JP3931518B2 - ニッケル−水素二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックアップ用途等で用いることができる長寿命のニッケル−水素二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルカリ蓄電池は、携帯機器の普及に伴いその高容量化が要望されている。特に、ニッケル−水素二次電池は、水酸化ニッケルを主体とした活物質からなる正極と、水素吸蔵合金を活物質とした負極からなる二次電池であり、高容量で高信頼性の二次電池として急速に普及してきている。さらに、従来バックアップ用途で用いられていた鉛蓄電池やニッケル−カドミウム二次電池は、ニッケル−水素二次電池の性能向上と地球環境に対する考え方の高揚からニッケル−水素二次電池に置き換わろうとしてきている。
【0003】
以下に従来のニッケル−水素二次電池について説明する。ニッケル−水素二次電池は、
例えば円筒型の構成では、正極と負極との間にセパレータを介在させ、これを巻回して極板群をケースに挿入し電解液を入れ封口板で密閉した構造としたものである。
【0004】
ニッケル−水素二次電池の正極としては、大別して焼結式と非焼結式とがある。前者はニッケル粉末を焼結して得た多孔度80%程度の多孔質ニッケル焼結基板に、硝酸ニッケル水溶液等のニッケル塩溶液を含浸し、次いで、アルカリ水溶液に浸漬するなどして多孔質ニッケル焼結基板中に水酸化ニッケル活物質を生成させて製造するものである。
【0005】
後者の非焼結式正極としては、例えば、特開昭50−36935号公報に開示された、ニッケル金属よりなる三次元的に連続した多孔度95%以上のスポンジ状多孔体基板に、活物質である水酸化ニッケルを多孔体基板に充填するものであり、これは現在高容量のニッケル−水素二次電池の正極として広く用いられている。
【0006】
この非焼結式正極においては、高容量化の点から、球状の水酸化ニッケルを多孔体基板に充填することが提案されている。これはスポンジ状多孔体基板の孔部(ポア)サイズは200〜500μm程度であり、このポアに粒径が数μm〜数10μmの球状水酸化ニッケルを充填するものである。この非焼結式正極では充填した水酸化ニッケルの利用率を向上させるために、活物質である水酸化ニッケル以外に導電剤を用いて、これで球状の水酸化ニッケル粒子間を電気的に接続させている。この導電剤としては、水酸化コバルト、一酸化コバルトのようなコバルト化合物や、金属コバルト、金属ニッケル等が用いられる。
【0007】
これにより、非焼結式正極では活物質を高密度に充填することが可能となり、焼結式正極に比較し高容量化が図れる。また非焼結式正極を用いた高容量タイプで過放電特性に優れ、サイクル特性をさらに向上させる市場要望がある。この要望に答えるため高容量ニッケル−水素二次電池用正極活物質の製造方法として、活物質である水酸化ニッケルにコバルト化合物を被覆し、そのコバルト化合物をアルカリ酸化処理することにより高次コバルト酸化物にする方法が特開平8−148145号公報に、その製造方法の改良が特開平9−73900号公報に開示されている。
【0008】
この方法はコバルト化合物を被覆した水酸化ニッケル粉末を加熱空気中で流動化させるか分散させながら、アルカリ水溶液を噴霧する方法である。これにより従来外部添加剤としてコバルト化合物を添加していた製造方法と比較して活物質利用率、高率放電特性や過放電特性等の電池特性を向上させ高エネルギー密度のニッケル−水素二次電池を製造することができるようになった。
【0009】
ニッケル−水素二次電池の負極は、水素吸蔵合金を主体とし、その表面反応活性を向上させるために炭素材を添加したり、水素吸蔵合金の耐酸化性を向上させるために酸化イットリウムを添加したものを、ニッケルメッキした穿孔鋼板に、上記活物質を塗着して極板としたものである。主としてニッケル−水素二次電池に用いられる水素吸蔵合金は、AB5合金であ
り、その組成は一般に、LaNi5と示される。実用化されているAB5合金はLaをMmにNiをCo,Mn,Alで置換したMmNiaCobMncAldと示される。
【0010】
このAB5合金は、AサイトがMm(ミッシュメタル:Laを主成分とする希土類金属)でBサイトはNi,Co,Mn,Alからなり、その比がMm:a+b+c+d=1:5であることからAB5合金と呼ばれる。
【0011】
Bサイトの金属の組成により合金の耐食性、水素吸蔵放出反応速度や水素吸蔵量を変化させることが可能であり様々な組成が検討されている。しかしながら、ニッケル−水素二次電池の負極材料として水素吸蔵合金を用いる場合、Mn,Alは重要な元素であるが、MnやAlは長期間にわたる充放電の過程や長期間の保存で負極から電解液中に溶出する。このMnやAlが電解液中に溶出すると電池の特性が劣化する。
【0012】
ニッケル−水素二次電池のセパレータは、主にポリプロピレンやナイロンの繊維からなる不織布でできている。セパレータの役割は正極と負極を物理的に隔離させる働きと電解液を保液して正極と負極で電気化学反応が起こるようにする働きが必要である。
【0013】
ポリプロピレンやナイロンは水溶液に対して疎水性を示すため、電解液を保液する性質がない。そこでニッケル−水素二次電池のセパレータは電池内で電解液を保液するように表面処理を行い親水化している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み、水素吸蔵合金が腐食して溶出するMnやAlの腐食量を抑制するとともに溶出したMnやAlを電池内で不動態化させ電池特性の劣化を抑制しバックアップ用途等で用いることができる長寿命なニッケル−水素二次電池を提供することを主たる目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のニッケル−水素二次電池は、水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中には複合珪酸塩を含有していることを特徴としたものである。
【0016】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0017】
また、複合珪酸塩は正極中に限らず、負極中に含有させてもよく、さらにセパレータに付加しても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩を含有しているものである。
【0019】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、複合珪酸塩の添加量を限定するものであり、複合珪酸塩の量は、水酸化ニッケル100に対して0.1〜5重量%であるのが好ましい。
【0021】
請求項3に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩と、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類を含有しているものである。
【0022】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、また、過充電時に酸素が正極で発生するのを抑制して負極の酸化が抑制される結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、添加酸化物量を限定するものであり、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量が水酸化ニッケルに対して0.1〜2.5重量%であるのが好ましい。
【0024】
請求項5に記載の発明は、複合珪酸塩を限定するものであり、複合珪酸塩の量は、水酸化ニッケルに対して0.1〜5重量%であるものが好ましい。
【0025】
本発明の請求項6に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記負極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩を含有しているものである。
【0026】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、複合珪酸塩の添加量を限定するものであり、水素吸蔵合金100に対して0.1から3重量%とするのが好ましい。
【0028】
請求項8に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記負極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩と、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類を含有しているものである。
【0029】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、また、過充電時に酸素が正極で発生するのを抑制して負極の酸化が抑制される結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0030】
請求項9に記載の発明は、複合珪酸塩量を限定するものであり、複合珪酸塩の量は、水素吸蔵合金負極に対して0.1〜3重量%であるものが好ましい。
【0031】
請求項10に記載の発明は、添加酸化物量を限定するものであり、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量が水素吸蔵合金に対して0.1〜2.5重量%であるものが好ましい。
【0032】
請求項11に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記セパレータには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩が付加されているものである。
【0033】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、また、過充電時に酸素が正極で発生するのを抑制して負極の酸化が抑制される結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0034】
請求項12に記載の発明は、複合珪酸塩の添加量を限定するものであり、複合珪酸塩がセパレータ100に対して0.1から10重量%とするのが好ましい。
【0035】
請求項13に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中と前記負極中のそれぞれには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩を含有していて、かつ前記セパレータには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩が付加されているものである。
【0036】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、また、過充電時に酸素が正極で発生するのを抑制して負極の酸化が抑制される結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0037】
請求項14に記載の発明は、複合珪酸塩を限定するものであり、正極中に含有される複合珪酸塩の量は水酸化ニッケル100に対して0.05〜2重量%であり、負極中に含有される複合珪酸塩の量は水素吸蔵合金100に対して0.05〜1.5重量%であり、セパレータに付加されている複合珪酸塩の量はセパレータの重量100に対して0.05〜3重量%であることが好ましい。
【0038】
請求項15に記載の発明は、水酸化ニッケルを主体とする正極と水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中と前記負極中のそれぞれには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩と、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類を含有していて、かつ前記セパレータには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩が付加されているものである。
【0039】
これによって、複合珪酸塩は負極から溶出したMnやAlと反応して不動態化し電池の電気化学的特性を劣化させることがなく、また、過充電時に酸素が正極で発生するのを抑制して負極の酸化が抑制される結果として電池の寿命を延ばすことができる。
【0040】
請求項16に記載の発明は、複合珪酸塩量、添加酸化物量を限定するものであり、正極中に含有される複合珪酸塩の量は水酸化ニッケルに対して0.05〜2重量%であり、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量は0.1〜2.5重量%、負極中に含有される複合珪酸塩の量は水素吸蔵合金100に対して0.05〜1.5重量%であり、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量は0.1〜2.5重量%、セパレータに付加されいる複合珪酸塩の量はセパレータの重量に対して0.05〜3重量%であるものが好ましい。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の具体例を述べる。
【0042】
(実施例1)
平均粒径10μmでコバルトと亜鉛を固溶した球状の水酸化ニッケル粉末300g、平均粒径0.2μmの水酸化コバルト粉末30g、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を3gと水100gとを混合した。水酸化ニッケル活物質中のコバルトの固溶量は2mol%、亜鉛の固溶量は6mol%固溶させたものを用いた。
【0043】
この混合物を機械混合しペースト状とし発泡メタルに充填、乾燥、圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは750μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1000mAhであった。
【0044】
次に負極は、AB5型の水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と水とを加えて調整したペーストを塗布し、乾燥した後、圧延した。圧延後の電極の厚さは420μmであった。この電極の理論容量は1700mAhであった。
【0045】
セパレータにはポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚さは180μmのものを用いた。
【0046】
上記の極板を正極、セパレータ、負極、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻き、AAサイズの電池ケースに挿入し、アルカリ電解液を所定量注液した後、封口板で封口して本発明の実施例1におけるニッケル−水素二次電池Aを作製した。
【0047】
次に、正極、負極およびセパレータに複合珪酸塩を添加しないものを用いた以外は、実施例1の電池Aと同じ構成とした比較例の電池Xを作製した。
【0048】
これらの電池を100mAで15時間充電し、1時間放置した後、200mAで放電電圧1Vになるまで放電した。このサイクルを3回行なった。3サイクル目の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)は100%であった。
【0049】
長期の寿命評価は一般にサイクル寿命評価と電池を加熱して一定期間保存し、容量を測定する熱加速評価がある。
【0050】
サイクル寿命評価は、充放電を繰返すことにより正極や負極が膨脹収縮し物理的に電極としての機能が低下する現象と、過充電や放電効率の低下による過充電量の増加によって正極活物質が電解液中の水を吸収してしまい、電池の内部抵抗が増大して容量劣化する現象を評価する方法である。
【0051】
一方、熱加速評価はサイクルの特性と熱を加えることによって各種材料、水酸化ニッケル、水素吸蔵合金やセパレータの劣化が化学反応であることを利用して寿命評価を短期間で行う方法である。
【0052】
評価は25℃から80℃の温度雰囲気下で行った。ニッケル−水素二次電池は高温下に置かれると水素吸蔵合金が腐食して電池特性が劣化する事は述べたが、水素吸蔵合金から溶出したAlが正極の導電剤として用いているCoと反応する。導電剤として用いているCoがAlと反応するとCoの導電性が低下し、それによって正極の利用率が低下してしまう。複合珪酸塩に含有されるCa,Mgはアルカリ土類であり、金属であるAlと優先的に複合酸化物を生成しやすくCoとの反応による導電性低下を抑制し電池の特性が劣化しない。
【0053】
(実験1)
実験は80℃の雰囲気の恒温槽内で行った。ニッケル−水素二次電池は高温に置かれると電池の容量が減ってくる。これは主に正極の自己分解による自己放電が起こるためである。充電状態の正極活物質はニッケル価数の高い酸化物である。また、ニッケル−水素二次電池のような水溶液電池では水の電気分解が起こり酸素や水素ガスが発生する。この酸素ガスや水素ガスの発生は温度が高くなればなるほど発生しやすくなる。したがって、電池を高温下に置くと正極の電位より酸素発生電位が低くなるため、正極は酸素を発生しながら自己分解して還元される。つまり電池としては放電容量が減ってくることとなる。
【0054】
従って、今回の実験1ではバックアップ用途として用いられる時は電池はほぼ満充電に近い状態で保持されることから、充電、休止、充電を繰り返し行い休止中に自己放電した電気量を充電し、電池が完全に放電状態とならないようにして保存した。
【0055】
保存期間を決め、電池を分解して正極中のAlの量を化学分析法によって測定した。また同様に放置した電池の容量回復性を測定した。
【0056】
容量回復率は、保存試験前の電池容量と保存試験後の電池容量の比を百分率で示したものである。
【0057】
電池容量試験は、充電は1000mAで1.2時間行い、休止1時間、放電は1000mAで行い、電池電圧が1.0Vとなるまでの容量とした。
【0058】
図1に、実施例1の電池Aと比較例の電池Xでのそれぞれの電池容量回復率と正極板中のAl/Coモル比との関係を示す。
【0059】
図1に示すように、正極中のAlの量が増加し容量回復率が低下していく。Al量の増加は保存期間に依存する。比較例の電池Xでは正極中のAlの量の増加により容量回復率が低下しているが、実施例1の電池Aは正極中のAlの量の増加によって容量回復率の低下が抑制されていることがわかる。
【0060】
このように、正極に複合珪酸塩を添加することにより電池を充電状態で長期保存した場合でも電池特性の劣化を抑制することができる。
【0061】
なお、上記の正極板としては、活物質である水酸化ニッケルに固溶させる元素としてコバルトと亜鉛を用いたが、コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、クロム、アルミニウム、鉄、マグネシウムの群の中から選ばれた少なくとも一種類であれば同様の効果が得られ、その固溶量としては1〜10mol%の範囲であればよい。
【0062】
なお、上記実施例1では、水酸化ニッケル固溶体粒子と水酸化コバルトを用いたが、水酸化コバルトおよび酸化コバルトを単独もしくは混合して用いてもよく、コバルトを水酸化ニッケルに被覆したものでもよい。
【0063】
また、上記実施例1で用いた珪酸塩としては、Mg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を用いたが、一般式Mg4(1-X)Ca4XSi6O15(OH)2(但し、Xは0<X<1)で表されるものであれば実施例1と同様な効果が得られる。
【0064】
(実施例2)
平均粒径10μmでコバルトと亜鉛を固溶した球状の水酸化ニッケル粉末300g、平均粒径0.2μmの水酸化コバルト粉末30g、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を1.5g、酸化イッテルビウム1.5gと水100gとを混合した。水酸化ニッケル活物質中のコバルトの固溶量は2mol%、亜鉛の固溶量は6mol%固溶させたものを用いた。
【0065】
この混合物を機械混合しペースト状とし発泡メタルに充填、乾燥、圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは750μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1000mAhであった。
【0066】
次に負極は、AB5型の水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と水とを加えて調整したペーストを塗布し、乾燥した後、圧延した。圧延後の電極の厚さは420μmであった。この電極の理論容量は1700mAhであった。
【0067】
セパレータにはポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚さは180μ
mのものを用いた。
【0068】
上記の極板を正極、セパレータ、負極、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻き、AAサイズの電池ケースに挿入し、アルカリ電解液を所定量注液した後、封口板で封口して本発明の実施例2におけるニッケル−水素二次電池Bを作製した。
【0069】
これらの電池を100mAで15時間充電し、1時間放置した後、200mAで放電電圧1Vになるまで放電した。このサイクルを3回行なった。3サイクル目の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)は100%であった。
【0070】
また、比較例の電池としては、実施例1で作製した電池Xを準備した。
【0071】
(実験2)
すでに述べたようにニッケル−水素二次電池のような水溶液系電池では充電時に水の電気分解が起こり正極から酸素が負極から水素ガスが発生する。
【0072】
一般に、ニッケル−水素二次電池では、充電電気量と放電電気量はほぼ比例関係にあるが、満充電に近い状態になると充電の効率が低下する減少が起こる。これは正極が充電されていくと正極の電位が上昇し、ついには酸素発生電位に達してしまうため、充電の電流の一部が水の電気分解のために消費されるからである。
【0073】
従ってニッケル−水素二次電池を満充電にするためには、電池容量の1.2倍から1.5倍の充電が必要となる。
【0074】
バックアップ用途として用いるためには常に満充電状態に近い状態を維持しなければならず過充電を繰返すことになる。
【0075】
実験は、まず電池Bと比較電池Xを25℃で満充電となるように100mAで15時間充電した。この電池を55℃の恒温槽に入れ充放電を繰返した。充電は100mAで12分、放電は100mAで6分とした。
【0076】
このサイクルを、約6000サイクル行い電池の容量回復性を測定した。また電池を分解して正極中のAlの量を化学分析法によって測定した。
【0077】
容量回復率は、保存試験前の電池容量と保存試験後の電池容量の比を百分率で示したものである。
【0078】
電池容量試験は、充電は1000mAで1.2時間行い、休止1時間、放電は1000mAで行い、電池電圧が1.0Vとなるまでの容量とした。
【0079】
電池Bの容量回復率は99%で比較例の電池Xの容量回復率は71%であった。
【0080】
正極中のAlの量は電池BでAl/Coモル比0.20、電池Xは0.28であった。
【0081】
このように、正極に酸化イッテルビウムと複合珪酸塩を添加することにより過充電による正極発生酸素を抑制し負極の腐食が低減されたと同時に複合珪酸塩とAlが反応して不動態化した為に容量回復率が高くなったと考えられる。
【0082】
なお、上記実施例2の正極板としては、活物質である水酸化ニッケルに固溶させる元素としてコバルトと亜鉛を用いたが、コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、クロム、アルミニウム、鉄、マグネシウムの群の中から選ばれた少なくとも一種類であれば同様の効果が得られ、その固溶量としては1〜10mol%の範囲であればよい。
【0083】
なお、上記実施例2では、水酸化ニッケル固溶体粒子と水酸化コバルトを用いたが、水酸化コバルトおよび酸化コバルトを単独もしくは混合して用いてもよく、コバルトを水酸化ニッケルに被覆したものでもよい。
【0084】
また、上記実施例2で用いた珪酸塩としては、Mg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を用いたが、一般式Mg4(1-X)Ca4XSi6O15(OH)2(但し、Xは0<X<1)で表されるものであればよく、酸素発生電位上昇物質として添加した酸化イッテルビウムのほかに酸化イットリウム、酸化ルテチウムでも実施例2と同様な効果が得られる。
【0085】
(実施例3)
平均粒径10μmでコバルトと亜鉛を固溶した球状の水酸化ニッケル粉末300g、平均粒径0.2μmの水酸化コバルト粉末30gと水100gを混合した。
【0086】
水酸化ニッケル活物質中のコバルト固溶量は2mol%、亜鉛は6mol%固溶させたものを用いた。
【0087】
この混合物を機械混合しペースト状とし発泡メタルに充填、乾燥、圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは750μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1000mAhであった。
【0088】
次に負極は、AB5型水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を1重量%と水を加えて調整したペーストを、ニッケルメッキした穿孔基板に塗布し、ペーストを乾燥した後、極板を圧延した。圧延後の電極の厚さは420μmであった。この電極の理論容量は1700mAhであった。
【0089】
セパレータには、スルフォン化処理したポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚みは、180μmのものを用いた。
【0090】
電池としては、実施例3で作製した正極、負極およびセパレータを用いた以外は、上記の実施例1と同様な構成としたAAサイズの本発明の実施例3におけるニッケル−水素二次電池Cを作製した。
【0091】
この電池を100mAで15時間充電し、1時間放置した後、200mAで放電電圧1Vになるまで放電した。このサイクルを3回行なった。3サイクル目の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)は100%であった。
【0092】
また、比較例の電池としては、実施例1で作製した電池Xを準備した。
【0093】
(実験3)
実験方法は、上記の実験1と同様に行った。
【0094】
図2に、それぞれの電池の保存期間と、それぞれの電池に用いた水素吸蔵合金の腐食度合いおよびそれぞれの電池の容量回復率との関係を示す。
【0095】
水素吸蔵合金はMmとNiを主成分とする合金である。水素吸蔵合金が腐食するとMm中のLaやCe、Niと置換したMnやAlが水酸化物となる。この時、水素吸蔵合金中のNiは酸化されにくくNi金属として水素吸蔵合金表面に析出する。Niは合金化していると磁性体ではないが金属状態になると強磁性体であるので磁化率を測定することにより、Niの量を求めることができ、その量より合金の腐食度合いを知ることができる。この磁化率を測定した値から合金の腐食度合いを調べた。
【0096】
また電池の容量回復率の測定方法としては、実験1と同様に放置前の容量を測定し、その値を100%とし一定の放置期間ごとに電池の容量測定を行った結果である。
【0097】
実施例3の電池Cでは、80℃雰囲気下での保存を4ヶ月行ったときの水素吸蔵合金の腐食度合いは、比較例の電池Xの50%以下であった。また、同じく80℃雰囲気下での保存を4ヶ月行ったときの容量回復率も比較例の電池Xよりも30%以上回復率が優れたものとなった。
【0098】
上記実施例3に示したように、ニッケル−水素二次電池において、負極に複合珪酸塩を添加することにより、電池を長期保存しても、電池特性の劣化を抑制することができる。
【0099】
これは、負極の腐食は電解液中の炭酸イオンおよび酸素濃度に依存すると考える。炭酸イオンは主に電池構成材料であるセパレータや絶縁板として用いられる樹脂材料や活物質の結着剤として用いる高分子材料が時間とともに極微量づつ分解して電解液中に溶解するために生成される。この炭酸イオンは水素吸蔵合金の希土類元素と炭酸化物を生成し合金の腐食を加速する。
【0100】
また、正極は温度によるが自己分解をして酸素を発生することは既に述べたが、正極で発生した酸素は電解液に溶解して負極表面に達する。負極表面に達した酸素は水素吸蔵合金に吸蔵した水素と反応して還元され水になる反応が起こるが、同時に水素吸蔵合金自身を酸化してしまう反応も起こる。
【0101】
本発明では負極に複合珪酸塩を添加することによって、炭酸イオンは複合珪酸塩中のCaとMgと反応してCaCo3やMgCo3として析出し炭酸濃度を低下させる。この働きにより合金の腐食が抑制されたと考えられる。また、アルカリ溶液中ではCa,MgおよびSiは水酸化物もしくは水酸基を配位したイオンとして一部溶解している。
【0102】
これらの水酸化物もしくは水酸化物イオンは、カチオン(ここではCa,Mg,Si)の価数を変化することなく酸素を介在して水酸化物と酸化物が平衡状態で存在する。したがって、正極から移動した酸素は、これらの水酸化物あるいは水酸化物イオンと反応して、いったん酸素を吸収する。酸素と水素吸蔵合金の水素による還元反応速度が遅く負極の腐食が進むのを、この酸素吸収反応が起こることによって合金酸化反応を抑制するものと考える。
【0103】
詳しくは解明されていないが、上記のような理由により、実施例3の電池Bでは保存による容量回復率の低下を抑制できると考える。
【0104】
なお、上記の実施例3では、水酸化ニッケルに固溶させる元素をコバルトと亜鉛を用いたが、コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、クロム、アルミニウム、鉄の群の中から選ばれた少なくとも一種類であれば同様な効果が得られ、その固溶量としては、1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0105】
なお、上記の実施例3では、水酸化ニッケル固溶体粒子と水酸化コバルトを用いたが、水酸化コバルトおよび酸化コバルトを単独もしくは混合して用いても良くコバルトを水酸化ニッケルに被覆したものでもよい。
【0106】
また、上記の実施例3では、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2の式で表されるものを用いたが、一般式Mg4(1-X)Ca4XSi6O15(OH)2の(但し、Xは0<X<1)で表されるものであればよい。
【0107】
(実施例4)
平均粒径10μmでコバルトと亜鉛を固溶した球状の水酸化ニッケル粉末300g、平均粒径0.2μmの水酸化コバルト粉末30gと水100gを混合した。
【0108】
水酸化ニッケル活物質中のコバルト固溶量は2mol%、亜鉛は6mol%固溶させたものを用いた。
【0109】
この混合物を機械混合しペースト状とし発泡メタルに充填、乾燥、圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは750μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1000mAhであった。
【0110】
次に負極は、AB5型水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を0.5重量%と酸化イッテルビウム0.5重量%と水を加えて調整したペーストを、ニッケルメッキした穿孔基板に塗布し、ペーストを乾燥した後、極板を圧延した。圧延後の電極の厚さは420μmであった。この電極の理論容量は1700mAhであった。
【0111】
セパレータには、スルフォン化処理したポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚みは、180μmのものを用いた。
【0112】
電池としては、実施例4で作製した正極、負極およびセパレータを用いた以外は、上記の実施例1と同様な構成としたAAサイズの本発明の実施例4におけるニッケル−水素二次電池Dを作製した。
【0113】
この電池を100mAで15時間充電し、1時間放置した後、200mAで放電電圧1Vになるまで放電した。このサイクルを3回行なった。3サイクル目の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)は100%であった。
【0114】
また、比較例の電池としては、実施例1で作製した電池Xを準備した。
【0115】
(実験4)
実験方法は、上記の実験1と同様に行った。
【0116】
水素吸蔵合金はMmとNiを主成分とする合金である。水素吸蔵合金が腐食するとMm中のLaやCe、Niと置換したMnやAlが水酸化物となる。この時、水素吸蔵合金中のNiは酸化されにくくNi金属として水素吸蔵合金表面に析出する。Niは合金化していると磁性体ではないが金属状態になると強磁性体であるので磁化率を測定することにより、Niの量を求めることができ、その量より合金の腐食度合いを知ることができる。この磁化率を測定した値から合金の腐食度合いを調べた。
【0117】
また電池の容量回復率の測定方法としては、実験1と同様に放置前の容量を測定し、その値を100%とし一定の放置期間ごとに電池の容量測定を行った結果である。
【0118】
実施例4の電池Dでは、80℃雰囲気下での保存を4ヶ月行ったときの水素吸蔵合金の腐食度合いは、比較例の電池Xの45%以下であった。また、同じく80℃雰囲気下での保存を4ヶ月行ったときの容量回復率も比較例の電池Xよりも30%以上回復率が優れたものとなった。
【0119】
上記実施例4に示したように、ニッケル−水素二次電池において、負極に複合珪酸塩と酸化イッテルビウムを添加することにより、電池を長期保存しても、電池特性の劣化を抑制することができる。
【0120】
これは、負極の腐食は電解液中の炭酸イオンおよび酸素濃度に依存すると考える。炭酸イオンは主に電池構成材料であるセパレータや絶縁板として用いられる樹脂材料や活物質の結着剤として用いる高分子材料が時間とともに極微量づつ分解して電解液中に溶解するために生成される。この炭酸イオンは水素吸蔵合金の希土類元素と炭酸化物を生成し合金の腐食を加速する。
【0121】
また、正極は温度によるが自己分解をして酸素を発生することは既に述べたが、正極で発生した酸素は電解液に溶解して負極表面に達する。負極表面に達した酸素は水素吸蔵合金に吸蔵した水素と反応して還元され水になる反応が起こるが、同時に水素吸蔵合金自身を酸化してしまう反応も起こる。
【0122】
複合珪酸塩の効果は実施例3で既に述べた通りである。酸化イッテルビウムはアルカリ溶液中では水酸化物もしくは水酸基を配位したイオンとして一部溶解している。
【0123】
これらの水酸化物もしくは水酸化物イオンは、カチオン(ここではYb)の価数を変化することなく酸素を介在して水酸化物と酸化物が平衡状態で存在する。したがって、正極から移動した酸素は、これらの水酸化物あるいは水酸化物イオンと反応して、いったん酸素を吸収する。酸素と水素吸蔵合金の水素による還元反応速度が遅く負極の腐食が進むのを、この酸素吸収反応が起こることによって合金酸化反応を抑制するものと考える。
【0124】
詳しくは解明されていないが、上記のような理由により、実施例4の電池Dでは保存による容量回復率の低下を抑制できると考える。
【0125】
なお、上記の実施例4では、水酸化ニッケルに固溶させる元素をコバルトと亜鉛を用いたが、コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、クロム、アルミニウム、鉄、マグネシウムの群の中から選ばれた少なくとも一種類であれば同様な効果が得られ、その固溶量としては、1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0126】
なお、上記の実施例4では、水酸化ニッケル固溶体粒子と水酸化コバルトを用いたが、水酸化コバルトおよび酸化コバルトを単独もしくは混合して用いても良くコバルトを水酸化ニッケルに被覆したものでもよい。
【0127】
また、上記の実施例4では、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2の式で表されるものを用いたが、一般式Mg4(1-X)Ca4XSi6O15(OH)2の(但し、Xは0<X<1)で表されるものであればよい。
【0128】
また、上記実施例4では酸化イッテルビウムを用いたが、酸化イットリウム、酸化ルテチウムでも同様の効果が得られた。
【0129】
(実施例5)
平均粒径10μmでコバルトと亜鉛を固溶した球状の水酸化ニッケル粉末300g、平均粒径0.2μmの水酸化コバルト粉末30gと水100gとを混合した。
【0130】
水酸化ニッケル活物質中のコバルト固溶量は2mol%、亜鉛は6mol%固溶させたものを用いた。この混合物を機械混合しペースト状とし発泡メタルに充填、乾燥、圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは750μm程度となった。この正極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1000mAhであった。
【0131】
次に負極は、AB5型水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と水を加えて調整したペーストを塗布し、乾燥した後、圧延した。圧延後のこの電極の厚みは、420μmであった。この負極の理論容量は1700mAhであった。
【0132】
セパレータはスルフォン化処理したポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚みは、180μmのものを用いた。純水に複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を分散させた水溶液を作った。この水溶液にセパレータを浸漬して、複合珪酸塩をセパレータに分散させた。このセパレータを乾燥させたのちに電池のセパレータとして用いた。このときの複合珪酸塩の量は、セパレータの重量に対して1重量%であった。
【0133】
上記実施例5で作製した正極、負極およびセパレータを用いた以外は、実施例1と同様な構成とした本発明の実施例5におけるAA型のニッケル−水素二次電池Eを作製した。比較例の電池としては、実施例1で作製した比較例の電池Xを準備した。
【0134】
これらの電池を100mAの大きさの電流で15時間充電し、1時間放置した後、200mAで放電電圧1Vになるまで放電した。このサイクルを3回行なった。3サイクル目の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)は100%であった。
【0135】
(実験5)
バックアップ用途で用いられる電池では微小電流で充電しつづけ、いつも充電状態にしておく必要がある。一般に低温で連続過充電を行うと正極の活物質がγ型のオキシ水酸化ニッケルになり、活物質中に電解液を取り込んでしまいセパレータの電解液が枯渇して電池内部抵抗が上昇して容量が減少してしまうと言う現象が起こる。
【0136】
そこで実施例5の電池Eと比較例の電池Xを0℃の雰囲気の恒温槽内に置いて実験した。
【0137】
充電電流50mAで連続的に充電し、一定の期間ごとに容量試験を行った。それと同時に内部抵抗を測定した。内部抵抗は四端子交流法で1000Hzでの値を測定した。容量回復率は、連続充電前の電池容量と連続充電後の電池容量の比を百分率で示したものである。
【0138】
電池容量試験は、充電は1000mAの電流で1.2時間行い、1時間放置した後、放電は1000mAの電流で行い、電池電圧が1.0Vとなるまでの容量を求めた。
【0139】
図3に示すように、充電期間が長くなるにしたがって内部抵抗が上昇し、容量回復率が低下していく。比較例の電池Xでは期間10ヶ月目ぐらいから内部抵抗が上昇し、その後急激に内部抵抗が上昇して容量回復率も急激に低下している。これに対して、実施例5の電池Eは期間20ヶ月を過ぎても内部抵抗の上昇は極めて少なく、容量回復率も95%以上と良好であった。
【0140】
これは、セパレータに複合珪酸塩を分散させたことによる効果と考えられる。詳細なメカニズムを現状の分析技術で測定し解明することは困難であるが、以下のように推定される。複合珪酸塩は電解液中で水酸化物もしくは水酸化物イオンとして存在する。水酸化物は水溶液中では一般にカチオンに水もしくは水酸基を配位した形になっている。本発明の電池Eでは、セパレータに複合珪酸塩を付与しているためセパレータ繊維表面に水酸化物が吸着しセパレータの親水性が向上したことと、この吸着した水酸化物に配位した水によるイオン導電性が維持されるために、比較例ではセパレータの電解液が枯渇して内部抵抗が上昇してしまうが、電池Eではこの現象が抑制されるので低温での連続過充電特性が向上したものと思われる。
【0141】
なお、上記実施例5では、水酸化ニッケルに固溶させる元素をコバルトと亜鉛を用いたが、コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、クロム、アルミニウム、鉄、マグネシウムの群の中から選ばれた少なくとも一種類であれば同様の効果が得られ、その固溶量としては、1〜10mol%であればよい。
【0142】
また、上記実施例5では、水酸化ニッケル固溶体粒子と水酸化コバルトを用いたが、水酸化コバルトおよび酸化コバルトを単独もしくは混合して用いても良く、コバルトを水酸化ニッケルに被覆したものでもよい。
【0143】
さらに、上記実施例5では、珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を用いたが、一般式Mg4(1-X)Ca4XSi6O15(OH)2(但し、Xは0<X<1)で表されるものであればよい。
【0144】
(実施例6)
平均粒径10μmでコバルトと亜鉛を固溶した球状の水酸化ニッケル粉末300g、平均粒径0.2μmの水酸化コバルト粉末30g、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を1.5g、酸化イットリウム1.5gと水100gとを混合した。水酸化ニッケル活物質中のコバルトの固溶量は2mol%、亜鉛の固溶量は6mol%固溶させたものを用いた。
【0145】
この混合物を機械混合しペースト状とし発泡メタルに充填、乾燥、圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは750μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1000mAhであった。
【0146】
次に負極は、AB5型水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を0.5重量%、酸化イットリウム0.5重量%と水を加えて調整したペーストを、ニッケルメッキした穿孔基板に塗布し、ペーストを乾燥した後、極板を圧延した。圧延後の電極の厚さは420μmであった。この電極の理論容量は1700mAhであった。
【0147】
セパレータはスルフォン化処理したポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚みは、180μmのものを用いた。純水に複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を分散させた水溶液を作った。この水溶液にセパレータを浸漬して、複合珪酸塩をセパレータに分散させた。このセパレータを乾燥させたのちに電池のセパレータとして用いた。このときの複合珪酸塩の量は、セパレータを100に対して1重量%であった。
【0148】
これらの実施例6で作製した正極、負極、およびセパレータを用いた以外は、実施例1と同様な構成とした本発明の実施例6におけるニッケル−水素二次電池Fを作製した。比較例の電池としては、実施例1で作製した比較例の電池X、つまり正極、負極、セパレータに珪酸塩を添加せずに作製した電池Xを用いた。
【0149】
(実験6)
電池Fと比較例の電池Xを80℃の雰囲気の恒温槽内に置き実験を行った。
【0150】
実験1と同様に充電、休止、充電を繰り返し行い休止中に自己放電した電気量を充電し、電池が完全に放電状態とならないようにして保存した。4ヶ月保存後自己放電速度を測定した。ここでの自己放電速度とは、電池を満充電状態にして、所定の期間一定の温度に保ちその電圧の変化を測定するものである。自己放電速度が速いということは充電しても放置するだけで容量が減っていってしまうことになり、電池としては良好なものでない。
【0151】
自己放電速度が速くなる現象は、正極もしくは負極から長期間にわたり溶出した成分、たとえばCoやMnがセパレータ中に析出して電子伝導性が出るために正極と負極間に導電パスができるためである。
【0152】
図4に4ヶ月保存後の自己放電速度を示す。左Y軸は放置中の電池開回路電圧のを示し、右Y軸はその開回路電圧に相当する電池残容量を示す。開回路電圧と電池残容量は比例関係ではないが、ほぼ図4に示す対応関係になっている。
【0153】
実験では自己放電速度を加速させて評価するために55℃の雰囲気下で行った。
【0154】
図4から明らかなように、実施例の電池Fは、比較例の電池Xと比較して自己放電速度が遅いことがわかる。
【0155】
これは、正極、負極、およびセパレータに複合珪酸塩を含有させたことにより、セパレータ中の析出物が複塩となり電子伝導性が低い物質になるために自己放電速度が遅くなったものと考える。
【0156】
正極からは導電剤として添加しているCoが長期間の間に溶出してくるが、Coは、Ca,Mgといったアルカリ土類金属と複塩を生成しやすい。また、負極水素吸蔵合金も長期間のうちに腐食が進行しMn,Alが溶出する。Mn,AlもCa,Mgといったアルカリ土類金属と複塩を生成しやすい。従って、正極もしくは負極から溶出する金属をそれぞれの極板内で不動態化するためセパレータ中での析出を抑制し自己放電速度を増加させない効果がある。
【0157】
さらに、セパレータにも複合珪酸塩を付与しているため極微量のCo,Mn,Alがセパレータに到達した場合でも、複塩となり導電パスを形成しないために自己放電速度の増加が抑制されたものと考える。
【0158】
もちろん、実施例6の電池Fでも、実施例1〜5で述べた効果が得られるものである。
【0159】
なお、上記実施例6では、水酸化ニッケルに固溶させる元素にコバルトと亜鉛を用いたが、コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、クロム、アルミニウム、鉄、マグネシウムの群の中から選ばれた少なくとも一種類であれば同様の効果が得られ、その固溶量としては1〜10mol%であればよい。
【0160】
また、上記実施例6では、水酸化ニッケル固溶体粒子と水酸化コバルトを用いたが、水酸化コバルトおよび酸化コバルトを単独もしくは混合して用いても良い。
【0161】
さらに、上記実施例6では、複合珪酸塩としてMg2.7Ca1.3Si6O15(OH)2を用いたが、一般式Mg4(1-X)Ca4XSi6O15(OH)2の(但し、Xは0<X<1)で表されるものであれば実施例6と同様な効果が得られる。
【0162】
また、上記実施例6では、複合珪酸塩と酸化イットリウムを同時に添加したが単独でも良く、また酸化イットリウムのほかに酸化イッテルビウム、酸化ルテチウムでも同様な効果が得られる。
【0163】
上記実施例1〜6で示した複合珪酸塩、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム以外の添加物については、何ら限定されるものではなく単に実施の形態を示したものである。
【0164】
上記実施例の温度による加速評価は、80℃で行っている。これは25℃に換算すると45倍の加速評価に相当する。従って、例えば80℃4ヶ月は、25℃で4×45=180ヶ月相当になる。
【0165】
【発明の効果】
以上のように本発明は、複合珪酸塩を正極、負極あるいはセパレータの少なくとも1つに添加することにより、バックアップ用途に対応する長期信頼性に優れたニッケル−水素二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 正極中のAl/Coモル比と電池の容量回復率との関係を示す図
【図2】 電池の保存期間と、電池容量回復率および合金腐食度合いとの関係を示す図
【図3】 電池の保存期間と、電池容量回復率および電池の内部抵抗との関係を示す図
【図4】 電池の55℃での放置期間と、開回路電圧および電池残容量との関係を示す図
Claims (16)
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩を含有していることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 複合珪酸塩の量は、水酸化ニッケルに対して0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載のニッケル−水素二次電池。
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩と、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類を含有していることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量が水酸化ニッケルに対して0.1〜2.5重量%であることを特徴とする請求項3記載のニッケル−水素二次電池。
- 複合珪酸塩の量は、水酸化ニッケルに対して0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項3記載のニッケル−水素二次電池。
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記負極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩を含有していることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 複合珪酸塩の量は、水素吸蔵合金負極に対して0.1〜3重量%であることを特徴とする請求項6記載のニッケル−水素二次電池。
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記負極中には一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩と、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類を含有していることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 複合珪酸塩の量は、水素吸蔵合金負極に対して0.1〜3重量%であることを特徴とする請求項8記載のニッケル−水素二次電池。
- 酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量が水素吸蔵合金に対して0.1〜2.5重量%であることを特徴とする請求項8記載のニッケル−水素二次電池。
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記セパレータには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩が付加されていることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 複合珪酸塩の量は、セパレータの重量に対して0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項11記載のニッケル−水素二次電池。
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中と前記負極中のそれぞれには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩を含有していて、かつ前記セパレータには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩が付加されていることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 正極中に含有される複合珪酸塩の量は水酸化ニッケルに対して0.05〜2重量%であり、負極中に含有される複合珪酸塩の量は水素吸蔵合金100に対して0.05〜1.5重量%であり、セパレータに付加されいる複合珪酸塩の量はセパレータの重量に対して0.05〜3重量%であることを特徴とする請求項13記載のニッケル−水素二次電池。
- 水酸化ニッケルを主体とする正極と水素吸蔵合金を主体とする負極と、セパレータおよびアルカリ電解液とからなるニッケル−水素二次電池において、前記正極中と前記負極中のそれぞれには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩と、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類を含有していて、かつ前記セパレータには一般式Mg 4(1-X) Ca 4X Si 6 O 15 ( OH ) 2 (但し、Xは0<X<1)で表される複合珪酸塩が付加されていることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
- 正極中に含有される複合珪酸塩の量は水酸化ニッケルに対して0.05〜2重量%であり、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量は0.1〜2.5重量%、負極中に含有される複合珪酸塩の量は水素吸蔵合金100に対して0.05〜1.5重量%であり、酸化イットリウムと酸化イッテルビウムと酸化ルテチウムの重量は0.1〜2.5重量%、セパレータに付加されいる複合珪酸塩の量はセパレータの重量に対して0.05〜3重量%であることを特徴とする請求項15記載のニッケル−水素二次電池。
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