JPH0596694A - 包装用積層フイルム - Google Patents

包装用積層フイルム

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JPH0596694A
JPH0596694A JP25765191A JP25765191A JPH0596694A JP H0596694 A JPH0596694 A JP H0596694A JP 25765191 A JP25765191 A JP 25765191A JP 25765191 A JP25765191 A JP 25765191A JP H0596694 A JPH0596694 A JP H0596694A
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JP
Japan
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layer
fatty acid
acid ester
film
polyolefin layer
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Pending
Application number
JP25765191A
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English (en)
Inventor
Makoto Karatsu
誠 唐津
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材フィルムと接着層を介しポリオレフィン
層を有する積層フィルムにおいて、防曇剤の接着層への
移行による層間接着強度の低下を防止し、防曇性の速効
性と持続性に優れ、ヒートシール性にも優れた包装用積
層フィルムを得ること。 【構成】 基材フィルムの少なくとも一方の面に接着剤
あるいはアンカーコート剤からなる接着層を設け、該接
着層を介して特定の非イオン性界面活性剤を含有するポ
リオレフィン層(A層)を設け、さらに、該ポリオレフ
ィン層(A層)を介して特定のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを含有するポリオレフィン層(B層)を設けてな
る包装用積層フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装用積層フィルムに
関し、詳しくは基材フィルムと接着層を介してポリオレ
フィン層を有する積層フィルムにおいて、防曇剤の接着
層への移行による層間接着強度の低下を防止し、防曇性
の速効性と持続性に優れ、ヒートシール性にも優れた包
装用積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装、化粧品包装、医薬品包
装等に於いては、内容物保護の観点から二種以上のフィ
ルムを貼合し、積層フィルムとするのが一般的である。
すなわち、セロハン,二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート,二軸延伸ポリプロピレンフィルム等の基材フィル
ムにヒートシール性を考慮して、ポリオレフィン系樹脂
層が最内層として用いられている。これら積層フィルム
は、ポリウレタン系,ポリアクリル系等のいわゆるドラ
イラミネート接着剤を利用したドライラミネーション成
形法、有機チタン系やポリエチレンイミン系,イソシア
ネート系のアンカーコート剤を下塗りし低密度ポリエチ
レン等を高温で押出し積層する押出ラミネーション成形
法、共押出ラミネーション成形法、無水マレイン酸をポ
リオレフィン樹脂にグラフト変性した公知の接着性樹脂
を利用した共押出成形法等によって積層されている。
【0003】しかし、これらの包装用フィルムは、被包
装物が含水性の場合や表面に水分が付着している場合に
は、包装フィルム内面に水滴による曇りが生じる。この
ような包装は、外観上不透明となり商品価値を低下させ
るばかりでなく、被包装物の変質を引き起こす原因とな
っていた。この現象はポリオレフィン系樹脂が、一般に
疎水性樹脂である為、包装袋内が多湿状態の雰囲気であ
るときや冷凍、冷蔵保存する温度によって、包装袋内の
水蒸気圧が飽和水蒸気圧に等しくなるとき、すなわち露
点に達するときの温度を境にして水蒸気の凝縮が生じ、
この水分がフィルム表面を均一に濡らさず、細かな水滴
として袋内面に付着するために起こるものである。
【0004】これらの問題点を解決する方法としては、
以下に示す方法が考えられる。 (1)親水性高分子化合物の皮膜層を塗布、貼合等の方
法で設け、この層に水分を吸着させる方法。 (2)ポリオレフィン系樹脂層を親水化処理し水との接
触角をできるだけ小さくすることで、水滴を成長させず
に水膜とする方法。 (3)撥水性高分子化合物の皮膜層を塗布、貼合等の方
法で設け、水との接触角をできるだけ大きくして、水滴
とせず、はじけるような皮膜を形成する方法。 (4)表面を強制的に加熱し結露を防ぐ方法。
【0005】しかしこれらのうち、(1)の方法に関し
ては、ポリビニルアルコール樹脂,ポリアクリル酸メチ
ル,セルロース・アセテート等が知られているが、この
ような親水性高分子化合物はポリオレフィン層との接着
性に劣り、剥離現象等の問題があり有効でない。(3)
の方法に関しては、ポリフッ化ビニリデン樹脂が知られ
ているが、この樹脂は、ポリオレフィン樹脂よりも、ヒ
ートシール特性や成形性に劣る等の問題があり有効でな
い。さらに、(4)の方法に関しては、包装フィルムに
は用いることができず実用性に欠けている。一方(2)
の方法に関しては、ポリオレフィン樹脂と比較的相溶性
のよい非イオン性界面活性剤を混合し成膜するかあるい
は、袋内面に当たる面にコーティングを行なう方法が一
般的であり、一部の用途では、実用化されている。しか
し、コーティングによる方法は、防曇性が経時的に低下
するため、混合あるいは混練による方法が好ましい。
【0006】この具体的な方法として例えば、特開昭5
3ー9844号公報,特公昭59ー46263号公報等
の方法が提案され、これらには基材フィルムと接着層を
介しポリオレフィン層を有する積層フィルムが開示され
ている。これらの積層フィルムでは、防曇剤が接着層に
経時的に移行して、基材フィルムとポリオレフィン層の
層間接着強度が低下するという欠点があり、さらにヒー
トシール強度が低下するという欠点を有している。ま
た、1℃程度に低温保管される場合においては防曇性の
速効性と持続性が充分に発揮されないという欠点があ
る。これらの欠点を解決するために、防曇剤の添加量を
調整する方法を検討したが、層間接着強度,ヒートシー
ル強度と防曇性のすべてを満足する積層フィルムは得ら
れなかった。
【0007】さらに、特公昭60ー34460号公報,
特公昭60ー40384号公報には、基材フィルムの印
刷層を含む面に接着剤あるいはアンカーコート剤からな
る接着層を設け、該接着層を介してポリオレフィン層を
設け、更に該ポリオレフィン層を介してソルビタン脂肪
酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,グリセリン
脂肪酸エステル,オキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックポリマー,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,
ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルの非イ
オン性界面活性剤を混練したポリオレフィン層を設けて
成る食品包装用防曇性フィルムが開示されている。これ
らの積層フィルムでは、防曇剤が接着層まで移行するこ
とを引き延ばすことはでき、基材フィルムとポリオレフ
ィン層の層間接着強度が低下するという欠点を改善でき
るが、ヒートシール強度が低下するという欠点及び1℃
程度に低温保管される場合においては防曇性の速効性が
充分に発揮されないという欠点を有し、さらに、温度変
化が繰り返された場合には、防曇効果が低下し著しい場
合には消失するため、持続性にも問題があった。
【0008】さらに、特開昭62−44447号公報に
は特定の防曇剤を3層フィルムの中間層に添加したヒー
トシール性の優れた防曇性プロピレン系樹脂フィルムが
開示されているが、1℃程度に低温保管される場合にお
いては防曇性の速効性が充分に発揮されないという欠点
を有していた。また、特開平2ー289634号公報に
はグリセリン混合脂肪酸エステルとジエタノールアミド
との混合物をポリオレフィン樹脂に対し、0.05〜
2.0重量%添加する方法が開示されているが、積層フ
ィルムとする場合の従来の問題を解決するに至っていな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、基材フィ
ルムと接着層を介しポリオレフィン層を有する積層フィ
ルムにおいては、防曇剤が接着層に経時的に移行してし
まい基材フィルムとポリオレフィン層の層間接着強度が
低下するという欠点や防曇剤がフィルム表面にブリード
することによって生じるヒートシール強度の低下という
欠点、さらに1℃程度に低温保管される場合において
は、防曇性の速効性と持続性が充分に発揮されないとい
う欠点があり、これらすべての課題を解決した包装用積
層フィルムは未だ提案されるに至っていないのが現状で
ある。
【0010】そこで、本発明者は、上記の従来の積層フ
ィルムのすべての課題を解消し、層間接着強度,ヒート
シール強度,防曇性の速効性と持続性に優れた包装用積
層フィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0011】
【課題を解決するための手段】その結果、基材フィルム
上に、接着層を介して、特定の非イオン性界面活性剤を
含有したポリオレフィン層と、特定のポリグリセリン脂
肪酸エステルを含有したポリオレフィン層を積層するこ
とによって得られる積層フィルムが、上記目的に適うこ
とを見出した。本発明は、かかる知見に基いて完成した
ものである。
【0012】すなわち、本発明は、基材フィルムの少な
くとも一方の面に接着剤あるいはアンカーコート剤から
なる接着層を設け、該接着層を介して、融点が40℃以
上の非イオン性界面活性剤0.01〜3重量%を配合し
たポリオレフィン層(A層)を設け、さらに、該ポリオ
レフィン層(A層)を介して、ポリグリセリンの重合度
が2〜10で親水性親油性バランス(HLB)3〜18
のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するポリオレフ
ィン層(B層)を設けてなる包装用積層フィルムを提供
するものである。
【0013】本発明の基材フィルムとしては、様々なフ
ィルムを充当することができるが、具体的にはセロハ
ン,ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリプロピ
レンフィルム,ポリエステルフィルム,ポリカーボネー
トフィルム,ポリビニールアルコールフィルム,エチレ
ンビニールアルコール共重合体フィルム,ナイロンフィ
ルム,塩化ビニリデンフィルム,塩化ビニールフィル
ム,ポリスチレンフィルム等が挙げられ、これらの無延
伸,一軸延伸あるいは二軸延伸フィルムが単層あるいは
多層で用いられる。また、接着層はポリウレタン系,ポ
リアクリル系等ドライラミネート接着剤や有機チタン系
やポリエチレンイミン系,イソシアネート系のアンカー
コート剤を使用する公知の接着法によって得られる。
【0014】本発明に於て、ポリオレフィン層(A層)
に含有させる非イオン性界面活性剤としては、融点が4
0℃以上、好ましくは45℃以上、より好ましくは50
℃以上のものが好適に使用できる。該非イオン性界面活
性剤の融点が40℃未満になると層間接着強度の低下が
起こり好ましくない。
【0015】ポリオレフィン層(A層)中の非イオン性
界面活性剤の配合率は、0.01〜3重量%、好ましく
は0.5〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜1重量
%が好適である。該配合率が0.01重量%未満では防
曇性の持続効果が期待できず、3重量%を超えると層間
接着強度が低下するという問題が生じるため好ましくな
い。非イオン性界面活性剤としては種々のものが使用で
きるが、融点が40℃以上の、ソルビタン脂肪酸エステ
ル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エ
ステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,プロピレング
リコール脂肪酸エステル,高級アルコール脂肪酸エステ
ル,特殊多価アルコール脂肪酸エステル,脂肪酸ジエタ
ノールアミド,オキシエチレンオキシプロピレンブロッ
クポリマー,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポ
リオキシエチレンアルキルフェノールエーテルが好まし
い。これらは単独でも、また二種以上を混合して使用し
てもよい。また、非イオン性界面活性剤としては、HL
B(Atlas法により、Sをエステルのケン化価、A
を脂肪酸の酸価として、式HLB=20×〔1−(S/
A)〕により算出した値)が3〜18、好ましくは3〜
10、さらに好ましくは3〜8のものが好適に使用でき
る。非イオン性界面活性剤のHLBが上述の範囲外にお
いては、防曇効果の持続性が充分に得られない場合があ
る。
【0016】次に、本発明に於て、ポリオレフィン層
(B層)に含有させるポリグリセリン脂肪酸エステル
は、グリセリンを重合したポリグリセリンと脂肪酸のエ
ステル化生成物であり、ポリグリセリンの重合度、脂肪
酸の種類、エステル化度を変えることによって親水性の
度合を調整することができる。ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、HLBが3〜18、好ましくは4〜1
0、さらに好ましくは5〜8のものが好適に使用でき
る。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが上述の範
囲外においては、防曇性の速効性あるいは持続性が充分
でなく、層間接着強度,ヒートシール強度の低下が起こ
り好ましくない。ポリグリセリンの重合度としては、2
〜10、好ましくは2〜6のものが好適に使用できる。
重合度が、上述の範囲外においては、防曇性の速効性あ
るいは持続性が充分ではなく、層間接着強度,ヒートシ
ール強度の低下が起こり好ましくない。さらに、エステ
ル化度については、モノエステルが好ましいが、これに
限定されるものではない。ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルとして種々のものが使用できるが、特に防曇性,層間
接着強度,ヒートシール強度のすべてを顕著に改良する
ための好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルは、ジグ
リセリンラウレート,ジグリセリンステアレート,ジグ
リセリンオレート,テトラグリセリンラウレート,テト
ラグリセリンステアレート,テトラグリセリンオレー
ト,ヘキサグリセリンラウレート,ヘキサグリセリンス
テアレート,ヘキサグリセリンオレート,デカグリセリ
ンラウレート,デカグリセリンステアレート,デカグリ
セリンオレートである。これらは単独でも、また二種以
上を混合して使用してもよい。ポリオレフィン層(B
層)中のポリグリセリン脂肪酸エステルの配合率は、
0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、さら
に好ましくは0.5〜2重量%である。配合率が0.1
重量%未満では、防曇性に対する効果の発現が期待でき
ず、5重量%を超えると層間接着強度,ヒートシール強
度が低下し、また、フィルムにべと付きが生じ、成膜後
の製袋時における作業性等に悪影響を及ぼすという問題
が生じる場合が多い。
【0017】さらに、本発明に於て、ポリグリセリン脂
肪酸エステルを含有したポリオレフィン層(B層)をポ
リオレフィン層(A層)に積層することとしたのは、ポ
リオレフィン層(A層)だけでは、防曇性の速効性が得
られないためであり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを
混練したポリオレフィン層(B層)を積層して初めて防
曇性の速効性が得られ、さらに防曇剤がフィルム表面に
ブリードすることによって生じるヒートシール強度の低
下という問題が無く、1℃程度に低温保管される場合に
おいても充分な防曇性が得られるからである。また、ポ
リオレフィン層(A層)を介してポリオレフィン層(B
層)を積層することによって、防曇剤が接着層に経時的
に移行したり基材フィルムとポリオレフィン層の層間接
着強度が低下したりすることの無い積層フィルムを得る
ことができるからである。
【0018】ここで、防曇性の速効性や持続性を発現さ
せる防曇剤の組成として、融点が40℃以上の非イオン
性界面活性剤とポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し
てポリオレフィン層に含有させ使用する方法も考えられ
るが、基材フィルムと接着層を介して該ポリオレフィン
層を積層する場合に於いては、層間接着強度やヒートシ
ール強度の低下を生じ好ましくない。
【0019】上述の非イオン性界面活性剤或はポリグリ
セリン脂肪酸エステルとをポリオレフィン層に含有させ
る方法は、特に制限はなく、様々な混合、混練あるいは
添加方法があるが、例えばあらかじめバンバリーミキサ
ー等でポリオレフィン樹脂とメルトブレンドし、マスタ
ーバッチ化したものを所定の混合比にする方法、あるい
は、ポリオレフィンと直接混合する方法のいずれでもよ
い。基材フィルムに、非イオン性界面活性剤を含有させ
たポリオレフィン層(A層)、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを含有させたポリオレフィン層(B層)を積層す
る方法としては、前述した公知のドライラミネート接着
剤を使用したドライラミネーション成形法、アンカーコ
ート剤を使用した押出ラミネーション成形法、接着性樹
脂を使用した共押出成形法によって、積層することがで
きる。
【0020】
【作用】本発明の積層フィルムは、基材フィルムに接着
層を介して、融点が40℃以上の非イオン性界面活性剤
を含有したポリオレフィン層(A層)を積層し、さらに
ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有したポリオレフィ
ン層(B層)を積層しているため、これらの防曇剤が接
着層に悪影響を及ぼさず、層間接着強度の低下がなく、
優れた、防曇性の速効性と持続性およびヒートシール強
度を有する。
【0021】
【実施例】次に本発明を、実施例及び比較例によりさら
に詳しく説明する。 実施例1 基材フィルムとして厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを使用し、このフィルムの一
方の表面にポリエステル−イソシアネート系アンカーコ
ート剤で表面処理し、この基材フィルムに、防曇剤とし
てHLBが4.3、融点が65℃のグリセリンモノステ
アレート0.05重量%と低密度ポリエチレン(MF
R:8g/10分、JIS K7210により測定、条
件4使用。密度:0.917g/cm3 、JIS K6
760により測定。)99.95重量%とを川田製作所
製のスーパーミキサーSMV−20を用いて混合して得
られた混合物をポリオレフィン層(A層)に、HLBが
7.3のジグリセリンモノオレート0.5重量%と低密
度ポリエチレン(MFR:8g/10分、密度:0.9
17g/cm3 )99.5重量%とを同様に混合して得
られた混合物をポリオレフィン層(B層)に用い、ダイ
ス温度300℃で共押出ラミネート成形法により各々の
厚さが15μmになるように積層した。以上のように成
膜して得られた積層フィルムは、基材フィルムとの接着
性、製袋時のヒートシール性とも良好であり、極めて防
曇性の高いものであった。結果表1に示す。
【0022】なお防曇性の評価及び層間剥離の評価は次
の試験方法で行った。 〔防曇性〕包装用積層フィルムを25℃の水を入れた半
径が5cmの円筒状の容器の上面に防曇剤を混合した層
が水側となるように隙間なく覆い、1℃に調整した冷蔵
庫に入れ、1分経過後にフィルムの状態を官能により評
価した。このとき水滴等の付着により透明性が阻害され
るものを×、透明性になんら変化のないものを○で表わ
した。さらに長期にわたる性能評価として、フィルム成
形直後及び温度25℃、湿度65%の状態で保管された
成形1ケ月後、6ケ月後のフィルムについても評価を行
なった。さらに、持続性の評価として、フィルム表面
を、充分水分を含んだガーゼで拭き、上述の防曇性の評
価を行なった。この操作を繰り返して行い防曇性が消失
した回数で示した。ただし、最高繰り返し回数を5と
し、防曇性が消失しない場合は○で示した。
【0023】〔剥離評価〕包装用積層フィルムの防曇剤
を混合した層同志を190℃、シール圧2kg/cm2
でヒートシールし、東洋精機社製、テンシロン、UTM
を用いて300mm/minの剥離速度で剥離したと
きの15mm幅のヒートシール強度(剥離強度)及び剥
離場所(剥離場所が基材フィルムと防曇剤を混合した層
との層間剥離の場合には×、防曇剤を混合した層内の凝
集破壊の場合には○で表わした。)を評価した。さらに
防曇性評価と同様に長期にわたる性能評価としてフィル
ム成形直後及び温度25℃、湿度65%の状態で保管さ
れた成形1ケ月後、成形6ケ月後の評価も行なった。
【0024】実施例2 実施例1に使用したグリセリンモノステアレートの添加
量を2.0重量%とし、ジグリセリンモノオレートの添
加量を4.0重量%にした以外は、実施例1と同様にし
て積層フィルムを得た。この積層フィルムを前述の試験
方法によって評価したところ、基材フィルムとの接着
性,製袋時のヒートシール性も良好であり、極めて防曇
性の高いものであった。結果を表1に示す。
【0025】実施例3 実施例1に使用したグリセリンモノステアレートに代え
てHLBが5.2、融点が55℃のソルビタンステアレ
ートをポリオレフィン層(A層)に使用し、その添加量
を1.0重量%にし、さらにジグリセリンモノオレート
に変えて、HLBが7.9のジグリセリンモノステアレ
ートをポリオレフィン層(B層)に使用し、その添加量
を1.0重量%にした以外は、実施例1と同様にして積
層フィルムを得た。この積層フィルムを前述の試験方法
によって評価したところ、基材フィルムとの接着性,製
袋時のヒートシール性も良好であり、極めて防曇性の高
いものであった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】比較例1 実施例1に使用したグリセリンモノステアレートに代え
てHLBが4.6、常温で液体のソルビタンオレートを
ポリオレフィン層(A層)に使用し、添加量を1.0重
量%にした以外は、実施例1と同様にして積層フィルム
を得た。この積層フィルムを前述の試験方法によって評
価したところ、防曇性は良好であったが、基材フィルム
との接着性が低く、剥離評価では、剥離場所が基材フィ
ルムとポリオレフィン層(A層)との層間剥離を起こし
た。結果を表2に示す。
【0028】比較例2 実施例1に使用したグリセリンモノステアレートの添加
量を4重量%に変更してポリオレフィン層(A層)と
し、ジグリセリンモノオレートに代えてHLBが8.6
のソルビタンモノラウレートを使用し、添加量を1.0
重量%に変更してポリオレフィン層(B層)とした以外
は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。この積
層フィルムを前述の試験方法によって評価したところ、
基材フィルムとの接着性が低く剥離評価では、剥離場所
が基材フィルムとポリオレフィン層(A層)との層間剥
離を起こした。また、防曇性についても充分満足のでき
るレベルではなかった。結果を表2に示す。
【0029】比較例3 ポリオレフィン層(A層)に非イオン性界面活性剤を加
えず、実施例1に使用したジグリセリンモノオレートに
代えてHLBが8.6のソルビタンモノラウレートを使
用し、添加量を1.0重量%に変更して、ポリオレフィ
ン層(B層)とした以外は、実施例1と同様にして積層
フィルムを得た。この積層フィルムを前述の試験方法に
よって評価したところ、基材フィルムとの接着性は良好
であったが、防曇性については充分満足のできるレベル
ではなかった。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上の如く、本発明の包装用積層フィル
ムは、従来の包装用フィルムの欠点を解決したものであ
る。即ち、本発明の包装用積層フィルムは、防曇剤が接
着層に経時的に移行してしまい基材フィルムとポリオレ
フィン層の層間接着強度が低下するという欠点、防曇剤
がフィルム表面にブリードすることによって生じるヒー
トシール強度の低下という欠点、温度変化が繰り返され
た場合において防曇効果が低下し著しい場合には消失す
るという持続性の問題、さらには1℃程度に低温保管さ
れる場合においては防曇性の速効性が充分発揮されない
という欠点がなく、長期にわたつて防曇性や接着強度を
維持できるものであり、食品包装用フィルム,医薬品包
装用フィルム,化粧品包装用フィルム等として有効であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも一方の面に接
    着剤あるいはアンカーコート剤からなる接着層を設け、
    該接着層を介して、融点が40℃以上の非イオン性界面
    活性剤0.01〜3重量%を配合したポリオレフィン層
    (A層)を設け、さらに、該ポリオレフィン層(A層)
    を介して、ポリグリセリンの重合度が2〜10で親水性
    親油性バランス(HLB)3〜18のポリグリセリン脂
    肪酸エステルを含有するポリオレフィン層(B層)を設
    けてなる包装用積層フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン層(A層)中の、融点が
    40℃以上の非イオン性界面活性剤が、融点40℃以上
    の、ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソ
    ルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エ
    ステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂
    肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステル,
    高級アルコール脂肪酸エステル,特殊多価アルコール脂
    肪酸エステル,脂肪酸ジエタノールアミド,オキシエチ
    レンオキシプロピレンブロックポリマー,ポリオキシエ
    チレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアル
    キルフェノールエーテルから選ばれた少なくとも一種類
    である請求項1記載の包装用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン層(B層)中のポリグリ
    セリン脂肪酸エステルが、ジグリセリンラウレート,ジ
    グリセリンステアレート,ジグリセリンオレート,テト
    ラグリセリンラウレート,テトラグリセリンステアレー
    ト,テトラグリセリンオレート,ヘキサグリセリンラウ
    レート,ヘキサグリセリンステアレート,ヘキサグリセ
    リンオレート,デカグリセリンラウレート,デカグリセ
    リンステアレートおよびデカグリセリンオレートから選
    ばれた少なくとも一種類である請求項1記載の包装用積
    層フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン層(B層)中のポリグリ
    セリン脂肪酸エステルの配合率が0.1〜5重量%であ
    る請求項1記載の包装用積層フィルム。
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