JP5282401B2 - 脂肪酸ビスアミド組成物、ならびにそれを用いた離型剤、離型性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

脂肪酸ビスアミド組成物、ならびにそれを用いた離型剤、離型性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、離型剤に有用な脂肪酸ビスアミド組成物、ならびにそれを用いた、粘着剤に対して用いられる新規な離型剤及び離型性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該離型性樹脂組成物からなる成形体、及びその用途にも関する。
通常、粘着剤は液状、ペースト状で塗布して使用した場合、粘着剤を一定量塗布することが困難であり、塗布厚みのバラツキから粘着力を安定させ難いこと、粘着剤のはみ出しで被着体を汚染すること、粘着力発現に時間がかかりその間、次工程に移れないこと、などから作業効率に乏しい。その為、該粘着剤をテープ状に成形し、該テープの粘着面に離型特性の良好な紙やフィルム(以下、離型フィルム)などを仮着して保護した、離型フィルム付き片面粘着テープや両面粘着テープ、テープ基材の粘着面とは反対側の面に離型処理を施した粘着テープ、及び粘着剤に対して離型特性をもつ材料を基材に用いた粘着テープ等の粘着テープは、作業効率に関する上記課題の解決や、被着体に軽く圧着するだけで接着できる簡便性を活かして多くの分野において広く用いられている。
これら粘着テープの粘着面の保護に用いられる離型フィルムは、粘着剤に対して良好な離型特性を有することはもちろん、使用される前に分離され不要となる為、安価で剥離後の廃棄がしやすいことが重要である。
従来、良好な離型特性を有する離型フィルム及びその材料として、シリコーン系離型剤や長鎖アルキル系離型剤が利用されている(特許文献1〜3参照)。離型フィルムの離型層や粘着テープの背面処理層などの離型層の形成方法としては、フィルム、紙などの基材へ離型剤溶液を塗工、乾燥する方法が採用されている。
また、物理的及び化学的な物性のバランスが良好でフィルム成形性にも優れたポリオレフィン樹脂に離型剤を配合し、その樹脂組成物を押出成形して作製した離型フィルムは、粘着面に対して十分な離型特性をもつ離型基材として利用されている。
ポリオレフィン樹脂に配合する離型剤としては、シリコーン化合物が特に有効なものとして知られている(特許文献4参照)。しかしながら、シリコーン化合物は離型フィルムから浸出して粘着シート類の粘着面に移行する可能性があり、電子部品用途などに使用した場合は、電気接点不良などの弊害を生じることがある。また、例えば自動車の塗装前に使用される表面保護フィルムとして使用した場合は、塗装工程における「はじき」や印字性等の欠点が指摘されている。以上のような理由により、非シリコーン系離型剤の開発が望まれている。
非シリコーン系離型剤としては、従来、活性水酸基含有ビニル重合体と長鎖アルキルイソシアネート化合物との反応生成物からなるウレタン系長鎖アルキル離型剤が知られており(特許文献5及び6参照)、このようなウレタン系離型剤とポリオレフィン樹脂とを含む組成物を離型層に含有する粘着テープ又はシートも知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、上記従来のウレタン系離型剤は熱安定性が低く、コンパウンドの調製や押出成形の際に熱分解して低分子量の不純物を生じ、発煙や発泡、金属ロール汚染等の問題を引き起こし、更には、この離型剤を含む離型剤層と粘着剤層を接触させて積層すると、離型層から粘着層の粘着面に不純物が移行して粘着性能が低下する等の問題がある。
また、基材、背面処理層、粘着層が共押出成形により一体に形成された表面保護シートにおいて、粘着性能を低下させることのない背面処理層として、ポリエチレン系樹脂に脂肪酸アミド系添加剤を配合することが提案されている(特許文献7参照)。特許文献7の実施例で実際に効果が確認されているのは、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体を含有する粘着層に対する効果のみである。
一方、粘着テープに使用される粘着剤としては、ゴム系やアクリル系の粘着剤が一般的であり、また、耐熱性、耐薬品性、及び接着性に優れたシリコーン系粘着剤が、電気電子用途向けの、少なくとも片方にシリコーンを含んだ部材間の接合など、多くの分野の接合に利用されている。また、シリコーン系粘着剤はアクリル系粘着剤と比較して、光学フィルタなどに用いられる近赤外吸収色素や帯電防止剤などの添加剤の機能を劣化させずに、粘着剤内に長期に含有させることが可能であり、PDPフィルタなどの貼付用粘着剤に用いられている。
これらシリコーン系粘着剤からなるテープの粘着面等に、従来のシリコーン系離型剤やウレタン系長鎖アルキル離型剤からなる離型フィルムを貼り合わせると、経時的に剥離力が増大してしまい、これらの従来の離型フィルムの性能では不十分である。より離型特性に優れた離型フィルムとして、フッ素系離型剤やフッ素−シリコーン系離型剤からなる離型フィルムが提案されている(特許文献8及び9参照)が、これらの剤は高価である。特に、PTFE等のフッ素系離型剤は、非常に高価である。また、フッ素−シリコーン系離型剤は、シリコーン系離型剤と同様にシリコーンを含むので、離型剤と粘着剤は相溶性を有する為、依然として剥離力は大きくなり、より低剥離力化が望まれている。また、フッ素系離型剤やフッ素−シリコーン系離型剤を使用して離型フィルムを製作する場合、フッ素を含む有機溶剤を使用することから、安全な作業環境の確保や機器の汚染防止が課題である。更に、粘着テープを被着体に貼付する際、必要の無くなった該離型フィルムを廃棄する場合、該離型フィルムにフッ素を含むため特別な廃棄処理が必要であり環境負荷が大きいことも課題である。
上記状況を鑑み、シリコーン系粘着剤の組成を改質することにより、フッ素系の材料を離型フィルム中に使用することなく、シリコーン系離型剤を用いた離型フィルムに対して離型特性を得る提案がなされているが(特許文献10参照)、基本的に粘着剤及び離型剤が、同種のシリコーンを含有していることから経時的に両界面は相溶性を有することにより、剥離力が増大してしまうとの問題がある。
また、本来、粘着剤は、被着体の性質と使用条件から必要とされる粘着特性を特定し、それを満足する剤が選択されるべきであり、粘着テープの使用条件及び用途に全く関係なく、粘着テープ使用時には分離・破棄される離型フィルムと粘着剤との関係から、使用できるシリコーン系粘着剤の種類が制限されることは実用上好ましくない。
特開平4−89865号公報 特開平5−301963号公報 特開昭59−219366号公報 特開平10−44349号公報 特公平2−7988号公報 特公昭60−30355号公報 特開2006−219520号公報 特開昭63−320号公報 特開平4−236285号公報 特開2003−313516号公報
本発明は、離型剤の製造に有用な新規な脂肪酸ビスアミド組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、剥離力の経時変動が少なく、耐熱性が良好であり、樹脂とともに押出成形可能な、脂肪酸ビスアミド系離型剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、主要成分として、離型特性の劣化要因となり得るシリコーン及び高価で且つ環境負荷が大きいフッ素を含まず、シリコーン系粘着剤などに対して、高温環境下に保管された場合であっても、経時的に剥離力が大きく変動せず、良好な離型特性を有する、新規な離型剤、該離型剤を含んでなる離型性樹脂、該離型性樹脂からなるフィルム等の成形体、及び該成形体を含む積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、離型剤として、炭素数が所定の範囲の脂肪酸ビスアミドを主成分とする脂肪酸ビスアミド組成物を用いることにより、前記課題を解決し得ることを見出し、この知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、前記課題を解決するため、下記一般式[1]で表される1種の脂肪酸ビスアミド化合物を主成分として含み、該脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解した後の脂肪酸部分をガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出法(以下「GC/FID」と称す)にて分析した際の、主たる脂肪酸成分の含有量が90面積%以上であり、かつ、主たる脂肪酸成分の脂肪族基([1]式中のR)の炭素数が19以上23以下であることを特徴とする脂肪酸ビスアミド組成物:
R−CONH−(CH2n−NHCO−R [1]
(式中、nは1〜6の整数を表す。Rは直鎖の脂肪族基を表す。)を提供する。
また、本発明は、前記課題を解決するため、前記脂肪酸ビスアミド組成物を有効成分として含有することを特徴とする離型剤;及び前記脂肪酸ビスアミド組成物(A)と、熱可塑性高分子(B)とを含有することを特徴とする離型性樹脂組成物;を提供する。
また、別の観点から、本発明によって、前記離型性樹脂組成物を押出成形してなる成形体(例えば、離型フィルム又はシート);ならびに前記成形体と、基材シート及び/又は粘着シートとを含む積層体;が提供される。
本発明の脂肪酸ビスアミド組成物は、環境負荷の小さい材料であり、且つ経済的にも安価である。また、シリコーンを基本的に含まないため、シリコーン系粘着剤と経時的に相溶化することがない。従って、本発明の脂肪酸ビスアミド組成物を有効成分として含有する離型剤によれば、シリコーン系粘着剤も含めた様々な粘着剤の種類によらず、高温環境下に保管された場合でも、剥離力の変動が少なく、安定な離型特性を得ることができる。
また、本発明の離型剤は、従来の脂肪酸ビスアミド系離型剤と比較して、耐熱性が良好であるので、加熱を受ける押出成形等を経て製造される離型フィルム等に用いるのに有効である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を示すものとする。また、本明細書では、「脂肪酸ビスアミド組成物」の用語は、脂肪酸ビスアミド化合物の1種のみからなる態様、及び複数種の脂肪酸ビスアミド化合物の混合物の態様のいずれも含む意味で用いる。
[脂肪酸ビスアミド組成物]
本発明の脂肪酸ビスアミド組成物は、下記一般式[1]で表される脂肪酸ビスアミド化合物を1種以上含み、該脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解した後の脂肪酸成分(加水分解により得られる脂肪酸)をGC/FID分析した際の、主たる脂肪酸成分の含有量が90面積%以上であり、かつ、主たる脂肪酸成分の脂肪族基([1]式中のR)の炭素数が19以上23以下であることを特徴とする。
R−CONH−(CH2n−NHCO−R [1]
(式中、nは1〜6の整数を表す。Rは直鎖の脂肪族基を表す。)
脂肪酸ビスアミド化合物は、両端の脂肪族基が離型性能に影響する。本発明の脂肪酸ビスアミド組成物は、炭素数19以上の直鎖の脂肪族基を両末端に有する脂肪酸ビスアミド化合物を主成分として高い純度で含むので、乱れの少ない結晶構造を形成可能であり、粘着剤と接触した際に絡み合いが抑制され、良好な離型性能を発揮する。また、該離型剤を含むフィルム上に粘着剤を塗布・乾燥する際に熱を受けた場合や、粘着シート等と貼り合わされて高温環境下で保管された場合等においても、融解温度が高いが故にその結晶構造を保持することができ、粘着剤との絡み合いが抑えられ経時的にも安定な離型特性を発揮する。
本発明の脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解した後の脂肪酸成分をGC/FID分析した際の、主たる脂肪酸成分(以下、「主成分脂肪酸」という場合がある)の含有量は90面積%以上である。主成分脂肪酸の含有量をこの範囲とすることで、上記で説明した乱れの少ない結晶構造の形成が可能となる。主成分脂肪酸の割合は95面積%以上であるのが好ましく、98面積%以上であるのがより好ましい。前記脂肪酸成分をGC/FID分析した際に検出される、主成分脂肪酸以外の脂肪酸成分(以下、「副成分脂肪酸」という場合がある)の炭素数は、主成分脂肪酸の炭素数より大きくても小さくてもよい。
なお、主成分脂肪酸と副成分脂肪酸の含有量は、該脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解し、それによって得られる脂肪酸をトリメチルシリル誘導体化して、GC/FID分析して脂肪酸のクロマトグラムを得、その全検出面積に対する、主成分脂肪酸及び副成分脂肪酸に対応する検出面積の割合として算出される。主成分脂肪酸に対応するのは最大検出面積であり、副成分脂肪酸に対応するのは、全検出面積から当該最大検出面積を差し引いた残りの面積であり、それぞれ全検出面積に対する割合を百分率で表した値である。
本発明の脂肪酸ビスアミド組成物の主成分は、脂肪族基(前記式中R)の炭素数が、19以上である。その理由の詳細は不明であるが、炭素数19以上の脂肪族基を高い純度で含む脂肪酸ビスアミド組成物を用いた場合に、高温環境下に保存された場合も、重剥離化(剥がれにくくなる現象)が十分に抑制される。脂肪族基が長鎖であるほど離型性能の観点では好ましいが、炭素数24以上の脂肪族基を有する脂肪酸ビスアミド化合物は入手が困難であるので、実用に沿わない。従って、主成分は、炭素数19〜23の脂肪族基を有する脂肪酸ビスアミド化合物から選ばれるのが好ましい。脂肪族基の炭素数が前記範囲の脂肪酸ビスアミド化合物を主成分として含むことにより、十分な離型性能が得られるとともに熱可塑性高分子とのコンパウンドの調製や押出成形時に、発煙、発泡等の問題が生じない又は生じ難いので好ましい。一方、脂肪族基の炭素数が18以下の脂肪酸ビスアミド化合物を、仮に、高い純度で含んでいても、高温環境下に保存した後の重剥離化が抑制されず、本発明の脂肪酸ビスアミド組成物と比較して、離型剤としての性能が劣っている。
主成分及び副成分の脂肪酸ビスアミド化合物中の脂肪族基(前記式中R)は、飽和脂肪族基であっても不飽和脂肪族基であってもよい。好ましくは飽和脂肪族基である。該脂肪族基の例には、ノナデシル基、イコサニル基、ヘンイコサニル基、ドコサニル基、及びトリコサニル基が含まれる。好ましくは、炭素数21〜23のアルキル基であり、より具体的にはヘンイコサニル基及びトリコサニル基である。
主成分及び副成分の脂肪酸ビスアミド化合物は、2つのアミド基を連結する2価の連結基(式[1]では(CH2n)を有する。該2価の連結基の例には、メチレン基、エチレン基、ヘキサメチレン基が含まれる。好ましくはメチレン基及びエチレン基である。
本発明の脂肪酸ビスアミド組成物中、90モル%以上の成分が、同一の構造の前記連結基を有していることが好ましく、実質的に全ての脂肪酸ビスアミド化合物が同一構造の連結基を有していることが更に好ましい。
本発明の脂肪酸ビスアミド組成物は、所定の高純度な脂肪酸と所定のアルキレンジアミンとを常法に従ってアミド化するという一般的な方法によって製造することができる。高純度な脂肪酸を得る方法としては、低純度な脂肪酸をエステル化した後、分留し、加水分解する方法等を利用することができる。
一般的な、脂肪酸ビスアミド化合物の製造方法としては、例えば、温度100〜250℃、不活性ガス雰囲気の常圧下若しくは加圧下、触媒を使用しないで、又は必要に応じて着色防止剤として水素化ホウ素アルカリ、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩等の存在下で、脂肪酸とアルキレンジアミンを反応させることで製造することができる。
脂肪酸としては、炭素数20〜24の脂肪酸(〔1〕式中のRに対応する脂肪族基の炭素数は19〜23)が好ましく、その例には、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸が含まれる。好ましくはベヘン酸、リグノセリン酸である。アルキレンジアミンとしては、炭素数1〜6のアルキレンジアミンが好ましく、その例には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが含まれる。好ましくはメチレンジアミン、エチレンジアミンが挙げられ、より好ましくはエチレンジアミンである。
[離型剤]
本発明の離型剤は、本発明の脂肪酸ビスアミド組成物を有効成分として含有する。該脂肪酸ビスアミド組成物の他、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、潤滑剤、有機系粒子、無機系粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料、高分子化合物、架橋剤等の各種添加剤を、本願発明の目的を損なわない範囲において配合してもよい。
[離型性樹脂組成物]
本発明の離型性樹脂組成物は、本発明の脂肪酸ビスアミド組成物(A)と、熱可塑性高分子(B)とを含有する。
熱可塑性高分子(B)としては、構成単位にオレフィンモノマーを含むポリオレフィンや、ポリアミドを用いることが出来る。より具体的には、熱可塑性高分子(B)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・αオレフィン共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体、エチレン・極性モノマー共重合体、プロピレン・極性モノマー共重合体等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T等のポリアミド等の一般的な熱可塑性高分子から選択することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、数種類の混合物として使用してもよい。ここで、エチレン、プロピレン等と共重合させるαオレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン、3−メチル−1ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数3〜20程度のαオレフィンが含まれる。コモノマーとして用いるαオレフィンは1種であってもよく、2種以上を併用してもよい。また、エチレン、プロピレン等と共重合させる極性モノマーの例には、酢酸ビニル、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレート、無水マレイン酸等が含まれる。これらは1種を用いても2種以上を併用してもよい。中でも、ポリプロピレン、プロピレン・αオレフィン共重合体等のプロピレン系重合体が、熱可塑性高分子として好ましい。
熱可塑性高分子(B)は、メルトインデックス(以下「MI」と称す)が0.1〜100g/10分であることが好ましい。MIが前記範囲であると、流動性が良好な範囲となり、より均一な溶融成形が可能となるので好ましい。
なお、本明細書中、「MI」は、JIS K6922−2、又はJIS K7210等に準拠して測定した値をいうものとする。
本発明の離型性樹脂組成物において、脂肪酸ビスアミド組成物(A)と熱可塑性高分子(B)との重量比は、熱可塑性高分子(B)100重量部当たり、脂肪酸ビスアミド組成物(A)2〜20重量部であり、好ましくは3〜10重量部である。この脂肪酸ビスアミド組成物(A)の割合が、2重量部未満であると、十分に離型性能が発現されず、20重量部を越えると、性能的に飽和しているため経済的に不利となるだけでなく、熱可塑性高分子(B)と混練機を使用して溶融混練する際に、混練機内の流動性が安定せず成形加工性を低下させる場合がある。また離型フィルム等に成形すると、使用時(剥離時)に凝集破壊を起こす可能性がある。
本発明の離型性樹脂組成物は、脂肪酸ビスアミド組成物(A)と熱可塑性高分子(B)の他、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、潤滑剤、有機系粒子、無機系粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料、他の高分子化合物、架橋剤等の各種添加剤を、本願発明の目的を損なわない範囲において含有していてもよい。
本発明の離型剤及び又は離型性樹脂組成物は、種々の粘着剤に対して使用可能である。一般的に粘着剤は、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等に分類されるが、本発明の離型剤及び又は離型性樹脂組成物は、いずれに対しても用いることができる。中でも、シリコーン系粘着剤に対して用いることが好ましい。
[成形体]
本発明は、本発明の離型性樹脂組成物からなる成形体にも関する。
離型フィルム/離型シート:
本発明の離型性樹脂組成物をフィルム状又はシート状に成形して、離型フィルム及び離型シートを作製することができる。成形方法については特に制限ないが、溶融押出成形法が好ましい。溶融押出成形法は、無延伸法でも、又は公知の方法により少なくとも一軸に延伸する方法であってもよい。例えば、離型フィルムを製造する場合は、本発明の離型性樹脂組成物からなるペレットを製造した後、これを溶融押出機からフィルム状又はシート状に押出成形することによって、作製することができる。前記離型フィルム又は離型シートの厚さは、溶融押出成形可能である限り特に制限されないが、通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜100μmである。厚さが前記範囲であると、厚さの不均一による離型性能の低下がなく、また経済的にも好ましい。
本発明の離型フィルム及び離型シートは、種々の粘着剤からなる粘着テープ等を不使用の状態で保管等する際にその粘着面に貼付されて粘着面を保護し、粘着テープを使用する際には、粘着テープから剥離される。
積層体:
また、本発明の離型性樹脂組成物を、基材用の樹脂組成物とともに、共押出成形することにより、又は、基材上への押出ラミネート成形により、本発明の離型性樹脂組成物からなる離型層を有する積層体を作製することもできる。押出成形法は、離型剤を塗布することにより離型フィルム等を作製する場合と比較して、より簡易であり、また塗布時に必要となる有機溶剤を使用することもないので、安全且つ環境負荷の小さい方法である。基材の材料は特に制限はない。例えば、本発明の離型性樹脂組成物に用いられる熱可塑性高分子(B)の例として挙げた種々の高分子を1種以上用いることができる。
前記積層体の製造の際に、加熱下で延伸等により後加工してもよい。延伸を施す場合は、延伸後の離型層厚さは0.01〜5μmが好ましい。なお、延伸後に離型性能が得られる厚みとなるように、延伸倍率等を適宜調整するのが好ましい。
また、前記離型フィルムもしくはシート、又は前記積層体の表面に、種々の粘着剤を塗布等して粘着層を形成し、離型層(離型フィルムもしくはシート)と粘着層とを有する、又は、離型層と基材と粘着層とを有する積層体を作製することもできる。
積層体の態様として、離型フィルム(又は離型層)/基材シート、離型フィルム(又は離型層)/粘着シート(粘着層)、離型フィルム(又は離型層)/基材シート/粘着シート(粘着層)、離型フィルム(又は離型層)/粘着シート(粘着層)/基材シート、基材シート/離型フィルム(又は離型層)/粘着シート(粘着層)が挙げられる。
また、前記積層体は、両面離型フィルム又は両面粘着シートの層構成であってもよい。具体的には、離型フィルム(又は離型層)/基材シート/離型フィルム(又は離型層)、離型フィルム(又は離型層)/粘着シート(粘着層)/基材シート/粘着シート(粘着層)/離型フィルム(又は離型層)等が挙げられる。これらは使用目的により適宜選択される。
また、本発明の離型性樹脂組成物を溶媒に溶解した塗布液として調製し、基材表面に塗布後、適当な温度で適当な時間をかけて乾燥させて製膜してもよい。更に、積層体を構成する基材及び/又は粘着層についても、押出成形、ラミネート成形等の溶融成形の他、塗布等公知の如何なる技術を用いて積層してもよい。
本発明の積層体は、離型フィルム及びシート、又は粘着フィルム及びシートとして用いることができる。より具体的には、粘着テープ、布粘着テープ、クラフトテープ、表面保護フィルム等として用いることができ、ロール状、シート状のいずれの形態においても保管される。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は全て「重量部」を示す。
以下の諸例で使用した分析方法は以下の通りである。
(1)脂肪酸ビスアミド組成物中の主成分脂肪酸及び副成分脂肪酸の含有量
GC/FID分析法で評価した。脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解した後、脂肪酸部分をトリメチルシリル誘導体化し、得られたクロマトグラムにおいて、最大検出面積部の保持時間と標準試料(炭素数が既知である脂肪酸のトリメチルシリル誘導体)の保持時間とを比較することにより、脂肪族基の炭素数を決定した。また、該クロマトグラムの最大検出面積の、全検出面積に対する割合を百分率で表した値を、主成分脂肪酸の含有量とし、全検出面積から当該最大検出面積を差し引いた残りの面積の、全検出面積に対する割合を百分率で表した値を、副成分脂肪酸の含有量とした。
以下に詳細な手順を示す。
(1−1)試料前処理
脂肪酸ビスアミド組成物(試料によっては脂肪酸ビスアミド化合物の単体)を10mg精秤し、20mLヘッドスペース用バイアルに入れ、バイアルに47%臭化水素酸水溶液3mLを加えて密栓した。試料バイアルを150℃で4時間加熱し、試料バイアルが室温に戻った後、バイアル中の溶液を分液漏斗に取り出し、試料溶液にクロロホルム15mLを加え、抽出操作を実施した。回収したクロロホルム相を窒素パージにより乾固し、得られた試料を70℃で1時間真空乾燥した。乾燥後の試料にジメチルホルムアミド500μL及びN,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド1mLを加え、60℃で30分間加熱した。室温に戻った試料溶液をGC分析に用いた。
(1−2)測定条件
GC装置は、Agilent Technologies社製「6890N」(カラム:GL サイエンス InertCap 5MS/SIL 30m×0.25mmI.D. film 0.25μm、オーブン温度:80℃(1分)→10℃/分→290℃(12分)、注入口温度:300℃、注入条件:スプリット 1/50、検出器温度:320℃、キャリアガス:He 1mL/分、注入量:1μL)を使用した。
(2)熱可塑性高分子のMI
JIS K6922−2、JIS K7210に準拠して、ポリエチレンに対しては試験温度190℃、荷重2.16kgfで測定し、ポリプロピレン、ポリアミドに対しては230℃、荷重2.16kgfで測定した。
[脂肪酸ビスアミド組成物の製造]
以下の諸例で使用した脂肪酸ビスアミド組成物の製造方法は次の通りである。
〈製造例1〉
ベヘン酸(C2143COOH、東京化成工業株式会社製、純度95%以上)115.6部を窒素雰囲気下140℃で融解させ、そこにエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製、純度99%以上)10部を添加した。添加後、160℃まで加熱し、6時間反応を行った。反応中に生成した水分等はディーンスターク管を用いて分離除去した。反応後、室温まで冷却した後、キシレン1320部を添加し160℃で加熱して溶解させ1時間攪拌した。その後室温まで冷却して生成物を析出させ、これを濾別後、アセトン1600部中に分散させ再度濾別した。得られた生成物を80℃で12時間減圧乾燥し、目的物である高級脂肪酸ビスアミド組成物(以下「離型剤(A−1)」と称す)116.4部を得た。
〈製造例2〉
製造例1で用いたベヘン酸に替えて、アラキジン酸(C1939COOH、東京化成工業株式会社製、純度98%以上)106.0部を用いた以外は、製造例1と同様にして目的物(以下「離型剤(A−2)」と称す)105.0部を得た。
〈製造例3〉
製造例1で用いたベヘン酸に替えて、リグノセリン酸(C2347COOH、東京化成工業株式会社製、純度94%以上)125.1部を用いた以外は、製造例1と同様にして目的物(以下「離型剤(A−3)」と称す)125.0部を得た。
〈製造例4〉
製造例1においてベヘン酸を109.9部、ステアリン酸(C1735COOH、和光純薬工業株式会社製、純度95%以上)を4.7部[ベヘン酸:ステアリン酸=0.95:0.05(モル比)]用いた以外は、製造例1と同様にして目的物(以下「離型剤(A−4)」と称す)115.8部を得た。
〈製造例5〉
製造例2においてアラキジン酸を100.9部、ステアリン酸を4.7部[アラキジン酸:ステアリン酸=0.95:0.05(モル比)]用いた以外は、製造例2と同様にして目的物(以下「離型剤(A−5)」と称す)106.8部を得た。
〈製造例6〉
製造例3においてリグノセリン酸を119.0部、ベヘン酸を5.7部[リグノセリン酸:ベヘン酸=0.95:0.05(モル比)]用いた以外は、製造例3と同様にして目的物(以下「離型剤(A−6)」と称す)123.9部を得た。
〈製造例7〉
製造例1においてベヘン酸を92.9部、ステアリン酸を18.9部[ベヘン酸:ステアリン酸=0.8:0.2(モル比)]用いた以外は、製造例1と同様にして目的物(以下「離型剤(X−1)」と称す)111.0部を得た。
〈製造例8〉
製造例2においてアラキジン酸を85.3部、ステアリン酸を18.9部[アラキジン酸:ステアリン酸=0.8:0.2(モル比)]用いた以外は、製造例2と同様にして目的物(以下「離型剤(X−2)」と称す)103.8部を得た。
〈製造例9〉
製造例3においてリグノセリン酸を112.8部、ベヘン酸を11.3部[リグノセリン酸:ベヘン酸=0.9:0.1(モル比)]用いた以外は、製造例3と同様にして目的物(以下「離型剤(X−3)」と称す)124.1部を得た。
〈製造例10〉
製造例3においてリグノセリン酸を100.6部、ベヘン酸を22.7部[リグノセリン酸:ベヘン酸=0.8:0.2(モル比)]用いた以外は、製造例3と同様にして目的物(以下「離型剤(X−4)」と称す)123.3部を得た。
〈製造例11〉
製造例3においてリグノセリン酸を112.8部、ステアリン酸を9.5部[リグノセリン酸:ステアリン酸=0.9:0.1(モル比)]用いた以外は、製造例3と同様にして目的物(以下「離型剤(X−5)」と称す)122.3部を得た。
〈製造例12〉
製造例3においてリグノセリン酸を100.6部、ステアリン酸を18.9部[リグノセリン酸:ステアリン酸=0.8:0.2(モル比)]用いた以外は、製造例3と同様にして目的物(以下「離型剤(X−6)」と称す)119.5部を得た。
〈製造例13〉
製造例1で用いたベヘン酸に替えて、ステアリン酸96.5部を用いた以外は、製造例1と同様にして目的物(以下「離型剤(X−7)」と称す)95.5部を得た。
〈製造例14〉
製造例1で用いたベヘン酸に替えて、ステアリン酸を77.2部、パルミチン酸(C1531COOH、和光純薬工業株式会社製、純度95%以上)を17.4部[ステアリン酸:パルミチン酸=0.8:0.2(モル比)]用いた以外は、製造例1と同様にして目的物(以下「離型剤(X−8)」と称す)93.1部を得た。
上記製造例で製造した離型剤、及び市販の脂肪酸ビスアミド組成物(日本化成株式会社製、商品名「スリパックス E」(以下「離型剤(X−9)」と称す)、及び「スリパックス B」(以下「離型剤(X−10)」と称す))について、脂肪酸ビスアミド組成物中の主成分脂肪酸及び副成分脂肪酸の含有量をGC/FID分析法で評価した結果を表1に示す。また、図1に製造例1で製造した離型剤(A−1)の測定結果を、図2に市販品である離型剤(X−9)の測定結果をそれぞれ示す。図3及び図4は、各ピークが、いずれの脂肪酸に帰属するのかを確認するために用いた、下記一般式〔2〕で表される脂肪酸の脂肪族基(〔2〕式中のR)の炭素数が11、13、15、17、19及び21の脂肪酸のクロマトグラムである。
R−COOH 〔2〕
[実施例及び比較例]
〈実施例1〉
製造例1で得た離型剤(A−1)5部とポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、商品名「ノバテックPP FY4」、MI=5.0g/10分)(以下「ポリプロ(PP−1)」と称す)100部をドライブレンドし、口径が15mmφの押出機(株式会社テクノベル製「KZW15」)を用いて樹脂温度230℃でTダイより幅150mmのフィルム状に溶融押出して、層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例2〉
実施例1において離型剤(A−1)の使用量を3部とした以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例3〉
実施例1において離型剤(A−1)の使用量を10部とした以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例4〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例2で得た離型剤(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例5〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例3で得た離型剤(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例6〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例4で得た離型剤(A−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例7〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例5で得た離型剤(A−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例8〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例6で得た離型剤(A−6)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例9〉
実施例1で用いたポリプロ(PP−1)に替えて、ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名「ノバテックLD LC561」、MI=3.0g/10分)(以下「ポリエチ(PE)」と称す)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例10〉
製造例1で得た離型剤(A−1)5部とポリプロ(PP−1)100部とを、2軸混練機(株式会社テクノベル製「KZW15」)を使用して、樹脂温度230℃で溶融混練して、ペレット状に成形して、離型性樹脂ペレットを得た。
この離型性樹脂ペレットと、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、商品名「ノバテックPP FB3HAT」、MI=7.5g/10分)(以下「ポリプロ(PP−2)」と称す)のペレットとを、口径が30mmφの押出機を用いて樹脂温度230℃でTダイより幅300mmのフィルム状に二層共押出成形して、厚さ80μmの積層の離型フィルム(離型層10μm、基材層70μm)を得た。
〈実施例11〉
実施例1において離型剤(A−1)の使用量を1部とした以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例12〉
実施例1において離型剤(A−1)の使用量を0.3部とした以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈実施例13〉
製造例1で得た離型剤(A−1)8部とポリアミド(アルケマ株式会社製、商品名「Rilsan PA12 G AESNO A」、MI=2.8g/10分)(以下「ポリアミド(PA−1)」と称す)100部とを、2軸混練機(株式会社テクノベル製「KZW15」)を使用して、樹脂温度250℃で溶融混練して、ペレット状に成形して、離型性樹脂ペレットを得た。
この離型性樹脂ペレットと、ポリアミド(PA−1)のペレットとを、口径が30mmφの押出機を用いて樹脂温度210℃でTダイより幅300mmのフィルム状に二層共押出成形して、厚さ50μmの積層の離型フィルム(離型層10μm、基材層40μm)を得た。
〈実施例14〉
実施例13で用いたポリアミド(PA−1)に替えて、ポリアミド(アルケマ株式会社製、商品名「Rilsan BESVO A FDA」、MI=3.3g/10分)(以下「ポリアミド(PA−2)」と称す)を用いた以外は、実施例13と同様にして厚さ50μmの積層の離型フィルム(離型層10μm、基材層40μm)を得た。
〈比較例1〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例7で得た離型剤(X−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例2〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例8で得た離型剤(X−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例3〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例9で得た離型剤(X−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例4〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例10で得た離型剤(X−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例5〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例11で得た離型剤(X−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例6〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例12で得た離型剤(X−6)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例7〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例13で得た離型剤(X−7)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例8〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、製造例14で得た離型剤(X−8)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例9〉
実施例1で用いた離型剤(A−1)に替えて、離型剤(X−9)を用い、ポリプロ(PP−1)に替えて、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、商品名「Wintec WFW4」、MI=7.0g/10分)(以下「ポリプロ(PP−3)」と称す)を用いた以外は、実施例1と同様にして層厚50μmの単層の離型フィルムを得た。
〈比較例10〉
離型剤(X−10)5部とポリプロ(PP−3)100部とを、2軸混練機(株式会社テクノベル製「KZW15」)を使用して、樹脂温度230℃で溶融混練して、ペレット状に成形して、離型性樹脂ペレットを得た。
この離型性樹脂ペレットと、ポリプロ(PP−3)のペレットとを、口径が30mmφの押出機を用いて樹脂温度230℃でTダイより幅300mmのフィルム状に二層共押出成形して、厚さ40μmの積層の離型フィルム(離型層10μm、基材層30μm)を得た。
〈比較例11〉
ポリプロ(PP−1)を、口径が15mmφの押出機を用いて樹脂温度230℃でTダイより幅150mmのフィルム状に溶融押出して、層厚50μmの単層のフィルムを得た。
〈比較例12〉
比較例11で用いたポリプロ(PP−1)に替えて、ポリエチ(PE)を用いた以外は、比較例11と同様にして層厚50μmの単層のフィルムを得た。
〈比較例13〉
ポリプロ(PP−1)のペレットとポリプロ(PP−2)のペレットを、口径が30mmφの押出機を用いて樹脂温度230℃でTダイより幅300mmのフィルム状に二層共押出成形して、厚さ80μmの積層フィルム(PP−1層10μm、PP−2層70μm)を得た。
〈比較例14〉
ポリプロ(PP−3)のペレットを、口径が30mmφの押出機を用いて樹脂温度230℃でTダイより幅300mmのフィルム状に押出成形して、厚さ40μmの単層フィルムを得た。
〈比較例15〉
ポリアミド(PA−2)のペレットを、口径が30mmφの押出機を用いて樹脂温度210℃でTダイより幅300mmのフィルム状に押出成形して、厚さ50μmの単層フィルムを得た。
上記実施例及び比較例で得られた離型フィルム又は積層フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表2、3に示す。
(1)成形加工性の評価方法
上記成形加工において、樹脂組成物が吐出量2kg/時間でTダイから溶融押出される際の発煙量を目視により観察した。発煙のないものを○、Tダイ全体から帯状に発生したものを×とした。
(2)離型性能の評価方法1
幅20mmの市販のシリコーン系・アクリル系両面粘着テープ(日東電工株式会社製、「No.5302A」)のアクリル系粘着剤面を、厚さ38μmのPETフィルムに、重さ2kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、片面がシリコーン系粘着剤面である離型性能評価用粘着テープを作製した。
実施例1〜14及び比較例1〜15で製造した成形フィルム又は積層シートを幅30mmに切断し、これ(基材を有する積層シートにあっては、基材とは反対側の面)に離型性能評価用粘着テープのシリコーン系粘着剤面を重さ2kgのゴムローラーを1往復させて圧着した。室温で1時間放置後、引張速度300mm/分で180°方向に粘着テープを引き剥がすのに要する力(5個の試料の平均値)を剥離力として測定した。次いで、引き剥がした粘着テープを、SUS板に重さ2kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、室温で1時間放置後、引張速度300mm/分で180°方向に粘着テープを引き剥がすのに要する力(5個の試料の平均値)を粘着力として測定した。
(3)離型性能の評価方法2
実施例1〜14及び比較例1〜15で製造した成形フィルム又は積層フィルムを幅30mmに切断し、これ(基材を有する積層フィルムにあっては、基材とは反対側の面)に離型性能評価用粘着テープのシリコーン系粘着剤面を重さ2kgのゴムローラーを1往復させて圧着した後、50gf/cm2の荷重を加えて60℃で3日間静置した。その後室温で1時間放置し、引張速度300mm/分で180°方向に粘着テープを引き剥がすのに要する力(5個の試料の平均値)を加熱保持剥離力として測定した。次いで、引き剥がした粘着テープを、SUS板に重さ2kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、室温で1時間放置後、引張速度300mm/分で180°方向に粘着テープを引き剥がすのに要する力(5個の試料の平均値)を加熱保持粘着力として測定した。
Figure 0005282401
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表2、3に示した結果から、本発明の実施例である離型フィルム又は積層フィルムは、粘着シート等と貼り合わされて高温環境下に保管された場合においても、剥離力の変動が小さく、良好な離型性能を有していると共に、当接した粘着剤の粘着性能維持性に優れることが理解できる。また、表2に示した結果から、本発明の実施例である離型剤は、押出成形に好適な熱安定性(成形加工性)を有していることが理解できる。
図5に、実施例1、4〜10及び比較例1〜10で得られたフィルムについて、主成分脂肪酸の含有量(面積%)を横軸に、及びその加熱保持剥離力(N/10mm)を縦軸にプロットしたグラフを示す。
図5のグラフから、実施例の離型フィルムは、比較例の離型フィルムと比較して、高温環境下に保管された後も、剥離力の上昇が小さいことが理解できる。公知の離型剤である主たる脂肪酸成分の脂肪族基がC17であるエチレンビスステアリン酸アミドを用いた比較例と、本発明の離型剤を用いた実施例とでは、加熱保持剥離力の点で、有意差があることが理解できる。
さらに、図6に、実施例1、4〜8、及び比較例1〜8で得られたフィルムについて、離型剤として利用した脂肪酸ビスアミド組成物の主成分脂肪酸の脂肪族基の炭素数を横軸に、及びその加熱保持剥離力/剥離力の値を縦軸にプロットしたグラフを示す。
図6のグラフから、離型剤として公知のエチレンビスステアリン酸アミドを用いた比較例(比較例7及び8)では、高温環境下に保管された後の剥離力の変動(加熱保持剥離力/剥離力)が大きく、しかも主たる脂肪酸成分の含有量を90面積%以上としても、剥離力の変動を低減する効果が小さいことが理解できる。一方、脂肪酸成分のうち、脂肪族基の炭素数が19以上23以下の脂肪酸成分の含有量が90面積%以上である脂肪酸ビスアミド組成物を離型剤として用いた本発明の実施例では、高温環境下に保管された後の剥離力の変動が小さく、さらに実施例では、主成分脂肪酸成分の含有量を90面積%以上にすることによる、剥離力変動の低減効果が顕著であることが理解できる。
製造例1で得た離型剤(A−1)を加水分解した後、脂肪酸部分をトリメチルシリル誘導体化して得られたクロマトグラムである。 比較例9で用いた市販の離型剤(X−9)を加水分解した後、脂肪酸部分をトリメチルシリル誘導体化して得られたクロマトグラムである。 脂肪族基炭素数が11、13、15、17の高級脂肪酸をトリメチルシリル誘導体化して得られたクロマトグラムである。 脂肪族基炭素数が19、21の高級脂肪酸をトリメチルシリル誘導体化して得られたクロマトグラムである。 実施例1、4〜10及び比較例1〜10でそれぞれ用いた離型剤の主成分脂肪酸の含有量(面積%)を横軸に、得られたフィルムの加熱保持剥離力を縦軸にプロットしたグラフである。 実施例1、4〜8、及び比較例1〜8でそれぞれ用いた離型剤の主成分脂肪酸の脂肪族基炭素数を横軸に、得られたフィルムの剥離力に対する加熱保持剥離力の比を縦軸にプロットしたグラフである。

Claims (7)

  1. 下記一般式[1]で表される脂肪酸ビスアミド化合物を1種以上含む脂肪酸ビスアミド組成物であって、該脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解した後の脂肪酸成分をガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出法にて分析した際の、主たる脂肪酸成分の含有量が90面積%以上であり、かつ、主たる脂肪酸成分の脂肪族基([1]式中のR)の炭素数が19以上23以下である脂肪酸ビスアミド組成物を有効成分として含有することを特徴とする粘着剤に対する離型剤。
    R−CONH−(CH2n−NHCO−R [1]
    (式中、nは1〜6の整数を表す。Rは直鎖の脂肪族基を表す。)
  2. 下記一般式[1]で表される脂肪酸ビスアミド化合物を1種以上含む脂肪酸ビスアミド組成物であって、該脂肪酸ビスアミド組成物を加水分解した後の脂肪酸成分をガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出法にて分析した際の、主たる脂肪酸成分の含有量が90面積%以上であり、かつ、主たる脂肪酸成分の脂肪族基([1]式中のR)の炭素数が19以上23以下である脂肪酸ビスアミド組成物を有効成分として含有する離型剤(A)と、熱可塑性高分子(B)とを含有することを特徴とする粘着剤に対する離型性樹脂組成物。
    R−CONH−(CH 2 n −NHCO−R [1]
    (式中、nは1〜6の整数を表す。Rは直鎖の脂肪族基を表す。)
  3. 脂肪酸ビスアミド組成物を有効成分として含有する離型剤(A)を、熱可塑性高分子(B)100重量部当たり、2〜20重量部含有することを特徴とする請求項に記載の粘着剤に対する離型性樹脂組成物。
  4. 熱可塑性高分子(B)のメルトインデックスが、0.1〜100g/10分であることを特徴とする請求項又はに記載の粘着剤に対する離型性樹脂組成物。
  5. 熱可塑性高分子(B)が、プロピレン系重合体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の粘着剤に対する離型性樹脂組成物。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の離型性樹脂組成物を押出成形してなる粘着剤に対する成形体。
  7. 請求項に記載の成形体と、基材シート及び/又は粘着シートとを含む積層体。
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