JP2005251439A - ニッケル水素電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電サイクル性能に優れたニッケル水素電池を提供する。
【解決手段】最外周において負極8が正極6よりも外周側に位置するようにセパレータ7を介した正極及び負極が捲回されてなる捲回電極を備えたニッケル水素電池において、前記負極は、水素吸蔵合金粉末とPd粉又はNi粉と撥水剤との混合物を有し、前記負極中の前記混合物の存在割合が、前記捲回電極の内周よりも外周において大きいこと。
【選択図】図2

Description

本発明は、ニッケル水素電池に関するもので、さらに詳しく言えば、急速充電可能な高容量で且つ充放電サイクル特性に優れたニッケル水素電池に関するものである。
近年、携帯機器の急速な普及に伴って、小型で高性能な蓄電池が強く要望されてきている。そして、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル亜鉛電池などに代表されるアルカリ蓄電池において、高容量化及び長寿命化が期待されている。
従来のニッケル水素電池においては、負極の容量を正極より大きくして、負極に放電リザーブ(負極には放電されない電気量が残存し、これを「放電リザーブ」という)や充電リザーブ(充電末期における負極の未充電容量を「充電リザーブ」という)を設けているので、放電容量が通常は正極によって規制されている。そのため、正極容量を大きくして電池の高容量化を図ろうとすると、負極容量も大きくしなければならず、エネルギー密度の向上には限度がある。
また、ニッケル水素電池の充電末期は、正極の充電反応とアルカリ電解液中の水の電気分解反応が競合反応で進行し、正極から酸素ガスが発生する。この酸素ガスを負極表面で速やかに水素と結合させ水に戻す(これを「酸素ガス吸収」という)ことで密閉化を実現している。
ガス吸収能を高め、内圧上昇を抑えた電池を実現するため、特許文献2,3には、ニッケル水素電池の負極にニッケル粉末を存在させる技術が開示されている。しかしながら、充放電サイクル性能のさらなる向上が求められていた。なお、特許文献2,3には、ニッケル粉末を内周において少なく、外周において多く存在させる構成については示されていない。
特許文献1には、電池内圧の上昇を検知して通電を遮断するスイッチを備えたニッケル水素電池が記載されている。
米国特許出願公開第2002/0119364号明細書 特開2002−042800号公報 特開2004−006101号公報
水素吸蔵合金の表面は、正極から発生した酸素ガスによって酸化劣化することで、負極容量が低下すると共に酸素ガス吸収能力が低下し、充電リザーブが減少する。この結果、充放電サイクルを経過したニッケル水素電池では充電末の内圧上昇が大きくなる。
さて、電池内圧の上昇を検知して通電を遮断するスイッチを備えたニッケル水素電池においては、ある程度の充放電サイクルが経過すると充電末期の内圧上昇により前記スイッチが働くようになる。このため、充電容量の不足を招き、電池容量が低下する。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、電池内圧の上昇を検知して通電を遮断するスイッチを備えたニッケル水素電池において、充放電サイクル性能に優れたニッケル水素電池を提供することを目的とする。
充放電サイクルが経過したニッケル水素電池において、充電末期の内圧上昇の原因は、正極からの発生酸素ガスだけではない。負極活物質である水素吸蔵合金は、水素の吸蔵放出を繰り返すことにより、微粉化が進行し、比表面積が増加しているので、アルカリ電解液と接触する面積が増え、合金腐食が進行する。この合金腐食反応の対反応によって生じる水素ガスもまた、水素吸蔵合金が吸収してしまう結果、放電リザーブの増加及び充電リザーブの減少が起こる。このようにして、サイクル経過後の充電末期においては、正極からの発生した酸素ガス及び余剰の水素ガスによって内圧上昇が起こる。
本発明の構成と作用効果は次の通りである。但し、作用機構については推定を含んでおり、その作用機構の成否は、本発明を制限するものではない。
(1)セパレータを介した正極及び負極が、最外周において負極が正極よりも外周側に位置するように捲回されてなる捲回電極を備え、且つ、電池内圧の上昇を検知して通電を遮断するスイッチを備えたニッケル水素電池において、前記負極は、水素吸蔵合金粉末とPd粉又はNi粉と撥水剤との混合物を有し、前記負極中の前記混合物の存在割合が、前記捲回電極の内周よりも外周において大きいことを特徴とするニッケル水素電池。
(2)前記混合物は、前記負極のうち、正極と対向していない部分に存在していることを特徴とする前記(1)記載のニッケル水素電池。
(3)前記混合物は、20℃における水素吸蔵平衡圧が0.01MPa以下の水素吸蔵合金粉末を有することを特徴とする前記(1)又(2)記載のニッケル水素電池。
このような構成により、前記混合物により余剰の水素が吸収されるため、充電末期における内圧上昇が抑えられる。従って、電池内圧の上昇を検知して通電を遮断するスイッチの作動が抑えられるので、充電容量の不足が抑えられる。従って、充放電サイクル性能に優れたニッケル水素電池を提供することができる。
また、捲回電極を構成する負極のうち正極と対向していない部分においては、仮に水素吸蔵合金が存在しても、電池反応にほとんど供しない。即ち、充電時においても水素がほとんど吸蔵されない。従って、そのような場所に前記混合物を配置することにより、前記混合物を構成している水素吸蔵合金は、電池反応にほとんど影響されずに余剰の水素を吸蔵することができる。また、電池の放電時に前記混合物を構成している水素吸蔵合金が吸蔵している水素が放出される虞も低減できる。さらに、捲回電極の最外周は、捲回電極と円筒型の外装缶との間に隙間が生じやすい部分である為、余剰の水素が前記隙間に導かれやすい傾向がある。このため、捲回電極の最外周に前記混合物を配置することで、前記混合物は効率的に余剰水素を吸蔵することができる。従って、より充放電サイクル性能に優れたニッケル水素電池を提供することができる。
また、前記混合物を構成している水素吸蔵平衡圧は、20℃における水素吸蔵平衡圧が0.01MPa以下のものを用いることにより、負極活物質としての水素吸蔵合金よりも低い圧力で水素が吸蔵されうるので、前記混合物は、負極の他の部分よりも優先して余剰の水素を吸蔵することができる。従って、さらに充放電サイクル性能に優れたニッケル水素電池を提供することができる。
本発明によれば、充放電サイクル特性に優れたニッケル水素電池を提供することができる。
前記混合物の存在比率が、前記捲回電極の内周よりも外周において大となるように存在せしめる構成としては限定されるものではない。例えば、前記混合物を負極全体に亘って存在させながらも、その存在比率が内周においては少なく、外周に至るに従って多くなるように構成してもよい。又は、前記混合物を少なくとも最内周においては存在させず、最外周から数周に亘って存在するように構成しても良い。あるいは、前記混合物を最外周のみに存在させるように構成してもよい。
前記混合物の存在量は、多すぎると本来の活物質である水素吸蔵合金を備える容積が制限され、少なすぎると該混合物によるガス吸収能が充分に発揮されない虞がある。従って、電池内における前記混合物の存在量はガス吸収能を充分に発揮できる限りにおいて最小量とするのが好ましい。
なお、捲回電極を構成する負極は、水素吸蔵合金活物質を有する合剤層が集電体の両面に配置され、基本的に、各面の合剤層はセパレータを介して正極の合剤層と対向している。ところが、捲回電極の最外周を構成する負極のうち捲回外面においては正極合剤と対向しないので、このような、負極のうち正極と対向していない部分には負極合剤を配置する必要がない。本発明者らは、前記混合物を負極のうち正極合剤と対向しない部分に設けてもガス吸収能を充分に発揮できる事を見いだした。従って、前記混合物は、前記負極のうち、正極と対向していない部分に存在していることを特徴とする構成によれば、本来の負極活物質である水素吸蔵合金を備える容積が制限されることがないので、エネルギー密度的に最も効率よく前記混合物を配置させる構成を提供することができる。
さらに驚くべきことに、本発明者らは、前記混合物を捲回電極最外周の外側にのみに配置した構成によれば、前記混合物を負極全体に亘って配置した構成の電池に比べ、充放電サイクル性能をより向上させることができることを見いだした。
前記混合物が撥水剤を有していることにより、該混合物を構成する金属粉(Pd粉又はNi粉)や水素吸蔵合金粉末とアルカリ電解液との接触する機会を減じることができる。これにより、前記混合物を構成するこれら金属材料のアルカリ電解液による劣化を抑制することができるので、これら金属材料によるガス吸収能を低下させる虞を大幅に低減できる。撥水剤として用いる材料の選択にあたっては、撥水性を有するものであれば限定されるものではないが、有機樹脂材料の中から選択することが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等が挙げられる。該撥水剤、金属粉(Pd粉又はNi粉)及び水素吸蔵合金を乾式混合することにより、水素吸蔵合金の粒子表面に撥水剤及び金属粉が配置される。このようにして前記混合物を作製することができる。このようにして作製した混合物をそのまま負極上に配置してもよく、さらに増粘剤の溶液と混合してペースト状として負極上に塗布後溶剤を乾燥することによって配置してもよい。撥水剤として用いる材料を溶剤可溶な材料から選択してもよい。例えば、ポリパーフルオロブテニノビニルエーテル等が挙げられる。金属粉(Pd粉又はNi粉)及び水素吸蔵合金の混合物に該撥水剤の溶液を加えてペースト状とし、負極上に塗布後溶剤を乾燥することによって配置することができる。撥水剤として用いる材料を溶剤可溶な材料から選択することにより、撥水剤及び金属粉(Pd粉又はNi粉)を水素吸蔵合金粉末の表面に効果的に配置させることが容易となる。さらに、前記撥水剤は、水素ガスを透過可能な材料から選択すると、撥水剤が金属粉(Pd粉又はNi粉)や水素吸蔵合金粉末といった金属材料粉末を充分に覆った場合であっても混合物はガス吸収能能を充分に発揮しうるものとすることができるため、好ましい。
前記混合物に用いるPd粉又はNi粉は、電池内の水素ガスを速やかに水素イオンへ解離させ、前記混合物を構成する水素吸蔵合金が水素を原子状態で吸蔵する作用を助ける。Pd粉又はNi粉は、Pd粉、Ni粉の何れかを用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。なかでもNi粉を用いると、材料コストを低減できるため、好ましい。Pd粉又はNi粉の平均粒子径は、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。Pd粉又はNi粉の平均粒子径を5μm以下とすることによって、金属粉(Pd粉又はNi粉)を水素吸蔵合金粉末の表面に効果的に配置させることができるため、水素ガスを速やかに水素イオンへ解離させる反応点を水素吸蔵合金粉末表面上に多く配置させることができ、前記混合物が奏するガス吸収能が効率的に発揮できる。また、Pd粉又はNi粉の表面積は、大きい方が電池内の水素ガスを速やかに水素イオンへ解離させる作用を有効に発揮できるため好ましい。例えばBET表面積の値が1〜3m2/gのニッケル粉やPd粉は好適に使用できる。あるいはBET表面積の値が20〜30m2/gであるラネーニッケルを用いてもよい。
前記混合物に用いる水素吸蔵合金は、ニッケル−水素電池の負極に通常用いられる水素吸蔵合金に比べて、水素吸蔵平衡圧が低いものを用いることが好ましい。このような構成により、電池系内に残存する水素ガスを速やかに吸収させることができる。特に、前記負極中の前記混合物の存在割合が、前記捲回電極の内周よりも外周において大きいことを特徴とする本発明の構成において、前記混合物に用いる水素吸蔵合金の水素吸蔵平衡圧が低いものを用いることにより、その効果を有効に発揮させることができる。具体的には、ニッケル−水素電池の負極には、通常、20℃における水素吸蔵平衡圧が0.03MPa前後のものが用いられるのに対し、前記混合物を構成する水素吸蔵合金の20℃における水素吸蔵平衡圧は0.01MPa以下のものを用いることが好ましい。水素吸蔵合金は、例えば水素吸蔵合金組成中のLnやMnの比率を調整すること等、周知の方法により、その水素吸蔵平衡圧を任意に調整することができる。このような構成により、多数回の繰り返し充放電サイクルによる合金表面の劣化や負極容量低下により、充電末期に水素ガスが発生するようになっても、ガス吸収がスムーズに行われる。
なお、本明細書にいう「20℃における水素吸蔵平衡圧」は、日本工業規格JIS H 7201「水素吸蔵合金の圧力−組成等温線(PCT線)の測定方法」に規定された方法により測定されたPCT線より20℃における平衡圧力を読み取るものとする。
また、本発明に係る電池は、電池内圧の上昇時に、通電状態を遮断するようなスイッチを備えた蓋体で電槽缶を封口したものとすることが好ましく、安全対策上強く推奨される。しかしながら、上記した本発明の構成により、充放電サイクルの経過に伴う水素吸蔵合金の腐食に起因する充電リザーブが減少して水素ガスが発生した場合においても、この発生した水素ガスは速やかに吸収されるので、充電末期時の電流遮断が早まることがなく、充電量の低下を抑制できるため、本発明によれば、サイクル経過後も安定した放電容量を得られるニッケル水素電池を提供することができる。
以下に、本発明をその実施形態に基づいて説明する。
(水素吸蔵合金粉末A)
MmNi3.8Al0.3Co0.7Mn0.2(Mmはミッシュメタルであり、La30%、Ce50%、Pr5%、Nd15%からなる混合物である。)の組成となるように各金属を秤量し、不活性雰囲気下、高周波誘導溶解炉で合金インゴットを作製し、1000℃で熱処理した。これを75μm以下の大きさに粉砕して水素吸蔵合金粉末とした。この合金の20℃における水素吸蔵平衡圧は0.03MPaであった。
(水素吸蔵合金粉末B)
MmNi3.9Al0.1Co0.8Mn0.2(Mmはミッシュメタルであり、La90%、Ce10%、Pr2%、Nd3%からなる混合物である。)の組成の組成となるように各金属を秤量し、不活性雰囲気下、高周波誘導溶解炉で合金インゴットを作製し、1000℃で熱処理した。これを75μm以下の大きさに粉砕して水素吸蔵合金粉末とした。この合金の20℃における水素吸蔵平衡圧は0.01MPaであった。
(本発明電池1)
99.5重量部の前記水素吸蔵合金粉末Aに、0.5重量部の酸化イッテルビウムを混合し、さらに増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを溶解した水溶液を加え、ポロテトラフルオロエチレンを結着剤としてペースト状にしたものを負極集電体として帯状のパンチングメタルの両面に塗布して乾燥した。このようにして、負極集電体の両側に負極合剤が配置された帯状負極板を得た。
次に、この帯状負極板を捲回電極に構成したときに最外周に相当する部分の外側に配置されている負極合剤を削り落とし、負極集電体を露出させた。
一方、前記水素吸蔵合金粉末B、粒径1μmのNi粉末及びポロテトラフルオロエチレンを90:5:5の重量比で乾式にて粉体混合した後、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを溶解した水溶液に加え、ペースト状にしたものを、前記負極集電体を露出させた部分に、削り落とした負極合剤に含有されていた水素吸蔵合金Aの重量と同量の水素吸蔵合金Bを含むように前記ペーストを塗布・乾燥することにより、水素吸蔵合金粉末BとNi粉と撥水剤との混合物を配置し、所定の厚みにプレスして本発明電池用負極板とした。
別途用意したニッケル水素電池用正極板と、前記本発明電池用負極板とを、正極板の合剤部分に対向する負極板の合剤部分に相当する負極容量が、同部分に相当する正極容量に対して1.2倍となるように組み合わせ、該正極板と負極板との間に不織布セパレータを介し、渦巻き状に捲回して捲回電極を作製した。この捲回電極を円筒状金属缶に収納し、7NのKOHと1NのLiOHからなる電解液を、正極容量1Ah当たり1.16ml注液した後、図3に示す電池内圧の上昇時に通電状態を遮断するようなスイッチ11を備えた蓋体12で封口した。正極リード線13、可動端子板14及び弾性体15は、スイッチ11の作動に関連する。内圧が一定以上となった場合、正極リード線13と接続された可動端子板14が内圧によって弾性体15を押し上げることにより、可動端子板14と蓋体12との導通が断たれ、これによって発電要素である捲回電極10への通電が遮断される。電池内でのガス吸収等により内圧が緩和されると、弾性体11により可動端子板14が元の位置に戻され、蓋体12との導通が回復し、捲回電極10への通電が復活しうる状態になる。このようにして、AAサイズ、設計容量2000mAhの本発明に係る円筒型ニッケル水素電池を作製した。これを本発明電池1とする。なお、本実施例に用いた蓋体12は、可動端子板14のはるか上方に弁口16が設けられ、内圧が異常に上昇した場合には、弁口16を通じて電池外部へガスを放出しうる圧力弁の機構を兼ね備えるものとしている。
本発明電池1に係る負極板の最外周部の概念図を図1に、本発明電池1に係る捲回電極の概念図を図2に示す。1は負極集電体(パンチングメタル)であり、2は水素吸蔵合金Aである。図中、負極集電体1の左側が捲回電極の外側に相当し、この部分に水素吸蔵合金粉末BとNi粉と撥水剤との混合物が配置されている。ここで、5は水素吸蔵合金Bであり、3はNi粉であり、4は撥水剤である。水素吸蔵合金粉末BとNi粉と撥水剤との混合物を上記のようにペースト状態を経由して作製することにより、水素吸蔵合金粉末Bの粒子上にNi粉と撥水剤を配置させることができる。図2において、6は正極であり、7はセパレータであり、8は負極である。9は、水素吸蔵合金粉末BとNi粉と撥水剤との混合物を配置した箇所を示している。また、図3に、本発明に使用したスイッチ構造を示す。
(本発明電池2)
前記水素吸蔵合金粉末Bに代えて、水素吸蔵合金粉末Aを用いたことを除いては、本発明電池1と同様にしてAAサイズ、設計容量2000mAhの円筒型ニッケル水素電池を作製した。これを本発明電池電池2とする。
(比較電池1)
負極合剤の一部を削り落とすことを行わずに、負極集電体の両側に負極合剤が配置された帯状負極板をそのまま用いたことを除いては、上記本発明電池1と同様にしてAAサイズ、設計容量2000mAhの円筒型ニッケル水素電池を作製した。これを比較電池1とする。
(比較電池2)
前記水素吸蔵合金粉末A、粒径1μmのNi粉末及びポロテトラフルオロエチレンを90:5:5の重量比で乾式にて粉体混合した後、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを溶解した水溶液に加え、ペースト状にしたものを、金属板状に塗布乾燥後、削り落とし、再び粉砕した。このようにして、水素吸蔵合金粉末AとNi粉と撥水剤との混合物を得た。
99.5重量部の前記水素吸蔵合金粉末Aに、0.5重量部の酸化イッテルビウムを混合し、さらに増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを溶解した水溶液を加え、ポロテトラフルオロエチレンを結着剤としてペースト状にしたものの中に、上記水素吸蔵合金粉末AとNi粉と撥水剤との混合物を加え、負極集電体として帯状のパンチングメタルの両面に塗布して乾燥した。このようにして、負極集電体の両側に負極合剤が配置された帯状負極板を得た。
この帯状負極板を用いたことを除いては、上記本発明電池1と同様にしてAAサイズ、設計容量2000mAhの円筒型ニッケル水素電池を作製した。これを比較電池2とする。
(充放電サイクル試験)
本発明電池1,2及び比較電池1,2について、充放電サイクル試験を行った。周囲温度20℃の雰囲気において、充電電流2000mA(1ItA)で1.2時間充電した後、2000mA(1ItA)で放電し、電池電圧1.0Vで放電を終了した。この時の放電容量を求め、1サイクル目の放電容量とした。同一の充放電条件で、充放電サイクルを繰り返した。なお、充電から放電への切換時及び放電から充電への切換時にはそれぞれ1時間の休止を設けた。各電池について1サイクル目の放電容量に対するサイクル経過後の放電容量を求め、容量維持率(%)とした。結果を表1に示す。
Figure 2005251439
表1の結果から明らかなように、水素吸蔵合金粉末とNi粉と撥水剤との混合物を捲回電極の最外周部分に配置してなる本発明電池1,2は、前記混合物を用いていない比較電池1に比べ、充放電サイクル性能が優れる結果となった。なかでも、前記混合物を構成している水素吸蔵合金の20℃における水素吸蔵平衡圧が0.01MPaのものを用いている本発明電池1では、前記混合物を構成している水素吸蔵合金の20℃における水素吸蔵平衡圧が0.01MPaのものを用いている本発明電池2に比べ、充放電サイクル性能が優れる結果となっていることがわかる。一方、水素吸蔵合金粉末とNi粉と撥水剤との混合物を負極全体に亘って均一に配置した比較電池2では、充放電サイクル性能を向上させる効果が小さいことがわかった。
なお、Ni粉末に代えてPd粉末を用いて同様の実験を行ったところ、同様の結果を得た。
なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上記した実施の形態若しくは実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
実施例に係る負極板の最外周部の概念図である。 実施例に係る捲回電極の概念図である。 本発明に係る電池断面の一部を示した図である。
符号の説明
1 負極集電体
2 水素吸蔵合金(A)
3 Pd粉又はNi粉
4 撥水剤
5 水素吸蔵合金(B)
6 正極
7 セパレータ
8 負極
10 捲回電極
11 スイッチ
12 蓋体

Claims (3)

  1. セパレータを介した正極及び負極が、最外周において負極が正極よりも外周側に位置するように捲回されてなる捲回電極を備え、且つ、電池内圧の上昇を検知して通電を遮断するスイッチを備えたニッケル水素電池において、前記負極は、水素吸蔵合金粉末とPd粉又はNi粉と撥水剤との混合物を有し、前記負極中の前記混合物の存在割合が、前記捲回電極の内周よりも外周において大きいことを特徴とするニッケル水素電池。
  2. 前記混合物は、前記負極のうち、正極と対向していない部分に存在していることを特徴とする請求項1記載のニッケル水素電池。
  3. 前記混合物は、20℃における水素吸蔵平衡圧が0.01MPa以下の水素吸蔵合金粉末を有することを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル水素電池。
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