JP3746363B2 - 平板状の瓦 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、平板状の瓦に関する。
【0002】
【従来技術】
洋風な瓦として使用されるこの種の瓦には、図1に示すように一側に瓦受け2を有し、表面が凹凸状をなして雨水が凹部3を伝い落ちるようにしたタイプのものが多いが、表面が平坦なタイプのものもある。そしてその瓦の葺き方には、図2に示すように瓦1を棟から軒に向かって千鳥状に置いて葺く方法と、図3に示すように瓦1を棟から軒に向かって一列となるように置いて葺く方法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示す瓦の葺き方では、左右の両端に瓦を半分に切ったものを用いて葺かねばならないのに対し、図3に示す瓦の葺き方では、半分に切った瓦を使用する必要がなく、瓦を切らなくてもよい分、手間が軽減されるが、問題は並べた瓦1間の隙間(図3においてaで示す)より瓦受けに流れ込んだ雨水がそのまゝ下側の瓦間の隙間より瓦受け上に流れ込み、瓦受け上の雨水が軒に向かい、次第に水量を増して図1に示す水返し4を越え、雨洩れを生じ易いことである。
【0004】
本発明は、上記の問題を解消することができる平板状の瓦を提供することを目的とする。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明はそのため、一側に瓦受けを有し、瓦受けには側端に水返しを突設した平板状の瓦において、瓦を瓦間の隙間が棟から軒に向かって一直線となるように葺いたときに瓦受けに流れ込んだ雨水を右斜め下方に案内して右下の瓦上に流出させ、下方にそのまゝ流出させないようにするための堰を瓦受の下端部に設けたものである。
【0006】
本発明によると、図3に示すように瓦を葺いた場合、瓦間の隙間より瓦受け上に流れ込んだ雨水は堰に案内されて図3の右下の瓦上に流出し、下側の瓦受け上にそのまゝ流れ込むことがない。
図3において、上側の瓦の瓦受けより右下の瓦上に流出した雨水が一部でも図3の左方に流れ、瓦間より瓦受け上に流れ込まないようにするため、瓦左上側の当該部には上側の瓦の瓦受けより流出した雨水を瓦中央部に向かって流出するように案内する案内溝を設けるとよい。
また瓦を図2に示すように千鳥状に葺いた場合や、図3に示すように上下一列になるように葺いた場合、図2及び図3の矢印で示すように、上側の瓦より下側の瓦の左側部上に流出する雨水が図2及び図3の左方に流れ、瓦間より瓦受け上に流れ込まないようにするため、瓦左側部に雨水を瓦中央部に向かって流出するように案内する、凹部や凸部よりなるガイドを設けるのが望ましい。
【0007】
したがって別の発明は、瓦を葺いたとき上側の瓦の瓦受けより流出した雨水を瓦中央部に向かって流出するように案内する案内溝を設けたことを特徴とし、更に別の発明は、瓦を葺いたとき上側の瓦より流出する雨水を側縁より瓦中央部に向かって流出するように案内するガイドを設けたことを特徴とする。
本発明は、焼瓦に適用されるほか、スレ−ト瓦にも適用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図4に示す瓦11は、瓦受け12の下端部に下流に向かって傾斜する傾斜面を備えた堰13を水返し14と同じ高さに突設し、瓦受け12に流れ込んだ雨水が右斜め下方に流出するようにしたもので、瓦上側部には、上側に葺いた瓦の瓦受け12より流出する雨水を瓦中央部の凹部16に向かって案内する案内溝15を形成している。
【0009】
本実施形態の瓦によると、瓦を図3に示すように瓦間の隙間が棟から軒に向かって一直線となるように葺いた場合、瓦間の隙間より瓦受けに流れ込んだ雨水は堰13によって図3の右斜め下の瓦の案内溝15を通って瓦中央部に流出するようになり、瓦受け上の雨水がそのまゝ下側の瓦受け上に流れ込むようなことはない。
図5に示す瓦21は、瓦受け22の下側部に図4に示す瓦11と同様の堰23を形成し、瓦受け22に流れ込んだ雨水を右斜め下方に流出させるようにすると共に、図の左側部に右斜め下方に傾斜する凹溝よりなるガイド24を平行して形成し、上側の瓦より流れ込む雨水を瓦中央部の凹部25に流出させるようにしたものである。
図6に示す瓦31は、瓦受け32の下側部に堰23と同じ構造の堰33を形成し、瓦受け32に流れ込んだ雨水を右斜め下方に流出させるようにすると共に、図の左側部に右斜め下方に傾斜し、かつ上縁の水返し35と同じ高さの凸部よりなるガイド34を平行して突設し、上側の瓦より流れ込む雨水を凹部36に流出させるようにしたものである。
【0010】
別の態様では、凹溝よりなるガイド24と凸部よりなるガイド34が組み合わせて形成される。
図示する瓦はいづれも、表面が凹凸状をなしているが、表面が平坦な瓦でも同様に構成される。
【0011】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、瓦を瓦間の隙間が棟から軒に向かって一直線となるように葺いたときでも、瓦間の隙間より瓦受けに流れ込んだ雨水がそのまゝ下側の瓦受け上に流れ込むようなことがなくなり、したがって瓦受け上に流れ込んだ雨水の水量が増して水返しを越えることによる雨洩れを防止することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、上側に葺いた瓦の水返しより流出した雨水が案内溝を通って瓦中央部に流出するようになり、瓦受けに流れ込まないようにすることができる。
請求項3記載の発明によると、上側に葺いた瓦より下側の瓦側縁上に流れ込んだ雨水がガイドを通って瓦中央部に流出するようになり、瓦受けに流れ込まないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の平板状瓦の斜視図。
【図2】瓦を千鳥状に葺いた状態を示す平面図。
【図3】瓦を隙間が上下に一直とになるようにして葺いた状態を示す平面図。
【図4】本発明に係わる平板状瓦の斜視図。
【図5】本発明に係わる平板状瓦の別の実施形態の斜視図。
【図6】本発明に係わる平板状瓦の更に別の実施形態の斜視図。
【符号の説明】
11、21、31・・瓦
12、22、32・・瓦受け
13、23、33・・堰
14、35・・水返し
15・・案内溝
16、25、36・・凹部
24、34・・ガイド
Claims (3)
- 一側に瓦受けを有し、瓦受けには側端に水返しを突設した平板状の瓦において、瓦を瓦間の隙間が棟から軒に向かって一直線となるように葺いたときに瓦受けに流れ込んだ雨水を右斜め下方に案内して右下の瓦上に流出させ、下方にそのまゝ流出させないようにするための堰を瓦受の下端部に設けたことを特徴とする平板状の瓦。
- 上側の瓦の瓦受けより流出した雨水を瓦中央部に向かって流出するように案内する案内溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の平板状の瓦。
- 上側の瓦より流れ込む雨水を側縁より瓦中央部に向かって案内するガイドを設けたことを特徴とする請求項1記載の平板状の瓦。
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JP9-247127 | 1997-09-11 | ||
JP32451897A JP3746363B2 (ja) | 1997-09-11 | 1997-11-26 | 平板状の瓦 |
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Family Applications (1)
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-
1997
- 1997-11-26 JP JP32451897A patent/JP3746363B2/ja not_active Expired - Fee Related
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