JP4366941B2 - ラミネート用シーラントフィルム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネート用シーラントフィルム、特に、ドライラミネート用接着剤を用いてラミネートフィルムに加工した後でも優れた帯電防止性を有するラミネート用シーラントフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品、医薬品及び工業製品で代表される流通物品の多くは、二軸延伸フィルムを基材フィルムとし、これにシーラントフィルムをラミネートして得たラミネートフィルムを包装材として用いている。なかでも、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品、さらには、複雑な形状の電子部品等の多くは、上記包装材として、帯電防止性を付与したラミネートフィルムを用いている。
【0003】
このようなラミネートフィルムの多くは、ラミネートフィルムの内面を構成する包装する内容物に直接接するヒートシール層を、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂により形成し、その製造時に帯電防止性を付与していることが多い。この場合、帯電防止性のポリオレフィン系樹脂からなるシーラントフィルムは、予め直鎖状低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂に界面活性剤を配合して製造する。このようにして得られたシーラントフィルムは、界面活性剤がシーラントフィルムの表面にブリードして、界面活性剤が持つ親水性官能基によってシーラントフィルム表面に水分膜を形成し、シーラントフィルム表面の静電気を逃がすことができる。
【0004】
しかし、これらの帯電防止性が付与されたシーラントフィルムも、シーラントフィルム単独の状態では非常に良好な帯電防止性を示すものの、基材フィルムにラミネートしてラミネートフィルムとした場合には、ラミネート方法の違いにより得られるラミネートフィルムの帯電防止効果が異なり、特に、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いドライラミネートした場合には、ドライラミネート後のラミネートフィルムの状態では極端に帯電防止性が低下するため、粉粒体状やフレーク状の食品もしくは粉体状、顆粒状の薬品等、さらには、複雑な形状の電子部品等の包装には使用することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、基材フィルムにラミネートするときのラミネート方法あるいは使用する接着剤の種類によって、得られるラミネートフィルムの特性に変動が生じることがなく、十分な帯電防止性を有する、特に、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いてドライラミネートしてラミネートフィルムに加工した後でも十分な帯電防止性を有するラミネート用シーラントフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のラミネート用シーラントフィルムはポリオレフィン系樹脂からなり、少なくともヒートシール層、中間層及び支持層を順に積層したものである多層フィルムであって、中間層及びヒートシール層がグリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを含有し、中間層への配合量(ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの重量部)と中間層厚み(μm)の積が、ヒートシール層への配合量(ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの重量部)とヒートシール層厚み(μm)の積と同じかもしくは小さく、ヒートシール層がモノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなり、モノグリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとの混合割合が3/97〜30/70(重量比)であるグリセリン脂肪酸エステルを含有し、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いて多層フィルムのヒートシール層の反対側表面に基材フィルムをドライラミネートしたときのヒートシール層表面の表面抵抗率(ラミネートフィルムを製造後直ちに40℃恒温室に保管し、保管開始時、30日後、60日後毎にJISK−6911に準じて23℃、相対湿度65%環境下で16時間調製し、その後測定したもの)が1.0×1014Ω以下であることを特徴とする。
【0011】
上記の構成からなる本発明のラミネート用シーラントフィルムは、基材フィルムにラミネートするときのラミネート方法あるいは使用する接着剤の種類によって、得られるラミネートフィルムの特性に変動が生じることがなく、押出しラミネート法あるいはドライラミネート法により基材フィルムにラミネートしたときに、十分な帯電防止フィルム性を有し、特に、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いてラミネートフィルムに加工した後でも十分な帯電防止性を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のラミネート用シーラントフィルムの実施の形態を説明する。
【0013】
本発明において、ポリオレフィン系樹脂は、プロピレン単独重合体又はプロピレンと炭素数2〜12(炭素数3は除く)の少なくとも1種以上との共重合体、例えばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等のポリエチレン系樹脂から選ばれた1種類又は2種類以上の混合された樹脂が代表的である。なかでも、好適にはポリエチレン系樹脂が選ばれる。
【0014】
本発明のラミネート用シーラントフィルムはポリオレフィン系樹脂からなる多層フィルムであり、多層フィルムのヒートシール層の反対側の表面にポリエーテルウレタン系接着剤を用いて基材フィルムをドライラミネートしたときのヒートシール層表面の表面抵抗率が1.0×1014Ω以下である。この場合、シーラントフィルムのヒートシール層表面の表面抵抗率が1.0×1014Ωを越えると、基材フィルムをラミネートしてラミネートフィルムを形成したときの帯電防止性が劣る。
【0015】
本発明のラミネート用シーラントフィルムの多層構成は少なくともヒートシール層を有しておれば特に限定するものではなく、任意に複数層を積層したものであることができ、かつ、用いる樹脂はポリオレフィン系樹脂であれば特に制限されない。図1(A)に2層構成のシーラントフィルムの例を示す。1はシーラントフィルム、11はヒートシール層、13は支持層である。また、図1(B)に3層構成のシーラントフィルムの例を示す。1はシーラントフィルム、11はヒートシール層、12は中間層、13は支持層である。例えば、ポリエチレン系樹脂を用いた3層構成の場合は、その支持層/中間層/ヒートシール層について、ポリエチレン系樹脂の密度は支持層が他の層より高く、ヒートシール層のポリエチレン系樹脂の密度は中間層のポリエチレン系樹脂の密度以下の組合わせにすると、ラミネート強度低下を抑える効果及び帯電防止効果を得るうえで好適である。また、図1(C)に、シーラントフィルムのヒートシール層の反対側面に基材フィルムをラミネートした、ラミネートフィルムの例を示す。1はシーラントフィルム、11はヒートシール層、12は中間層、13は支持層、2は基材フィルム、3は接着剤層である。
【0016】
本発明に用いる帯電防止剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等を挙げることができる。詳しくは、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノ・ジラウレート、グリセリンモノ・ジパルミレート、グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリセリンモノ・ジオレート、グリセリンジ・トリオレート、グリセリンジ・トリステアレート等のモノグリセリン脂肪酸エステルや、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンミリステート、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンカプリレート等のジグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができ、また、トリグリセリンパルミテート、トリグリセリンステアレート、トリグリセリンオレート、テトラグリセリンステアレート、テトラグリセリンオレート、ヘキサグリセリンステアレート、デカグリセリンステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができる。さらに、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタンベヘネート、ソルビタンカプリレート等のソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0017】
本発明に用いるグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として含むことが必要であり、その中でもモノグリセリンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレートが好適である。
【0018】
そして、本発明に用いるモノグリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの混合割合は重量比で3/97〜30/70であるのが好ましく、特に、5/95〜20/80であるのが好ましい。モノグリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの混合において、モノグリセリン脂肪酸エステルの混合割合が重量で3重量%を下回るとフィルム表面へのポリグリセリン脂肪酸エステルの引き出し効果が弱く、ポリグリセリン脂肪酸エステルによる帯電防止効果が望めない。また、モノグリセリン脂肪酸エステルによる帯電防止効果も弱い。逆に、モノグリセリン脂肪酸エステルが30重量%を上回るとモノグリセリン脂肪酸エステルの移行性が大きすぎることでラミネート前の状態では経時によるフィルム表面の白化が酷く、基材フィルムをラミネートした後では接着剤層側への引きこもり現象による帯電防止性の低下が、さらには、ラミネート強度の低下も起こり好ましくない。なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜他の帯電防止剤を添加してもよい。
【0019】
本発明に用いる帯電防止剤の配合量はポリオレフィン系樹脂を100重量部としたとき0.1〜2.0重量部であるのが好ましく、0.2〜1.5重量部であるのがより好ましい。帯電防止剤の配合量が0.1重量部を下回ると帯電防止効果が望めないか、帯電防止性があっても本発明が解決しようとしている課題を解決するに十分でないことがある。また、帯電防止剤の配合量がポリオレフィン系樹脂100重量部あたり2.0重量部を上回るとフィルム表面へのブリードが多くなり、ヒートシール層表面の帯電防止性は十分あっても耐白化性が劣り、かつ、ヒートシール層反対側表面のラミネート強度の低下をきたすことがあり好ましくない。
【0020】
また、本発明において、ラミネート用シーラントフィルムの多層構成における帯電防止剤の配合割合は、例えば、3層構成の場合、支持層/中間層/ヒートシール層としたとき、支持層は無添加、中間層には、中間層への配合量(ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの重量部)と中間層厚み(μm)の積を求め、ヒートシール層へは、ヒートシール層への配合量(ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの重量部)とヒートシール層厚み(μm)の積を求め、前者の値が後者の値と同じかもしくは小さくなるようにするとヒートシール層の反対側表面に基材フィルムをラミネートしたときのラミネート強度の低下を抑える効果が大きく、また、帯電防止効果を得るうえで好適である。
【0021】
また、本発明に用いるアンチブロッキング剤は特に限定されないが、無機及び/又は有機の微粒子が好ましい。具体的には、無機微粒子としては、例えば、シリカ、ゼオライト、珪藻土、タルク、カオリナイト及び非晶性アルミノシリケート等が挙げられる。また、有機微粒子としては、例えば実質的に変形しないポリマーからなり、乳化重合又は懸濁重合等により得られるポリメチルメタクリレート、ポリスチレン及びポリアミド等が挙げられる。アンチブロッキング剤として添加しても結果的に滑りにも影響することと、フィルムの透明性、コスト面から無機微粒子系のシリカ、ゼオライト及び珪藻土が好ましい。アンチブロッキング剤の平均粒径は特に限定しないが、滑り性、外観、透明性及び耐ブロッキング性を考慮すると1〜15μm程度のものが好ましく、2〜10μmがより好ましい。
【0022】
本発明に用いるアンチブロッキング剤の配合量は特に限定されず、滑り性、外観、透明性及び耐ブロッキング性を阻害しない範囲で自由に使用することができ、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常3重量部以下、好ましくは2重量部以下である。
【0023】
本発明に用いるスリップ剤は、公知のものを用いることができ、何ら限定されるものではないが、例えば流動性パラフィン、ポリエチレンワックス等の炭化水素系スリップ剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸系スリップ剤、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等のアミド系スリップ剤、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
【0024】
本発明に用いるスリップ剤の量は特に限定されず、製膜直後のフィルムの滑り性、ラミネート後のラミネート強度、透明性を阻害しない範囲で自由に使用することができ、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常0.5重量部以下が好ましく、0.3重量部以下であるのが、より好ましい。
【0025】
本発明のラミネート用シーラントフィルムヘの帯電防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤等の添加剤の配合方法は、マスターバッチ方式でも、製膜直前のペレットブレンド方式でも可能であり、特に限定されるものではない。
【0026】
本発明のラミネート用シーラントフィルムの成形方法は、特に限定するものではなく、例えばインフレーション押出成形法、Tダイ押出成形法等の利用が可能である。
【0027】
本発明のラミネート用シーラントフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、10〜200μmであるのが好ましく、20〜150μmであるのがより好ましい。また、多層構成のそれぞれの好適な厚みは次に示す通りである。本発明のラミネート用シーラントフィルムの支持層の厚みは1〜120μmであるのが好ましく、2〜80μmであるのがより好ましい。また、中間層の厚みは1〜120μmであるのが好ましく、2〜80μmであるのがより好ましい。また、ヒートシール層の厚みは1〜120μmであるのが好ましく、2〜80μmであるのがより好ましい。
【0028】
本発明におけるラミネート用シーラントフィルムの多層構成における各層の厚み比は、ヒートシール層の厚み1に対して、支持層の厚みは0.2〜5程度が好ましく、0.3〜3程度がより好ましい。さらに、ヒートシール層/中間層/支持層の3層構成である場合の厚み構成比は、製膜性、フィルム物性及びフィルム性能面を考慮すると、ヒートシール層/中間層=1/2〜15程度、ヒートシール層/支持層=1/0.2〜5程度であるのが好ましい。
【0029】
本発明のラミネート用シーラントフィルムの製造に際しては、本発明の効果が損なわれない限り必要に応じて安定剤、可塑剤、着色剤等の公知の添加剤を配合してもよい。
【0030】
さらに、本発明のラミネート用シーラントフィルムは、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いて多層フィルムのヒートシール層の反対側表面に基材フィルムをドライラミネートしたときに該ヒートシール層表面の表面抵抗率が1.0×1014Ω以下であるフィルムであるが、もちろん、上記フィルムを他の接着剤、例えばポリエステルウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法により基材フィルムを積層すること、あるいは押出ラミネート法により基材フィルムを積層することを排除するものではない。もっとも、本発明のラミネート用シーラントフィルムは、基材フィルムの一方の面に接着剤を介し、本発明のシーラントフィルムの支持層が接するように配して貼合した、ドライラミネートフィルムの形で用いることが好ましい。
【0031】
本発明のシーラントフィルムに積層してラミネートフィルムを製造するのに適した基材フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、金属蒸着二軸延伸フィルム等、二軸延伸フィルムを典型的なものとしてあげることができる。
【0032】
次に、本発明のラミネート用シーラントフィルムの典型的な製造方法について説明する。まず、本発明のシーラントフィルムの製造に用いる各層を構成する、各々の樹脂組成物を所定の組成比に混合する。次いで、その樹脂組成物を溶融するために各溶融押出機に供給し、210〜280℃の温度で溶融押出しし、濾過フィルターを経た後、口金から多層シート状に成形し、20〜80℃に調整された金属ドラムに巻き付け冷却固化し、金属ドラムの速度を調整して、任意の厚みの優れた帯電防止性を有するラミネート用フィルムを得ることができる。
【0033】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。なお、本発明において用いた特性値は次の測定法によった。
【0034】
(1)表面抵抗率(Ω)
ラミネートフィルムを製造後直ちに40℃恒温室に保管し、保管開始時、30日後、60日後毎にJISK−6911に準じて23℃、相対湿度65%環境下で16時間調製し、しかる後、ヒートシール層表面の表面抵抗率を測定した。
【0035】
(2)耐白化性
シーラントフィルム製造直後のヘイズ(H)と、シーラントフィルム製造後直ちに40℃恒温室に保管し、60日放置した後のヘイズ(H)を測定し、下記式にて求めた数値を耐白化性(ΔH)とした。この数値が低いほど耐白化性は良好である。
(ΔH)=(H)−(H
【0036】
(3)ラミネート強度
ラミネートフィルムを製造後直ちに40℃恒温室に入れ60日放置した後、機械流れ方向に15mm巾で試料を切り出し、引張り速度200mm/分でラミネート界面の剥離強度を測定し、ラミネート強度とした。
【0037】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に示すが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更を加え実施することも可能であり、本発明の技術範囲に含まれる。
【0038】
(実施例1)
支持層/中間層/ヒートシール層の3層構成で、厚み構成比は支持層/中間層/ヒートシール層=1/3/1として、支持層は直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット4040FC)、中間層は直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット2040F)を100重量部、界面活性剤として界面活性剤としてモノグリセリンモノステアレートを0.03重量部、ポリグリセリンモノステアレートを0.27重量部配合し、ヒートシール層は直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製ユメリット2040F)を100重量部、界面活性剤としてモノグリセリンモノステアレートを0.15重量部、ポリグリセリンモノステアレートを1.35重量部、アンチブロッキング剤として平均粒径10μmのポリメチルメタアクリレートを1.0重量部、平均粒径5μmの珪藻土を1.0重量部を配合し、支持層の表面に濡れ指数が42mN/mとなるようにコロナ処理を施して、厚み50μmのシーラントフィルムを得た。
【0039】
(押出しラミネート)
得られたシーラントフィルムを40℃恒温室に1週間保管した後、基材フィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製T6100、厚み12μm)のコロナ処理面側に押出しラミネート法によりアンカーコート剤(東洋モートン社製 オリバインEL530A/オリバインEL530B=1/1)を塗布(塗布量0.02g/m、塗工固形分1.0%)、乾燥した該塗布面と該シーラントフィルムの支持層表面との間にポリエチレン樹脂(住友化学工業社製・スミカセンL705、密度=0.919、MFR=7)を積層厚み20μmとしたラミネートフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
【0040】
(ドライラミネート)
得られたシーラントフィルムを40℃恒温室に1週間保管した後、基材フィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製T6100、厚み12μm)のコロナ処理面側にドライラミネート法により▲1▼ポリエーテルウレタン系接着剤及び▲2▼ポリエステルウレタン系接着剤を塗布、乾燥した該塗布面と該シーラントフィルムの支持層表面とを貼合し、ラミネートフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。なお、用いた接着剤及び塗布量は下記の通りである。
▲1▼ポリエーテルウレタン系接着剤:東洋モートン社製トモフレックスTM329/CAT−8B=1/1(塗工固形分23%)(塗布量:3.0g/m
▲2▼ポリエステルウレタン系接着剤:東洋モートン社製トモフレックスTM590/CAT−56=6.25/1(塗工固形分23%)(塗布量:3.0g/m)
【0041】
(実施例2)
実施例1において、中間層に用いる界面活性剤をソルビタンモノエステルを0.2重量部とした他は実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
【0042】
(比較例1)
実施例2において、ヒートシール層への界面活性剤を無配合とした他は実施例2と同様にしてラミネートフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表に示す。
【0043】
(比較例2)
実施例2において、ヒートシール層に用いる界面活性剤をポリグリセリンモノステアレートを1.50重量部に変更した他は実施例2と同様にしてラミネートフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表に示す。
【0044】
(比較例3)
実施例2において、ヒートシール層に用いる界面活性剤をモノグリセリンモノステアレートを0.60重量部、ポリグリセリンモノステアレートを0.90重量部に変更した他は実施例2と同様にしてラミネートフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表3に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004366941
【0046】
【表2】
Figure 0004366941
【0047】
【表3】
Figure 0004366941
【0048】
【発明の効果】
本発明のラミネート用シーラントフィルムによれば、基材フィルムにラミネートするときのラミネート方法あるいは使用する接着剤の種類によって、得られるラミネートフィルムの特性に変動が生じることがなく、押出しラミネート法あるいはドライラミネート法により基材フィルムにラミネートしたときに、十分な帯電防止性を有し、特に、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いて基材フィルムをドライラミネートしてラミネートフィルムに加工した後でも十分な帯電防止性を有する。また、包装材料としたときに粉粒体状やフレーク状あるいは粉体状、顆粒状の食品、薬品等の包装時、充填時のシール部へのかみ込み等による内容物のシール不完全や、さらには、電子部品等の包装等包装時の界面活性剤付着による電子部品の汚染等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のラミネート用シーラントフィルムの1例を示す。
(B)は本発明のラミネート用シーラントフィルムの他の例を示す。
(C)はラミネートフィルムの例を示す。
【符号の説明】
1 ラミネート用シーラントフィルム
11 ヒートシール層
12 中間層
13 支持層
2 基材フィルム
3 接着剤層

Claims (1)

  1. ポリオレフィン系樹脂からなり、少なくともヒートシール層、中間層及び支持層を順に積層したものである多層フィルムであって、中間層及びヒートシール層がグリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを含有し、中間層への配合量(ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの重量部)と中間層厚み(μm)の積が、ヒートシール層への配合量(ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの重量部)とヒートシール層厚み(μm)の積と同じかもしくは小さく、ヒートシール層がモノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなり、モノグリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとの混合割合が3/97〜30/70(重量比)であるグリセリン脂肪酸エステルを含有し、ポリエーテルウレタン系接着剤を用いて多層フィルムのヒートシール層の反対側表面に基材フィルムをドライラミネートしたときのヒートシール層表面の表面抵抗率(ラミネートフィルムを製造後直ちに40℃恒温室に保管し、保管開始時、30日後、60日後毎にJISK−6911に準じて23℃、相対湿度65%環境下で16時間調製し、その後測定したもの)が1.0×1014Ω以下であることを特徴とするラミネート用シーラントフィルム。
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