JP4482300B2 - 千鳥葺き平板瓦 - Google Patents

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Description

本発明は、屋根の構成要素である野地板等の下地材の上に、いわゆる千鳥葺き施工される排水性に優れた平板瓦、特に暴風雨にさらされても平板瓦とそれに隣接して葺かれる他の平板瓦との間の隙間から前記下地材側に雨水の浸入がなく、しかも暴風に飛ばされない機構を備えた排水性と耐暴風雨性に優れた平板瓦に関するものである。
従来からこの種の平板瓦は公知であり、例えば、特開昭63−130849号公報記載の瓦(公知技術)がある。すなわち、図17に示すように、平板瓦の瓦本体(以下において、「平板瓦」とも称する)1の表面2を、刷毛状の平面形状をなすテーブルマウント3により、横方向に略2分割して、前記表面2を流下する雨水を分流させる構造の平板瓦が公知である。
この平板瓦を前記下地材の上において軒先側から棟側に向かって葺上げ施工する場合、平板瓦とそれに隣接して葺かれる他の平板瓦との間に形成される隙間を屋根全体に分散させるために、図18に示すように、瓦本体1の上段斜め位置に同様の構造を有する他の瓦本体、すなわち、上方平板瓦1aを矢印Xの方向に、瓦本体1の横幅Wの半分だけずらせて、瓦本体1に対して部分的に重ねて葺き上げる施工法、すなわち千鳥葺き工法が採用される。そのため、前記上方平板瓦1aにおいて、それに隣接する他の上方平板瓦の桟部(図示なし)に被覆される差込部C寄りの第一表面(図の左側表面)2aを流下する雨水は、矢印Zに示すように、その下段に葺かれる瓦本体1の桟部D寄りにある第二表面(図の右側表面)2b上に落下し、屋根の傾斜面に流下してゆくにつれて、流量又は流速を高める。従って、前記瓦本体1は、その表面2に降雨した雨水を瀧状に流下させて、瓦本体1同士の隙間に雨水を浸入し難くするという特有の効果を発揮している。
ところが、前記公知技術に係る瓦本体1においては、その表面2が全体として平坦になっている上に、前記テーブルマウント3の先端部3aが尻部水返し7と連接していないために、上方平板瓦1aの第一表面2aから瓦本体1の第二表面2b上に落下した雨水は、第二表面2bの尻部A寄りの部位Pで面状に拡がり、その結果、第二表面2bを流下する雨水の流速が低下するとともに、雨水の流下量によっては第一表面2aに雨水が流れ込み、ひいては瓦本体同士が隣接する隙間に雨水が浸入し易くなるという問題がある。雨水が前記隙間に浸入しても、前記差込部Cには突条の差込部水返し4が設けられているので、そこで雨水が受け止められて頭部B側に流下するが、筋葺きされる、いわゆるJ型瓦における隙間と異なり、開口を上方に向けて隙間をつくる千鳥葺き平板瓦においては、その隙間に対する防水性能は、J型瓦のそれより劣ることは否定できない。
そこで、本発明者は、屋根の下地材の上に千鳥葺きされる平板瓦上に降水した雨水を相隣接する平板瓦間の隙間により入り難くするために、鋭意、研究したところ、前記平板瓦の表面上に円弧面状の溝部を1枚の平板瓦につき2筋形成して、それらのいずれかの溝部に対して平板瓦に降水した雨水が確実、迅速に集水されるようにすれば、その平板瓦はJ型瓦の排水機能と同様に機能を具備するに至り、その結果、前記溝部に集水された雨水の流下速度は屋根の下流側にゆくにつれて増大して、前記隙間に浸水し難くなるという事実を見出し、本発明を完成した。
特開昭63−130849号公報
従って、本発明の第一の課題は、屋根の下地材の上に千鳥葺きされる平板瓦に降雨した雨水を平板瓦の特定の表面に集水させて水路を形成することにより、流速又は流量を高めて雨水を流下させるとともに、その平板瓦と同一段に隣接して葺かれる隣接平板瓦との隙間に流下する雨水を浸入し難くすることにある。
上記のように平板瓦と隣接する平板瓦との隙間に流下する雨水の浸入防止策が必要なのは、暴風雨を伴う多量の降雨時であるので、本発明の第二の課題は、対象としている平板瓦の上下段に隣接して葺かれる上下段平板瓦との隙間に暴風雨の雨水が浸入しないよう防水することにある。
前記第一の課題を解決するために本発明は、平板瓦の瓦本体の表面に、尻部水返しとの境界から頭部にかけてその途中で段差なく実質上連続して延びる横方向中央が最も深い凹円弧面状の溝部を2筋、前記同様に尻部水返しとの境界から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部を介して、設けるとともに、前記瓦本体の先端下垂部の下端における、前記瓦本体の下段に千鳥葺きされる2枚の下段平板瓦の各下段瓦本体の表面に前記瓦本体と同様に設けられた溝部の表面に当接する2つの部位を、それぞれ横方向中央が下方へ最も突出した凸円弧状にしたという手段を採用する。この手段を採用することにより、屋根の全面において、複数の前記溝部が、棟部から軒先部にかけて連続した状態で平行に配分されるので、屋根は、平板瓦で千鳥葺きされているにも拘わらず、あたかも、J型瓦が屋根に筋葺きされた場合と同様の機能を発揮して、屋根に降水した雨水をいずれかの溝部に確実かつ迅速に集水して、瀧状に流下させる。
本発明において千鳥葺きされる平板瓦に対して暴風雨時にも前記機能を完全に発揮させるには、その前提として平板瓦が暴風雨により吹き飛ばされないようにする手段も併せて講ずる必要がある。そこで、本発明は、瓦本体の表面に尻部から頭部にかけて実質上連続して延びる円弧面状の溝部を2筋、前記同様に尻部から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部を介して、設けるとともに、前記瓦本体の上段斜め位置に葺かれる上方平板瓦と係合する係合部を前記尻部に設け、さらに前記瓦本体の下段斜め位置に葺かれる下方平板瓦の係合部が引っ掛かる被係止部を、前記瓦本体と同一段において隣接して葺かれる隣接平板瓦の桟部が被さる差込部に、設けるという手段を採用する。
そしてこの手段を採用するとき、前記係合部の側面形状をフック形乃至はうねり波形にするとともに、前記被係止部を前記差込部の側部において前記頭部寄りの途中を上面から部分的に肉盗みをして蹴上げ状に形成する。さらに好ましくは、前記被係合部の下面を実質上瓦本体の下面と面一にするとともに、前記被係合部に対して、瓦本体が暴風雨を受けても、斜め下方に葺かれる下方平板瓦の係止部との係合が維持されるに十分な強度を保持させる。具体的には、前記被係合部を瓦本体の内方にゆくにつれて厚肉に形成する。
本発明は、平板瓦によって千鳥葺きされた屋根が暴風雨にさらされてもその機能を完全に発揮するようにするという第二の課題を解決するために、瓦本体の表面に尻部から頭部にかけて実質上連続して延びる円弧面状の溝部を2筋、前記同様に尻部から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部を介して、設けるとともに、前記中央平坦部及び前記溝部の外側でそれらの一部分を切欠いて係止凹部を形成し、その係止凹部に前記瓦本体の上段に葺かれる平板瓦の先端垂下部を嵌入可能にするという手段を採用する。そしてこの態様において、前記先端下垂部の下端は、前記溝部並びに前記中央平坦部及び前記溝部の外側の平坦部に当接可能な形状にトリミングしておく。
また、前記第二の課題を解決するための他の手段として、瓦本体の表面に尻部から頭部にかけて実質上連続して延びる円弧面状の溝部を2筋、前記同様に尻部から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部を介して、設けるとともに、前記尻部に前記瓦本体の表面のうち、降雨した雨水を受ける表面、具体的に前記第一、第二溝部、中央平坦部及び桟側平坦部(後述)等の平面より高い堰状の尻部水返しを設けるという手段を採用する。
さらに好ましくは、瓦本体の表面に尻部から頭部にかけて実質上連続して延びる円弧面状の溝部を2筋、前記同様に尻部から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部を介して設けるとともに、その中央平坦部を前記尻部水返しと連接するという手段を採用する。加えて前記尻部水返しの桟部寄りの部位に、他の部位より高く嵩上げされた嵩上げ部を設けて、暴雨風時に瓦本体と上段平板瓦との隙間に吹上げられる雨水の浸入を防止する。
以上のように構成された本発明に係る平板瓦で千鳥葺きされた屋根は、上述したように全体に平板瓦で千鳥葺きされているにも拘わらず、あたかも、J型瓦が屋根に筋葺きされた場合と同様の機能を発揮するが、さらにその機能をより高めるために、本発明は、瓦本体の表面に尻部から頭部にかけて実質上連続して延びる円弧面状の溝部を2筋、前記同様に尻部から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部を介して、設けるとともに、前記中央平坦部において前記尻部側から頭部側に向かって延びる流し溝及び/又は突条を設けるという手段を採用することにより、溝部から前記中央平坦部に拡がろうとする雨水の浸入を防止する。同時に、流し溝及び/又は突条を、瓦本体の上下段において葺かれる上下段瓦本体の端面と同一線上に位置させることにより、千鳥葺き施工後の屋根に対して、J型瓦により筋葺きされたような外観乃至は平板瓦の半分の幅しかない、いわゆる小割り瓦で葺かれたような外観を付与させる。
上記機能を発揮する本発明は、屋根の下地材の上に千鳥葺きされる平板瓦に降雨した雨水を平板瓦の特定の表面に集水させて水路に形成することにより、流速乃至は流量を高めて流下させるとともに、平板瓦と同一段に隣接して葺かれた隣接平板瓦との隙間に雨水を浸入し難くするという優れた効果を発揮する。加えて、本発明に係る平板瓦に千鳥葺きされた屋根が暴風雨にさらされ、多量の降雨を受けたときでも、平板瓦とその上下段に隣接する上下段平板瓦との隙間に暴風雨の雨水の浸入を防止できるという優れた効果を発揮する。
次に、図面に沿って、本発明を実施するのに最良の形態について詳述する。図1〜6に示すように、本発明に係る平板瓦乃至はその瓦本体11は、公知技術に係る平板瓦と同様に、平面が略正方形をなす平らな陶板からできており、屋根の野地板に葺かれた場合、棟側に位置する尻部A、軒先側に位置する頭部B、同一段に隣接して葺かれる隣接平板瓦の側部(後述する桟部)により部分的に被覆される差込部C及び同様に葺かれる隣接平板瓦の側部(前記差込部)を部分的に被覆する桟部Dとから構成される。
瓦本体11の表面20は全体として総じて平らな面をなしているが、尻部Aから頭部Bにかけて実質上連続して延びる円弧面状の第一、第二溝部21、22が2筋、前記同様に尻部Aから頭部Bにかけて連続して延びる頂部が平らな中央平坦部23を介して、形成されており、前記表面20に降雨した雨水は、最終的にはこれら第一、第二溝部21、22に集水されて流下するようになっている。
また、前記中央平坦部23において前記第二溝部22寄りの部位には、その溝部に沿って1条の流し溝23aが設けられており、雨水が前記中央平坦部23を越えて第一、第二溝部21、22間を移動し難くしているとともに、後述するように、その流し溝23aを、瓦本体11の上段斜め位置に葺かれる上方平板瓦(前記図中には図示なし)又は前記瓦本体の下段斜め位置に葺かれる下方平板瓦(前記図中には図示なし)の側端面の延長線上に存在させることにより、本発明に係る平板瓦で葺かれた屋根が、J型瓦で筋葺きされたような外観乃至は平板瓦の半分の幅しかない小割り瓦で葺かれたような外観を呈するようにしている。
さらに瓦本体11において前記第一溝部21の差込部C側の表面が、第一溝部21に沿って細長い尾根部24として残して、段差状に低く切り落とされて、前記瓦本体11と同一段において隣接する隣接平板瓦に部分的に差し込まれる差込端部25を形成している。そしてその差込端部25の表面に2筋の突条水返し26、27が、前記尻部A側から頭部B側に向かって平行に形成されており、瓦本体11と隣接して葺かれる隣接平板瓦の桟部を支承するとともに、前記瓦本体11と隣接平板瓦との間の隙間に侵入した雨水を、前記差込端部25上で受け取って、頭部B側に流下させるようになっている。なお、前記差込端部25のうち頭部Bの端部は先端にゆくにつれて傾斜が付けられて傾斜端部25aになっており、雨水の逆流が抑制されている。
また、前記差込端部25の側部において前記頭部B寄りの途中がその上面から部分的に肉盗みされて、蹴上げ状をなす被係止部28が形成されており、後述する係合部がそれに係止して、瓦本体11が暴風雨を受けても上段の斜め位置に葺かれる上方平板瓦が吹き飛ばされるのを抑止するようになっている。なお、前記2筋の突条水返し26、27のうち、最も外方を走る外側突条水返し26は、尻部A側で屈曲して鉤状をなすとともに他の部位より若干高くなって、差込端部25に落下した雨水を尻部A側の外方に溢流させないようになっているとともに、外側突条水返し26は前記被係止部28の近くでそれを回折して、雨水を被係止部28に浸入させないようにしている。また、前記被係止部28の厚さ方向の断面は、図7に示すように、全体的に同じ肉厚で形成するか、または瓦本体11の内方にゆくにつれて厚肉に形成されており、瓦本体11が暴風雨を受けても、前記被係止部28は、それと他の瓦本体の係止部との係合が維持されるに十分な強度を有するように設計されている。
再び、図1〜6に戻って、瓦本体11の桟部D側の表面20において第二溝部22の外方には、中央平坦部23と略同様の桟側平坦部29が形成されており、第二溝部22を流下する雨水が瓦本体11から溢れないように下方に誘導する。
次に、瓦本体11の表面のうち、尻部A側の表面20は、他の表面より一段高くなっており、瓦本体11における堰状の尻部水返し30が形成されている。そして尻部水返し30は、前記中央平坦部23、尾根部24及び桟側平坦部29と連接して、瓦本体11の上段に葺かれた上段平板瓦から瓦本体11に落下する雨水が、公知技術と異なり、第一溝部21と第二溝部22との間で交流しないようになっている。なお、前記中央平坦部23、尾根部24及び桟側平坦部29において前記尻部水返し30に近い部位には、該尻部水返し30に沿って中央平坦部23、尾根部24及び桟側平坦部29のそれぞれが溝状に切り欠かれた係止凹部31、32、33が形成されており、後述するように、上段で葺かれる上段平板瓦の頭部B側の先端下垂部(後述)を嵌入させて、瓦本体11と前記上段平板瓦との相対的な位置決め機能を発揮させるるともに、相対的に前記尻部水返し30の高さを高くして水返し機能を向上させる。
さらに尻部水返し30には、瓦本体11を下地材に釘で止着するための釘係止孔34が所定間隔をおいて2個設けられているとともに、瓦本体11の尻部Aをその裏面側から前記下地材上に支承する山形支承部(後述)の谷型窪み部35が、所定間隔をおいて、2箇所に形成されている。また、尻部水返し30において桟部D寄りの部位には該尻部水返し30より高く嵩上げされた嵩上げ部36が設けられており、図8に示されるように、瓦本体11の上段斜め位置で葺かれる上方平板瓦11aの頭部B側中央部を下方から支承するとともに、暴風時に雨水が両瓦本体11と上方平板瓦11aとの隙間から吹き上がるのを防止している。
さらに加えて、尻部水返し30の中央位置より僅かに差込部C寄りの部位には、瓦本体11の上段斜め位置に葺かれる上方平板瓦11aの被係止部28と係合する係合部37が突設されている。この係合部37は、フック形乃至はうねり波形の側面形状をなして、基端部37aは下方にゆくにつれて太く形成されて、尻部水返し30との接合強度が大きくなっているのに対し、先端部37bは前記被係止部28に対する引っ掛け強度と両者の相対的位置決めを確実にしている(図7を参照)。
次に、瓦本体11の裏面について説明すると、図9〜13に示すように、同裏面38であって、前記表面20の中央平坦部23、尾根部24及び桟側平坦部29の裏側に相当する部位には、リブ39、40、41が尻部Aから頭部Bに向かって形成され、瓦本体11を補強している。また前記尻部水返し30の裏側には、前記谷型窪み部35が裏面側に窪んだ分に相当する分だけ裏面側に突出した支承部42が形成されており、瓦本体11を下地材に支承する機能を果たすようになっている。
さらに、頭部B側の端面の裏面38側寄り縁部は、前記係止凹部32、第一溝部21、係止凹部31、第二溝部22及び係止凹部33の表面に当接可能な形状にトリミングされた先端下垂部43になっており(図1参照)、その先端下垂部43は、図14に示すように、瓦本体11に部分的に重ねて上段に葺かれる上段平板瓦11uを、又は瓦本体11に部分的に重ねられて下段に葺かれる下段平板瓦11dをそれぞれ葺くとき、瓦本体11と上下段平板11u、11dとの間に生ずる隙間を塞ぐと同時に、その一部分は前記係止凹部32、31、33に嵌入して、瓦本体11等の相対的位置決め機能を果たす。なお、前記桟部D側の先端下垂部43は部分的に切り落とされてアンダーカット部44となっており、隣接して葺かれる隣接平板瓦11eにおける被係止部28の傾斜端部28aを被覆して該傾斜端部28aに対する雨水の逆流防止機能を果たしている(図14参照)。
以上のように構成される瓦本体11を野地板上に葺き上げてゆく場合について、任意の瓦本体をベースにして説明すると、図8に示すように、1枚の瓦本体11を前記野地板に載せ、その釘係止孔34に釘(図示なし)を通して瓦本体11を基準の位置に固定する。次にその瓦本体11に隣接する隣接平板瓦11eの差込部Cを、矢印Yの向きに、瓦本体11の桟部Dの下に差し込んで、同段の平板瓦を葺く。勿論、その手順を逆にして隣接平板瓦11eを基準の位置に固定し、その隣接平板瓦11aの差込部Cに対して瓦本体11の桟部Dを重ねるようにして葺くこともできる。これらの場合、それぞれ下段の斜め下の位置に下方平板瓦11bが葺かれており、その係止部37に瓦本体11の被係止部28を係止させながら、千鳥葺き工法を進めることは当然である。このように本発明に係る千鳥葺きされる平板瓦11の桟部Dに対して隣接平板瓦11eの差込部Cを横方向に差し込むだけで、平板瓦11の被係止部28が下段の斜め位置に葺かれた下方平板瓦11bの係止部37と係合する。従来技術の平板瓦1を千鳥葺きする場合において、差込部水返し4の頭部B側先端に形成してある係止部5を、下段の斜め位置で葺かれる下方平板瓦の尻部A側中央に形成してある凹状の被係止部6に嵌入係止させるとき、図18に示すように、平板瓦1を屋根の軒先側にもスライドさせる操作が必要であるが、本発明に係る平板瓦11を千鳥葺きするときこのような操作を必要としない。
続いて瓦本体11の係止部37に上段の斜め位置に上方平板瓦11aの被係止部28を係止させるとともに、先端下垂部43を前記係止凹部32、係止凹部31、係止凹部33に落とし込む。すると、上方平板瓦11aは、同時に二つの支承部42及び係止部37により、野地板及び瓦本体11上の正確な位置に設置される。以降、同様にして野地板に本発明に係る平板瓦11が、図14に示すように、葺き上げ施工される。
このように葺かれた屋根が暴風雨にさらされると、面状に配置された多数枚の平板瓦11は、基準として葺かれた平板瓦と最終的に葺き上げられた屋根周縁部の平板瓦さえ、確実に野地板に固定すれば、他の平板瓦は、相互に前記被係止部28と係止部34との共働作用により野地板上に固定される。
一方、平板瓦11の表面20に降った雨水は、最終的に第一、第二溝部21、22に集められるとともに、第一溝部21に集められた雨水は軒先に到達するまで、従来技術と異なり、第二溝部22に流れ込むことはほとんどないし、またその逆もない。そのため雨水が各溝部21、22を流下してゆく過程で流速乃至は流量を増大させるので、本発明に係る平板瓦11はあたかもJ型瓦のような優れた排水機能を発揮する。なお、同一段において隣接して葺かれる平板瓦同士の隙間に雨水が浸入するのは、尾根部24と桟側平坦部29に降雨した雨水の一部であるが、これは公知技術と同様に差込端部25に受けられて流下する。
また、本体瓦11とその上下段に葺かれる上下段平板瓦11u、11dとの間に形成される隙間は、各平板瓦の先端下垂部43により遮断されているので、暴風雨時に平板瓦がめくり上がることもないし、雨水の浸入もない。
本発明の平板瓦11により葺かれた屋根においては、中央平坦部23上の流し溝23aは、上下段本体瓦瓦11u、11dの桟側平坦部29の端面を延長させた線上に設置されているので、中央平坦部23と第二溝部22間の雨水の交流を遮断する効果以外に、屋根全体を見ると平板瓦を筋葺きしたような外観又は小割り瓦で葺かれたような外観を呈し、屋根の見栄えを向上させるという効果を発揮する。
本発明の根本的技術思想を踏襲し発明の効果を著しく損なわない限度において、前記態様の一部分を、例えば次のように変更してもよく、その変更態様も、当然、本発明の技術的範囲に包含される。(1)図15に示すように、第一、第二溝部21,22と尻部水返し30との境界形状21a,22aを湾曲に形成することもできる。(2)その他、第一、第二溝部21,22の平面形状や深さ、中央平坦部23,尾根部24及び桟部平坦部29の平面形状や表面状態等は本発明に係る平板瓦11がJ型瓦的な機能を損なわない限度に変更でき、例えば、中央平坦部23の表面状態は完全な平面でなくても、図16に示すように、上に緩やかな膨らみを有する曲面形状であってもよく、またミクロ的な凹凸を有していてもよい。(3)前記中央平坦部23の流し溝23aに変えて同様の機能を発揮する流し突条を採用することもできる。
本発明は、建物の傾斜した屋根を葺く瓦として広く利用される。
本発明に係る平板瓦の斜視図である。 同平板瓦の平面図である。 同じく背面図である。 同正面図である。 左側面図である。 右側面図である。 瓦本体の被係止部と下方平板瓦の係止部との係止状態を示す部分破断斜視図である。 本発明に係る平板瓦を千鳥葺きにした状態を示す部分斜視図である。 同平板瓦の底面図である。 図9におけるE−E方向の断面図である。 図9におけるF−F方向の断面図である。 図9におけるG−G方向の断面図である。 図9におけるH−H方向の断面図である。 本発明に係る平板瓦を千鳥葺きにした屋根の部分斜視図である。 上記平板瓦の溝部と尻部水返しとの境界形状に関する別の態様を示す平面図である。 同じく上記瓦の中央平坦部等について別の態様を示す断面図である。 従来技術に係る平板瓦の斜視図である。 同平板瓦を千鳥葺きにした状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 瓦本体
1a 上方平板瓦
2 表面
2a 第一表面
2b 第二表面
3 テーブルマウント
3a 先端部
4 差込部水返し
5 尻部水返し
11 瓦本体(平板瓦)
11a 上方平板瓦
11b 下方平板瓦
11u 上段平板瓦
11d 下段平板瓦
11e 隣接平板瓦
20 表面
21 第一溝部
21a 境界形状
22 第二溝部
22a 境界形状
23 中央平坦部
23a 流し溝
24 尾根部
25 差込端部
25a 傾斜端部
26 突条水返し
27 突条水返し
28 被係止部
29 桟側平坦部
30 尻部水返し
31 係止凹部
32 係止凹部
33 係止凹部
34 釘係止孔
35 谷型窪み部
36 嵩上げ部
37 係止部
37a 基端部
37b 先端部
38 裏面
39 リブ
42 支承部
43 先端下垂部
44 アンダーカット部
A 尻部
B 頭部
C 差込部
D 桟部
P 部位
W 横幅
X 矢印
Y 矢印
Z 矢印

Claims (12)

  1. 平板瓦の瓦本体(11)の表面(20)に、尻部水返し(30)との境界から頭部(B)にかけてその途中で段差なく実質上連続して延びる横方向中央が最も深い凹円弧面状の溝部(21,22)を2筋、前記同様に尻部水返し(30)との境界から頭部にかけて連続して延びる中央平坦部(23)を介して、設けるとともに、前記瓦本体の先端下垂部(43)の下端における、前記瓦本体の下段に千鳥葺きされる2枚の下段平板瓦(11d)の各下段瓦本体の表面に前記瓦本体と同様に設けられた溝部(21,22)の表面に当接する2つの部位を、それぞれ横方向中央が下方へ最も突出した凸円弧状にしたことを特徴とする千鳥葺き平板瓦。
  2. 前記瓦本体の下段斜め位置に葺かれる下方平板瓦(11b)の尻部の略中央に設けた係合部(37)が引っ掛かる被係止部(28)を、前記瓦本体と同一段において隣接して葺かれる隣接平板瓦(11e)の桟部が被さる差込部(C)に、設けた請求項1記載の千鳥葺き平板瓦。
  3. 前記係合部(37)は、その側面がフック形状又はうねり波形状をなしているとともに、前記被係止部(28)は、前記差込部(C)の側部において、前記頭部(B)寄りの途中の一部分を上面から肉盗みすることにより、蹴上げ状に形成されている請求項2記載の千鳥葺き平板瓦。
  4. 前記被係合部(28)の下面は、実質上、瓦本体(11)の下面と面一になっている請求項3記載の千鳥葺き平板瓦。
  5. 前記被係合部(28)は、瓦本体(11)が暴風雨を受けても、下段の斜め位置に葺かれる下方平板瓦(11b)の係止部(37)との係合が維持されるに十分な強度を有している請求項3記載の千鳥葺き平板瓦。
  6. 前記被係合部(28)は、瓦本体(11)の内方にゆくにつれて厚肉に形成されている請求項5記載の千鳥葺き平板瓦。
  7. 前記中央平坦部及び前記溝部の外側の平坦部(24,29)にそれらの一部分を切欠いて係止凹部(31,32,33)を形成し、それらの係止凹部に対して、前記瓦本体の上段に葺かれる上段平板瓦(11u)の先端下垂部(43)を嵌入可能にした請求項1記載の千鳥葺き平板瓦。
  8. 前記先端下垂部(43)の下端は、前記溝部(21,22)並びに前記中央平坦部(38)及び前記溝部の外側の平坦部(24,29)に当接可能な形状にトリミングされている請求項7記載の千鳥葺き平板瓦。
  9. 前記尻部(A)に前記中央平坦部より高い表面を有する尻部水返し(30)を設けた請求項1記載の千鳥葺き平板瓦。
  10. 前記中央平坦部(23)は、前記尻部水返し(30)と連接している請求項9記載の千鳥葺き平板瓦。
  11. 前記尻部水返し(30)の桟部(D)寄りの部位に、他の部位より高く嵩上げされた嵩上げ部(36)が設けられている請求項9記載の千鳥葺き平板瓦。
  12. 前記中央平坦部において前記尻部側から頭部側に向かって溝及び/又は突条(23a)を設けた請求項1記載の千鳥葺き平板瓦。
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