JPH06212718A - 壁パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 合板の両面の少なくとも周縁部に四角枠状に
組み立てられた枠体を接合してなる壁パネルの取り付け
に適応でき、施工の簡便な壁パネルの取付構造を提供す
る。 【構成】 合板２の両面の少なくとも周縁部に、四角枠
状に組み立てられた枠体３を接合してなる壁パネル１の
取付構造であって、合板２の側端面には、該側端面に開
口しかつ縦方向に貫通する切欠穴が設けられ、壁パネル
１は、この切欠穴を隣接する壁パネル１の側端面に同様
に設けられた切欠穴と合わせ、かつ上下端面を梁１０に
突き合わせた状態で配設され、前記梁１０には、前記切
欠穴に連通する穴を備えた固定用金物１１が取り付けら
れ、この切欠穴から上下の固定用金物１１まで貫通して
ボルト６が通され締結されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレハブ住宅等の木造
工業化住宅において用いられる壁パネルの取付構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレハブ住宅等の木造工業化住宅
における壁パネルとして、框材を四角枠状に組み立てた
枠体の両面に面材を貼設してなるものである。

【０００３】そして、この壁パネルの取り付けに際して
は、通常次のような施工法が採用される。すなわち、壁
パネルを基礎構築物に固定する場合には、基礎構築物上
面より突出するアンカーボルトを該壁パネル下面に明け
られた挿通孔より壁パネル内に挿通してナット締めす
る。また、上下階の壁パネル同士を固定する場合には、
上階壁パネルの下面に明けられた挿通孔から、梁および
床パネルを貫通して、下階壁パネルの上面に明けられた
挿通孔まで胴差しボルトを通し、両壁パネルの内部にて
ナット締めする。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記壁パネ
ルにあっては、工場で予め面材を貼設して内部の空間を
閉空間としてしまうため、壁パネル配設後にその内部空
間に何等かの機能を持たせることが難しい問題がある。
具体的には例えば、壁パネル配設後に該壁パネルに収納
機能を付与しようとした場合、壁パネル内部の空間を利
用することはもはやできず、壁パネルの面材表面に棚等
を作り付けるなどの手段を採らざるを得ないのである。
また、前記の壁パネルにあっては、２枚の面材を使用し
ているため、コストが高くつくという問題もある。

【０００５】そこで、本出願人は、壁パネル内部の空間
に種々の機能を付与することができ、かつ安価に製造で
きる壁パネルを提案した。これは、合板の両面の少なく
とも周縁部に四角枠状に組み立てられた枠体を接合して
なるものである。

【０００６】ところが、このタイプの壁パネルにあって
は、その取り付けの際に、従来採用されているアンカー
ボルトや胴差しボルトによる取付構造を適応することが
できないという問題が出てきた。すなわち、壁パネルの
幅方向の中央に合板が存在するために、その取り付けの
際にアンカーボルトや胴差しボルトを壁パネル内に挿通
しようとすると、合板に抵触して挿通することができな
いのである。

【０００７】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、合板の両面の少なくとも周縁部に四角
枠状に組み立てられた枠体を接合してなる壁パネルの取
り付けにも適応でき、簡便に施工することのできる壁パ
ネルの取付構造を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、合板の両面の
少なくとも周縁部に、四角枠状に組み立てられた枠体を
接合してなる壁パネルの取付構造であって、合板の側端
面には、該側端面に開口しかつ縦方向に貫通する切欠穴
が設けられ、壁パネルは、この切欠穴を隣接する壁パネ
ルあるいは他の部材の側端面に同様に設けられた切欠穴
と合わせ、かつ上下端面を梁あるいは床パネルに突き合
わせた状態で配設され、前記梁あるいは床パネルには、
前記切欠穴に連通する穴を備えた固定用金物が取り付け
られ、この切欠穴から上下の固定用金物まで貫通してボ
ルトが通され締結されてなることを特徴としている。

【０００９】

【作用】本発明の壁パネルの取付構造は、合板の側端面
に設けられた切欠穴から上下の固定用金物に貫通してボ
ルトを通すものであるので、従来採用されているアンカ
ーボルトや胴差しボルトによる取付構造に代えて、合板
の両面に枠体を接合してなる壁パネルの取り付けに対し
て適応することができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照して、本発明について詳し
く説明する。図１および図２は、本発明の壁パネルの取
付構造の一実施例を示す正面図および断面図である。こ
こでは、壁パネルを２階壁部分に取り付けた例を示して
いる。

【００１１】図中符号１は壁パネル、１０は梁、１１は
固定用金物をそれぞれ示している。壁パネル１は、図３
および図４に示すように、合板２と、該合板２の両面の
周縁部に接合された枠体３とを主体として、概略構成さ
れている。枠体３は、横框材（上框材３ａ、下框材３
ｂ）および縦框材３ｃ、３ｃを四角枠状に組み立てたも
のである。枠体３の内側には縦に補強芯材３ｄが配さ
れ、合板２の縦中央部に接合されている。枠体３は、図
４（ａ）に示す如くに、合板２を介して両側ともが同一
幅であってもよいし、図４（ｂ）に示す如くに、異なる
幅であってもよい。

【００１２】壁パネル１の合板２の側端面には、該側端
面に開口しかつ縦方向に貫通する断面略半円形の切欠穴
４が設けられている。

【００１３】固定用金物１１は、図５に示すように、底
版部１２と、該底版部１２の対向する２辺より垂直に立
設される２つの側版部１３、１３と、該側版部１３、１
３の上端部間を連結するべく架設された天版部１４とを
主体として構成されたもので、２つの対向する側面を開
口した略箱型形状を有している。底版部１２および天版
部１４には、２つの側版部１３、１３を結ぶ方向に細長
い長穴１５、１５が明けられている。また、２つの側版
部１３、１３には釘穴１６、１６が設けられている。

【００１４】この固定用金物１１は、両方の側版部１
３、１３をそれぞれ梁１０の端面に突き合わせ、釘穴か
ら梁１０へ釘１７、１７を打ち付けることで、該梁１０
に固定されている。

【００１５】前記壁パネル１は、前記の切欠穴４を、隣
接する他の壁パネル１の側端面に同様に設けられた切欠
穴４と合わせ、かつ隣接する壁パネル１との接合部を前
記固定用金物１１の取付位置に合わせるようにして、上
下端面をそれぞれ梁１０の下面および上面に突き合わせ
た状態で、所定位置に配設されている。この状態におい
て、２つの隣接する壁パネル１、１の接合部には、２つ
の切欠穴４、４が合わせられて断面略円形となった複合
穴５が形成されることとなる。

【００１６】この複合穴５から上下の固定用金物１１、
１１の長穴１５、１５にまで貫通するようにして、１本
のボルト６が挿通されている。該ボルト６の上下端は、
それぞれ固定用金物１１、１１の内側にてナット７、７
で締められている。これによって、壁パネル１、１は２
階壁部分の所定位置に固定されている。

【００１７】このように、本実施例の壁パネルの取付構
造は、合板２の側端面に設けられた切欠穴４から上下の
固定用金物１１、１１に貫通してボルト６を通すもので
あるので、従来採用されているアンカーボルトや胴差し
ボルトによる取付構造に代えて、合板２の両面に枠体３
を接合してなる壁パネル１の取り付けに対しても適応す
ることができる。したがって、アンカーボルトや胴差し
ボルトが合板２に抵触するなどの支障なく、また簡便に
壁パネル１の取り付けを行うことができる。

【００１８】また、固定用金物１１の底版部１２には長
穴１５が設けられているので、壁パネル１の配設位置が
左右に若干ずれた場合でも、該長穴１５へのボルト６の
挿通位置を調整することで、このずれに対応することが
できる。

【００１９】また、本実施例で使用される壁パネル１
は、前述したように、合板２の両面に枠体３を接合した
ものであるので、工場で製作した段階および現場で配設
した段階において枠体３内部の空間２０が露出してお
り、この空間２０を所望の使い方に供することができ
る。しかも、合板２を介して２つの空間が確保されてい
るので、壁パネル１の両面でそれぞれ異なる使い方をす
ることができる。具体的には例えば、図１および図２に
示した壁パネル（図中左側の壁パネル）１のように、合
板２を介して片側の空間２０を断熱空間とし、他方の側
の空間２０を収納用スペースとして利用することができ
る。この場合には、一方の空間２０にグラスウール等の
断熱材２１を充填し、また他方の空間２０には、縦框材
３ｃと補強芯材３ｄの間に架け渡すようにして棚板２２
を取り付けることで収納棚を作り付けるようにすればよ
い。断熱材２１を充填した側の枠体３表面には、石膏ボ
ード等の内装下地用面材２３を貼り、さらにその上にク
ロス貼り２４などの内装仕上げを施す。このように、こ
の壁パネル１は、工場で予め内部空間が閉じられてしま
った従来の壁パネルに比べて、その機能性が高い。

【００２０】また、この壁パネル１は、１枚の合板２の
みを使用しているので、２枚の面材を用いる従来の壁パ
ネルに比べて、安価に提供することができる。

【００２１】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、各部材の形状、寸法、材質等の具体的構成
要件は、実施に当り適宜変更可能である。

【００２２】例えば、前記実施例では、壁パネル１を２
階壁部分に取り付ける場合を例に挙げて、該壁パネル１
を梁１０と梁１０との間に配設した例を示したが、１階
壁部分に取り付ける場合にも適応可能であることはもち
ろんである。この場合には、壁パネル１の下端面を、前
記梁１０に代えて１階床パネルに突き合わせた状態で配
設するようにする。

【００２３】また、固定用金物１１は、前記実施例で示
した形状に限られない。例えば、固定用金物１１の側版
部１３の両側端辺より外側に張り出すフランジ（図示
略）を設け、該フランジを梁１０の側面に当接させて、
該フランジより梁１０に釘打ちするなどの方法を採用し
て梁１０への取り付けを行うようにすることもできる。

【００２４】また前記実施例では、壁パネル１とそれに
隣接する壁パネル１とを直線方向に並設して取り付けた
例を示したが、互いに直交する方向に並設して取り付け
ることも可能である。この場合には例えば、壁パネル１
の側端面に正角材（図示略）を配する構造を採用すると
よい。具体的には、正角材の側面に前記切欠穴と同様の
切欠穴を設け、この切欠穴を、壁パネル１側端面に設け
られた切欠穴４と合わせるようにして、壁パネル１およ
び正角材をＬ字状あるいはＴ字状に並設する。また、固
定用金物１１には、これら壁パネル１と正角材との配設
状態に応じて、Ｌ字型あるいはＴ字型のものを用いるよ
うにする。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る壁パ
ネルの取付構造は、合板の側端面に設けられた切欠穴か
ら上下の固定用金物に貫通してボルトを通すものである
ので、従来採用されているアンカーボルトや胴差しボル
トによる取付構造に代えて、合板の両面に枠体を接合し
てなる壁パネルの取り付けに対して適応することができ
る。したがって、アンカーボルトや胴差しボルトが合板
に抵触するなどの支障なく、また簡便に壁パネルの取り
付けを行うことができる。また、本発明において使用さ
れる壁パネルは、１枚の合板の両面に枠体を接合したも
のであるので、２枚の面材を用いる従来の壁パネルに比
べてコストが削減できる。また、この壁パネルは、内部
の空間が露出しているので、現場で配設した後にも、こ
の空間を例えば収納棚として利用するなど、種々の機能
を付与することができる。しかも、合板を介して２つの
空間が確保されるので、壁パネルの両面でそれぞれ異な
る機能を持たせることができるなど、その機能性が高
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の壁パネルの取付構造の一実施例を示す
正面図である。

【図２】同壁パネルの取付構造を示す断面図である。

【図３】本発明において使用される壁パネルの一例を示
す一部展開斜視図である。

【図４】同壁パネルを示す断面図である。

【図５】本発明において使用される固定用金物の一例を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 壁パネル ２ 合板 ３ 枠体 ４ 切欠穴 ６ ボルト １０ 梁 １１ 固定用金物 １５ 長穴（穴）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合板の両面の少なくとも周縁部に、四角
   枠状に組み立てられた枠体を接合してなる壁パネルの取
   付構造であって、 合板の側端面には、該側端面に開口しかつ縦方向に貫通
   する切欠穴が設けられ、壁パネルは、この切欠穴を隣接
   する壁パネルあるいは他の部材の側端面に同様に設けら
   れた切欠穴と合わせ、かつ上下端面を梁あるいは床パネ
   ルに突き合わせた状態で配設され、 前記梁あるいは床パネルには、前記切欠穴に連通する穴
   を備えた固定用金物が取り付けられ、この切欠穴から上
   下の固定用金物まで貫通してボルトが通され締結されて
   なることを特徴とする壁パネルの取付構造。