JPH0610013Y2 - 本葺用平瓦 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は水切りを設けた本葺用平瓦に関する。

従来平瓦を使用した本葺屋根においては、風雨のさい吹
込みあるいは毛細管現象等により平瓦の上下の重なり合
い部や丸瓦との重なり合い部から雨水が逆流、溢流して
浸入し漏水の原因になつている。これを防止するため、
例えば平瓦本体の上下の重なり合い部に水返えしを設け
ると共に左右両側縁から所定の間隔を残して堤壁を突設
し、更に該堤壁の外側面の下隅に凹欠溝を形成し、該平
瓦の堤壁とこの平瓦の左右に隣接して葺設された平瓦本
体の堤壁との間に葺土を盛りつけると共にその上に丸瓦
をその両端を両堤壁上にまたがらせてのせるようにした
ものや平瓦本体の左右両側端に後部側を少し残して前記
を薄く後部を厚く形成した溢水防止用の突縁をその内側
の下隅が平瓦本体に対し殆んど直立するように設けると
共に前記突縁の上部を外側横方向に突出せしめその上面
に切溝を形成したものがあるが、これらはいづれもその
構造が複雑で、製造にも多くの手数と困難な作業を伴な
う等の欠点がある。

本案は平面視して平瓦の流水面の上部区帯と左右両側部
区帯にまたがり、流水面の下部区帯に行くにしたがいそ
の深さが漸次浅くなり下部区帯に連なる流水溝を設け、
該流水溝を断面楔状に形成し、該流水溝で囲まれた内側
に前記流水溝との間に間隔を存して上部が深く下部に行
くにしたがい漸次浅くなり流水面の下部区帯に連なる流
水部を設けたもので、上下に重ね合わされた平瓦の重ね
合わせ部および側部に重ね合わされた丸瓦と平瓦の重ね
合わせ部等からの逆流による雨漏りは生じない。

以下本案の実施例を述べると、平瓦(1)の流水面(2)の上
部区帯(2a)、左右両側部区帯(2b)、(2b)にまたがり下部
区帯(2c)において流水面に連なる流水溝(3)が刻設され
ている。流水溝(3)は断面ほぼ楔状に形成され、雨水の
流れ込み側の溝壁(3a)の傾斜は垂直乃至垂直に近い急傾
斜に形成すると共に、他側の溝壁(3b)は緩やかに形成が
好ましい。流水溝は上述の如く形成されているので、こ
の流水溝を設けた平瓦を葺設したさい、上下に重ね合わ
された上部側の平瓦や、側部に重ね合わされている丸瓦
から流下した雨水は存在する楔状に形成された溝壁を有
する流水溝に吸引的に流れ込むと共に溝内を流失し、前
記雨水の流下部位に該当する流水面には流下雨水の滞留
が全くなく、毛細管現象その他逆流等による雨漏りは生
じない。

上記流水溝を設けた平瓦の流水溝(3)によって区画され
た内側の流水面(21)に前記流水溝(3)との間に適当な幅
で流水面(21a)を残し、上部（雨水の流れ込み側）がほ
ぼ前記流水溝と同じ深さの凹部(4)を存し流水面の下部
区帯に行くにしたがい漸次浅くなり、前記下部区帯にお
いて流水面に連なる広幅の流水部(5)を設けて、前記流
水溝に流入し平瓦の中央部において流水溝から溢水する
雨水を前記流水部の凹部に再び吸引的に流れ込み、流水
溝(3)の水嵩を低位に保ち前記流下部位における雨水の
滞留が一層速かに解消でき、逆流による雨漏が一層確実
に防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図は平面図、第２図は
第１図のII−II線断面図、第３図は第１図のIII−III線
断面図である。 (1)は平瓦、(2)は流水面、(2a)は上部区帯、(2b)は側部
区帯、(2c)は下部区帯、(3)は流水溝、(3a)は流れ込み
側の溝壁、(3b)は流出側の溝壁、(4)は凹部、(5)は流水
部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面視して流水面の上部区帯と左右両側部
   区帯にまたがり、流水面の下部区帯に行くにしたがいそ
   の深さが漸次浅くなり下部区帯に連なる流水溝を設け、
   該流水溝を断面楔状に形成し、該流水溝で囲まれた内側
   に前記流水溝との間に間隔を存して上部が深く下部に行
   くにしたがい漸次浅くなり流水面の下部区帯に連なる流
   水部を設けた本葺用平瓦。