JP3424362B2 - オレフィン系重合体組成物 - Google Patents
オレフィン系重合体組成物Info
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Description
成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、透
明性に優れ、かつ臭気、ブリード及び着色の発生並びに
樹脂の機械的強度を低下させるといった問題を伴わない
オレフィン系重合体組成物に関するものである。
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体などの結晶性のオレフィン系重合体は、成形性、柔
軟性、コストなどの実用性能に優れており、広い分野で
簡便に利用されている。しかしながら、該結晶性のオレ
フィン系重合体は、フィルム、シート、成形品などに加
工した場合、その高い結晶性により、透明性が不良とな
って商品価値を損ねるという問題を有する。
のオレフィン系重合体に対し、結晶性が低く、透明性の
よい低密度ポリエチレンをブレンドする方法、芳香族カ
ルボン酸のアルミニウム塩、芳香族カルボン酸、芳香族
リン酸金属塩、多価アルコールとアルデヒドとの縮合物
などの核剤を添加するなどの方法などが提案されてい
る。
ンドする方法は、樹脂の機械的強度を低下させたり、ブ
レンド工程の煩雑さなどから必ずしも好ましい方法では
ない。また、核剤を添加する方法においては、臭気やブ
リードが発生するという問題がある。
である置換ベンジリデンソルビトールと長鎖アルキルア
ルコールを併用する方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法においても、透明性の改良が不十分である
という問題を有している。
明が解決しようとする課題は、透明性に優れ、かつ臭
気、ブリード及び着色の発生並びに樹脂の機械的強度を
低下させるといった問題を伴わないオレフィン系重合体
組成物を提供する点に存するものである。
記(A)成分100重量部、(B)成分0.01〜1重
量部及び(C)成分0.01〜5重量部を含有するオレ
フィン系重合体組成物に係るものである。 (A)成分:エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン、へキセン、ヘプテン、オクテン及びデセンからなる
群より選ばれるオレフィンの単独重合体、又は上記オレ
フィンの共重合体 (B)成分:下記化学式(1)で表される化合物 (C)成分:エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物
1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は
ハロゲン原子を表し、m及びnは、独立に、0〜3の整
数を表わす。)
体である。
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、へプテ
ン、オクテン又はデセンのオレフィンの単独重合体、及
びそれらの共重合体をあげることができる。
ら特に好ましい(A)成分として、結晶化度が20%以
上のオレフィン系重合体をあげることができる。これら
の具体例としては、炭素数4以上のオレフィンを共重合
した直鎖状低密度ポリエチレン、炭素数4以上のオレフ
ィンを含有しない直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、立体規則性ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンラン
ダム共重合体などをあげることができる。なお、結晶化
度はX線回折により測定される。
に好ましい(A)成分として、メルトフローレート(以
下、「MFR」と記すことがある。)が0.1〜100
g/10分である結晶性プロピレン重合体又は直鎖状エ
チレン重合体をあげることができる。該メルトフローレ
ートが過小な場合は、成形性が乏しくなり、実用性が低
下することがあり、一方メルトフローレートが過大な場
合は、成形品の機械的性質が低下することがある。な
お、メルトフローレートは、JIS K7210に基づ
き、ポリエチレンについては温度190℃、荷重2.1
6kgで測定され、ポリプロピレンについては温度23
0℃、荷重2.16kgで測定される。
で表される化合物である。
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ
基又はハロゲン原子を表す。
的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、t−ブチル基などをあげることができる。
体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基
などをあげることができる。
素、臭素などをあげることができる。
3の整数を表わす。
2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4
−ジ−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,
2,4−ジ−p−エチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4−p−クロロ−p−メチルベンジリデン
ソルビトール、1,3,2,4−p−クロロ−p−エチ
ルベンジリデンソルビトールなどをあげることができ
る。
る(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部あた
り、(B)成分0.01〜1重量部、好ましくは0.0
2〜0.5重量部、更に好ましくは0.05〜0.3重
量部である。該含有量が過少の場合は透明性に劣り、一
方該含有量が過多の場合は、透明性の改良に対する
(B)成分の増量効果が飽和して不経済であるばかりで
はなく、ブリードが発生して、不都合である。
ニル共重合体のけん化物である。
その数平均分子量が1000〜4000のものが特に好
ましい。該数平均分子量が過小な場合は、相溶性が低下
し、ブリードが発生することがあり、一方該数平均分子
量が過大な場合は、透明性に劣ることがある。
その酢酸ビニル含有量が1〜50重量%のものが好まし
い。該含有量が過少又は過多な場合は、透明性に劣るこ
とがある。
しい。けん化度が過小である場合は、透明性に劣ること
がある。
触媒としての水酸化ナトリウムの存在下、沸騰メタノー
ルを溶媒とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化
反応に付せばよい。
0%未満のものは、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアル
コール3元共重合体の形態を有し、けん化率100%の
ものはエチレン−ビニルアルコール共重合体の形態を有
する。
る(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部あた
り、(C)成分0.01〜5重量部、好ましくは0.0
2〜1重量部、更に好ましくは0.05〜0.5重量部
である。該含有量が過少の場合は透明性に劣り、一方該
含有量が過多の場合は、着色やブリードが発生して不都
合である。
記(A)成分〜(C)成分に加えて、任意に用いる成分
として、通常用いられる酸化防止剤、金属塩などの透明
化助剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、顔
料、透明化剤、ゲル化剤、分子量調整剤などを、本発明
の効果を損わない範囲で添加することができる。
方法としては、たとえば次の方法をあげることができ
る。すなわち、粉末状又はペレット状の(A)成分に
(B)成分及び(C)成分、並びに上記の任意成分を配
合し、ミキサーなどで混合後、押出機にて溶融混練して
ペレットとする。かくして得られたペレットは、射出成
形、ブロー成形などによって型物の成形品とし、インフ
レーション法によりフィルムとし、又はTダイ法により
シートにして、使用に供せられる。なお、上記のミキサ
ーなどで混合した粉末物を、直接に成形に供してもよ
い。更に、(B)成分又は(C)成分のみを(A)成分
に配合してペレットとした組成物に、残りの成分である
(C)成分又は(B)成分を付着又は添加配合して成形
に供する方法によってもよい。
出機(230℃)でペレットにした。このペレットを射
出成形機(230℃)で150×150×1.5mmの
シートに成形し、JIS−K6714に準拠して該シー
トの透明性(ヘイズ)を評価した。結果を表1に示し
た。
た。このペレットを圧縮成形(230℃)により150
×150×0.3mmのフィルムに成形し、該フィルム
の透明性を評価した。結果を表2に示した。
合として、ステアリン酸カルシウム500重量ppm及
び酸化防止剤(住友化学工業社製「スミライザーBP−
101」(商品名)1000重量ppm及び住友化学工
業社製「スミライザーBHT」(商品名)2000重量
ppm)を用いた。
0.90、MFR8g/10分、結晶化度45%、エチ
レン含量3.1重量%) A2:直鎖状低密度ポリエチレンであるエチレン−ヘキ
セン−1共重合体(密度0.93、MFR2g/10
分、結晶化度60%、ヘキセン−1含量5%)
1,3,2,4−ジ−p−メチルベンジリデンソルビト
ール
ビニル含有量30重量%、数分子量1900のエチレン
−酢酸ビニル共重合体を水酸化ナトリウム触媒の存在
下、沸騰メタノール中で95%けん化したもの) C2:エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物(酢酸
ビニル含有量28重量%、190℃/2.16kgのM
FRが300g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合
体を水酸化ナトリウム触媒の存在下、沸騰メタノール中
で99%けん化したもの)
明性に優れ、かつ臭気、ブリード及び着色の発生並びに
樹脂の機械的強度を低下させるといった問題を伴わない
オレフィン系重合体組成物を提供することができた。
Claims (4)
- 【請求項1】下記(A)成分100重量部、(B)成分
0.01〜1重量部及び(C)成分0.01〜5重量部
を含有するオレフィン系重合体組成物。 (A)成分:エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン、へキセン、ヘプテン、オクテン及びデセンからなる
群より選ばれるオレフィンの単独重合体、又は上記オレ
フィンの共重合体 (B)成分:下記化学式(1)で表される化合物 (C)成分:エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物 (式中、R1及びR2は、独立に、炭素数1〜8のアルキ
ル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を
表し、m及びnは、独立に、0〜3の整数を表わす。) - 【請求項2】(A)成分が、メルトフローレートが0.
1〜100g/10分である結晶性プロピレン重合体又
は直鎖状エチレン重合体である請求項1記載のオレフィ
ン系重合体組成物。 - 【請求項3】(B)成分が、1,2,3,4−ジベンジ
リデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−p−メチル
ベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−p−
エチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−p
−クロロ−p−メチルベンジリデンソルビトールまたは
1,3,2,4−p−クロロ−p−エチルベンジリデン
ソルビトールである請求項1記載のオレフィン系重合体
組成物。 - 【請求項4】(C)成分が、数平均分子量が1000〜
4000であり、酢酸ビニル含有量が1〜50重量%で
あるエチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物であっ
て、けん化度が50〜100%のものである請求項1記
載のオレフィン系重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31519494A JP3424362B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | オレフィン系重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31519494A JP3424362B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | オレフィン系重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08169990A JPH08169990A (ja) | 1996-07-02 |
JP3424362B2 true JP3424362B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=18062550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31519494A Expired - Fee Related JP3424362B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | オレフィン系重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3424362B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4691847B2 (ja) * | 2001-07-17 | 2011-06-01 | 住友化学株式会社 | 射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物 |
-
1994
- 1994-12-19 JP JP31519494A patent/JP3424362B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08169990A (ja) | 1996-07-02 |
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