JPH06104707B2 - 塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH06104707B2
JPH06104707B2 JP59109356A JP10935684A JPH06104707B2 JP H06104707 B2 JPH06104707 B2 JP H06104707B2 JP 59109356 A JP59109356 A JP 59109356A JP 10935684 A JP10935684 A JP 10935684A JP H06104707 B2 JPH06104707 B2 JP H06104707B2
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孝 井坂
廉 春日
秀行 板垣
秀明 高原
好孝 毛利
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塩化ビニルの製造法に関し、さらに詳しくは
単独重合体の二次転移点が−10℃以下であるアルキルア
クリレートおよび/又はアルキルメタクリレートと単独
重合体の二次転移点が0℃以上であるモノマーとの共重
合体に、塩化ビニルをグラフト共重合させた耐衝撃性、
耐候性、曲げ弾性率に優れる塩化ビニル樹脂を製造する
方法に関する。
〔従来の技術〕
塩化ビニル樹脂は、優れた物理的、機械的性質を有して
いるため、硬質、半硬質、軟質等多くの用途がある。し
かし、硬質用に塩化ビニルホモポリマーを使用すると、
耐衝撃性、耐候性に劣るという欠点を有している。
これらの欠点を改良する方法として、塩化ビニルホモポ
リマーと各種の弾性体とのポリマーブレンドがあるが、
この方法によれば耐衝撃性を改良することができるが、
耐候性、曲げ弾性率が低下するという欠陥を有してい
る。
アルキルアクリレート重合体に塩化ビニルをグラフト共
重合して得られた塩化ビニルグラフト共重合体が知られ
ており(特公昭39−17067)、この塩化ビニルグラフト
共重合体は、耐衝撃性がホモポリマーと弾性体のポリマ
ーブレンドに比べ向上しているが、曲げ弾性率が充分で
ないという欠点があつた。
以上の如く、現在までに知られた各方法がいずれも一長
一短があり、そのため用途もある程度制限されて来た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、耐衝撃性、耐候性に優れ、かつ曲げ弾
性率にも優れた塩化ビニル樹脂を製造する方法を提供す
ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた
結果、単独重合体の二次転移温度が−10℃以下であるア
ルキルアクリレートおよび/又はアルキルメタクリレー
トと単独重合体の二次転移温度が0℃以上であるモノマ
ーとの共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合すること
により、耐衝撃性、耐候性に優れ、かつ曲げ弾性率にも
優れた塩化ビニル樹脂を製造し得ることを見出し、本発
明に至つた。
すなわち、本発明は、単独重合体の二次転移温度が−10
℃以下であるアルキルアクリレートおよび/またはアル
キルメタクリレート60〜95重量%と、単独重合体の二次
転移温度が0℃以上であるモノマー(スチレンを除く)
40〜5重量%からなるアクリル系共重合体1〜30重量部
に、塩化ビニル99〜70重量部をグラフト共重合すること
を特徴とする耐衝撃性、耐候性に優れ、かつ曲げ弾性率
にも優れた塩化ビニル樹脂の製造方法である。
本発明に使用されるアクリル系共重合体とは、アルキル
アクリレートおよび/又はアルキルメタクリレートを主
体とし、他のモノマーとの共重合体である。
アルキルアクリレートおよび/又はアルキルメタクリレ
ートとしては、ホモポマーとしたときにその二次転移温
度が−10℃以下のものが耐衝撃性に優れ有利であり、例
えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソ−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルア
クリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシル
メタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート等があげられる。
アルキルアクリレートおよび/又はアルキルメタクリレ
ートは、アクリル系共重合体中、グラフト共重合体中い
ずれでもソフトセグンメントとして働き、その使用量は
アクリル系共重合体中95〜60重量%が好適である、95重
量%以上では曲げ弾性率の向上が望めず、70重量%未満
では耐衝撃性が低下するので好ましくない。
また、モノマーとは、アルキルアクリレートおよび/ま
たはアルキルメタクリレートと共重合することによりア
クリル系共重合体中、グラフト共重合体中でハードセグ
メントとして働き、単独共重合体での二次転移温度が0
℃以上のものが有利であり、例えばα−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
ラウリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、メチ
ルアクリレートのアルキルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ートなどのアルキルメタクリレート類等をあげることが
でき、これらは単独、又は二種以上の混合で使用され
る。
なお、このモノマーの使用量は、アクリル系共重合体中
5〜40重量%が好適であり、5重量%未満では曲げ弾性
率の向上が望めず、又40重量%では耐衝撃性が低下する
ので好ましくない。
特に、曲げ弾性率を調整する場合はこれらの内でもメチ
ルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリロニト
リルの使用が好適である。
本発明に使用するアルキルアクリレートおよび/又はア
ルキルメタクリレートとモノマーとの共重合体は、乳化
重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等の重合方法によ
り一般公知の乳化剤、分散剤、触媒等を使用して得られ
る。本発明を有利に実施するには、乳化重合を採用する
ことが望ましい。
一般的な乳化重合法によつて共重合体を得る方法として
は、例えばジャケット付重合反応機内に純水、アニオン
系乳化剤、水溶性重合触媒を入れ、缶内の空気を排除
し、次いでアルキルアクリレートおよび/又はアルキル
メタクリレートとモノマーを装入し、乳化後缶内をジャ
ケットにより加熱し、共重合反応を開始させる。この共
重合反応は発熱反応であり、必要に応じてジャケットよ
り内部温度の制御を行なう。反応終了後、未反応のモノ
マー類を缶外に除去し、アクリル系共重合体を得る。
重合反応機への装入方法は限定されるものではない。
又、必要に応じてアクリル系共重合体の粒径調整剤、共
重合反応を制御するため触媒の分解促進剤等を添加して
も良い。
グラフト共重合の幹ポリマーとして使用する場合、アク
リル系共重合体の使用量は1〜30重量部が適当である。
アクリル系共重合体の使用量が1重量部未満では、耐衝
撃性が充分でなく又、30重量部を超えると耐衝撃性は向
上するが、曲げ弾性率が低下するので好ましくない。
本発明のグラフト共重合方法としては、懸濁重合法、乳
化重合法、溶液重合法、無溶媒重合法等があげられる
が、本発明を有利に実施するには、懸濁重合法を採用す
ることが望ましい。
懸濁重合法を行う場合、アクリル系共重合体と塩化ビニ
ルモノマーの総量に対する水の使用量は1〜5倍、好ま
しくは1〜4倍である。
一般的な懸濁重合法によつてグラフト共重合樹脂を得る
方法は、例えばジャケット付重合反応機内に純水、ヒド
ロキシプロピルメチルセルローズのような懸濁安定剤、
ラジカル重合開始剤、必要に応じて重合度低下剤を入
れ、これにアクリル系共重合体を入れて懸濁し、次いで
缶内の空気を排除し、次いで塩化ビニルを必要に応じそ
の他のビニル化合物と共に装入する。その後缶内をジャ
ケットにより加熱し、アクリル系共重合体を塩化ビニル
類に溶解し、グラフト共重合を開始させる。グラフト共
重合は発熱反応であり、必要に応じてジャケットより内
部温度の制御を行う。反応終了後、未反応の塩化ビニル
類を缶外に除去し、スラリー状のグラフト共重合樹脂を
得る。スラリーは常法にしたがい脱水乾燥されグラフト
共重合樹脂が得られる。又、重合反応機への装入方法は
限定されるものではなく、純水、懸濁安定剤、アクリル
系共重合体そして塩化ビニル等の装入原料のうち、アク
リル系共重合体を塩化ビニルに溶解して装入するという
方法も採用される。
グラフト共重合にあたつては、耐衝撃性、耐候性および
曲げ弾性率を低下させない範囲で、他の単量体を共存さ
せてもよい。
本発明を実施するにあたり、グラフト共重合はラジカル
重合法で行うのが有利であり、そのために使用されるラ
ジカル重合開始剤としては、ラウロイルパーオキサイ
ド、ターシャリ−ブチルパーオキシピバレート、ジイソ
プロピルパーオキジシカーボネート、ジオクチルパーオ
キシジカーボネート等の有機パーオキサイド類、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,
4′−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物の油溶性
重合開始剤、および、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の水溶性重合開始剤があげられる。これらの重合
開始剤の使用量は、塩化ビニル類100重量部あたり0.005
〜1.0重量部とするのが好ましい。
分散剤としては、メチルセルローズ、エチルセルロー
ズ、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ、ヒドロキシ
エチルセルローズ、ポリビニルアルコール及びその部分
ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン
等の有機物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、燐酸
カルシウム等の無機物が単独又は組み合せて使用され
る。その使用量は、通常塩化ビニル類100重量部に対し
て0.01〜1.0重量部である。
さらに本発明は、ビニル単量体を重合する従来の方法に
おいて使用されている連鎖移動剤を塩化ビニル樹脂100
重量部に対して0.001〜10重量部添加してもよい。
〔発明の効果〕
本発明の方法で得られたグラフト共重合樹脂は、塩化ビ
ニル樹脂の成型加工に使用される通常の熱安定性、滑
剤、加工助剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、顔
料等を配合することにより通常の成型加工を行うことが
でき、耐衝撃性、耐候性、機械的強度に優れた特性を生
かして建材等に好適に使用される。
〔実施例〕
以下、実施例によつて本発明を具体的に説明する。な
お、実施例中に示されている部は重量部である。
実施例1〜3,比較例1〜6 攪拌翼を装備した内容積7m3の重合機に脱イオン水、第
1表に示す組成を有するアクリル系共重合体、分散剤、
重合開始剤を装入し、内部の空気を真空ポンプで除去し
た後、塩化ビニルを挿入し重合を行なつた。なお、重合
処方、重合温度、時間は第1表に示した。
その後、塩化ビニルを除去したのち、内容物を過乾燥
し白色の粉末を得た。この粉末の平均重合度、塩化ビニ
ル以外の成分を測定した。その結果を第1表に示す。
得られたグラフト共重合樹脂100部に三塩基性硫酸鉛2
部、二塩基性ステアリン酸鉛2部、ステアリン酸鉛1.5
部を均一に混合し、更に180℃の熱ロールで5分間混練
し、180℃で5分間プレスすることによりシートを作成
し、このシートから採取した試料についてシャルピー衝
撃強度、耐候性、曲げ弾性率を測定した。これらの結果
も第1表に示す。
比較例7 実施例1において、アクリル系樹脂を用いない以外は実
施例1と同様にして重合を行ない、塩化ビニルホモポリ
マーを得た。
このホモポマー100部に、アクリル系耐衝撃剤(組成;n
−ブチルアクリレート75%、メチルアクリレート20%、
アクリルニトリル5%)15部、三塩基性硫酸鉛2部、二
塩基性ステアリン酸鉛1部、ステアリン酸鉛1.5部を均
一に混合し、実施例1と同様にしてシートを作成し、物
性を測定した。結果を第1表に示す。
シャルピー衝撃強度はJISK−6745により測定した。
曲げ弾性率はJIS K−6740により測定した。
耐候性は、カーボンアークサンシャインウェザロメータ
ー(スプレー12/60分、ブラックパネル63℃)にて200H
照射し変色を比較した。
比較例8 アクリル系共重合体の共重合成分として、n−ブチルア
クリレート、メチルメタクリレート及びスチレンを用い
た他は、実施例1と同様にして重合を行い、塩化ビニル
グラフト共重合体を得た。
この樹脂を、実施例1と同様にしてシートを作成し、実
施例1と同様にして物性を測定した。結果を第1表に示
す。
以上の結果、本発明のグラフト共重合樹脂は、耐衝撃
性、耐候性、機械的強度に極めて優れていることがわか
る。
フロントページの続き 審判の合議体 審判長 古宮 一石 審判官 花岡 明子 審判官 種村 慈樹 (56)参考文献 特公 昭43−17990(JP,B1) 特公 昭47−18857(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単独重合体の二次転移温度が−10℃以下で
    あるアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタ
    クリレート60〜95重量%と、単独重合体の二次転移温度
    が0℃以上であるモノマー(スチレンを除く)40〜5重
    量%からなるアクリル系共重合体1〜30重量部に、塩化
    ビニル99〜70重量部をグラフト共重合することを特徴と
    する塩化ビニル樹脂の製造方法。
JP59109356A 1984-05-31 1984-05-31 塩化ビニル樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JPH06104707B2 (ja)

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JPS60255812A JPS60255812A (ja) 1985-12-17
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8694735B2 (en) 2004-02-05 2014-04-08 Micron Technology, Inc. Apparatus and method for data bypass for a bi-directional data bus in a hub-based memory sub-system

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8694735B2 (en) 2004-02-05 2014-04-08 Micron Technology, Inc. Apparatus and method for data bypass for a bi-directional data bus in a hub-based memory sub-system

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