸漬処
理した後、雰囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶解を抑
制した状態に変えて、さらに合金粉末を前記アルカリ溶
液中に浸漬処理する工程と、前記の処理をした合金粉末
を電極に形成する工程とを有する。
【0006】本発明は、また大気雰囲気下、アルカリ溶
液中に酸素を溶解させながらCoを含む水素吸蔵合金か
らなる電極を浸漬処理した後、雰囲気をアルカリ溶液中
への酸素の溶解を抑制した状態に変えて、さらに合金電
極を前記アルカリ溶液中に浸漬処理する工程を有する。
【0007】さらに、大気雰囲気下、アルカリ溶液中に
酸素を溶解させながらCoを含む水素吸蔵合金粉末を浸
漬処理した後、雰囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶解
を抑制した状態に変えて、さらに合金粉末を前記アルカ
リ溶液中に浸漬処理する工程と、前記の処理をした合金
粉末を電極に形成する工程と、大気雰囲気下、アルカリ
溶液中に酸素を溶解させながら前記電極を浸漬処理した
後、雰囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶解を抑制した
状態に変えて、さらに前記電極を前記アルカリ溶液中に
浸漬処理する工程を有する。
【0008】ここで、前記アルカリ溶液への浸漬処理
は、アルカリ溶液の温度65℃以上で行うのが好まし
い。また、アルカリ溶液中への酸素の溶解を抑制した状
態とは、アルカリ溶液の接する雰囲気を不活性ガス雰囲
気にしたり、アルカリ溶液への酸素の接触を断つなど、
溶液中への酸素の溶解を抑制した状態をいう。
【0009】本発明に用いる好ましい水素吸蔵合金は、
一般式LnCoxNiyz(ただし、Lnはランタノイ
ド元素の少なくとも2種、AはMn、Al、Fe、S
i、CrおよびCuよりなる群から選択される少なくと
も1種の元素であり、0<x<1.0、3.0<y、0
<z<2.0、4.5<x+y+z<5.5)で表され
る合金である。
【0010】他の好ましい合金は、一般式Zr1-aTia
MnvwNixCoyz(ただし、MはB、Al、S
i、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Nb、Mo、Ta
およびWよりなる群から選択される少なくとも1種の元
素、0≦a<1.2、0.1≦v≦1.0、0≦w≦
0.4、0.8≦x≦1.6、0.1≦y≦0.4、0
≦z≦1.2、1.7≦v+w+x+y+z≦2.7)
で示される合金であり、その合金相の主成分はC14
(MgZn2)型またはC15(MgCu2)型ラ−バス
相である。
【0011】
【作用】水素吸蔵合金粉末や合金電極を温めたアルカリ
溶液中に浸漬した場合、大気雰囲気下では合金の構成元
素が大気中の酸素により酸化され、アルカリ溶液中に溶
出する。この際、溶解度の少ない化合物、例えば酸化物
や水酸化物は、再析出する。一方、大気中の酸素の影響
を避けた状態では、合金粉末表面のアルカリ溶液に可溶
な酸化物がアルカリ溶液に溶出した後は、合金の種類に
より異なるが、水素ガスを発生して金属元素が溶出する
か、ほとんどアルカリ溶液に溶けないかである。前者の
大気雰囲気下でのアルカリ溶液浸漬処理が従来の方法で
あり、この処理により、合金粒子表面の金属ニッケル濃
度が高くなり、合金粉末や合金電極の電気化学的な活性
が向上するとともに、アルカリ溶液に溶出する合金粉末
粒子表面や合金電極表面の成分元素を除去することによ
り電池寿命を向上させるものである。しかし、前記のよ
うに、過度のアルカリ処理は表面の酸化物を多くし、合
金粉末相互の接触抵抗を増大させ、合金粉末や合金電極
の電気化学的な活性を低下させ、逆に電池特性を低下さ
せる。
【0012】後者の酸素の影響を避けた状態でのアルカ
リ溶液浸漬処理では、水素ガスを発生して溶出する合金
を除くと、従来のアルカリ浸漬処理の効果はほとんど得
られない。しかしながら、大気雰囲気下でCoを含む水
素吸蔵合金粉末もしくは水素吸蔵合金電極を温めたアル
カリ溶液に浸漬処理した後、酸素の影響を避けた状態に
変えて加温、攪拌を行うことにより、アルカリ溶液中に
溶解したCoが合金粒子表面に金属状態として析出す
る。この合金粒子表面に析出した金属Coは合金粉末や
合金電極の電気化学的な活性を大きく向上させることが
できる。
【0013】アルカリ処理は、室温程度の温度において
行ってもある程度の効果を得られるが、長時間の処理を
要することになる。電池の高温耐久性を得るには、65
℃程度以上の高温にする必要がある。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面とともに
説明する。 [実施例1]水素吸蔵合金試料は、粒径45μm以下の
MmNi3.7Co0.6Mn0.4Al0.3(Mmはミッシュメ
タル)の組成の合金粉末を用いた。この合金粉末100
gに対して31重量%KOH水溶液200mlを用意し
た。まず、大気雰囲気下で樹脂製の容器に31重量%K
OH水溶液を入れ、80℃に加温した。アルカリ溶液が
80℃に達した後、樹脂製の攪拌プロペラを入れ、十分
に攪拌した状態で合金粉末を投入した。この際、合金の
一部が溶解し、アルカリ溶液はコバルト特有の青色を呈
した。40分間攪拌した後、樹脂製容器に蓋をし、80
℃の恒温槽に移して容器を振とうし、合金粉末を十分攪
拌した。アルカリ処理液であるアルカリ溶液のコバルト
青色が消えた時点を処理の終点とし、静置して上澄み液
を除去後、水で洗浄し、液のpHを下げ、ろ過、乾燥し
て合金粉末を得た。
【0015】比較のために、従来のアルカリ溶液に浸漬
処理した合金を作製した。すなわち、31重量%KOH
水溶液200mlを大気雰囲気下で樹脂製の容器に入
れ、80℃に加温し、樹脂製の攪拌プロペラで十分に攪
拌した状態で上記と同じ水素吸蔵合金粉末100gを投
入し、1時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去後、
水で洗浄し、液のpHを下げて、ろ過、乾燥して合金粉
末を作製した。
【0016】次に、上記の処理を施した各合金粉末にポ
リエチレン微粉末3重量%を添加し、平均ポアサイズ1
50ミクロン、多孔度95%、厚さ1.0mmの発泡状
ニッケルシートに充填した。このシートを5トン/cm
2でプレスした後、真空乾燥機中で130℃で熱処理し
て合金2gを含む試験電極を作成した。これらの試験電
極を負極とし、正極として過剰の容量を有する焼結式ニ
ッケル電極を、セパレータとしてスルフォン化処理した
ポリプロピレン不織布をそれぞれ用い、比重1.30の
水酸化カリウム水溶液を電解液として、25℃におい
て、一定電流で充電と放電を繰り返し、各サイクルにお
ける放電容量を測定した。なお、充放電条件は、水素吸
蔵合金1gあたり100mAの電流で5時間充電し、同
様に合金1gあたり50mAの電流で終止電圧0.8V
まで放電した。その結果を図1に示す。図1は横軸に充
放電サイクル数を、縦軸に合金1gあたりの放電容量を
示したものである。
【0017】図の番号は試料No.を表している。試料
No.1は従来のアルカリ処理を行った合金を用いた電
極、試料No.2は本実施例の処理を行った合金を用い
た電極である。試料No.1は275mAh/g、試料
No.2は305mAh/gの値であり、本実施例の試
料No.2の水素吸蔵合金が高い放電容量を示した。本
実施例の電極が優れた放電容量を示した要因として、高
温のアルカリ溶液で合金表面が処理されているためにア
ルカリ電解液に対して安定であり、粉末粒子間の接触が
十分に保たれていること、さらに合金表面に活性なCo
粒子が形成されたことにより電気化学的な反応性が向上
したためであると考えられる。
【0018】次に、電池特性を調べるために密閉形電池
を試作した。上記の処理を施した各合金粉末にカルボキ
シメチルセルロースの希水溶液を加えて混合攪拌してペ
ースト状にし、平均ポアサイズ150μm、多孔度95
%、厚さ1.0mmの発泡状ニッケルシートに充填し
た。これを120℃で乾燥してローラプレスで加圧し、
さらにその表面にフッ素樹脂粉末をコーティングして電
極を作製した。これらの電極を幅3.3cm、長さ21
cm、厚さ0.4mmに調整し、リード板を所定の2カ
所に取り付けた。そして、正極(容量3.0Ah)およ
びセパレータと組み合わせて渦巻状に捲回してSCサイ
ズの電槽に収納した。これら電池の正極は公知の発泡式
ニッケル電極を用い、セパレータは親水性を付与したポ
リプロピレン不織布を用いた。比重1.3の水酸化カリ
ウム水溶液に水酸化リチウムを30g/l溶解した電解
液を注液した後、電槽を封口して密閉形電池を作製し
た。
【0019】このようにして作製した電池を20℃にお
いて0.2C(5時間率)で120%まで充電し、0.
2Cで終止電圧0.8Vまで放電する充放電を10サイ
クル行い、20℃において0.1Cで充電後、0℃にお
いて2C放電を行った。図2にその結果を示した。図2
は0℃においる2C放電容量の20℃における0.2C
放電容量に対する比率と放電電圧との関係を示す。試料
No.3は従来のアルカリ処理をした合金を負極として
用いた電池、試料No.4は本実施例による処理を施し
た合金を負極として用いた電池である。図2の結果より
試料No.4の電池が大きい放電容量と高い放電電圧を
示した。この結果より本実施例による処理により特性に
優れた電極を得ることができる。
【0020】[実施例2]粒径45μm以下の水素吸蔵
合金MmNi3.6Co0.7Mn0.4Al0.3(Mmはミッシ
ュメタル)粉末にポリエチレン微粉末3重量%を添加
し、平均ポアサイズ150ミクロン、多孔度95%、厚
さ1.0mmの発泡状ニッケルシートに充填した。この
シートを5トン/cm2でプレスした後、真空乾燥機中
で130℃で熱処理して合金2gを含む電極を作製し
た。この電極を樹脂製の底の浅い容器に入れ大気雰囲気
下、80℃の31重量%KOH水溶液に40分間浸漬処
理した。処理後窒素ガスを満たした80℃の恒温槽に移
し、処理液であるアルカリ溶液の青色が消えるまで保持
した。アルカリ処理液のコバルト青色が消えた時点を処
理の終点とし、処理液より取り出し水で洗浄し、乾燥し
て試験電極を得た。比較のために上記の処理前の電極を
樹脂製の底の浅い容器に入れ、大気雰囲気下、80℃の
31重量%KOH水溶液に1時間浸漬処理し、水洗、乾
燥したものを比較例の試験電極とした。
【0021】これら試験電極を負極とし、正極として過
剰の容量を有する焼結式ニッケル電極を、セパレータと
してスルフォン化処理したポリプロピレン不織布をそれ
ぞれ用い、比重1.30の水酸化カリウム水溶液を電解
液として、25℃において、一定電流で充電と放電を繰
り返し、各サイクルにおける放電容量を測定した。な
お、充放電条件は、水素吸蔵合金1gあたり100mA
で5時間充電し、同様に合金1gあたり50mAで0.
8Vまで放電した。その結果を図3に示した。図3の横
軸は充放電サイクル数を、縦軸は合金1gあたりの放電
容量を示したものである。試料No.5は従来のアルカ
リ処理を行った合金電極、試料No.6は本実施例の処
理を行った合金電極である。試料No.5は285mA
h/g、試料No.6は315mAh/gの放電容量を
示した。このことより本発明の処理をした合金電極は、
従来の処理をした合金電極に比べ放電容量が大きいこと
がわかった。
【0022】次に、電池特性を調べるために密閉形電池
を試作した。上記組成の合金粉末にカルボキシメチルセ
ルロースの希水溶液を加えて混合攪拌してペースト状に
し、平均ポアサイズ150μm、多孔度95%、厚さ
1.0mmの発泡状ニッケルシートに充填した。これを
120℃で乾燥してローラプレスで加圧した。この電極
を樹脂製の底の浅い容器に入れ、大気雰囲気下、80℃
の31重量%KOH水溶液に40分間浸漬処理した。処
理後窒素ガスを満たした80℃の恒温槽に移し、処理液
であるアルカリ溶液の青色が消えるまで保持した。アル
カリ処理液のコバルト青色が消えた時点を処理の終点と
し、処理液より取り出し水で洗浄し、乾燥し、さらにそ
の表面にフッ素樹脂粉末をコーティングして電極を作製
した。比較のために上記の処理前の電極を樹脂製の底の
浅い容器に入れ、大気雰囲気下、80℃の31重量%K
OH水溶液に1時間浸漬処理し、水洗、乾燥したものを
比較例の電極とした。これらの電極を幅3.3cm、長
さ21cm、厚さ0.4mmに調整し、リード板を所定
の2カ所に取り付けた。そして、実施例1と同様に容量
3.0Ahの発泡式ニッケル電極と組合せて密閉形電池
を作製した。
【0023】これらの電池を0.2C(5時間率)で1
20%まで充電し、0.2Cで終止電圧0.8Vまで放
電する充放電を10サイクル行った後、20℃において
0.1Cで充電後、0℃において2C放電を行った。図
4にその結果を示した。試料No.7は従来のアルカリ
処理を行った合金電極を用いた電池、試料No.8は本
実施例の処理を施した合金電極を用いた電池である。図
4の結果より試料No.8の電池が大きい放電容量と高
い放電電圧を示した。この結果より本実施例による処理
により特性に優れた電極を得ることができる。
【0024】[実施例3]粒径45μm以下の水素吸蔵
合金MmNi3.75Co0.55Mn0.4Al0.3(Mmはミッ
シュメタル)粉末100gに対して31重量%KOH水
溶液200mlを用い、大気雰囲気下、80℃において
ポリプロピレン製容器内で十分に攪拌した状態で合金粉
末を20分間浸漬処理した後、ポリプロピレン製容器に
蓋をし、80℃の恒温槽に移して容器を振とうし、合金
粉末を十分攪拌し、処理液であるアルカリ溶液の青色が
消えるまで処理を行い、静置して上澄み液を除去後、水
で洗浄し、液のpHを下げ、ろ過、乾燥して合金粉末を
得た。この合金粉末にカルボキシメチルセルロースの希
水溶液を加えて混合攪拌してペースト状にし、平均ポア
サイズ150μm、多孔度95%、厚さ1.0mmの発
泡状ニッケルシートに充填した。これを120℃で乾燥
してローラプレスで加圧した。この電極を樹脂製の底の
浅い容器に入れ、大気雰囲気下、80℃の31重量%K
OH水溶液に30分間浸漬処理した。処理後窒素ガスを
満たした80℃の恒温槽に移し、アルカリ処理液のコバ
ルト青色が消えるまで保持した。青色が消えた時点を処
理の終点とし、処理液より取り出し、水で洗浄し、乾燥
し、さらにその表面にフッ素樹脂粉末をコーティングし
て電極を作製した。この電極を幅3.3cm、長さ21
cm、厚さ0.4mmに調整し、リード板を所定の2カ
所に取り付けた。そして、実施例1と同様に発泡式ニッ
ケル電極と組合せて密閉形電池を作製した。
【0025】比較のために実施例1と同様の方法で処理
した合金粉末を用いて作製した電極を備えた電池と、実
施例2と同様の方法で処理した電極を用いた電池を作製
した。これらの電池を0.2C(5時間率)で120%
まで充電し、0.2Cで終止電圧0.8Vまで放電する
充放電を10サイクル行った後、20℃において0.1
Cで充電後、0℃において2C放電を行った。図5にそ
の結果を示した。試料No.9は実施例1の処理をした
合金粉末を用いた電池、試料No.10は実施例2の処
理をした合金電極を用いた電池である。試料No.11
は本実施例の電極、すなわち合金粉末の段階で処理し、
さらに電極で処理した合金電極を用いた電池である。図
5の結果より試料No.11が最も大きい放電容量と高
い放電電圧を示した。
【0026】次に、これら電池の45℃における充放電
サイクル寿命を調べた。その結果を図6に示した。試料
No.12は未処理合金を用いた電池である。図6の結
果より試料No.11が最も優れた特性を示した。以上
の結果をまとめると、試料No.11は比較的優れた充
放電サイクル寿命特性を維持するために合金粉末全体に
強度のアルカリ処理を施してあり、このために合金粒子
表面が破壊され、合金粉末相互間の接触抵抗が増大し低
温高率放電特性が低下しているものと考えられる。ま
た、試料No.10は、アルカリ処理の影響が電極表面
部分の合金粉末だけに及ぶものであり、電極内部ではほ
とんど影響を受けないために比較的優れた低温高率放電
特性を維持できる。しかし、充放電サイクル寿命につい
ては、サイクルの経過とともに電極内部の合金粉末の特
性低下が顕著になり、劣化が他の試料より早くなったも
のと考えられる。上記の例から明らかなのように、電極
表面と電極内部のアルカリ処理条件、すなわち電極形成
後と粉末段階でのアルカリ処理条件を変えることによ
り、低温高率放電特性、充放電サイクル寿命特性ともに
優れた性能を有する密閉形電池ができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、放電特性、特に放電容
量および低温高率放電特性に優れた水素吸蔵合金電極を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種処理をした水素吸蔵合金粉末を用いた電極
の充放電サイクルに伴う放電容量の変化を示す図であ
る。
【図2】各種処理をした水素吸蔵合金粉末を用いた電極
を備える密閉形電池の低温高率放電特性を示す図であ
る。
【図3】各種処理をした水素吸蔵合金電極の充放電サイ
クルに伴う放電容量の変化を示す図である。
【図4】各種処理をした水素吸蔵合金電極を備える密閉
形電池の低温高率放電特性を示す図である。
【図5】処理条件の異なる水素吸蔵合金電極を備える密
閉形電池の低温高率放電特性を示す図である。
【図6】処理条件の異なる水素吸蔵合金電極を備える密
閉形電池の充放電サイクル寿命特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森脇 良夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気雰囲気下、アルカリ溶液中に酸素を
    溶解させながらCoを含む水素吸蔵合金粉末を浸漬処理
    した後、雰囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶解を抑制
    した状態に変えて、さらに合金粉末を前記アルカリ溶液
    中に浸漬処理する工程と、前記の処理をした合金粉末を
    電極に形成する工程とを有することを特徴とする水素吸
    蔵合金電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 大気雰囲気下、アルカリ溶液中に酸素を
    溶解させながらCoを含む水素吸蔵合金からなる電極を
    浸漬処理した後、雰囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶
    解を抑制した状態に変えて、さらに合金電極を前記アル
    カリ溶液中に浸漬処理する工程を有することを特徴とす
    る水素吸蔵合金電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 大気雰囲気下、アルカリ溶液中に酸素を
    溶解させながらCoを含む水素吸蔵合金粉末を浸漬処理
    した後、雰囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶解を抑制
    した状態に変えて、さらに合金粉末を前記アルカリ溶液
    中に浸漬処理する工程と、前記の処理をした合金粉末を
    電極に形成する工程と、大気雰囲気下、アルカリ溶液中
    に酸素を溶解させながら前記電極を浸漬処理した後、雰
    囲気をアルカリ溶液中への酸素の溶解を抑制した状態に
    変えて、さらに前記電極を前記アルカリ溶液中に浸漬処
    理する工程を有することを特徴とする水素吸蔵合金電極
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ溶液への浸漬処理がアルカ
    リ溶液の温度65℃以上で行われる請求項1〜3のいず
    れかに記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015210865A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 トヨタ自動車株式会社 水素吸蔵合金粒子

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