JP4599645B2 - エチレン系樹脂組成物及びそれよりなるフィルム - Google Patents
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Description
【発明の所属する技術分野】
本発明は、ガスバリアー性のある延伸されたナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の基材に、シーラント材であるフィルムを使用する分野において、積層後に良好な帯電防止性能および優れたスリップ性能、アンチブロック性能を有するフィルムが得られるエチレン系樹脂組成物及びそれよりなるフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
延伸されたナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等からなる包装基材は、ガスバリアー性や透明性、機械的強度に優れるが、ヒートシール温度が高いため包装速度を速くすることができない、ヒートシール時にフィルムが収縮し包装外観が悪い、あるいはシール強度が低い等の問題がある。このため、上記包装基材が単独で使用されることは少なく、通常はヒートシール層フィルムとのラミネートフィルムとして使用される。
【0003】
このラミネートフィルムの製造方法としては、延伸されたナイロンフィルム等の基材と、インフレーション成形やキャスト成形により別に製造したヒートシールフィルムとを、押出ラミネート法、ドライラミネート法等の種々の方法で貼り合わせる製造方法が一般的であり、貼り合わせ用のヒートシール層を有するフィルムを当業界では「貼合用フィルム」と呼称している。
【0004】
貼合フィルムの材料としては、高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレン(以下「LDPE」と略すことがある)、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と略すことがある)、高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略すことがある)、エチレン・α−オレフィン共重合体(いわゆる直鎖状低密度ポリエチレン、以下「L−LDPE」と略すことがある)等のポリエチレンと、ポリプロピレン(以下「PP」と略すことがある)、アイオノマー等が一般的に使用される。
【0005】
この貼合フィルムに要求される物性のなかで、低温シール性、ヒートシール強度、低温衝撃性、耐衝撃強度、耐引裂強度等を、特に必要とする場合は、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体などのポリエチレン系フィルムが最も好ましい。
【0006】
貼合フィルムは基材フィルムと積層する場合、積層するラミネート方法によって接着剤を用いるが、その接着剤の種類により、積層後、接着剤硬化のため一般的に30〜60℃で24〜96hr程度のエージングを行なう。この際、接着剤の極性基の影響により貼合フィルムの帯電防止剤および滑剤が接着剤硬化層に移行し、帯電防止性能、スリップ性能、アンチブロック性能が失われ、フィルムの開口性が不良であったり、フィルム同士がブロッキングしたり、スリップ性が著しく悪化し、その後の製袋工程や充填包装工程で問題を生じるばかりか、内容物が粉体等の場合では充填包装工程で必要となる帯電防止性能が不良となる欠点がある。
【0007】
この欠点を改良する方法として、帯電防止性能が特に必要な場合については、接着剤を使用しない、または使用してもその塗布量が少なく、接着剤の極性基の影響による帯電防止剤の接着剤硬化層への移行の少ない押出ラミネート法による積層が主流となっている。一方、フィルム同士のブロッキングやスリップ性の悪化については、衛生上の問題と外観上に問題のある積層時のニッカリコ等の澱粉塗布に変わり、貼合フィルムに接着剤の極性基の影響によるスリップ剤の移行の少ない脂肪酸ビスアマイドの添加や、貼合フィルムのアンチブロック剤による表面租度のコントロールによる等による改良が行なわれている。しかしながら、これらの方法では、積層するラミネート方法が限定されたり、貼合フィルムに必要な基材フィルムとの積層後に必要な帯電防止性能、アンチブロック性能及びスリップ性能を同時に満足することができないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基材フィルムと積層した場合にラミネート方法、接着剤の種類に係わらず、優れた帯電防止性能、良好なアンチブロック性能及びスリップ性能を有するフィルムが得られるエチレン系樹脂組成物及びそれよりなるフィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の現状に鑑み、本発明者らは上記問題点の解決のため鋭意検討した結果、特定のエチレン系重合体に対して、特定の帯電防止剤及び脂肪酸ビスアミドを特定量添加することにより、積層するラミネート方法、接着剤の種類に関わらず、基材フィルムとの積層後に、優れた帯電防止性能、良好アンチブロック性能及びスリップ性能を有するフィルムが得られるエチレン系樹脂組成物及びそれよりなるフィルムを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(A)メルトフローレートが0.1〜10g/10min、密度0.900〜0.960g/cm3であるエチレン系重合体100重量部に対して、
(B)グリセリン脂肪酸エステル0.01〜0.25重量部
(C)プロピレングリコール脂肪酸エステル0.01〜0.50重量部
(D)脂肪酸ビスアミド0.01〜0.15重量部
からなる樹脂組成物及びそれよりなるフィルムに関するものである。
【0011】
以下に、本発明について、更に詳細に説明する。
【0012】
本発明を構成する(A)メルトフローレートが0.1〜10g/10min、密度が0.900〜0.960g/cm3のエチレン系重合体とは、一般的に以下の(1)および(2)があげられ、それらの混合物でも良く、さらに本発明の目的を損なわない範囲で高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を混合しても良い。
【0013】
(1)エチレン及び/又は少量のエチレンとラジカル共重合し得る単量体を有機過酸化物や酸素等のラジカル発生剤を使用することによって得られる高圧ラジカル重合法ポリエチレンまたはポリエチレン共重合体であり、さらにこれらを公知の方法で無水マレイン酸やα、β−不飽和カルボン酸などで変性したポリエチレンであり、好ましくは、エチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。
【0014】
(2)チーグラー触媒、酸化クロム触媒、酸化モリブデン触媒、メタロセン触媒等の触媒存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重合体であり、チーグラー触媒、メタロセン触媒を用いて得られたポリエチレンであることが好ましい。
【0015】
エチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーであるα−オレフィンとは、一般式R−CH=CH2(式中Rは炭素数1以上のアルキル基を示す)で表されるもので、その具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、オクタデセン等が挙げられる。これらα−オレフィンの中でも、得られるのフィルムサンプルが引張強度、引裂強度、衝撃強度、ヒートシール強度等に優れることから、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテンが好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体は、これらのα−オレフィンの少なくとも1種をエチレンと共重合することにより得られ、具体的には、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ヘプテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体が挙げられる。
【0016】
本発明を構成するエチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜10g/10min、好ましくは0.5〜8g/10min、より好ましくは1〜5g/10minの範囲である。MFRが0.1g/10min未満のものは溶融粘度が高くて成形性に劣り、また、10g/10minを越えるものは溶融張力が小さいのでやはり成形性に劣る。
【0017】
そして、エチレン系重合体の密度は、0.900〜0.960g/cm3、好ましくは0.900〜0.955g/cm3、特に好ましくは0.900〜0.950g/cm3の範囲である。密度が0.900g/cm3未満のものは、フィルムの腰が弱くなり、製品としての自動充填適性が劣り、逆に、0.960g/cm3を越えると、ヒートシール性やホットタック性の発現する温度が高くなり、自動充填適性が低下する。
【0018】
本発明を構成する(B)グリセリン脂肪酸エステルは、本発明のエチレン系樹脂組成物よりなるフィルム並びに基材フィルムとのラミネート後に卓越した帯電防止性能、スリップ性能を付与するものである。
【0019】
そして、(B)グリセリン脂肪酸エステルの配合量は、前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、0.01〜0.25重量部であり、0.01重量部未満の場合は本発明の目的とする帯電防止性能が得られず、0.25重量部を超える場合は、ラミネート前後のフィルムのアンチブロック性能が不足となる。
【0020】
ここで、本発明の(B)グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンモノカプリル酸エステル、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノベヘニン酸エステル、グリセリンモノエルカ酸エステル等が挙げられる。
【0021】
なかでも、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノエルカ酸エステルがラミネート前後のフィルムにおける帯電防止性能、滑り性が特に優れる。
【0022】
本発明を構成する(C)プロピレングリコール脂肪酸エステルは、上記グリセリン脂肪酸エステルと併用することで、本発明のエチレン系樹脂組成物よりなるフィルム並びに基材フィルムとのラミネート後に、フィルム表面にブリードしたグリセリン脂肪酸エステルの結晶構造の変化(α形からβ形へ)による帯電防止性能、スリップ性の悪化を抑制する効果を保有し、グリセリン脂肪酸エステルによるラミネート前後のフィルムの帯電防止性能、スリップ性能を飛躍的に持続させる効果を有する。
【0023】
ここで、本発明を構成する(C)プロピレングリコール脂肪酸エステルとは、例えばプロピレングリコールモノカプリル酸エステル、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、プロピレングリコールモノミリスチン酸エステル、プロピレングリコールモノパルミチン酸エステル、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノオレイン酸エステル、プロピレングリコールモノベヘニン酸エステル、プロピレングリコールモノエルカ酸エステル等が挙げられる。
【0024】
そして、プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステルと同種の脂肪酸とすることにより、相溶性が向上することから、プロピレングリコールモノパルミチン酸エステル、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノオレイン酸エステル、プロピレングリコールモノエルカ酸エステルが好ましい。
【0025】
本発明を構成する(D)脂肪酸ビスアミドは、本発明のポリエチレン系樹脂組成物よりなるフィルム並びに基材フィルムとのラミネート後に卓越したスリップ性能、アンチブロック性能を付与するものである。
【0026】
そして、(D)脂肪酸ビスアミドの配合量は、前記エチレン系樹脂100重量部に対し、0.01〜0.15重量部であり、0.01重量部未満の場合は本発明の目的とするラミネート後のフィルムのスリップ性が得られず、0.15重量部を超える場合は、ラミネート後のフィルムと基材との接着強度が十分でない。
【0027】
ここで、本発明の脂肪酸ビスアミドとしては、例えばメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N`−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N`−ジステアリルセバシン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミドと、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N`−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N`−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。なかでも、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N`−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N`−ジステアリルセバシン酸アミドが好ましい。
【0028】
本発明のエチレン系樹脂組成物を得るには、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分を前記範囲の公知の方法、例えばリボンブレンダー、タンブラーブレンダーまたはヘンシェルミキサー等で混合する方法、混合後更に単軸押出機、二軸押出機等で溶融混練造粒する方法あるいは、バンバリーミキサー等で溶融混練造粒する方法が用いられる。また(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分それぞれを個別に造粒し、それぞれの造粒品を混合して前記範囲の組成物とすることもできる。
【0029】
また、本発明のエチレン系樹脂組成物には酸化防止剤、アンチブロッキング剤、粒滴剤、耐候剤、顔料、染料、フィラー等のポリオレフィンに通常使用される各種添加剤、および特許請求範囲以外のスリップ剤、帯電防止剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合しても良い。
【0030】
本発明のエチレン系樹脂組成物よりなるフィルムは、通常の空冷インフレーション成形法、水冷フィルム成形法、T−ダイ成形法等の公知の成形方法を用いる事ができる。また、フィルム化する際には単層フィルムに限らずポリエチレン系樹脂同士もしくは、他の熱可塑性樹脂との組み合わせにより、二層ないし二層以上の共押出フィルムとすることもできる。、これら成形法により、基材フィルムとラミネートした場合にラミネート方法、接着剤の種類に係わらず、優れた帯電防止性能、良好なアンチブロック性能及びスリップ性能を有するフィルムが得られる。
【0031】
なお、本発明のエチレン系樹脂組成物よりなるフィルムは、例えばポリアミド、ポリエステル、ビニル系重合体、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のガスバリアー性フィルム、及び低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフィルムと積層することができる。
【0032】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、実施例および比較例における性能の測定、使用樹脂、添加剤を下記に示す。また、実施例および比較例中の部は重量部である。
【0033】
〔性能の測定〕
▲1▼密度
JIS K6760(1981年)に準拠して、23℃に保った密度勾配間を用いて測定した。
【0034】
▲2▼メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(1976年)に準拠して測定した。
【0035】
▲3▼表面固有抵抗
ラミネート後の貼合フィルム面を、HIGH MEGOHM METER(TR−8601、タケダ理研(株)製)に絶縁抵抗測定試料箱(TR−42)を接続し23℃、50%相対湿度の雰囲気下、印加電圧500Vで測定した。測定結果は、表面固有抵抗(Ω)の常用対数として、ラミネート後3日と300日に測定した。
【0036】
▲4▼白化
ラミネート後300日経過したサンプルの添加剤のブリードによる白化状況を目視により観察し、次の基準で評価した。
【0037】
○:フィルムの白化が全く認められない
×:フィルムの白化が著しい
▲5▼ブロッキング
ラミネート後の貼合フィルム面どうしを重ね合わせ、この上に4cm2当たり1kgの重りを載せ、50℃で24時間放置した後、ショッパー型試験機にて引張速度300mm/minの条件にて、フィルムの剪断剥離に要する応力(単位;kgf/4cm2)を測定した。
【0038】
▲6▼スリップ
ラミネート後の貼合フィルム面どうしを、JIS K7125(1987年)に準拠して、μS(静摩擦係数)、μK(動摩擦係数)を測定した。
【0039】
▲7▼接着性
ラミネート後の貼合フィルム面どうしを、ヒートシーラー(テスター産業製)を用い10mm幅のシールバーで150℃、シール圧力2kg/cm2、シール時間1秒でヒートシールした後、15mm幅にカットした後、ショッパー型試験機にて引張速度500mm/minの条件にて、フィルムのヒートシール部の引張破壊強度を測定した
〔(A)成分:使用樹脂〕
A−1:チーグラー触媒により製造された密度0.911g/cm3、MFR4.0g/10min、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィンの共重合体
A−2:チーグラー触媒により製造された密度0.914g/cm3、MFR2.0g/10min、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィンの共重合体
A−3:メタロセン触媒により製造された密度0.949g/cm3、MFR4.0g/10min、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィンの共重合体
A−4:高圧ラジカル重合にて製造された密度0.924g/cm3、MFR3.0g/10min、の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン186R)
A−5:メタロセン触媒により製造された密度0.904g/cm3、MFR2.0g/10min、、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィンの共重合体
A−6:高圧ラジカル重合にて製造された密度0.9245g/cm3、MFR2.5g/10min、のエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン510)
A−1/A−2は、主触媒には、チタントリクロライド:マグネシウムジクロライド=1:2.5(モル比)、助触媒にはトリエチルアルミニウムをチタン/アルミニウム=1/3(モル比)に調整し、該触媒系を用い、重合温度150〜170℃、重合圧力900kgf/cm2でエチレンと1−へキセンの共重合を行い、エチレン・1−へキセン共重合体を得た。
【0040】
A−3/A−5は、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド:N,N−ジメチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート:トリイソブチルアルミニウム=1:2:250(モル比)よりなる触媒を調整し、該触媒系を用い、重合温度150〜170℃、重合圧力900kgf/cm2でエチレンと1−へキセンの共重合を行い、エチレン・1−へキセン共重合体を得た。
【0041】
〔(B)成分:グリセリン脂肪酸エステル〕
B−1:グリセリンモノオレイン酸エステル(太陽化学(株)製、サンソフトNO.8070)
B−2:グリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学(株)製、サンソフトNO.8000)
〔(C)成分:プロピレングリコール脂肪酸エステル〕
C−1:プロピレングリコールモノオレイン酸エステル(太陽化学(株)製、サンソフトNO.25OD)
C−2:プロピレングリコールモノステアリン酸エステル(太陽化学(株)製、サンソフトNO.25CD)
〔(D)成分:脂肪酸ビスアミド〕
D−1:エチレンビスエルカ酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスR)
D−2:エチレンビスオレイン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスO)
D−3:エチレンビスステアリン酸アミド(日本化成(株)性、スリパックスE)
〔その他の添加剤〕
アンチブロック剤:アルミノシリケート(水澤化学(株)製、JC−50)
実施例1・2・3・5・7、比較例1
(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、その他添加剤を表1に示す配合組成でヘンシェルミキサーを用いて混合し、50mmφ単軸押出機により溶融混練した樹脂組成物を得た。
【0042】
得られた樹脂組成物をCBCテック(株)製50mmφキャスト成形機(ダイス幅:450mm、リップクリアランス:0.8mm、成形温度:200℃)でキャスト成形を行ない、厚み50μmのフィルムを得た。
【0043】
さらにこのフィルムを東洋紡績(株)のポリアミド二軸延伸フィルムであるハーデンRN1102と井上金属工業(株)製INVEX−カセットコーターを用いて、コロナ処理面を貼り合わせ面としてドライラミネート加工を行なった。尚、アンカーコート剤はポリエーテル・ポリウレタンを主成分とする大日精化工業(株)のA−154−2/C−88を重量比1/1で配合したものを用い、2.8g/m2の塗布量となるように調整してドライラミネート加工を行なった後、40℃で48hrのエージングを行ないラミネートフィルムを得た。
【0044】
ラミネートフィルムの表面固有抵抗、ブロッキング、スリップ、接着性の測定結果を別表1に示す。
【0045】
実施例4・6・8、比較例2〜4
(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、その他添加剤を別表1に示す配合組成でヘンシェルミキサーを用いて混合し、50mmφ単軸押出機により溶融混練した樹脂組成物を得た。
【0046】
得られた樹脂組成物をプラコー(株)製50mmφインフレーション成形機(ダイス径:75mmφ、成形温度:150℃、ブロー比2.1)でインフレーション成形を行ない、厚み30μm、40μm、80μmのフィルムを得た。
【0047】
さらにこのフィルムを東洋紡績(株)のポリアミド二軸延伸フィルムであるハーデンRN1102と井上金属工業(株)製INVEX−カセットコーターを用いて、コロナ処理面を貼り合わせ面としてドライラミネート加工を行なった。尚、アンカーコート剤はポリエーテル・ポリウレタンを主成分とする大日精化工業(株)のA−154−2/C−88を重量比1/1で配合したものを用い、2.8g/m2の塗布量となるように調整してドライラミネート加工を行なった後、40℃で48hrのエージングを行ないラミネートフィルムを得た。
【0048】
ラミネートフィルムの表面固有抵抗、ブロッキング、スリップ、接着性の測定結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
本発明により、基材フィルムと積層した場合にラミネート方法、接着剤の種類に係わらず、優れた帯電防止性能、良好なアンチブロック性能及びスリップ性能を有するフィルムが得られるエチレン系樹脂組成物及びそれよりなるフィルムを提供することができる。
Claims (3)
- JIS K7210(1976)を準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.1〜10g/10min、JISK6760(1981)を準拠し測定した密度0.900〜0.960g/cm3であるエチレン系重合体100重量部に対して、グリセリン脂肪酸エステル0.01〜0.25重量部、プロピレングリコール脂肪酸エステル0.01〜0.50重量部、脂肪酸ビスアミド0.01〜0.15重量部からなることを特徴とするエチレン系樹脂組成物。
- 請求項1に記載のエチレン系樹脂組成物よりなることを特徴とするラミネート用フィルム。
- 請求項2に記載のラミネート用フィルムと、ガスバリアー性フィルム及びポリオレフィンフィルムからなる群より選ばれた少なくとも一種以上のフィルムからなることを特徴とする積層フィルム。
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