JP2012057040A - 粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、該基材層(A)と該粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の粘着シートは、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、該積層体は共押出成形によって一体に形成されたものであり、測定温度23℃、引張速度0.3m/分、剥離角度180度の条件下における、該基材層(A)から該粘着剤層(B)を剥離する際の剥離力が2.5N/20mm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートに関する。より詳細には、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、該基材層(A)と該粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートに関する。本発明は、また、そのような粘着シートの製造方法に関する。
アクリル系重合体は、耐光性や透明性に優れており、また、該アクリル系重合体を合成するための原料の組み合わせにより様々な用途に適した機能を付加することが可能である。このため、アクリル系重合体は、粘着シートの粘着剤層として好ましく用いられている。
例えば、ハードセグメントであるメタアクリル酸エステルとソフトセグメントであるアクリル酸エステルのブロック共重合体を、リビング重合法にて精密重合することにより、耐熱性、耐候性、柔軟性、透明性、粘着性など様々な面において優れた特性を有する熱可塑性アクリル粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
熱可塑性を有するアクリル粘着剤においては、共押出成形により粘着シートを作製することが可能となる。共押出成形によれば、基材層と粘着剤層とを同時に押出して積層するため、1工程での製造が可能となる。このため、製造コストの低減や、製造工程の単純化が可能である。また、共押出成形では、有機溶剤などの溶媒を使用しないため、乾燥工程が不要となり、環境負荷が低いという利点もある(例えば、特許文献4〜6参照)。
一方、アクリル系の粘着剤シートを共押出成形によって製造する場合、1工程の製造であるため、基材層を構成する材料(基材シート)の表面への前処理ができないという問題が生じる。一般的に、ポリエチレンやポリプロピレンなどの無極性材料から構成される基材層に、極性の高いアクリル粘着剤層を設ける場合、静電的な相互作用が弱く、基材層と粘着剤層との密着性が低いため、基材シートの表面に予めコロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等の前処理を施して、基材層と粘着剤層との密着性を高めることが行われる。しかし、共押出成形では、このような前処理ができない。
共押出成形においては、上記のような問題を解消するため、基材層と粘着剤層との間に接着層となる中間層を設ける手法が提案されている(例えば、特許文献5〜6参照)。しかし、中間層を設けることにより、製造工程が複雑化するという問題や、押出成形性が低下するという問題や、本来のアクリル粘着剤の有する透明性や耐光性が低下するという問題が生じる。
特開2001−234146号公報 特開2002−97238号公報 特開平11−323072号公報 特開2009−125985号公報 特開2009−241348号公報 特開2009−249541号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、該基材層(A)と該粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートを提供することにある。
本発明の粘着シートは、
基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、
該積層体は共押出成形によって一体に形成されたものであり、
測定温度23℃、引張速度0.3m/分、剥離角度180度の条件下における、該基材層(A)から該粘着剤層(B)を剥離する際の剥離力が2.5N/20mm以上である。
好ましい実施形態においては、上記基材層(A)が、ポリオレフィン系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記粘着剤層(B)が、アクリル酸エステルブロック構造とメタクリル酸エステルブロック構造を含むアクリル系ブロック共重合体を含む。
好ましい実施形態においては、上記アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量が30000〜300000である。
本発明の別の局面によれば、粘着シートの製造方法が提供される。
本発明の粘着シートの製造方法は、
基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートの製造方法であって、
該基材層(A)の形成材料(a)と該粘着剤層(B)の形成材料(b)とを含む該積層体の形成材料を共押出成形して一体化させて積層体前駆体とし、
該積層体前駆体に電離放射線を照射する。
好ましい実施形態においては、上記電離放射線が電子線である。
好ましい実施形態においては、上記電子線の照射線量が10〜500kGyである。
本発明によれば、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、該基材層(A)と該粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートを提供することができる。
本発明によれば、基材層(A)と粘着剤層(B)との間に中間層を設けることなく、基材層(A)と該粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートを提供することができる。このため、製造工程が複雑化するという問題や、押出成形性が低下するという問題や、本来のアクリル粘着剤の有する透明性や耐光性が低下するという問題を回避することができる。
本発明によれば、基材層(A)と粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートを共押出成形を用いて製造することができるので、1工程での製造が可能となり、製造コストの低減や、製造工程の単純化が可能となる。
本発明によれば、基材層(A)と粘着剤層(B)との密着性が高い粘着シートを共押出成形を用いて製造することができるので、有機溶剤などの溶媒を使用する必要がなくなり、乾燥工程が不要となり、環境負荷を低くすることができる。
本発明の好ましい実施形態による粘着シートの概略断面図である。 本発明の好ましい別の実施形態による粘着シートの概略断面図である。
≪≪A.粘着シート≫≫
本発明の粘着シートは、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である。ここで、「基材層(A)/粘着剤層(B)」という表現は、基材層(A)と粘着剤層(B)とが直接に積層されている構造を表す。すなわち、「基材層(A)/粘着剤層(B)」という表現には、基材層(A)と粘着剤層(B)との間に中間層を有する構造は含まれない。
基材層(A)は、1層のみであっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。粘着剤層(B)は、1層のみであっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
本発明の粘着シートは、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を含んでいても良い。
図1は、本発明の好ましい実施形態による粘着シートの概略断面図である。粘着シート10は、基材層12と、粘着剤層14とを備える。図1に示す粘着シートは、保存の際は、好ましくは、基材層12が外側になるようにしてロール状に巻かれる。
図2は、本発明の好ましい別の実施形態による粘着シートの概略断面図である。粘着シート20は、第一基材層22Aと第二基材層22Bと、粘着剤層24とを備える。図2に示す粘着シートは、保存の際は、好ましくは、第一基材層22Aが外側になるようにしてロール状に巻かれる。
本発明の粘着シートの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。好ましくは10μm〜500μm、より好ましくは10μm〜300μm、さらに好ましくは10μm〜200μmである。
本発明の粘着シートにおいて、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む上記積層体は、共押出成形によって一体に形成されたものである。すなわち、本発明の粘着シートにおいて、基材層(A)と粘着剤層(B)との間に中間層を備えることはなく、また、基材層(A)における粘着剤層(B)との積層面はコロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等の前処理がなされていない。
本発明の粘着シートは、測定温度23℃、引張速度0.3m/分、剥離角度180度の条件下における、基材層(A)から粘着剤層(B)を剥離する際の剥離力が、2.5N/20mm以上であり、好ましくは3.0N/20mm以上であり、より好ましくは3.5N/20mm以上である。このような剥離力が上記範囲内にあれば、被着体(例えば、光学部品)からの剥離時に、糊残りのない綺麗な剥離面を形成することが可能となる。なお、上記剥離力を測定する際の具体的な操作は、例えば、後述する実施例の記載に準じて行うことができる。
本発明の粘着シートは、測定温度23℃、引張速度0.3m/分、剥離角度180度の条件下における、粘着剤層(B)のステンレス鋼板(SUS板)に対する粘着力が、一般的には、好ましくは1.0N/20mm以上であり、より好ましくは1.2N/20mm以上であり、さらに好ましくは1.4N/20mm以上である。ただし、本発明の粘着シートは、その使用態様によって、好ましい粘着力の範囲は異なり得る。例えば、本発明の粘着シートを光学部材の貼り合わせに用いる場合には、上記粘着力は、好ましくは1.0N/20mm以上であり、より好ましくは2.5〜50.0N/20mmである。また、本発明の粘着シートを保護フィルムとして用いる場合には、上記粘着力は、好ましくは0.01〜10.0N/20mmである。なお、上記粘着力の測定は、例えば、後述する実施例に記載した粘着力の測定方法に沿って、JIS−Z−0237(2000)に準拠して行うことができる。
≪A−1.基材層(A)≫
基材層(A)の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。基材層(A)の厚みは、好ましくは10μm〜300μmであり、より好ましくは20μm〜250μmであり、さらに好ましくは30〜200μmである。
基材層(A)は、1層のみであっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。基材層(A)が2層以上の積層体である場合には、好ましくは2〜5層であり、より好ましくは2〜3層である。基材層(A)が1層のみである場合には、粘着シートを製造する際の共押出成形が容易となり得る。基材層(A)が2層以上の積層体である場合には、各層で機能を分けることができる。例えば、基材層(A)が2層の積層体である場合、第一基材層としてロール体からの巻戻し容易層を採用し、第二基材層として粘着剤層との密着性良好層を採用することができる。
基材層(A)は、ポリオレフィン系樹脂を含む。ポリオレフィン系樹脂としては、溶融押出によりシート成形し得る限りにおいて、任意の適切なものを採用し得る。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、α−オレフィンのホモポリマー、二種類以上のα−オレフィンの共重合体、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、一種または二種以上のα−オレフィンと他のビニルモノマーの共重合体等が挙げられる。共重合体の形態としては、例えば、ブロック形態やランダム形態が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくは、α−オレフィンのホモポリマー、二種類以上のα−オレフィンの共重合体、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、より好ましくは、ポリエチレン(PE)、ホモポリプロピレン(PP)、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンが挙げられる。
α−オレフィンとしては、炭素原子数2〜12のα−オレフィンが好ましい。このようなα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
α−オレフィンのホモポリマーとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ホモポリプロピレン(PP)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などが挙げられる。
ポリエチレン(PE)としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)などが挙げられる。
ホモポリプロピレンの構造は、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックのいずれであってもよい。
二種類以上のα−オレフィンの共重合体としては、例えば、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/炭素原子数5〜12のα−オレフィン共重合体、プロピレン/炭素原子数5〜12のα−オレフィン共重合体などが挙げられる。
一種または二種以上のα−オレフィンと他のビニルモノマーの共重合体としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体などが挙げられる。
基材層(A)において、ポリオレフィン系樹脂は、1種のみを含んでいても良いし、2種以上を含んでいても良い。2種以上を含む形態としては、ブレンドや共重合などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は市販品を用いてもよい。
基材層(A)は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層(A)に含有され得る添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、耐熱安定化剤、充填剤、滑剤、着色剤(染料など)、酸化防止剤、目ヤニ防止剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、ポリエチレンイミン等が挙げられる。基材層(A)に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。上記紫外線吸収剤の含有量は、積層フィルムの成形時にブリードアウトしない限りにおいて、任意の適切な含有量を採用し得る。代表的には、基材層(A)中の熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜5重量部である。
上記耐熱安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物およびシアノアクリレート系化合物等が挙げられる。上記耐熱安定化剤の含有量は、積層フィルムの成形時にブリードアウトしない限りにおいて、任意の適切な含有量を採用し得る。代表的には、基材層(A)中の熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜5重量部である。
上記充填剤としては、例えば、タルク、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、マイカ、硫酸バリウム、ウィスカー、水酸化マグネシウム等の無機充填剤が挙げられる。充填剤の平均粒径は、好ましくは、0.1μm〜10μmである。充填剤の含有量は、基材層(A)中の熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部〜200重量部である。
≪A−2.粘着剤層(B)≫
粘着剤層(B)に含まれる粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な粘着剤を採用し得る。粘着剤層(B)を構成する粘着剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
粘着剤層(B)に含まれる粘着剤としては、好ましくは、アクリル酸エステルブロック構造(「Acブロック」と称する)とメタクリル酸エステルブロック構造(「MAcブロック」と称する)を含むアクリル系ブロック共重合体が挙げられる。粘着剤層(B)には、より好ましくは、このようなアクリル系ブロック共重合体を50重量%以上含み、さらに好ましくは70重量%以上含み、特に好ましくは90重量%以上含む。粘着剤層(B)には、このようなアクリル系ブロック共重合体を1種のみ含んでいても良いし、2種以上を含んでいても良い。
アクリル系ブロック共重合体としては、AcブロックとMAcブロックとが交互に配置されたブロック構造であることが好ましい。また、AcブロックとMAcブロックとの合計ブロック数は、好ましくは3以上であり、より好ましくは3〜5である。
Acブロックは、好ましくは、アクリル酸エステルを主成分とするモノマー由来のブロック構造である。具体的には、Acブロックを構成するためのモノマー中のアクリル酸エステルの含有割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、最も好ましくは実質的に100重量%である。
Acブロックを構成するためのモノマー中のアクリル酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
Acブロックを構成するためのモノマー中に、アクリル酸エステル以外のモノマー(他のモノマー)を含む場合、他のモノマーとしては、任意の適切なモノマーを採用し得る。
Acブロックを構成するためのモノマー中のアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸の脂肪族炭化水素エステル、アクリル酸の脂環式炭化水素エステル、アクリル酸の芳香族炭化水素エステル、エーテル結合を含むアルコールとアクリル酸とのエステル、水酸基を有するアクリル酸エステル、アミノ基を有するアクリル酸エステル、アルコキシシリル基を有するアクリル酸エステル、アクリル酸のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アクリル酸の脂肪族炭化水素エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレートなどが挙げられる。
アクリル酸の脂環式炭化水素エステルとしては、例えば、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレートなどが挙げられる。
アクリル酸の芳香族炭化水素エステルとしては、例えば、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、トルイルアクリレートなどが挙げられる。
エーテル結合を含むアルコールとアクリル酸とのエステルとしては、例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシブチルアクリレート等のアルコキシアルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート等のエポキシ基含有アクリレート;などが挙げられる。
水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートなどが挙げられる。
アミノ基を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、2−アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどが挙げられる。
アルコキシシリル基を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
アクリル酸のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、CH=CHCOO(CHCHO)H(nは、例えば、1〜10)で表されるエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
Acブロックを構成するためのモノマー中のアクリル酸エステルとして、好ましくは、アクリル酸の脂肪族炭化水素エステルが挙げられる。Acブロックを構成するためのモノマー中のアクリル酸エステルとして、より好ましくは、炭素原子数が1〜20のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルであり、さらに好ましくは、炭素原子数が1〜14のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルである。Acブロックを構成するためのモノマー中のアクリル酸エステルとして、特に好ましくは、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
MAcブロックは、好ましくは、メタクリル酸エステルを主成分とするモノマー由来のブロック構造である。具体的には、MAcブロックを構成するためのモノマー中のメタクリル酸エステルの含有割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、最も好ましくは実質的に100重量%である。
MAcブロックを構成するためのモノマー中のメタクリル酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
MAcブロックを構成するためのモノマー中に、メタクリル酸エステル以外のモノマー(他のモノマー)を含む場合、他のモノマーとしては、任意の適切なモノマーを採用し得る。
MAcブロックを構成するためのモノマー中のメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸の脂肪族炭化水素エステル、メタクリル酸の脂環式炭化水素エステル、メタクリル酸の芳香族炭化水素エステル、エーテル結合を含むアルコールとメタクリル酸とのエステル、水酸基を有するメタクリル酸エステル、アミノ基を有するメタクリル酸エステル、アルコキシシリル基を有するメタクリル酸エステル、メタクリル酸のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
メタクリル酸の脂肪族炭化水素エステルとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどが挙げら得る。
メタクリル酸の脂環式炭化水素エステルとしては、例えば、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどが挙げられる。
メタクリル酸の芳香族炭化水素エステルとしては、例えば、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、トルイルメタクリレートなどが挙げられる。
エーテル結合を含むアルコールとメタクリル酸とのエステルとしては、例えば、2−メトキシエチルメタクリレート、2−メトキシブチルメタクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート;グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリレート;などが挙げられる。
水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレートなどが挙げられる。
アミノ基を有するメタクリル酸エステルとしては、例えば、2−アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
アルコキシシリル基を有するメタクリル酸エステルとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
メタクリル酸のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、CH=C(CH)COO(CHCHO)H(nは、例えば、1〜10)で表されるエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
MAcブロックを構成するためのモノマー中のメタクリル酸エステルとして、好ましくは、メタクリル酸の脂肪族炭化水素エステルが挙げられる。MAcブロックを構成するためのモノマー中のメタクリル酸エステルとして、より好ましくは、炭素原子数が1〜20のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルであり、さらに好ましくは、炭素原子数が1〜14のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルである。MAcブロックを構成するためのモノマー中のメタクリル酸エステルとして、特に好ましくは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートが挙げられる。
アクリル系ブロック共重合体としては、AcブロックとMAcブロックとが、AB型、ABA型、ABAB型、ABABA型等のように、凝集力や弾性に優れた堅い構造のポリマーからなるAブロック(ハードセグメント)と、粘性に優れた柔らかい構造のポリマーからなるBブロック(ソフトセグメント)とが、交互に配置されたブロック構造を有することが好ましい。このような構造のアクリル系ブロック共重合体を主成分として含む粘着剤層(B)は、凝集力や弾性と粘性とを高度に両立させた粘着剤層となり得る。また、このような構造のアクリル系ブロック共重合体を主成分として含む粘着剤層(B)は、押出成形性に優れたものとなり得る。アクリル系ブロック共重合体としては、分子の両端にAブロック(ハードセグメント)が配置されたブロック構造(ABA型やABABA型など)を有することが好ましい。このような配置のブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体は、凝集性と熱可塑性のバランスに優れたものとなり得る。
アクリル系ブロック共重合体が2以上のAブロック(ハードセグメント)を有する場合、それらのAブロックのモノマー組成、分子量(重合度)、構造などは、互いに同一であっても良いし、異なっていても良い。
アクリル系ブロック共重合体が2以上のBブロック(ソフトセグメント)を有する場合、それらのBブロックのモノマー組成、分子量(重合度)、構造などは、互いに同一であっても良いし、異なっていても良い。
Aブロック(ハードセグメント)としては、MAcブロックを好ましく採用し得る。
Bブロック(ソフトセグメント)としては、Acブロックを好ましく採用し得る。
アクリル系ブロック共重合体のブロック構造の好ましい形態としては、例えば、MAcブロック/Acブロック/MAcブロック(ABA型)構造のトリブロック構造が挙げられる。アクリル系ブロック共重合体のブロック構造のより好ましい形態としては、上記トリブロック構造において、2つのMAcブロックが実質的に同一のモノマー由来の構造を有するものが挙げられる。
アクリル系ブロック共重合体に含まれるAcブロックとMAcブロックとの割合は、重量割合で、Acブロック/MAcブロックの重量比が、好ましくは96/4〜10/90であり、より好ましくは93/7〜20/80であり、さらに好ましくは90/10〜30/70であり、特に好ましくは80/20〜50/50である。Acブロックの割合が大きすぎると、凝集力や弾性が不足するおそれがある。MAcブロックの割合が大きすぎると、粘着力が不足するおそれがある。
アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは30000〜300000であり、より好ましくは35000〜250000であり、さらに好ましくは40000〜200000であり、特に好ましくは50000〜150000である。アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量が30000未満の場合、粘着特性や凝集性が低下しやすくなるおそれがある。アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量が300000を超えると、アクリル系ブロック共重合体の熱可塑性が不足し、粘着剤層を共押出成形によって成形することが困難になるおそれがある。
なお、アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量は、アクリル系ブロック共重合体をテトラヒドロフランなどの適切な溶媒に溶かして調製したサンプルについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って求めることができる、ポリスチレン換算の値をいう。具体的には、後述する実施例に記載の条件でGPC測定を行うことにより、アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量を求めることができる。
Acブロックのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−80〜−10℃であり、より好ましくは−75〜−20℃であり、さらに好ましくは−75〜−50℃である。
MAcブロックのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは40〜240℃であり、より好ましくは60〜230℃であり、さらに好ましくは80〜230℃である。
ここで、AcブロックやMAcブロックのガラス転移温度(Tg)とは、該ブロックを構成する各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよびそのモノマーの含有割合(重量分率)に基づいてフォックス(FOX)の式から求められる値をいう。単独重合体(ホモポリマー)のTgとしては、例えば、日刊工業新聞社の「粘着技術ハンドブック」や、Wiley−Interscienceの「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」に記載の値を採用し得る。例えば、2−エチルヘキシルアクリレートのTgは−70℃、n−ブチルアクリレートのTgは−54℃、メチルメタクリレートのTgは105℃を採用し得る。
アクリル系ブロック共重合体には、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル以外の、任意の適切なその他モノマーが共重合されていても良い。このようなその他モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−ビニルピロリドン等のビニル基含有複素環化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸またはその塩(ナトリウム塩やカリウム塩など);マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸またはその塩(ナトリウム塩やカリウム塩など);無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;メチル 2−(トリフルオロメチル)(メタ)アクリレート、メチル 2−(パーフルオロエチル)(メタ)アクリレート、エチル 2−(トリフルオロメチル)(メタ)アクリレート、エチル 2−(パーフルオロエチル)(メタ)アクリレート、エチル 2−(パーフルオロヘキシル)(メタ)アクリレート、エチル 2−(パーフルオロデシル)(メタ)アクリレート、エチル 2−(パーフルオロヘキサデシル)(メタ)アクリレート、エチル 2−(パーフルオロブチル)(メタ)アクリレート等の、フッ化アルキル(メタ)アクリレート;などが挙げられる。このようなその他モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
その他モノマーは、例えば、粘着剤層(B)の特性(粘着特性や押出成形性など)を調整するために含み得る。その他モノマーに由来する構造部分は、例えば、AcブロックやMAcブロック中に、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などの形態で導入され得る。
アクリル系ブロック共重合体を構成するためのモノマー中における、その他モノマーの含有量は、アクリル系ブロック共重合体を構成するためのモノマー中、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは実質的に0重量%である。アクリル系ブロック共重合体を構成するためのモノマー中において、その他モノマーの含有量が多すぎると、粘着剤層の透明性が損なわれたりするおそれがある。
アクリル系ブロック共重合体は、特に、それを構成するモノマー中に、その他モノマーとして酸性基含有モノマーが実質的に含有されていないことが好ましい。このようなアクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤層(B)は、被着体を腐食する性質がより低いものとなり得る。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極を有する被着体(例えば、タッチパネルの構成部品等)を貼り合わせる用途向けの粘着シートにおいては、粘着剤層の被着体腐食性が低いことが特に好まれる。その他モノマーとして酸性基含有モノマーが実質的に含有されていないモノマーから構成されるアクリル系ブロック共重合体は、粘着剤層の溶融粘度が高くなりすぎることを回避できる点でも好ましい。
アクリル系ブロック共重合体は、任意の適切な方法によって製造し得る。アクリル系ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、リビング重合法を利用する製造方法などが挙げられる。リビング重合法によれば、アクリル系ブロック共重合体本来の透明性や耐候性を維持しつつ、リビング重合法独自の優れた構造制御により、熱可塑性に優れて押出成形性の良い、アクリル系ブロック共重合体を製造し得る。また、リビング重合法によれば、アクリル系ブロック共重合体の分子量分布を狭く制御し得るので、低分子量成分の存在に起因する凝集性の低下(例えば、剥離の際の糊残り)を抑制して、剥離性に優れた粘着シートを提供し得る。
また、アクリル系ブロック共重合体は、市販品として入手することもできる。市販品として入手できるアクリル系ブロック共重合体としては、例えば、(株)クラレ製の商品名「LAポリマー」シリーズ(例えば、LA2140e、LA2250など)などが挙げられる。
粘着剤層(B)は、粘着特性の制御等を目的として、アクリル系ブロック共重合体以外の任意成分を含有し得る。このような任意成分としては、例えば、アクリル系ブロック共重合体以外のポリマーであってオリゴマー(重量平均分子量が、例えば、500〜5000のもの)と称されるものが挙げられる。このようなオリゴマーとしては、例えば、アクリル系モノマー(アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなど)を主成分とするモノマーのランダム共重合体であってブロック構造を有しないアクリル系ポリマー、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマーなどが挙げられる。また、このような任意成分は、粘着剤層の透明性を損なわないために、アクリル系ブロック共重合体との相溶性に優れたポリマーを選択することが好ましい。任意成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
任意成分の含有量は、アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは50重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下であり、さらに好ましくは5重量部以下であり、特に好ましくは実質的に0重量部である。
粘着剤層(B)には、粘着付与樹脂が含まれていても良い。粘着付与樹脂としては、例えば、炭化水素系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
炭化水素系粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂(例えば、キシレン樹脂等)、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(例えば、スチレン−オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂などが挙げられる。
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体等のテルペン系樹脂;テルペン系樹脂を変性(例えば、フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性等)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペン−フェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂等);などが挙げられる。
ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン等の未変性ロジン(生ロジン);未変性ロジンを水添化、不均化、重合等により変性した変性ロジン(例えば、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等);その他の各種ロジン誘導体:などが挙げられる。
フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、レゾール型またはノボラック型のアルキルフェノールなどが挙げられる。
このような粘着付与樹脂は、粘着剤層の透明性を損なわないために、アクリル系ブロック共重合体との相溶性に優れた粘着付与樹脂を選択することが好ましい。粘着付与樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
粘着付与樹脂の含有量は、アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは80重量部以下であり、より好ましくは60重量部以下であり、さらに好ましくは40重量部以下であり、特に好ましくは実質的に0重量部である。
粘着剤層(B)は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。粘着剤層(B)に含有され得る添加剤としては、例えば、充填剤、着色剤(染料など)、酸化防止剤、金属のキレート化合物、架橋剤(例えば、多官能イソシアネート、多官能アミン、多官能アルコール等)などが挙げられる。粘着剤層(B)に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。アクリル系ブロック共重合体の透明性を活かすという観点からは、添加剤の量は、粘着剤層(B)全体に対して、好ましくは5重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下である。
上記充填剤としては、例えば、タルク、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、マイカ、硫酸バリウム、ウィスカー、水酸化マグネシウム等の無機充填剤が挙げられる。充填剤の平均粒径は、好ましくは、0.1μm〜10μmである。
粘着剤層(B)の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは2μm〜75μm、さらに好ましくは3μm〜50μmである。なお、粘着剤層には、必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護しておいても良い。
≪≪B.粘着シートの製造方法≫≫
本発明の粘着シートの製造方法は、基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートの製造方法であって、該基材層(A)の形成材料(a)と該粘着剤層(B)の形成材料(b)とを含む該積層体の形成材料を共押出成形して一体化させて積層体前駆体とし、該積層体前駆体に電離放射線を照射する。
本発明の粘着シートの製造方法においては、まず、基材層(A)の形成材料(a)と該粘着剤層(B)の形成材料(b)とを含む該積層体の形成材料を共押出成形する。共押出成形の方法は、各層の形成材料についてそれぞれ押出し機および共押出し用ダイを用いて、インフレーション法、Tダイ法などに準じて行うことができる。この共押出成形により、各形成材料由来の各層が一体化して積層体前駆体となる。
得られた積層体前駆体は、ロール状に巻き取る前、もしくは、ロール状に巻き取った後に再び巻戻した状態において、電離放射線を照射する。電離放射線の照射は、好ましくは、窒素などの不活性ガス雰囲気下にて行う。
電離放射線としては、例えば、X線、γ線、紫外線、可視光線、電子線などが挙げられる。照射した際の反応活性種の生成率が高い点や、照射対象物への浸透が深い点などから、電離放射線としては、電子線が好ましい。電子線源としては、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線の照射は、積層体前駆体の片側から照射しても良いし、両側から照射しても良い。工程の簡略化という点において、ロール状に巻き取る前に積層体前駆体を電離放射線照射装置に誘導して電離放射線を照射することが好ましい。
電離放射線の照射線量は、層間密着性の向上と粘着シートの物性維持の観点より、好ましくは10〜500kGyであり、より好ましくは10〜400kGyであり、さらに好ましくは10〜300kGyである。
電離放射線の加速電圧については、粘着シートに用いられる樹脂の種類や粘着シートの厚さに応じて適宜選定し得る。電離放射線の加速電圧は、通常、50〜300kVの範囲が好ましい。
電離放射線は、1回の照射でもよいが、複数回(好ましくは2回)の照射でも良い。
本発明の粘着シートは、長手方向(押出方向)もしくは幅方向(押出方向と直交する方向)の一軸に、または、長手方向および幅方向の二軸に、適宜延伸することができる。延伸する際の長手方向の延伸倍率は、例えば、好ましくは1.01〜10倍であり、より好ましくは1.01〜5倍であり、さらに好ましくは1.01〜3倍である。幅方向の延伸倍率は、例えば、好ましくは1.01〜8倍であり、より好ましくは1.01〜4倍であり、さらに好ましくは1.01〜2.5倍である。延伸は、一軸あたり1段階で行っても良いし、粘着シートの使用用途に応じて、2段階以上に分けて延伸しても良い。延伸する際の延伸温度は、延伸性などの観点から、基材層(A)を構成するポリマーのガラス転移温度(Tg)に対して(Tg−20℃)〜(Tg+50℃)の範囲が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。また、部は重量部を意味する。
(1)重量平均分子量の測定
以下の条件でGPC測定を行った。
測定装置:東ソー社製、型式「HLC−8120GPC」
カラム:東ソー社製、TSKgel SuperHZM−H/HZ4000+HZ3000+HZ2000を直列に接続して使用した。
カラムサイズ:各々、内径6.0mm×長さ15.0cm
カラム温度:40℃、
流速:0.6mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
サンプル注入量:20μL
検出器:RI(示差屈折計)
標準試料:ポリスチレン
(2)剥離力の測定
粘着シートの粘着剤層面側にアクリル系粘着シート(日東電工社製、商品名「No.31B」)を貼り付け、次いで、長さ100mm、幅20mmの短冊状の試験片を切り出した。その試験片をSUS板に裏打ちした後、試験片の一端から長手方向30mmの位置まで粘着剤層ごと剥離させた。その一部剥離させた試験片を引張試験機のチャックで掴み、300mm/分の引張速度で、180度方向に剥離して、該剥離に要する引き剥がし力(粘着剤層の基材層からの剥離力)を測定した。
(3)粘着力の測定
粘着シートから長さ100mm、幅20mmの短冊状の試験片を切り出し、JIS−Z−0237(2000)に準拠して粘着力を測定した。具体的には、被着体としてSUS430BA板を用い、トルエンにてその表面を洗浄した。この被着体の表面に試験片の粘着剤層面を、2kgローラを1往復させて圧着させ、30分後にその試験片を300mm/分の引張速度で180度方向に剥離して粘着力を測定した。
〔製造例1〕
<アクリル系ブロック共重合体Ac1の重合>
窒素導入管、温度計、および攪拌機を備えた容量2L(リットル)の反応容器内を窒素ガスで置換した後、トルエン800mL、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン2.5mL、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.6mol/Lトルエン溶液34mL、および、sec−ブチルリチウムの1.3mol/Lトルエン溶液3.5mLを仕込んだ。ここに、メチルメタクリレート(MMA)27mLを加え、室温で3時間反応させた。次いで、反応液を−15℃に冷却し、n−ブチルアクリレート(BA)160mLを7時間かけて滴下した。続いて、MMA27mLを加え、反応液を室温に戻して10時間攪拌した。この反応液を大量のメタノール中に注ぎ、析出した沈殿物を回収して、ポリMMA−ポリBA−ポリMMAのトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体を得た。得られたアクリル系ブロック共重合体のMw(重量平均分子量)は8.0×10であり、ポリMMAブロック(二つのブロックの合計質量)とポリBAブロックとの質量比は25/75であった。以下、このアクリル系ブロック共重合体を「Ac1」と称する。
〔製造例2〕
窒素導入管、温度計、および攪拌機を備えた容量2Lの反応容器内を窒素ガスで置換した後、トルエン800mL、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン2.5mL、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.6mol/Lトルエン溶液34mL、および、sec−ブチルリチウムの1.3mol/Lトルエン溶液3.5mLを仕込んだ。ここにMMA27mLを加え、室温で3時間反応させた。次いで、反応液を−15℃に冷却し、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)225mLを7時間かけて滴下した。続いて、MMA27mLを加え、反応液を室温に戻して10時間攪拌した。この反応液を大量のメタノール中に注ぎ、析出した沈殿物を回収して、ポリMMA−ポリ2EHA−ポリMMAのトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体を得た。得られたアクリル系ブロック共重合体のMwは8.5×10であり、ポリMMAブロック(二つのブロックの合計質量)とポリ2EHAブロックとの質量比は25/75であった。以下、このアクリル系ブロック共重合体を「Ac2」と称する。
〔実施例1〕
基材層形成材料としての低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、商品名「ぺトロセン190」)と、粘着剤層形成材料としてのアクリル系ブロック共重合体(クラレ社製、商品名「LAポリマー LA2140e」、Mw=8.0×10)(以下、このアクリル系ブロック共重合体を「Ac3」と称する)とを押出機に投入し、Tダイから溶融押出を行って、基材層(厚み50μm)/粘着剤層(厚み10μm)が重なったシート形状に成形した。この2層構造のシートの粘着剤層側から、加速電圧250kV、照射線量200kGyの電子線を照射した後、ロール状に巻取り、粘着シート(1)を得た。
粘着シート(1)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例2〕
基材層/粘着剤層の厚みを100μm/20μmとした以外は実施例1と同様にして、粘着シート(2)を得た。
粘着シート(2)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例3〕
粘着剤層形成材料としてAc1(ポリMMA−ポリBA−ポリMMAのトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体)を使用した以外は実施例1と同様にして、粘着シート(3)を得た。
粘着シート(3)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例4〕
粘着剤層形成材料としてAc2(ポリMMA−ポリ2EHA−ポリMMAのトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体)を使用した以外は実施例1と同様にして、粘着シート(4)を得た。
粘着シート(4)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例5〕
基材層形成材料として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学社製、商品名「スミカセンE FV401」)を使用した以外は実施例1と同様にして、粘着シート(5)を得た。
粘着シート(5)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例6〕
基材層形成材料として高密度ポリエチレン(HDPE)(日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテック HJ580」)を使用した以外は実施例1と同様にして、粘着シート(6)を得た。
粘着シート(6)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例7〕
基材層形成材料としてランダムポリプロピレン(r−PP)(住友化学社製、商品名「ノーブレン S131」)を使用した以外は実施例1と同様にして、粘着シート(7)を得た。
粘着シート(7)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例8〕
基材層形成材料としてメタロセン触媒を用いて作製されたランダムポリプロピレン(m−r−PP)(日本ポリプロピレン社製、商品名「ウインテック WFW4」)を使用した以外は実施例1と同様にして、粘着シート(8)を得た。
粘着シート(8)についての評価結果を表1に示した。
〔実施例9〕
第一基材層形成材料として低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、商品名「ぺトロセン190」)と、第二基材層形成材料として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学社製、商品名「スミカセンE FV401」)と、粘着剤層形成材料としてアクリル系ブロック共重合体(Ac3)とを押出機に投入し、Tダイから溶融押出を行って、第一基材層(厚み40μm)/第二基材層(厚み10μm)/粘着剤層(厚み10μm)が重なったシート形状に成形した。この3層構造のシートの粘着剤層側から、加速電圧250kV、照射線量200kGyの電子線を照射した後、ロール状に巻取り、粘着シート(9)を得た。
粘着シート(9)についての評価結果を表2に示した。
〔実施例10〕
第二基材層形成材料として高密度ポリエチレン(HDPE)(日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテック HJ580」)を使用した以外は実施例9と同様にして、粘着シート(10)を得た。
粘着シート(10)についての評価結果を表2に示した。
〔実施例11〕
第二基材層形成材料としてランダムポリプロピレン(r−PP)(住友化学社製、商品名「ノーブレン S131」)を使用した以外は実施例9と同様にして、粘着シート(11)を得た。
粘着シート(11)についての評価結果を表2に示した。
〔実施例12〕
第一基材層形成材料として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(住友化学社製、商品名「スミカセンE FV401」)を、第二基材層形成材料として低密度ポリエチレン(LDPE)(東ソー社製、商品名「ぺトロセン190」)を使用した以外は実施例9と同様にして、粘着シート(12)を得た。
粘着シート(12)についての評価結果を表2に示した。
〔比較例1−8〕
電子線を照射しなかった以外は実施例1〜8と同様にして、粘着シート(C1)〜(C8)を得た。
粘着シート(C1)〜(C8)についての評価結果を表3に示した。
〔比較例9−12〕
電子線を照射しなかった以外は実施例9〜12と同様にして、粘着シート(C9)〜(C12)を得た。
粘着シート(C9)〜(C12)についての評価結果を表4に示した。
Figure 2012057040
Figure 2012057040
Figure 2012057040
Figure 2012057040
表1、表2に示されるように、電子線を照射した、ポリオレフィン系樹脂から構成される基材層とアクリル系ブロック共重合体から構成される粘着剤層の積層体である粘着シートは、いずれも、層間剥離力が2.5N/20mm以上の値を示した。また、これらの粘着シートは、いずれも、SUS板に対して1.0N/20mm以上の良好な粘着力を示した。また、Ac1、Ac2、Ac3のいずれを用いた粘着シートにおいても、同程度の層間剥離力を示した。
一方、表3、表4に示されるように、電子線を照射しなかった積層体の粘着シートでは、いずれも電子線の照射を行った粘着シートよりも層間剥離力が低く、粘着剤層と基材層の密着性の悪さが示された。そのため、SUS板に対する粘着力測定の際に、被着体であるSUS板に糊残りが生じてしまい、粘着力を測定することができなかった。このように、電子線を照射しない粘着シートは、特に、貼り付けた後の再剥離性を求められる表面保護用途として欠陥のある粘着シートとなってしまった。
本発明の粘着シートを用いることで、従来の積層体では成し遂げられていなかった、アクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤層とポリオレフィン系樹脂を含む基材層とを積層した共押出粘着シートにおいて、良好な層間密着性が実現可能となり得る。
本発明で得られる粘着シートは、視認性を必要とする光学部材において好ましく用いられる。また、液晶ディスプレイパネル用の偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、光拡散シート、反射シートなどの光学部品の貼合わせ用途に好適である。特に、本発明で得られる粘着シートは、好ましくは、アクリル系の被着体に対して静電的な作用から高い粘着力を示すため、アクリル系樹脂を用いた光学部品の貼合わせ用途に好適である。また、本発明で得られる粘着シートは、好ましくは、オレフィンなどの無極性樹脂に対して低い粘着力を示すため、軽剥離が求められる表面保護用途に好適である。
10 粘着シート
12 基材層
14 粘着剤層
20 粘着シート
22A 第一基材層
22B 第二基材層
24 粘着剤層

Claims (7)

  1. 基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートであって、
    該積層体は共押出成形によって一体に形成されたものであり、
    測定温度23℃、引張速度0.3m/分、剥離角度180度の条件下における、該基材層(A)から該粘着剤層(B)を剥離する際の剥離力が2.5N/20mm以上である、
    粘着シート。
  2. 前記基材層(A)が、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着剤層(B)が、アクリル酸エステルブロック構造とメタクリル酸エステルブロック構造を含むアクリル系ブロック共重合体を含む、請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量が30000〜300000である、請求項3に記載の粘着シート。
  5. 基材層(A)/粘着剤層(B)の積層構造を含む積層体である粘着シートの製造方法であって、
    該基材層(A)の形成材料(a)と該粘着剤層(B)の形成材料(b)とを含む該積層体の形成材料を共押出成形して一体化させて積層体前駆体とし、
    該積層体前駆体に電離放射線を照射する、
    粘着シートの製造方法。
  6. 前記電離放射線が電子線である、請求項5に記載の粘着シートの製造方法。
  7. 前記電子線の照射線量が10〜500kGyである、請求項6に記載の粘着シートの製造方法。


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