JPH0612094Y2 - 間仕切壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は間仕切壁に関する。

［従来の技術］ プレハブ建物等には、枠材の両面に面材を貼着して形成
される壁パネルの下端部を床材の側に固定し、壁パネル
の上端部を天井材の側に固定することによって形成され
る間仕切壁が用いられている。

従来、上記のような間仕切壁として、実公昭45-21098号
公報に記載の間仕切壁、実公昭58-44727号公報に記載の
間仕切壁が提案されている。

実公昭45-21098号公報に記載の間仕切壁は、天井材の下
面にアングル材を固定し、該アングル材に壁パネルの頭
つなぎを当接して、頭つなぎとアングル材とを接続して
いる。さらに接続された天井材と壁パネルの間には、天
井材と壁パネルの上端部間の隙間およびアングル材を覆
う状態で回り縁が配設される。この間仕切壁によれば、
予め天井材の所定の取付位置に固定されたアングル材に
頭つなぎを当接するだけで、壁パネル上端部の位置出し
を行うことができる。また、天井材と壁パネルの間の隙
間およびアングル材が回り縁により覆われるため、間仕
切される室と室の間の防火性、遮音性を向上し、かつ外
観を良好とすることができる。

実公昭58-44727号公報に記載の間仕切壁は、壁パネルの
上端部に長尺状のライナー材を支持し、該ライナー材を
ボルトにより天井材に固着して形成されている。天井材
には、予めボルトが螺合するインサート部材が配設され
る。この間仕切壁によれば、インサート部材にボルトを
螺合することで壁パネルの上端を天井材の所定位置に固
定することができる。また、天井材と壁パネル上端との
間の隙間は、ライナー材により覆われ、間仕切される室
と室との間の防火性、遮音性を向上することができる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、実公昭45-21098号公報に記載される間仕
切壁にあっては、天井材に対する壁パネル上端部の接続
・固定の他に、回り縁の配設作業が必要である。このた
め、間仕切壁の構造が複雑であり、かつ施工が面倒とな
る。

これに対し、実公昭58-44727号公報に記載される間仕切
壁にあっては、回り縁を用いることなく、壁パネルの上
端部に支持されるライナー材により天井材と壁パネル上
端部との隙間が閉塞されるものの、予め天井材にインサ
ート部材を配設しなければならず、構造が複雑となる。
また、インサート部材にボルトを螺合する際、壁パネル
の上端部に隠れてインサート部材が見えず、両者を合致
するのに手間を要し、壁パネルの位置出し、固定作業が
面倒である。

本考案は、回り縁は用いることなく、天井材と壁パネル
の上端部との間の隙間を確実に閉塞し、簡素な構造で天
井材に対する壁パネルの位置出しおよび固定作業性を良
好とし、外観を良好とする間仕切壁を提供することを目
的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案に係る間仕切壁は、
複数の縦枠、縦枠の頭つなぎ、下枠からなる枠組に面材
を貼着して形成される壁パネルの下端部を床材の側に固
定し、壁パネルの上端部を天井材の側に固定して形成さ
れる間仕切壁において、縦枠の上端部に上突部を形成
し、その上突部の一方の側面に頭つなぎを当接させて上
方に突出させ、天井材の下面に下突部を有する支持レー
ルを固定し、前記上方に突出させた頭つなぎの側面を支
持レールの下突部側面に当接し、支持レールの下突部
と、その下突部と略同厚みの縦枠の上突部とを、頭つな
ぎと接合板とによって挟み込み、接合板に係着されるボ
ルトを頭つなぎに螺着し、壁パネルの枠組に貼着される
面材によって接合板およびボルトを覆い隠した構成にし
たこととしている。

［作用］ 本考案によれば、支持レールの下突部の側面と頭つなぎ
とを当接し、さらに支持レールの下突部の側面と縦枠の
上突部の側面とを頭つなぎと接合板によって挟み込む状
態で螺着が行われる、この結果壁パネルの上端部を支持
レールに固定することが可能となる。これにより、回り
縁を用いることなく天井材と壁パネルの上端部との間の
隙間を確実に閉塞することができ、かつ簡素な構造で天
井材に対する壁パネルの位置出しおよび固定作業性を向
上することができる。またに接合板およびボルトは、枠
組に貼着される面材により覆い隠され、壁パネルの内部
に収められるから、間仕切壁の外観を良好とすることが
できる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図（Ａ）〜（Ｄ）は本考案の一実施例に係る間仕切
壁の施工順序を示す断面図、第２図は上支持レールに対
する壁パネルの上端部の固定状態を示す斜視図、第３図
は施工された間仕切壁を示す断面図である。

図において、１０は天井材、１１は床材であり、天井材
１０は野縁１２に、また床材１１は根太１３に支持され
る。間仕切壁１４は、天井材１０と床材１１の間に壁パ
ネル１５を配設することにより構成される。

壁パネル１５は、縦枠１６、下枠１７および頭つなぎ
（上枠）１８を組合わせて枠組とし、該枠組の両面に面
材１９Ａおよび１９Ｂを貼着して形成される。

頭つなぎ１８は、縦枠１６の上端部に形成される上突部
３０の両側面にあたる切欠部２０Ａ、２０Ｂのうち、一
方の切欠部２０Ａに支持されて組合わされる。頭つなぎ
１８は合板材により形成され、面材１９Ａは該頭つなぎ
１８の外側に貼着される。

壁パネル１５を用いての間仕切壁１４の施工は、先ず天
井材１０の下面の壁パネル取付位置に長尺状に連続する
上支持レール２１を固定して行われる（第１図
（Ａ））。上支持レール２１はその下端部に形成される
下突部４０の両側面にあたる切欠部２２Ａ、２２Ｂを有
してなり、該レール２１は天井材１０および野縁１２に
釘打ちして固定される。また、床材１１の上面の壁パネ
ル取付位置には、長尺上に連続する下支持レール２３が
固定される（第１図（Ｂ））。下支持レール２３は角柱
材により形成され、該レール２０は床材１１および根太
１３に釘打ちして固定される。

次に、壁パネル１５が矢示Ａ方向に移動され、壁パネル
１５の下枠１７が下支持レール２３に固定される（第１
図（Ｂ））。下枠１７の下面には凹部２４が形成され、
壁パネル１５は凹部２４を下支持レール２３に嵌着する
ことにより、下支持レール２３に固定される（第１図
（Ｃ））。

また、矢示Ａ方向に移動される壁パネル１５は頭つなぎ
１８が上支持レール２１の一方の切欠部２２Ａに当接さ
れる。次に、接合板２５が上支持レール２１の他方の切
欠部２２Ｂと縦枠１６の他方の切欠部２０Ｂにそれぞれ
当接される。接合板２５には予めボルト２６が係着さ
れ、該ボルト２６は上支持レール２１と縦枠１６との間
の隙間に挿入される。さらにボルト２６は、合板製の頭
つなぎ１８に螺着される。この結果、頭つなぎ１８と接
合板２５とによって縦枠１６の上端部と上支持レール２
１の下端部とがそれぞれ挟み込まれる（第１図（Ｃ）、
第２図）。これにより、壁パネル１５の上端部が上支持
レール２１との当接により位置出しされつつ、天井材１
０の所定の取付位置に固定される。

この際、長尺状の上支持レール２１と頭つなぎ１８が当
接することで壁パネル１５の上端部と天井材１０の下面
との隙間が閉塞される。なお、上支持レール２１、下支
持レール２３に支持される上記壁パネル１５は、予め枠
組の一面側にのみ面材が貼着されている。

壁パネル１５の下端部が下支持レール２３に、上端部が
上支持レール２１に固定されると、壁パネル１５を構成
する他方の面材１９Ｂが矢示Ｂ方向から貼着される（第
１図（Ｃ））。この際、面材１９Ｂは、内面上端部が上
支持レール２１に当接するように貼着される。この結
果、面材１９Ｂによって上記接合板２５およびボルト２
６が覆い隠され、上支持レール２１の一部、接合板２
５、ボルト２６のそれぞれが壁パネル１５の内部に収ま
る状態で間仕切壁１４が形成される。

このようにして施工される間仕切壁１４は、例えば第３
図に示すユニット建物の内部に用いられる。第３図にお
いて、２７は壁紙であり、２８はプラスチック製の長尺
ガスケットである。長尺ガスケット２８は横断面Ｖ字形
状とされ、各面材１９Ａ、１９Ｂの上端部と天井材１０
の間の各隙間に配設される。さらに間仕切壁１４の下端
部の一方側には、例えば幅木２９が固定され、その他方
側には、例えば畳寄せ３０が固定される。

次に、上記実施例の作用について説明する。

上記間仕切壁１４によれば、支持レールの下突部の側面
と頭つなぎとを当接し、さらに支持レールの下突部の側
面と縦枠の上突部の側面とを頭つなぎと接合板によって
挟み込む状態で螺着が行われ、この結果、壁パネル１５
の上端部を上支持レール２１に固定することが可能とな
る。これにより、回り縁を用いることなく天井材１０と
壁パネル１５の上端部との間を確実に閉塞することがで
き、かつ簡素な構造で天井材１０に対する壁パネル１５
の位置出しおよび固定作業性を向上することができる。

また、頭つなぎ１８、接合板２５、ボルト２６のそれぞ
れは、枠組に貼着される各面材１９Ａ、１９Ｂにより覆
い隠され、壁パネル１５の内部に収められるから、間仕
切壁１４の外観を良好とすることができる。

また、上記間仕切壁１４にあっては、壁パネル１５の上
端部が頭つなぎ１８および接合板２５を介して確実に天
井材１０に固定されるから、その取付け強度が高い。

また、壁パネル１５の取付け位置に相当する天井材１
０、床材１１に、予め工場等において上支持レール２
１、下支持レール２３を固定することにより、壁パネル
１５の通り精度、立ち精度が向上する。

また、上記間仕切壁１４は、壁パネル１５を上支持レー
ル２１に固定するものであるため、壁パネル１５の通り
方向が野縁１２と直交する方向に配置されている場合に
も、壁パネル１５の上端部を確実かつ容易に固定可能で
ある。

［考案の効果］ 以上のように、本考案に係る間仕切壁は、複数の縦枠、
縦枠の頭つなぎ、下枠からなる枠組に面材を貼着して形
成される壁パネルの下端部を床材の側に固定し、壁パネ
ルの上端部を天井材の側に固定して形成される間仕切壁
において、縦枠の上端部に上突部を形成し、その上突部
の一方の側面に頭つなぎを当接させて上方に突出させ、
天井材の下面に下突部を有する支持レールを固定し、前
記上方に突出させた頭つなぎの側面を支持レールの下突
部側面に当接し、支持レールの下突部と、その下突部と
略同厚みの縦枠の上突部とを、頭つなぎと接合板とによ
って挟み込み、接合板に係着されるボルトを頭つなぎに
螺着し、壁パネルの枠組に貼着される面材によって接合
板およびボルトを覆い隠した構成にしたものである。し
たがって、回り縁を用いることなく、天井材と壁パネル
の上端部との間の隙間を確実に閉塞し、簡素な構造で天
井材に対する壁パネルの位置出しおよび固定作業性を良
好とし、外観を良好とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）〜（Ｄ）は本考案の一実施例に係る間仕切
壁の施工順序を示す断面図、第２図は上支持レールに対
する壁パネルの上端部の固定状態を示す斜視図、第３図
は施工された間仕切壁を示す断面図である。 １０……天井材、１１……床、１４……間仕切壁、１５
……壁パネル、１６……縦枠、１７……下枠、１８……
頭つなぎ、１９Ａ、１９Ｂ……面材、２１……上支持レ
ール、２５……接合板、２６……ボルト、３０……上突
部、４０……下突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の縦枠、縦枠の頭つなぎ、下枠からな
   る枠組に面材を貼着して形成される壁パネルの下端部を
   床材の側に固定し、壁パネルの上端部を天井材の側に固
   定して形成される間仕切壁において、 縦枠の上端部に上突部を形成し、その上突部の一方の側
   面に頭つなぎを当接させて上方に突出させ、 天井材の下面に下突部を有する支持レールを固定し、 前記上方に突出させた頭つなぎの側面を支持レールの下
   突部側面に当接し、 支持レールの下突部と、その下突部と略同厚みの縦枠の
   上突部とを、頭つなぎと接合板とによって挟み込み、 接合板に係着されるボルトを頭つなぎに螺着し、 壁パネルの枠組に貼着される面材によって接合板および
   ボルトを覆い隠した 構成にしたことを特徴とする間仕切壁。