JP2016160363A - 粘着積層体 - Google Patents

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啓志 大島
Hiroshi Oshima
啓志 大島
松本 章
Akira Matsumoto
章 松本
山下 隆
Takashi Yamashita
山下  隆
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Abstract

【課題】溶融共押出法成形加工性が良好で粘着層面の表面平滑性に優れ、層間剥離しにくく且つ被着体汚染が少なく、粘着特性にも優れる粘着積層体の提供。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂からなる基材層(A)と、190℃、2.16kgfで測定したメルトマスフローレートが1g/10分以上5g/10分未満である無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂からなる中間層(B)と、アクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物からなる粘着層(C)とを備える、厚みが10〜1,000μmである粘着積層体によって、上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、中間層と、アクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤組成物からなる粘着層とを備える粘着積層体に関する。
保護フィルムや粘着テープ等の、基材層の少なくとも一部の表面上に粘着層を有する粘着製品に使用される粘着剤として、透明性、耐候性および耐久性に優れることからアクリル系ポリマーを含有する溶液型粘着剤が広く用いられている。しかし、溶液型粘着剤を用いると、粘着剤の溶剤への溶解工程や乾燥による溶剤除去工程が必要で粘着製品の製造工程が複雑となる。そのため、コストアップや環境負荷が増大するなどの問題があった。
これに対して、共押出成形法により製造される、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層とアクリル系ブロック共重合体からなる粘着層とを積層した粘着フィルムおよび粘着シートが提案されている。共押出成形法では、溶液型粘着剤を用いるよりも安価に前記の粘着製品を製造できる。しかしながら、無極性材料であるポリオレフィン系樹脂と極性材料であるアクリル系ブロック共重合体とでは層間強度が弱いので、層間剥離が起こり問題となることがあった。これを解決するため、例えば基材層と粘着層の間に接着層やアンカー層を設けたり(特許文献1〜4参照)、電離放射線を照射する(特許文献5参照)などの手法が提案されている。しかし、特許文献1〜4の積層体では共押出成形加工性が満足いくものではなく、改善の余地があった。また、特許文献5の積層体は、粘着層側から電離放射線を照射するため、粘着層の表面荒れが発生する場合があった。
特許5563788号公報 特許5507055号公報 特開2009−249541号公報 特開2014−125511号公報 特開2012−057041号公報 特開平6−093060号公報 特表平5−507737号公報 特開平11−335432号公報
マクロモレキュラケミストリーアンドフィジックス(Macromolecular Chemistry and Physics)、2000年、201巻、p.1108〜1114
しかして、本発明の目的は、溶融共押出法成形加工性が良好で粘着層面の表面平滑性に優れ、層間剥離しにくく且つ被着体汚染が少なく、粘着特性にも優れる粘着積層体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、特定の樹脂からなる中間層と、アクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤組成物からなる粘着層とを備える粘着積層体によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、
[1]ポリオレフィン系樹脂からなる基材層(A)と、中間層(B)と、アクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物からなる粘着層(C)とを備える粘着積層体であって、前記中間層(B)は、190℃、2.16kgfで測定したメルトマスフローレートが1g/10分以上5g/10分未満である無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂からなり、厚みが10〜1,000μmである粘着積層体;
[2]前記アクリル系ブロック共重合体(I)が、メタクリル酸エステル由来の構造単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(i−1)と、アクリル酸エステル由来の構造単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(i−2)とを含有する、前記[1]に記載の粘着積層体;
[3]前記アクリル系ブロック共重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である、前記[1]又は[2]に記載の粘着積層体;
[4]前記アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(i−1)の含有量が5〜65質量%である、前記[2]又は[3]に記載の粘着積層体;
[5]前記粘着積層体をガラスに貼合し、60℃の環境下で1週間保存した後、粘着積層体を剥離したガラス表面の濡れ張力と、粘着積層体を貼合する前のガラス表面の濡れ張力との差が、1.0mN/m未満である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着積層体;
[6]前記粘着積層体全体の厚みに対する基材層(A)の厚み比率(層比率)が0.5以上0.96以下であり、粘着積層体全体の厚みに対する中間層(B)の厚み比率(層比率)が0.02以上0.4以下であり、粘着積層体全体の厚みに対する粘着層(C)の厚み比率(層比率)が0.02以上0.4以下である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着積層体;
[7]前記基材層(A)を構成するポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の粘着積層体;
[8]前記重合体ブロック(i−2)を構成するアクリル酸エステルが、一般式 CH=CH−COOR(式中、Rは炭素数1〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(a)及び一般式 CH=CH−COOR (式中、Rは炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b)から選ばれるいずれかのアクリル酸エステルである、前記[2]〜[7]のいずれかに記載の粘着積層体;
[9]前記アクリル酸エステル(a)がアクリル酸ブチルである、前記[8]に記載の粘着積層体。
[10]前記アクリル酸エステル(b)がアクリル酸2−エチルヘキシルである、前記[8]又は[9]に記載の粘着積層体。
[11]前記粘着層(C)を構成する粘着剤組成物が、重合体ブロック(i−1)の含有量が5質量%以上30質量%未満であるアクリル系ブロック共重合体(I’)と、重合体ブロック(i−1)の含有量が30質量%以上65質量%以下であるアクリル系ブロック共重合体(I’’)とを含有する、前記[2]〜[10]のいずれかに記載の粘着積層体;
[12]前記粘着層(C)を構成する粘着剤組成物が、190℃で測定したB型粘度計による粘度が10,000cp以下であるアクリル系ブロック共重合体(I’’’)を含む、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の粘着積層体;
[13]前記基材層(A)、前記中間層(B)及び前記粘着層(C)を、溶融共押出成形することにより製造される、前記[1]〜[12]のいずれかに記載の粘着積層体;
[14]前記[1]〜[13]のいずれかに記載の粘着積層体の製造方法であって、190〜250℃の成形加工温度で溶融共押出成形することを特徴とする粘着積層体の製造方法;
[15]前記[1]〜[13]のいずれかに記載の粘着積層体からなる保護フィルム;
に関する。
本発明によれば、溶融共押出法成形加工性が良好で粘着層面の表面平滑性に優れ、層間剥離しにくく且つ被着体汚染が少なく、粘着特性にも優れる粘着積層体を提供できる。本発明の粘着積層体はこれらの特性を備えることから、特に保護フィルムに好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の粘着積層体は、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層(A)と、中間層(B)と、アクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物からなる粘着層(C)とを備える。
(基材層(A))
基材層(A)を構成するポリオレフィン系樹脂の種類は特に制限されず、従来既知のオレフィン系重合体を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリ−3−メチル−ブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン(例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、6−メチル−1−ヘプテン、イソオクテン、イソオクタジエン、デカジエンなど)との1種又は2種以上との共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が好ましい。これらの中でも、ポリプロピレン系樹脂及び高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系樹脂がより好ましく、ポリプロピレン系樹脂が更に好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン以外に由来する構造単位を含有してもよく、例えばエチレンに由来する構造単位、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンに由来する構造単位等が挙げられる。また、プロピレンに由来する構造単位(プロピレン単量体単位)の含有量が60モル%以上であることが好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましく、100モル%であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−オクテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセンランダム共重合体などが挙げられる。また、これらのポリプロピレン系樹脂に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;それら不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸のエステル、アミドまたはイミド;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物などの変性剤をグラフト共重合した変性ポリプロピレン系樹脂を用いることもできるが、ポリプロピレン系樹脂としては、変性されていないものが好ましい。
中でも、比較的安価、かつ容易に入手できるという観点から、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体が好ましく、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体がより好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
基材層(A)は、共押出成形加工性の観点から、融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂からなることが好ましく、融点が120℃以上のポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。ここで、融点とは、示差走査型熱量分析(DSC)により測定された吸収熱曲線のピークトップ温度をいう。
上記基材層(A)を構成するポリオレフィン系樹脂は、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤等の各種添加剤を適宜含有していてもよい。滑剤としては、例えばエルカ酸アミド、エチレンビスオレイルアミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系化合物などが挙げられる。光安定剤としては、例えばフェノール系、リン系、ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
基材層(A)は、溶融共押出成形加工性及び粘着特性の観点から、23℃、引張速度300mm/minでの引張弾性率が300〜1800MPaであるポリオレフィン系樹脂を有することが好ましい。引張弾性率が上記範囲より小さい場合は、得られた粘着積層体の柔軟性が増大し、共押出成形加工時に伸張変形などの不具合が発生する。引張弾性率が上記範囲より大きい場合は、被着体への貼合せや被着体からの剥離の工程で割れやクラックなどの不具合が発生し、被着体を損傷させてしまう問題がある。前記引張弾性率は、800〜1500MPaであることがより好ましい。ここで上記ポリオレフィン系樹脂組成物の引張弾性率は、ISO527−3に記載の方法に準拠して、23℃、引張速度300mm/minの条件で測定した値である。
(中間層(B))
中間層(B)は、190℃、2.16kgfで測定したメルトマスフローレートが1g/10分以上5g/10分未満である無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂からなる。前記メルトマスフローレートとしては、3g/10分以上5g/10分未満であるものがより好ましい。本発明の粘着積層体がこのような中間層(B)を有することにより、溶融共押出成形加工性に優れ、中間層(B)の表面平滑性に優れることから、その上に積層される粘着層(C)面の表面平滑性も優れたものとなる。ここで、前記メルトマスフローレートは、実施例に記載の方法で測定した値である。
後述する粘着層(C)との接着性の観点から、上記無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂が含有する無水マレイン酸基の含有量は、1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%であるものがより好ましい。無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂の入手方法に特に制限はないが、例えば、市販のポリエチレンに対し、無水マレイン酸基含有化合物を反応させて変性することにより製造することができる。また、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば三井化学社製のアドマーSE800等を用いることができる。
中間層(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の樹脂をさらに含有していてもよい。他の樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;PMMA樹脂、アクリル系ブロック共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマー等のポリアミド樹脂;エステル系ポリウレタンエラストマー、エーテル系ポリウレタンエラストマー、無黄変エステル系ポリウレタンエラストマー、無黄変カーボネート系ポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂;前記基材層(A)を構成するポリオレフィン系樹脂として例示したオレフィン系重合体;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、シリコーンゴム変性樹脂等が挙げられる。これらの中でも、基材層(A)及び粘着層(C)との層間接着性の観点から、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル系樹脂が好ましい。
(粘着層(C))
粘着層(C)は、アクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物からなる。アクリル系ブロック共重合体(I)としては、メタクリル酸エステル由来の構造単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(i−1)(以下、単に重合体ブロック(i−1)と称することがある)と、アクリル酸エステル由来の構造単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(i−2)(以下、単に重合体ブロック(i−2)と称することがある)とを有するアクリル系ブロック共重合体を好適に使用できる。
重合体ブロック(i−1)の構成単位であるメタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジルなどの官能基を有さないメタクリル酸エステル;メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有するメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、アクリル系ブロック共重合体(I)を含有するアクリル系粘着剤組成物の透明性、耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。重合体ブロック(i−1)は、これらメタクリル酸エステルの1 種から構成されていても、2 種以上から構成されていてもよい。また、上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(i−1)を2つ以上含有する場合が、耐久性を高める観点から好ましい。その場合、それら重合体ブロック(i−1)は、同一であっても異なっていてもよい。
重合体ブロック(i−1)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1000〜50000の範囲にあることが好ましく、4000〜20000の範囲にあることがより好ましい。重合体ブロック(i−1)の重量平均分子量(Mw)がこの範囲より小さい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(I)または該アクリル系ブロック共重合体(I)を含有する粘着剤組成物の凝集力が不足する場合がある。また、重合体ブロック(i−1)の重量平均分子量(Mw)がこの範囲より大きい場合には、アクリル系ブロック共重合体(I)の生産性や共押出成形加工性に劣る場合がある。また、重合体ブロック(i−1)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(i−1)中60質量%が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(i−1)の含有量は5〜65質量%であることが好ましい。優れた粘着性を有し、また、取り扱いが容易な形態(例えばペレット状等)で該アクリル系ブロック共重合体(I)または該アクリル系ブロック共重合体(I)を含有するアクリル系粘着剤組成物の供給が可能となる点から、重合体ブロック(i−1)の含有量は10〜50質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。
重合体ブロック(i−2)を構成するアクリル酸エステル単位としては、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどの官能基を有さないアクリル酸エステル;アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸フェノキシエチル等の官能基を有するアクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル系ブロック共重合体(I)を含有する粘着剤組成物の透明性、柔軟性、耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないアクリル酸エステルが好ましく、一般式
CH=CH−COOR (a) (式中、Rは炭素数1 〜6の有機基を表す)
で示されるアクリル酸エステル(a)(以下、単にアクリル酸エステル(a)と称する)及び一般式
CH=CH−COOR (b) (式中、Rは炭素数7〜12の有機基を表す)
で示されるアクリル酸エステル(b)(以下、単にアクリル酸エステル(b)と称する)から選ばれるいずれかのアクリル酸エステルがより好ましい。
アクリル酸エステル(a)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニルなどが挙げられる。中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシルがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル酸エステル(b)としては、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチルなどが挙げられる。中でも、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2 種以上を併用してもよい。
重合体ブロック(i−2)を構成するアクリル酸エステルとして2種以上を併用する場合、上記アクリル酸エステル(a)及びアクリル酸エステル(b)を用いることが好ましい。この場合、重合体ブロック(i−2)中のアクリル酸エステル(a)及びアクリル酸エステル(b)の質量比(a)/(b)は、優れた粘着特性を付与し、さらに粘着付与樹脂との相容性を高める観点から、質量比(a)/(b)=90/10〜10/90であることが好ましく、60/40〜40/60であることがより好ましい。なお、アクリル酸エステル(a)およびアクリル酸エステル(b)の質量比は、後述の実施例に記載の方法により求められる。
また、上記アクリル系ブロック共重合体(I)が重合体ブロック(i−2)を2つ以上含有する場合には、それら重合体ブロック(i−2)を構成するアクリル酸エステル単位の組み合わせは、同一であっても異なっていてもよい。また、重合体ブロック(i−2)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(i−2)中60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(i−2)の含有量は95〜35質量%であることが好ましい。優れた粘着性を有し、また、取り扱いが容易な形態(例えばペレット状等)で該アクリル系ブロック共重合体(I)または該アクリル系ブロック共重合体(I)を含有するアクリル系粘着剤組成物の供給が可能となる点から、重合体ブロック(i−2)の含有量は90〜50質量%であることが好ましく、85〜60質量%であることがより好ましい。
上記重合体ブロック(i−1)及び重合体ブロック(i−2)には、本発明の効果を損なわない範囲で、お互いのモノマー成分が含有されていてもよい。例えば、重合体ブロック(i−1)及び重合体ブロック(i−2)の境界でテーパード構造を有していてもよい。また、重合体ブロック(i−1)及び重合体ブロック(i−2)はお互いのモノマー成分を含有しないものであってもよい。
また前記重合体ブロック(i−1)および重合体ブロック(i−2)は、必要に応じて他の単量体を含有してもよい。かかる他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の官能基を有するビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン化合物;エチレン、プロピレン、イソブテン、オクテン等のオレフィン化合物;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系単量体等が挙げられる。これらを含有する場合は、各重合体ブロックに使用する単量体の全質量に対して、好ましくは40質量% 以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下の量である。
また、アクリル系ブロック共重合体(I)は、上記重合体ブロック(i−1)および重合体ブロック(i−2)の他に、必要に応じ、他の重合体ブロックを有していてもよい。かかる他の重合体ブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、オクテン、酢酸ビニル、無水マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどからなる重合体ブロック又は共重合体ブロック; ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサンからなる重合体ブロックなどが挙げられる。また、上記重合体ブロックには、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物を含む重合体ブロックの水素添加物も含まれる。
アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、30000〜300000の範囲であることが好ましく、45000〜150000の範囲であることがより好ましい。アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が上記範囲より小さいと、アクリル系ブロック共重合体(I)の溶融粘度が極端に小さくなり、引取性が劣り、溶融共押出成形加工が困難になる。アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が上記範囲より大きいと、アクリル系ブロック共重合体(I)の溶融粘度が極端に大きくなり、溶融共押出成形加工により得られる成形体の表面が荒れる場合がある。また、Tダイ法により溶融共押出成形する場合、両端への広がりが不足し、良好な粘着積層体が得られない場合がある。また、粘着層(C)の粘着特性を向上させる観点から、アクリル系ブロック共重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.4であることがより好ましく、1.0〜1.3であることがさらに好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(I)の製造方法は、化学構造に関する本発明の条件を満足する重合体が得られる限りにおいて特に限定されず、公知の手法に準じた方法を採用できる。一般に、分子量分布の狭いブロック共重合体を得る方法としては、構成単位である単量体をリビング重合する方法が取られる。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(特許文献6参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(特許文献7参照)、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法(特許文献8参照)、原子移動ラジカル重合法(ATRP)(非特許文献1参照)などが挙げられる。
上記製造方法のうち、有機アルミニウム化合物の存在下で有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重合してアクリル系ブロック共重合体(I)を製造する方法は、得られるアクリル系ブロック共重合体(I)の透明性が高いものとなり、残存単量体が少なく臭気が抑えられるため好ましい。さらに、重合体ブロック(i−1)の分子構造が高シンジオタクチックとなり、アクリル系粘着剤組成物の耐熱性を高める効果がある点からも好ましい。有機アルミニウム化合物としては、重合のリビング性の高さや取り扱いの容易さなどの点から、イソブチルビス(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジtert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどが好ましく挙げられる。
上記有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、テトラメチレンジリチウム等のアルキルリチウム及びアルキルジリチウム;フェニルリチウム、p−トリルリチウム、リチウムナフタレン等のアリールリチウム及びアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウム及びアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド等のリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム等のリチウムアルコキシドなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも重合開始効率が高いことから、アルキルリチウムが好ましく、中でもtert−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましく、sec−ブチルリチウムがさらに好ましい。
上記リビングアニオン重合は、通常、重合反応に不活性な溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。アクリル系ブロック共重合体(I)は、例えば、単量体を重合して得た所望のリビングポリマー末端に、所望の重合体ブロック(重合体ブロック(i−1)、重合体ブロック(i−2)など)を形成する工程を所望の回数繰り返した後、重合反応を停止させることにより製造できる。
重合温度としては、重合体ブロック(i−1)を形成する際は0〜100℃、重合体ブロック(i−2)を形成する際は−50〜50℃が好ましい。上記範囲より重合温度が低いと、反応の進行が遅くなる傾向となる。一方、上記範囲より重合温度が高いと、リビングポリマー末端の失活が増え、分子量分布が広くなったり、所望のブロック共重合体が得られなくなったりする場合がある。
粘着層(C)を構成する粘着剤組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(I)を1種又は2種以上含有していてもよい。アクリル系ブロック共重合体(I)を2種以上含有する場合、重合体ブロック(i−1)の含有量が5質量%以上30質量%未満であるアクリル系ブロック共重合体(I’)と、重合体ブロック(i−1)の含有量が30質量%以上65質量%以下であるアクリル系ブロック共重合体(I’’)とを含有するものが好ましい。重合体ブロック(i−1)の含有量が異なる2種以上のアクリル系ブロック共重合体(I)を含有することにより、弱粘着領域での粘着力調整が容易であり、且つ溶融共押出成形加工性に優れる。
また、前記粘着剤組成物は、190℃で測定したB型粘度計による粘度が10000cp以下、より好ましくは5000cp以下であるアクリル系ブロック共重合体(I’’’)を含むことも好ましい態様の一つである。粘着剤組成物がアクリル系ブロック共重合体(I’’’)を含むことにより、強粘着領域での粘着力調節が容易であり、溶融共押出成形加工性に優れる粘着積層体を得ることができる。前記粘度の下限値は特に限定されないが、190℃において通常10cp以上である。
また、前記粘着剤組成物は前記アクリル系ブロック共重合体(I)のみからなるものであってもよいが、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば粘着付与樹脂、可塑剤(軟化剤)、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、染色剤、屈折率調整剤、フィラー、硬化剤などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いてもよい。
上記粘着付与樹脂としては、タック、接着力および保持力の調節が容易となる観点から、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等のロジン; 水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン;これらロジン、変性ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル等のロジン系樹脂;α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等を主体とするテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;(水添)脂肪族系(C系)石油樹脂、(水添)芳香族系(C系)石油樹脂、(水添)共重合系(C/C系)石油樹脂、(水添)ジシクロペンタジエン系石油樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂等の(水添)石油樹脂;ポリα−メチルスチレン、α−メチルスチレン/スチレン共重合体、スチレン系単量体/脂肪族系単量体共重合体、スチレン系単量体/α−メチルスチレン/脂肪族系単量体共重合体、スチレン系単量体共重合体、スチレン系単量体/芳香族系単量体共重合体等のスチレン系樹脂;クマロン−インデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等の合成樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、上記粘着付与樹脂の軟化点については、高い接着力を発現する点から、50〜150℃のものが好ましい。粘着付与樹脂を含有させる場合、その含有量としては、接着力と耐久性の観点から、上記アクリル系ブロック共重合体(I)100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましく、3〜70質量部であることがより好ましく、5〜50質量部であることがさらに好ましい。
上記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ビス−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジイソデシルフタレートなどのフタル酸エステル、ビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペートなどのアジピン酸エステル、ビス−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−n−ブチルセバケートなどのセバシン酸エステル、ビス−2−エチルヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸エステルなどの脂肪酸エステル;塩素化パラフィンなどのパラフィン;ポリプロピレングリコールなどのグリコール;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ系高分子可塑剤;トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル;トリフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル系オリゴマー;ポリブテン;ポリイソブチレン;ポリイソプレン;プロセスオイル;ナフテン系オイルなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、または2 種以上を併用してもよい。
上記粘着層(C)を構成する粘着剤組成物の製造方法は特に制限されず、例えば、アクリル系ブロック共重合体(I)及びその他の成分を、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合または混練装置を使用して、100〜250℃の範囲内の温度で混合することにより製造できる。
(粘着積層体)
本発明の粘着積層体は、前記基材層(A)、前記中間層(B)及び前記粘着層(C)を備えるものである。粘着積層体の製造方法は特に限定されないが、前記基材層(A)、前記中間層(B)及び前記粘着層(C)を、溶融共押出成形することにより一体化させて積層体を製造することが好ましい。より具体的には、フィードブロックダイまたはマルチマニホールドダイなどを使用し、さらにTダイ成形機またはインフレーション成形機などの製膜装置を使用して溶融共押出成形することができる。成形加工温度としては、190〜250℃の範囲で溶融共押出成形することが好ましい。前記温度範囲で成形加工することにより、厚み変動ならびに各層の界面ズレなどが抑制でき、粘着層(C)面の表面平滑性を向上させることができる。なお、ここでいう成形加工温度とはフィードブロック及び製膜装置の温度である。また、粘着層(C)については、粘着剤組成物を溶剤に溶かして溶液状とし、前記基材層(A)及び前記中間層(B)の積層体上に溶液塗工することにより形成することもできる。なお、本発明の粘着積層体の製造においては、表面平滑性に優れた粘着積層体を得る観点から電離放射線を使用しないことが好ましい。
本発明の粘着積層体の厚みは10〜1000μmであり、20〜500μmが好ましく、30〜300μmがより好ましい。また、粘着積層体を構成する各層の厚み比率は、粘着積層体全体の厚みに対する基材層(A)の厚み比率(層比率)が0.5以上0.96以下であり、粘着積層体全体の厚みに対する中間層(B)の厚み比率(層比率)が0.02以上0.4以下であり、粘着積層体全体の厚みに対する粘着層(C)の厚み比率(層比率)が0.02以上0.4以下であるものが好ましい。粘着積層体を構成する各層の厚み比率がこの範囲であると、溶融共押出成形加工性及びコストバランスに優れる。
本発明の粘着積層体は、各種用途に適用する前段階の形態は特に限定されないが、枚葉に重ね合わせた形態や、ロール状に巻き取った形態などが挙げられる。ロール状であると、連続的な貼り合わせ加工など生産性向上の観点から好ましい。
本発明の粘着積層体のアクリル樹脂板に対する剥離速度300mm/minでの180°剥離強度は0.1〜25N/25mmであることが好ましく、5〜15N/25mmであることがより好ましい。例えば、本発明の粘着積層体を保護フィルムとして使用する場合、剥離強度が上記範囲より小さいと、貼り付け作業時に被着体に十分に貼り付かず、剥離が生じてしまう場合がある。剥離強度が上記範囲より大きいと、剥離作業が困難となり、被着体自体が変形してしまう場合がある。
また、本発明の粘着積層体をガラスに貼合し、60℃の環境下で1週間保存した後、粘着積層体を剥離したガラス表面の濡れ張力と、粘着積層体を貼合する前のガラス表面の濡れ張力との差が、1.0mN/m未満であることが好ましく、0.5mN/m未満であることが好ましい。濡れ張力の差が上記範囲内であると、被着体汚染が少ない粘着積層体が得られる。
また、本発明の粘着積層体は、粘着層(C)側から測定した表面光沢度が、入射角60°/反射角60°の測定条件にて60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。表面光沢度が60%以上であることにより、粘着層(C)面の表面の凹凸が少なく、表面平滑性に優れる。これにより、初期粘着力が安定化し、粘着力の経時変化を小さくすることができる。
(用途)
本発明の粘着積層体は、種々の用途に使用できる。例えば、表面保護用、マスキング用、結束用、包装用、事務用、ラベル用、装飾・表示用、接合用、ダイシングテープ用、シーリング用、防食・防水用、医療・衛生用、ガラス飛散防止用、電気絶縁用、電子機器保持固定用、半導体製造用、光学表示フィルム用、粘着型光学フィルム用、電磁波シールド用、または電気・電子部品の封止材用の粘着テープやフィルム等が挙げられる。
表面保護用途としては、金属、プラスチック、ゴム、木材など種々の材料に使用でき、具体的には塗料面、金属の塑性加工や深絞り加工時、自動車部材、光学部材の表面保護のために使用できる。該自動車部材としては、塗装外板、ホイール、ミラー、ウィンドウ、ライト、ライトカバーなどが挙げられる。該光学部材としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示装置;偏光フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板、DVD等の光ディスク構成フィルム;電子・光学用途向け精密ファインコート面板などが挙げられる。
ラベル用途としては、価格、商品表示、荷札、POP、ステッカー、ストライプ、ネームプレート、装飾、広告用などが挙げられる。上記ラベルとしては、紙、加工紙(アルミ蒸着加工、アルミラミネート加工、ニス加工、樹脂加工等を施された紙)、合成紙等の紙類;セロハン、プラスチック材料、布、木材および金属製のフィルム等を基材とするラベルが挙げられる。
粘着型光学フィルム用途としては、例えば偏光フィルム、偏光板、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、アンチグレアフィルム、カラーフィルター、導光板、拡散フィルム、プリズムシート、電磁波シールドフィルム、近赤外線吸収フィルム、機能性複合光学フィルム、ITO貼合用フィルム、耐衝撃性付与フィルム、輝度向上フィルム、視認性向上フィルムなどの片面若しくは両面の少なくとも一部または全部に粘着層を形成した光学フィルムなどが挙げられる。粘着型光学フィルムは、液晶表示装置、PDP有機EL表示装置、電子ペーパー、ゲーム機、モバイル端末などの各種画像表示装置に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されない。なお、実施例および比較例中の各物性は、以下の方法により測定または評価した。
[測定または評価方法]
<引張弾性率>
基材層(A)に用いるポリオレフィン系樹脂を、射出成形機により230℃でISO527−2に記載のB型ダンベル形状に成形し、ISO527−3に準拠して、オートグラフを用いて、室温(23℃)で、引張速度50mm/minの条件で測定した。
・装置:射出成形機「UH1000−80」(日精樹脂工業株式会社製)
<メルトマスフローレート(MFR)>
中間層(B)に用いた各樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、ISO1133に準拠して、メルトインデクサーを用いて、190℃で、2.16kg荷重の条件で測定した。
・装置:メルトインデクサー「G−01」(株式会社東洋精機製作所製)
<アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記する)により標準ポリスチレン換算分子量として求めた。
・装置:GPC装置「HLC−8020」(東ソ−株式会社製)
・分離カラム:東ソ−株式会社製の「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
<アクリル系ブロック共重合体(I)における各重合体ブロックの質量比>
H−NMR測定によって求めた。
・装置:核磁気共鳴装置「JNM−ECX400」(日本電子株式会社製)
・溶媒:重水素化クロロホルム
<アクリル系ブロック共重合体(I)の溶融粘度>
ISO2555に準拠して、B型粘度計を用いて、190℃の条件で測定した。
・装置:B型粘度計「BL型粘度計」(株式会社東京計器製作所製)
<粘着積層体の厚み>
・総厚み
以下の実施例または比較例で得られた粘着積層体の総厚みは、接触式厚み計で任意の3箇所の厚みを測定して平均した値とした。
・各層の厚み比率(層比率)
基材層(A)、中間層(B)及び粘着層(C)の各層の厚みは、以下の実施例または比較例で得られた粘着複層体の断面を切出して、その断面を光学顕微鏡で任意の3箇所の厚みを測定して平均した値とした。
また、基材層(A)、中間層(B)及び粘着層(C)の各層の厚み比率(層比率)は、以下の式(I)〜(III)によりそれぞれ算出した。
式(I):基材層(A)の層比率=基材層(A)の厚み/粘着積層体の総厚み
式(II):中間層(B)の層比率=中間層(B)の厚み/粘着積層体の総厚み
式(III):粘着層(C)の層比率=粘着層(C)の厚み/粘着積層体の総厚み
<溶融共押出成形性>
以下の表4に記載の加工温度(フィードブロックとTダイの設定温度)で成形した時の製膜状況を目視により評価し、これを加工性の指標とした。
+:製膜状況が良好である
−:サージング現象による厚みムラ、各層の流動ムラによる外観不良ならびに粘着積層体の低弾性化による変形がある。
<層間剥離性>
以下の実施例及び比較例で得られた粘着積層体を、幅25mm、長さ100mmの大きさにカットし、被着体であるPMMA板に貼り、2kgのローラーを10mm/秒の速度で粘着積層体の上を2往復させて貼着させ、60℃環境下で1週間放置した。その後、JIS Z0237に準拠して、300mm/分の剥離速度で180°剥離して、中間層(B)と粘着層(C)間の層間剥離性を下記評価基準に従って評価した。
+:剥がれない
−:剥がれる
<粘着層面の表面平滑性(表面光沢度)>
以下の実施例及び比較例で得られた粘着積層体を縦100mm、横100mmの大きさにカットし、ISO2813に準拠して、光沢計を用いて、入射角60°/反射角60°の条件で粘着層(C)側からの表面光沢度(%)を測定した。値が高いほど、表面平滑性に優れる。
<濡れ張力差>
以下の実施例及び比較例で得られた粘着積層体を、幅25mm、長さ100mmの大きさにカットし、被着体であるガラス板に貼り、2kgのローラーを10mm/秒の速度で粘着積層体の上を2往復させて貼着させ、60℃環境下で1週間放置した。その後、JIS Z0237に準拠して、300mm/分の剥離速度で180°剥離した後のガラス板面の濡れ張力と、粘着積層体を貼り付ける前の未使用のガラス板表面の濡れ張力との差を算出し、濡れ張力差とした。値が低いほど、被着体汚染が無いことを表す。濡れ張力は下記条件で測定した。
・濡れ張力の測定
市販の濡れ張力試薬用混合液(和光純薬工業株式会社製)を用いて、23℃、湿度50%の環境下でガラス板面に塗布後、液のはじき具合を目視評価することで求めた。
[実施例で使用した原料]
以下に、実施例及び比較例で用いた原料の詳細を示す。また、表1〜3にそれらの物性値を示す。
〔基材層(A)〕
(a−1):「ユメリット140HK」(商品名、宇部丸善ポリエチレン株式会社製のポリエチレン系樹脂)。
(a−2):「ノバテックBC4FC」(商品名、日本ポリプロ株式会社製のポリプロピレン系樹脂)。
(a−3):(a−1)/(a−2)=70/30の組成比でブレンドしたポリオレフィン系樹脂。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物の23℃での引張弾性率を表1に示す。
Figure 2016160363
〔中間層(B)〕
(b−1):「アドマーSE800」(商品名、三井化学株式会社製の無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂)。
(b−2):「アドマーNF505」(商品名、三井化学株式会社製の無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂)。
(b−3):「セプトンS2002」(商品名、株式会社クラレ製、スチレン系ブロック共重合体)。
(b−4):「ウルトラセン#537」(商品名、東ソー株式会社製のエチレン−酢酸ビニル共重合体)。
上記接着性樹脂組成物のメルトマスフローレートを表2に示す。
Figure 2016160363
〔粘着層(C)〕
アクリル系ブロック共重合体(I)としては、トルエンを溶媒として、1,2−ジメトキシエタン、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの存在下でsec−ブチルリチウムを重合開始剤としてリビングアニオン重合して得られたものを用いた。
アクリル系ブロック共重合体(c−1):
下記の表3に示した通り、PMMA含量23質量%、分子量分布1.15であるメタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体を使用した。
アクリル系ブロック共重合体(c−2):
下記の表3に示した通り、PMMA含量45質量%、分子量分布1.14であるメタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体を使用した。
アクリル系ブロック共重合体(c−3):
下記の表3に示した通り、PMMA含量23質量%、分子量分布1.14であるメタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−(アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)/アクリル酸2−エチルヘキシル重合体ブロック(P2EHA)=50/50)−メタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)のトリブロック共重合体を使用した。
アクリル系ブロック共重合体(c−4):
(c−1)/(c−2)=50/50の質量比でブレンドしたアクリル系ブロック共重合体を使用した。
アクリル系ブロック共重合体(c−5):
下記の表3に示した通り、PMMA含量6質量%、分子量分布1.20であるメタクリル酸メチル重合体ブロック(PMMA)−アクリル酸n−ブチル重合体ブロック(PnBA)のジブロック共重合体を使用した。
アクリル系ブロック共重合体(c−6):
(c−1)/(c−5)=90/10の質量比でブレンドしたアクリル系ブロック共重合体を使用した。
スチレン系ブロック共重合体と粘着付与樹脂と軟化剤からなる粘着剤組成物(c−7):
水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)50質量%、水素添加テルペン系粘着付与樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の製品名「クリアロンP−125」)35質量%、軟化剤:パラフィン系オイル(出光興産株式会社製の製品名「ダイアナプロセスPW−380」)15質量%からなる粘着剤組成物を使用した。
Figure 2016160363

〔実施例1〜9および比較例1〜4〕
3種3層フィードブロック式Tダイ共押出装置を用いて、表4に記載の原料をそれぞれTダイ共押出装置にフィードし、下記の溶融共押出成形条件で粘着積層体を作製した。
<溶融共押出成形条件>
・層構成
ポリオレフィン系樹脂からなる基材層(A)/中間層(B)/粘着剤組成物からなる粘着層(C)の順となるように共押出成形した。
・押出温度(各押出機の温度)
各層の押出温度は、基材層(A):220℃、中間層(B):240℃、粘着層(C):230℃に設定した。
・成形加工温度 表4に記載の通り、フィードブロックとTダイの温度を設定した。
Figure 2016160363


表4の結果から、実施例1〜8で得られた粘着積層体は、溶融共押出成形性に優れており、粘着層面の表面平滑性にも優れている。また、層間剥離や被着体汚染も無く、粘着特性に優れていることが判る。実施例9で得られた粘着積層体は、溶融共押出成形時に多少の変形が発生するが、層間剥離や被着体汚染は無く、粘着特性に優れていることが判る。
比較例1で得られた粘着積層体は、中間層(B)を構成する接着性樹脂のメルトマスフローレートが本発明の範囲外であり流動性が高すぎるために、溶融共押出成形性が劣り、粘着層面の表面平滑性も低下した。比較例2と3で得られた粘着積層体は、中間層(B)を構成する接着性樹脂がスチレン系ブロック共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であり、且つメルトマスフローレートが本発明の範囲外であり流動性が高すぎるために、溶融共押出成形性が劣り、粘着層面の表面平滑性も低下した。さらに、中間層(B)及び粘着層(C)間の接着強度も低く、層間剥離が発生した。比較例4で得られた粘着積層体は、粘着層(C)がスチレン系ブロック共重合体と粘着付与樹脂と軟化剤からなる粘着組成物であるため、高温(60℃)環境下において粘着付与樹脂及び軟化剤がブリードアウトして濡れ張力差が高く、被着体汚染が見られた。
本発明の粘着積層体は、光学分野、自動車分野、エレクトロニクス分野、医療分野、建築分野、環境分野などで使用される粘着製品、例えば保護フィルム、粘着テープ、ラベルなどとして好適に使用できる。

Claims (15)

  1. ポリオレフィン系樹脂からなる基材層(A)と、中間層(B)と、アクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物からなる粘着層(C)とを備える粘着積層体であって、
    前記中間層(B)は、190℃、2.16kgfで測定したメルトマスフローレートが1g/10分以上5g/10分未満である無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂からなり、
    厚みが10〜1,000μmである粘着積層体。
  2. 前記アクリル系ブロック共重合体(I)が、メタクリル酸エステル由来の構造単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(i−1)と、アクリル酸エステル由来の構造単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(i−2)とを含有する、請求項1に記載の粘着積層体。
  3. 前記アクリル系ブロック共重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5である、請求項1又は2に記載の粘着積層体。
  4. 前記アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(i−1)の含有量が5〜65質量%である、請求項2又は3に記載の粘着積層体。
  5. 前記粘着積層体をガラスに貼合し、60℃の環境下で1週間保存した後、粘着積層体を剥離したガラス表面の濡れ張力と、粘着積層体を貼合する前のガラス表面の濡れ張力との差が、1.0mN/m未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の粘着積層体。
  6. 前記粘着積層体全体の厚みに対する基材層(A)の厚み比率(層比率)が0.5以上0.96以下であり、粘着積層体全体の厚みに対する中間層(B)の厚み比率(層比率)が0.02以上0.4以下であり、粘着積層体全体の厚みに対する粘着層(C)の厚み比率(層比率)が0.02以上0.4以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着積層体。
  7. 前記基材層(A)を構成するポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である、請求項1〜6のいずれかに記載の粘着積層体。
  8. 前記重合体ブロック(i−2)を構成するアクリル酸エステルが、一般式 CH=CH−COOR(式中、Rは炭素数1〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(a)及び一般式 CH=CH−COOR (式中、Rは炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(b)から選ばれるいずれかのアクリル酸エステルである、請求項2〜7のいずれかに記載の粘着積層体。
  9. 前記アクリル酸エステル(a)がアクリル酸ブチルである、請求項8に記載の粘着積層体。
  10. 前記アクリル酸エステル(b)がアクリル酸2−エチルヘキシルである、請求項8又は9に記載の粘着積層体。
  11. 前記粘着層(C)を構成する粘着剤組成物が、重合体ブロック(i−1)の含有量が5質量%以上30質量%未満であるアクリル系ブロック共重合体(I’)と、重合体ブロック(i−1)の含有量が30質量%以上65質量%以下であるアクリル系ブロック共重合体(I’’)とを含有する、請求項2〜10のいずれかに記載の粘着積層体。
  12. 前記粘着層(C)を構成する粘着剤組成物が、190℃で測定したB型粘度計による粘度が10,000cp以下であるアクリル系ブロック共重合体(I’’’)を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の粘着積層体。
  13. 前記基材層(A)、前記中間層(B)及び前記粘着層(C)を、溶融共押出成形することにより製造される、請求項1〜12のいずれかに記載の粘着積層体。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の粘着積層体の製造方法であって、190〜250℃の成形加工温度で溶融共押出成形することを特徴とする粘着積層体の製造方法。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の粘着積層体からなる保護フィルム。
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