JP3493075B2 - ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム

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JP3493075B2
JP3493075B2 JP10679695A JP10679695A JP3493075B2 JP 3493075 B2 JP3493075 B2 JP 3493075B2 JP 10679695 A JP10679695 A JP 10679695A JP 10679695 A JP10679695 A JP 10679695A JP 3493075 B2 JP3493075 B2 JP 3493075B2
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ethylene
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acid amide
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信一 八木
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新日本石油化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯電防止性、開口性にす
ぐれ、かつ低滑性であり、肥料、化学薬品などの重包装
袋や米、砂糖袋用フィルムなどの製造に好適なポリエチ
レン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】線状低密度ポリエチレンは重包装袋や
米、砂糖袋などの分野で大量に使用されている。近年、
自動充填装置が高速化しており、高速で供給される袋の
摩擦により静電気が発生し、充填時に内容物の粉体が開
口部に付着しヒートシールに支障が生ずるので、静電気
の帯電を防止するために種々の帯電防止剤が用いられて
きた。しかし、帯電防止剤を一定量以上添加すると、帯
電防止剤成分の表面ブリード現象により粘着性が出現
し、フィルムの開口性が悪くなるという問題が生じる。
そこで開口性を改良するために、シリカ等の抗ブロッキ
ング剤を大量に用いる手法がとられるがフィルムの表面
状態が肌荒れしたり印刷性や透明性が悪化したりする。
また開口性を改良するもうひとつの方法として滑剤を使
用することが考えられるが、脂肪酸アミド等の滑剤を大
量に添加するとフィルムが滑りすぎて自動充填装置へ袋
を供給する際の掴み不良や内容物を充填した袋を輸送し
たり、段積み保管したりする際に荷崩れ等の不具合が生
じるなどの問題点があった。
【0003】前記、問題点を解決するために特開昭61
−218649号公報ではアルキレンビス高級脂肪酸ア
ミドを添加する技術が開示されており、実施例において
はエチレン−酢酸ビニル共重合体にメチレンビスステア
リン酸アミドを添加することが例示され、任意成分とし
ての帯電防止剤の配合を開示するものの、高速成形時の
帯電防止剤を添加した場合の役割とフィルムのブロッキ
ング防止(開口性)と滑性の制御等についての開示や示
唆はない。
【0004】また、特開昭62−25138号公報では
アンチブロック剤と脂肪酸ビスアミドを併用する技術が
開示されている。しかしながら、この公報においても高
速成形時における静電気防止のために配合される帯電防
止剤に起因するブロッキングの防止およびフィルムの滑
性の制御についての開示はない。また一般の重包装用フ
ィルムにオレイン酸アミド等の公知の滑剤を添加すると
フィルムが滑りすぎ、倉庫保管中に荷崩れ発生の重大な
原因となり好ましくない。
【0005】さらに、特開平1−282232号公報で
は熱安定性ポリオレフィン樹脂組成物としてヒンダード
フェノール系酸化防止剤に R−CO−NH−(CH)n−NH=CO−R (Rは炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル
基)の構造式からなるアルキレンビス脂肪酸アミド化合
物を添加することが提案されているが、この公報におい
ては熱安定性を目的としているに過ぎず、帯電防止剤の
記載はなく、かつフィルムの滑性に及ぼす効果について
は何も示唆されていない。
【0006】また特開平5−59224号公報において
は粘着防止剤である無機充填剤を使用しなくても良好な
スリップ性と粘着防止効果の得られる飽和アミドと不飽
和アミドとの混合組成物の製造方法が記載されている
が、高速成形時の帯電防止性能と開口性および滑性の制
御についての開示や示唆はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、帯電防止剤
が表面にブリードした状態で静電気の帯電を抑え、良好
な帯電防止性能を維持しつつ、かつ開口性がすぐれる上
に適度に滑性を制御したフィルムの製造に好適なポリエ
チレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルムを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、密度が0.88〜0.96g/cmのエチレ
ン・α−オレフィン共重合体を主成分とする樹脂成分に
対し、特定の帯電防止剤および特定のアルキレンビス飽
和高級脂肪酸アミドを添加することにより上記課題を解
決したポリエチレン系樹脂組成物およびフィルムが得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】 本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、 が含有されていることを特徴とするものである。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明で用
いられる(A)密度が0.88〜0.96g/cm
エチレン・α−オレフィン共重合体とは、チーグラー触
媒等を用いる高中低圧法及びその他の公知の方法による
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合
体である。具体的なα−オレフィンとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−ドデセンなどを挙げることが
できる。これらのうち好ましいのは4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素数6以
上のα−オレフィンである。エチレン共重合体中のα−
オレフィン含有量は5〜40モル%であることが好まし
い。
【0011】本発明における(A)成分であるエチレン
・α−オレフィン共重合体は、密度が0.88〜0.9
6g/cm、好ましくは0.90〜0.94g/cm
、より好ましくは0.91〜0.93g/cmの範
囲であり、メルトフローレート(以下MFRと称す)が
0.1〜20g/10min.、好ましくは0.2〜1
0g/10min.、より好ましくは0.3〜5g/1
0min.であるものである。
【0012】本発明で用いられる(B)高圧ラジカル重
合法によるエチレン(共)重合体とは、高圧ラジカル重
合法による密度0.91〜0.94g/cmのエチレ
ン単独重合体、エチレンとビニルエステルα,β−不飽
和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げら
れる。
【0013】上記高圧ラジカル重合法による密度0.9
1〜0.94g/cmのエチレン単独重合体とは、公
知の高圧ラジカル法による低密度ポリエチレンである。
【0014】上記エチレン−ビニルエステル共重合体と
は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分
とするプロピレン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体および所望により他の不飽和単量体との共重
合体である。これらの共重合体のうち好ましいものとし
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を挙げることがで
きる。特に、エチレン65〜99.5重量%、酢酸ビニ
ル0.5〜35重量%および他の不飽和単量体0〜25
重量%からなる共重合体が好ましい。
【0015】上記エチレン−α,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体とは、エチレンとα,β
−不飽和カルボン酸またはその誘導体および所望により
他の不飽和単量体との共重合体、およびそれらの金属
塩、アミド、イミド等が挙げられる。共重合成分である
α,β−不飽和カルボン酸の具体例としてはアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
等の不飽和カルボン酸類を挙げることができる。またそ
の誘導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル等を挙げる
ことができる。これらの共重合体のうち、好ましくは高
圧ラジカル重合法で製造されるエチレン−アクリル酸エ
チル共重合体等を挙げることができる。特に、エチレン
65〜99.5重量%、アクリル酸エチルエステル0.
5〜35重量%および他の不飽和単量体0〜25重量%
からなる共重合体が好ましい。
【0016】上記における他の不飽和単量体とは、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数3〜1
0のオレフィン類、C〜Cアルカンカルボン酸のビ
ニルエステル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、グリ
シジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸
および無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸
またはその無水物類などの群から選ばれた少なくとも1
種である。
【0017】本発明における(B)成分であるエチレン
(共)重合体は、密度が0.91〜0.94g/c
、好ましくは0.915〜0.935g/cm
より好ましくは0.92〜0.93g/cm、MFR
が0.1〜20g/10min.、好ましくは0.2〜
10g/10min0、より好ましくは0.2〜5g/
10min.であるものである。とりわけ高圧ラジカル
重合法による低密度ポリエチレンが成形安定性、経済性
等の点から最も好ましい。
【0018】上記(A)成分と(B)成分の配合割合
は、(A)成分が50〜100重量%、(B)成分が5
0重量%以下の範囲である。(B)成分は、高速成形性
やフィルム成形時のバブル安定性等のため50%まで配
合できるが、(B)成分の範囲が50重量%を超えると
耐衝撃性、機械的強度に劣るので、フィルムのバランス
を考慮すると(B)成分は10〜30重量%の範囲から
選択するのがよい。
【0019】 本発明で用いられる
【0020】 (C)成分のアミン系帯電防止剤の具体
例としては、パルミチルジエタノールアミン、ステアリ
ルジエタノールアミン、パルミチルジエタノールアミ
ド、ステアリルジエタノールアミド等が挙げられ、多価
アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤の具体例
としては、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモ
ノステアレート等が挙げられる。これらの帯電防止剤は
単独または複数の混合物として用いられるが、複数の混
合物として用いるのが好ましく、アミン系帯電防止剤と
多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電防止剤の混
合物が特に好ましい。
【0021】 上記(C)成分の帯電防止剤の配合割合
は、(A)、(B)樹脂成分の合計に対して、300
2000ppm、好ましくは300〜1500ppm、
より好ましくは400〜1300ppmである。(C)
成分の配合量が2000ppmを越えるとブロッキング
現象が生じて開口性が悪化し、300ppm未満では
分な帯電防止効果が得られない。
【0022】本発明で用いられる(D)アルキレンビス
飽和高級脂肪酸アミドとは、下記一般式で示される化合
物である。
【0023】
【式1】
【0024】(但し、Rは炭素原子1〜20のアルキ
レン基であり、R,Rは炭素原子5〜21のアルキ
ル基である。) かかる化合物の具体例としては例えば、メチレンビスス
テアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、
メチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスパルミ
チン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、エチレン
ビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸
アミド、ヘキサエチレンビスパルミチン酸アミド、ヘキ
サメチレンビスベヘン酸アミド等を挙げることができ
る。これらのうちでは、エチレンビスステアリン酸アミ
ドが最も好ましい。
【0025】 上記(D)成分のアルキレンビス飽和高
級脂肪酸アミドの配合割合は、(A)、(B)樹脂成分
の合計に対して、300〜1500ppm、好ましくは
300〜1200ppm、より好ましくは400〜10
00ppmである。(D)成分の配合量が1500pp
mを越えるとヒートシール性や印刷特性に支障が生じ、
300ppm未満では十分に開口性を改良する効果がな
い。
【0026】本発明で用いられるアルキレンビス高級脂
肪酸アミドは、飽和高級脂肪酸を用いた化合物でなくて
はならない。帯電防止剤は、添加量が増加すると帯電防
止効果が向上するとともに滑性およびブロッキングが増
加し、開口性は悪化する。帯電防止剤とアルキレンビス
飽和高級脂肪酸アミドを併用すると、帯電防止剤の滑性
を抑えて開口性を改善できるので、従来フィルムに多用
されていた抗ブロッキング剤を大量に用いる必要がなく
なる。したがって、抗ブロッキング剤を大量に用いた時
に生じる透明性の悪化などの弊害を避けることができる
ので、米、砂糖袋用等のフィルム用途に対しては有効で
ある。しかしながら、本発明で用いるアルキレンビス飽
和高級脂肪酸アミドに代えてアルキレンビス不飽和高級
脂肪酸アミドを使用すると、開口性は改善されるけれど
も、同時に滑性をも付与し、高滑性となるので重包装袋
用フィルムの場合は好ましくない。
【0027】本発明の組成物の配合は従来の樹脂組成物
配合法として一般に用いられる公知の方法により行うこ
とができる。その一例としては、上記(A)(B)成分
および所望により各種添加剤をタンブラー、リボンブレ
ンダーまたはヘンシェルタイプミキサー等の混合機を使
用してドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機
等の連続式溶融混練機により溶融混合し、押出してペレ
ットを調整することによって該樹脂組成物を得ることが
できる。
【0028】また他の配合方法としては、(A)成分の
密度0.91〜0.96g/cmのエチレン・α−オ
レフィン共重合体および/または(B)成分の高圧ラジ
カル重合法による低密度ポリエチレンと(C)成分の帯
電防止剤および(D)成分のアルキレンビス飽和高級脂
肪酸アミドとを混合、溶融混練し上記両成分の高濃度の
樹脂組成物を得て(以下マスターバッチと称す)、次い
で該マスターバッチと(A)成分または(A)成分およ
び(B)成分とを混合してなる、いわゆるマスターバッ
チ法により該樹脂組成物を得ることもできる。
【0029】本発明においては、該ポリエチレン系樹脂
組成物に対し、防曇剤、有機あるいは無機フィラー、酸
化防止剤、滑剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防止
剤、分散剤、核剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤などの公知
の添加剤を、本発明の特性を本質的に阻害しない範囲で
添加することができる。
【0030】本発明のフィルムとは、前記特定の化合物
と帯電防止剤を特定の割合で配合した前記の樹脂組成物
から成形されたフィルムであり、帯電防止性能、開口
性、適度の滑性を有し、かつ耐衝撃性等の機械的強度に
すぐれている。近年の重包装フィルムへの要求として
は、滑り角度が大きすぎても(滑りにくい)または滑り
角度が小さすぎても(滑りやすい)自動パレタイザーシ
ステムに不向きの場合があり、開口性と同様に滑性のコ
ントロールが非常に重大な問題となっている。特に重包
装袋等においては前記従来技術で述べられたように静電
気によるヒートシール面に内容物の粉体等の夾雑物が付
着する等の問題を有している。したがって、本発明のフ
ィルムは高速成形性等が要求される自動充填用袋、重包
装用袋等に好適である。
【0031】本発明のフィルムは、密度が0.88〜
0.96g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合
体単独でも差し支えないものであるが、高速成形性やフ
ィルム成形時のバブル安定性等を考慮した場合において
は前記の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン
を10〜30重量%の範囲で配合することが好ましい。
本発明のフィルムに帯電防止性能を効果的に発現させる
ためには、該フィルムにコロナ放電処理等の表面処理を
施すことが好ましい。このような方法をとることにより
フィルム表面にブリーアウトした帯電防止剤と表面処理
効果により帯電防止性能は相乗的な効果を発揮する。
【0032】本発明のフィルムの帯電防止性能として
は、表面固有抵抗が1×1013未満であることが好ま
しい。この範囲を満たしていないフィルムの場合には静
電気によりヒートシール面に粉体等の夾雑物が付着し、
十分なヒートシール強度が得られない虞を生じる。
【0033】本発明のフィルムの開口性とはブロッキン
グ強度として判定される。該ブロッキング強度として
2.0kgf/10cm未満であることが好ましく、
ブロッキング伸びは10%未満が好ましい。この範囲を
満たしていないフィルムは開口性が十分ではない虞を生
じる。
【0034】本発明のフィルムの滑性は適度に制御され
たものであり、具体的には静摩擦係数tanθが0.4
〜0.6の範囲であることが好ましい。tanθが0.
4未満ではフィルムが滑りすぎて高速自動充填包装機に
不適となる虞が生じ、倉庫内で段積された包装袋の荷崩
れなどが発生するなどの不都合が生じる虞がある。ま
た、tanθが0.6を越えると滑性が不足し、フィル
ムへの充填作業などに支障をきたすので好ましくない。
【0035】本発明のフィルム厚みは用途によって異な
るが、(C)成分である帯電防止剤、(D)成分である
アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドの添加量はフィル
ム厚みによって適性配合量が決められる。この適性配合
量はフィルムの帯電防止性能を保持しながら、開口性を
改善するとともに適度の滑性を保つことができるように
フィルム表面にブリードする量により決定される。
【0036】フィルム厚みが100〜250μmの重包
装袋用フィルムの場合は、本発明の(C)成分の帯電防
止剤の添加量は100〜1500ppm、(D)成分の
アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドの添加量は100
〜1000ppm、フィルム厚みが20〜100mmの
一般包装袋用フィルムおよび米、砂糖袋用等フィルムの
場合は、(C)成分の添加量は300〜2000pp
m、(D)成分の添加量は200〜1500ppmであ
ることが好ましい。
【0037】本発明のフィルムの製造方法は、インフレ
ーション成形法、Tダイ成形法、水冷フィルム法等の公
知の成形方法を用いることができるが、これらに限定さ
れるものではない。本発明の(A)〜(D)成分からな
るポリエチレン系樹脂組成物を原料とし、インフレーシ
ョン成形法でフィルムを成形する場合、押出機の形態と
しては一般的に用いられるフィルム成形機の押出機が使
用可能であるが、特にスクリュー径が25〜200mm
φ、スクリューL/Dが15〜35であることが好まし
い。上記インフレーション成形における押出条件として
は、押出温度160〜250℃、好ましくは180〜2
20℃、ダイリップ間隔0.5〜5.0mm、好ましく
は1.0〜3.5mm、ブローアップ比は1.0〜4.
0、好ましくは2.0〜3.0で、フィルム厚み20〜
250μmのフィルムを成形することができる。
【0038】本発明のフィルムは、生鮮食品、加工食
品、日用品、雑貨等の一般包装用フィルム、文房具、テ
ィッシュペーパー、生理用品等の軽包装用の高速自動充
填包装用フィルム、米、砂糖袋、粉末製品等の帯電防止
フィルム、肥料、樹脂ペレット、薬品等の重包装袋用等
に好適に用いられる。
【0039】物性の測定に用いた試験方法は以下の通り
である。 (物性試験方法) 密度 :JIS K6760 準拠 MFR :JIS K6760 準拠 ブロッキング性(日石化試):フィルムサンプルを縦方
向(インフレーション成形時の)に2cm幅で切り出し
内面同士の末端部分をオーバーラップさせて相対し0.
5kg/cmの荷重下で60℃×5h養生した後、オ
リエンテック社製引張り試験機を用いてチャック間15
0mmとし、500mm/minで引っ張り、オーバー
ラップさせた部分が、はがれるまでの距離を伸び率と
し、最大荷重をブロッキング強度とした。 滑性(日石化試):新東科学(株)製、静摩擦係数測定
機を用いて傾斜速さ2.7度/秒で滑走斜度を変化して
行った時のフィルムの滑り出し角度(移動ブロック:2
00g)をtanθの値で表した。 開口性:インフレーション成形で得られたフィルムを自
動製袋機にて幅40cm×長さ60cm(内容物20k
g)にて製袋し、ケイ酸カルシウムの粉末をニューロン
グ社製充填機及びトップシーラーでヒートシールテスト
を行いその際、口開きの悪いものは自動的に充填機系外
に吹き飛ばされる数で評価した。(枚数/50枚) 0〜2枚:○ 3〜5枚:△ 6枚以上:× 表面固有抵抗:JIS K6911 準拠 (帯電防止性能) HEWLETT・PACKARD社
製、表面固有抵抗測定装置を用いて測定した。 印加電圧 500V 印加時間 60秒 夾雑物シール強度:前記、開口性評価の際のトップシー
ル部分を観察し以下の様に判定した。 容易に剥がれそうなもの:× 剥がれそうだが使用には大丈夫:△ 良好にシールされているもの:○
【0040】1.材料 (A):エチレン・α−オレフィン共重合体 A1:C6−1:線状低密度ポリエチレン(エチレン−
1−ヘキセン共重合体) 〔密度=0.922g/cm MI=0.5g/10
min商品名:日石リニレックス BF1350、日本
石油化学(株)製〕 A2:C4:1線状低密度ポリエチレン(エチレン−1
−ブテン共重合体) 〔密度=0.923g/cm MI=0.5g/10
min商品名:日石リニレックス BF1310、日本
石油化学(株)製〕
【0041】(B):高圧ラジカル法エチレン(共)重
合体 B1:高圧ラジカル法ポリエチレン 〔密度=0.923g/cm MI=1.0g/10
min商品名:日石;レクスロン F22N、日本石油
化学(株)製〕
【0042】(C):帯電防止剤 C1:帯電防止剤A:ステアリン酸モノグリセライド
〔商品名:MB400、理研ビタミン(株)製〕 C2:帯電防止剤B:ステアリルジエタノールアミン
〔商品名:SE−165,理研ビタミン(株)製〕
【0043】(D):アルキレンビス飽和高級脂肪酸ア
ミド D1:EBSA:エチレンビスステアリン酸アミド〔商
品名:スリパックスE、日本化成(株)製〕 D2:EBOA:エチレンビスオレイン酸アミド〔商品
名:スリパックスO、日本化成(株)製〕 D3:抗ブロッキング剤;シリカ(けいそう土) 〔商品名:セライトスーパーフロス、ジョンマンビル
(株)製〕 D4:EA:エルカ酸アミド〔商品名:ニュートロン
S、日本精化(株)製〕 D5:OA:オレイン酸アミド〔商品名:ニュートロ
ン、日本精化(株)製〕 D6:BA:ベヘニン酸アミド〔商品名:BNT22
H、日本精化(株)製〕
【0044】
【実施例】
<実施例1〜9>別表に示した配合組成のものをタンブ
ラーミキサーにて混合した後、50mmφ押出機を用い
てペレット化した。その後モダンマシナリー社製65m
mφ押出機付きインフレーション成形装置を用いてブロ
ー比2.55フィルム厚み100μm×幅400mmで
40kg/hの時間当たり処理量で成形した。得られた
フィルムは滑り角度も良好でブロッキング性も低く、夾
雑物シール性、開口性も良好で重袋フィルムに要求され
るすべての性能を満たしていた。
【0045】<比較例1>実施例1で使用したEBSA
の替わりにEBOAを400ppmとしたほかは実施例
1と同様に成形した。その結果フィルムの開口性、夾雑
物シール性、表面固有抵抗値は良好だったがフィルムが
滑りすぎ重袋フィルムとしては不適当であった。
【0046】<比較例2>実施例2で使用したEBSA
の替わりにEBOAを800ppmとしたほかは実施例
2と同様に成形した。その結果フィルムの開口性、夾雑
物シール性、表面固有抵抗値は良好だったがフィルムが
滑りすぎ重袋フィルムとしては不適当であった。
【0047】<比較例3>実施例3で使用したEBSA
の替わりにEBOAを800ppmとしたほかは実施例
3と同様に成形した。その結果フィルムの開口性、夾雑
物シール性は良好だったが、表面固有抵抗値が若干低下
したほか、フィルムが滑りすぎ重袋フィルムとしては不
適当であった。
【0048】<比較例4>実施例4で使用したEBSA
の替わりにEAを800ppmとしたほかは実施例1と
同様に成形した。その結果フィルムの夾雑物シール性は
良好だったが、表面固有抵抗値が低下し、開口性が悪
く、フィルムが滑りすぎ、またブロッキングが激しく重
袋フィルムとしては不適当であった。
【0049】<比較例5>実施例2で使用したEBSA
の替わりにOAを600ppmとし、帯電防止剤Aの替
わりに帯電防止剤Bを使用したほかは実施例2と同様に
成形した。その結果フィルムの夾雑物シール性は良好だ
ったが、表面固有抵抗値が低下し、開口性が悪く、フィ
ルムが滑りすぎたりブロッキングが激しく、重袋フィル
ムとしては不適当であった。
【0050】<比較例6>実施例2で使用したEBSA
の替わりにBAを600ppmとし、帯電防止剤Aの替
わりに帯電防止剤Bを使用したほかは実施例2と同様に
成形した。その結果フィルムの夾雑物シール性は良好だ
ったが、表面固有抵抗値が低下し、開口性が悪く、また
ブロッキングが激しく重袋フィルムとしては不適当であ
った。
【0051】<比較例7>実施例1に使用したEBSA
の替わりにEBOAを400ppmとし、帯電防止剤を
使用しなかったほかは実施例1と同様に成形した。その
結果、開口性は良好であったもののフィルムが滑りすぎ
たり、夾雑物シール性、表面固有抵抗値が高く重袋フィ
ルムとして不適当であった。
【0052】<比較例8>実施例2に使用したEBSA
の替わりにEBOAを800ppmとし、帯電防止剤を
使用しなかったほかは実施例1と同様に成形した。その
結果、開口性は良好であったもののフィルムが滑りすぎ
たり、夾雑物シール性、表面固有抵抗値が高く重袋フィ
ルムとして不適当であった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明は特定のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体およびエチレン(共)重合体を主成分とする
樹脂成分に対し、特定の帯電防止剤および特定のアルキ
レンビス飽和高級脂肪酸アミドを添加したポリエチレン
系樹脂組成物であり、該組成物を用いて製造されたフィ
ルムは帯電防止性、開口性にすぐれ、かつ低滑性であ
り、肥料、化学薬品などの重包装袋や米、砂糖袋などに
好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 23/08 C08L 23:04 23:04)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.88〜0.96g/cm3
    エチレン・α−オレフィン共重合体100〜50重量%
    および他のエチレン系重合体0〜50重量%からなる樹
    脂成分に対し、多価アルコール系帯電防止剤および/ま
    たはアミン置換型帯電防止剤300〜2000ppmお
    よびアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド300〜15
    00ppmが含有されており、その組成物から得られる
    フィルムの表面固有抵抗が1×10 13 Ω未満である
    とを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミ
    ドがエチレンビスステアリン酸アミドであることを特徴
    とする請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記他のエチレン系重合体が高圧ラジカ
    ル重合法によるエチレン(共)重合体であり、その配合
    割合が10〜30重量%である請求項1または2記載の
    ポリエチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリ
    エチレン系樹脂組成物からなるフィルム。
  5. 【請求項5】 前記フィルムの静摩擦係数tanθが
    0.4〜0.6、表面固有抵抗が1×10 13 Ω未満、
    ブロッキング強度が2.0kgf/10cm 未満であ
    ることを特徴とする請求項4記載のフィルム。
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