JP5148816B2 - 表面保護シート、およびその製造方法 - Google Patents

表面保護シート、およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面保護シートに関し、さらに詳細には、基材層と背面処理層と粘着剤層が共押出成形により一体に形成されてなる表面保護シートに関する。また、本発明は、表面保護シートの製造方法に関し、さらに詳細には、基材層と背面処理層と粘着剤層が共押出成形により一体に形成されてなる表面保護シートの製造方法に関する。
本発明の表面保護シートは、たとえば、金属板、塗装板、アルミサッシ、樹脂板、化粧鋼板、塩化ビニルラミネート鋼板、ガラス板等の部材、偏光フィルム、液晶パネル等の光学部材、電子部材等を運搬、加工または養生する際等にそれら部材表面に貼り付け保護する用途等に用いられる。
表面保護シートは、基材シートの片側に粘着剤層が設けられており、もう一方の片側にはシートをロール体から巻戻す際の剥離性を確保するための離型層が通常設けられている。かかる表面保護シートには保護性能が要求される他、必要な機能として経時保存後の剥離性、剥離後の汚染性等が重視される。
特に汚染性は、被着体が光学部材、電子部材、塗装板や鏡面金属板等の場合に重要である。従来、このような用途の表面保護シートの離型層は、基材シートに有機溶剤に溶解した背面処理剤や離型剤の溶液を塗布乾燥することにより形成されていた。すなわち、溶剤型表面保護シートが一般的であった。しかし、近年では環境保全の観点から有機溶剤を使用しない表面保護シートの要求が高まりつつある。
有機溶剤を使用しない手法の一つとして、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と熱可塑性粘着樹脂からなる粘着層とを共押出法により成形した表面保護用接着フィルムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、当該表面保護用接着フィルムは、基材層と粘着層のみからなるため、ロール体にした場合に巻戻し性が悪く、巻戻し不可能となる場合がある。
そのため、共押出し法で得られる表面保護シート(表面保護フィルム、粘着テープなどを含む)には、これまでにさまざまな離型処理法が提案されている。
たとえば、基材層背面を、ロール、布などにより摩擦処理して得られた粘着テープが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、当該粘着テープでは、均一な摩擦処理が困難なため、良好な離型性を得ることができず、巻戻し力を十分に減少させることができない等の問題がある。また、基材層の配合によっては離型効果にバラツキが生じることがある。さらには、摩擦時に発生した樹脂粉は完全に除去することは不可能で、これが汚染等の原因となる。
また、粘着剤層に脂肪酸アミド系添加剤を添加した表面保護シートが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、当該表面保護シートでは、上記添加剤を粘着剤に添加する必要があるために汚染発生の原因となりやすい傾向がある。
さらに、基材層中にエーテルアミド系添加剤を添加した表面保護フィルムが提案されている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、当該表面保護フィルムは、製造直後の巻戻し性、汚染性は良好であるものの、夏場等の高温環境下に保管された場合に離型成分であるエーテルアミド系添加剤が時間と共に背面処理層と粘着層間に析出し、汚染性が発生する場合がある。
また、表面保護フィルムの中間層である基材層中に脂肪酸アミド系添加剤を添加した表面保護フィルムが提案されている(たとえば、特許文献5参照)。しかしながら、この場合は経時にて析出させるために製造直後では効果がなく、一定経時後でも効果が発現されないといった問題がある。
一方、上記以外にも、粘着剤に対しての上記剥離剤の移行による粘着力の低下等を改善する試みとして、ポリビニル重合体と長鎖アルキルイソシアネートを使用した粘着テープも提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかし、長鎖アルキル系背面処理剤の分子量が大きいため、表面の析出効果に乏しく、離型効果は殆ど発現しない。さらに、かかる粘着テープでは、押出成形時に背面処理剤が熱劣化して低分子化合物が生成するため、粘着剤層等の汚染の原因となることが判明した。
上述のように、これらのいずれにおいても、共押出成形により一体に形成されてなる表面保護シート等であって、高温環境下に保管された場合であっても、良好な巻戻し性、被着体表面の汚染の抑制、および優れた粘着強度をいまだバランスよく満足できうるものではない。
特開昭61−103975号公報 特開平2−252777号公報 特開平10−176147号公報 特開平10−309781号公報 特開平9−217046号公報 特開平11−43655号公報
そこで、本発明の目的は、従来の表面保護シートにおける上記問題点を解消すべく、高温環境下に保管された場合であっても、粘着力を低下させることなく、容易に剥離でき、被着体表面を汚染することのない、共押出成形により一体に形成される表面保護シート、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、背面処理層の成分について鋭意検討した結果、以下に示す表面保護シートを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の表面保護シートは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層、当該基材層の片面に形成されたポリエチレン系樹脂からなる背面処理層、および当該基材層のもう一方の片面に形成された熱可塑性樹脂からなる粘着剤層が共押出成形により一体に形成されてなる表面保護シートであって、前記背面処理層が前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有することを特徴とする。
また、本発明の表面保護シートの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、当該基材層の片面に形成されたポリエチレン系樹脂からなり、前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有する背面処理層と、当該基材層のもう一方の片面に形成された熱可塑性樹脂からなる粘着剤層とを、共押出成形により一体に形成する工程を有するものである。
本発明によると、実施例の結果に示すように、共押出成形により形成されてなる、所定量の脂肪酸アミド系添加剤を含有するポリエチレン系樹脂からなる前記背面処理層を有する表面保護シートを用いることにより、高温環境下に保管された場合であっても、粘着強度に優れるとともに、良好な巻戻し性を有し、粘着剤層表面の汚染の抑制したものとなる。上記表面保護シートが、かかる特性を発現する理由の詳細は明らかではないが、脂肪酸アミド系添加剤を特定量含有するポリエチレン系樹脂からなる前記背面処理層を用いることにより、良好な剥離効果を発揮し、さらに経時での表面析出量を安定化させることができるので、経時でも被着体への汚染が発生しないと推測される。
本発明における表面保護シートとは、基材層、当該基材層の当該基材層の片面に形成された背面処理層、および当該基材層のもう一方の片面に形成された粘着剤層が共押出成形により一体に形成されてなる、少なくとも3層を有する多層構造のシート(フィルム、またはテープなどを含む)である。
また、本発明における脂肪酸アミド系添加剤とは、脂肪酸アミドを分子構造中に含む化合物をいう。
本発明の表面保護シートは、上記の各層を共押出成形により一体に形成されてなされてなることを特徴とする。
本発明においては、前記背面処理層が前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有する。
さらに前記背面処理層としては、密度が0.880〜0.940(g/cm)であるポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。かかる密度のポリエチレン系樹脂を用いることにより、脂肪酸アミド系添加剤の添加量が少量であっても剥離効果を発揮し、さらに経時での表面析出量を安定化させることができるので、経時でも被着体への汚染が発生しないと推測される。
なお、本発明における密度(g/cm)とはISO 1183に準拠して測定された値をいう。
また、本発明における基材層には、ポリオレフィン系樹脂からなる層を用い、粘着剤層には、熱可塑性樹脂からなる層を用いる。
さらに本発明においては、前記背面処理層の厚みが1〜20μmであることが好ましい。かかる厚みの背面処理層を用いることにより、脂肪酸アミド系添加剤の添加量が少量であっても剥離効果を発揮し、さらに経時での表面析出量を安定化させることができるので、経時でも被着体への汚染が発生しないと推測される。
前記表面保護シートにおける脂肪酸アミド系添加剤は、少量の添加量で表面析出し、かつ、表面析出量は安定化される必要がある。本発明の上記ポリエチレン系樹脂を使用することにより、少量の添加であっても表面にある範囲で析出し、かつ、添加剤は背面処理層内部にほとんど残存しないために、経時での表面析出量も変化しない。
上記において用いる脂肪酸アミド系添加剤としては、得られる背面処理層の剥離性が良好なことから、たとえば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、および/またはN−ステアリル−N’−ステアリル酸アミドなどであることが好ましい。
さらに、上記背面処理層の厚みが1〜20μmであることが好ましい。前記厚みをかかる範囲内にすることにより、背面処理層に含まれる脂肪族アミド系添加剤の添加量を抑えることができ、もって被着体への汚染を低減することができる。
一方、本発明の表面保護シートの製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、当該基材層の片面に形成された密度が0.880〜0.940(g/cm)であるポリエチレン系樹脂からなり、前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有する背面処理層と、当該基材層のもう一方の片面に形成された熱可塑性樹脂からなる粘着剤層とを、共押出成形により一体に形成する工程を有することを特徴とする。かかる工程を有する製造方法を用いることにより、剥離剤塗布処理などの煩雑な工程を省き、上記の機能を有する表面保護シートを効率良く得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の表面保護シートは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層、当該基材層の片面に形成されたポリエチレン系樹脂からなる背面処理層、および当該基材層のもう一方の片面に形成された熱可塑性樹脂からなる粘着剤層が共押出成形により一体に形成されてなる表面保護シートであって、前記背面処理層が前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有することを特徴とする。
本発明の表面保護シートは、前記基材層、前記背面処理層、および前記粘着層を共押出成形により積層することにより製造することができる。共押出成形としては、フィルム、シート等の製造などに一般に用いられる方法を採用することができ、特に限定されるものではない。具体的には、三層または四層以上の多層にして、たとえば、インフレーション法、共押出T−ダイ法などを用いることができる。これらの共押出成形を用いることは、コスト面や生産性の面で好ましい。
また、前記各層それぞれにおいて積層する層の数は特に限定されるものではなく、前記基材層、前記背面処理層、および前記粘着層はそれぞれ単層であってもよいし、必要に応じて複数層の積層構造としてもよい。
本発明の表面保護シートの基材層は、シート状やフィルム状に形成できるポリオレフィン系樹脂であれば特に限定されるものでなく、耐熱性、および耐溶剤性を有すると共に可とう性を有するポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。基材層が可とう性を有することにより、ロール状に巻き取ることができ、各種の加工を適宜おこなうことができる。
前記ポリオレフィン系樹脂は、たとえば、ポリエチレン系樹脂、プロピレンまたはプロピレン成分とエチレン成分からなるプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などがあげられる。
具体的には、たとえば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルムなどがあげられる。
また、基材層は、単層で使用してもよく、また2層以上の複数層から構成されていてもよい。特に、前記基材層が2層以上の複数層から構成される場合には、各々の隣接する層は、その構成成分が、溶融共押出しによって相互に強固な接着を形成できるものであれば、いずれのものからなる層でもよい。
本発明において、上記基材層には、この種のテープの基材に一般に用いられる公知の各種添加剤を適宜含有していてもよい。たとえば、各種の充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤などがあげられる。
前記基材層の厚みは、通常20〜300μm程度、好ましくは20〜250μm程度、より好ましくは40〜200μm程度である。基材層が20μm未満では剥離時に基材が破れたり、裂けたりする場合があり、300μmを超える場合には基材のコシが大きくなり、貼付後に浮き等が発生しやすい。
本発明の表面保護シートにおいて、背面処理層は、基材層の片面に形成され、本発明の表面保護シートをロール状に巻き取ったとき、粘着剤層に当接され、巻き戻し時に粘着剤層から適度な巻戻し力で容易に剥離し、良好な巻戻し性を維持する役割を有するものである。
本発明の表面保護シートの背面処理層は、シート状やフィルム状に形成できるポリエチレン系樹脂であれば特に限定されるものでなく、耐熱性、および耐溶剤性を有すると共に可とう性を有するポリエチレン系樹脂であることが好ましい。背面処理層が可とう性を有することにより、ロール状に巻き取ることができ、各種の加工を適宜おこなうことができる。
背面処理層に用いられるポリエチレン系樹脂としては、密度が0.880〜0.940g/cmのものであれば種類に限定されることなく、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。たとえば、密度0.910g/cm未満であるポリエチレン、低密度ポリエチレン(密度0.910〜0.925g/cm)、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン(密度0.926〜0.940g/cm)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体などがあげられ、エチレンと他のモノマーとの共重合体であれば特に限定されない。これらのポリエチレン系樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の前記ポリエチレン系樹脂としては、密度が0.880〜0.940(g/cm)であるポリエチレン系樹脂が好ましく、0.880〜0.923であることがより好ましく、0.880〜0.915であることがさらに好ましい。前記密度が0.880未満の場合は、背面のすべり性の低下や、表面保護シートの背面同士を重なり合わせた場合のブロッキング不具合を引き起こしてしまう場合があるため、実用化が困難となる。一方、前記密度が0.940を超える場合には、少量の脂肪族アミド系添加剤の添加では表面に出ずに効果を十分に示すことが難しく、巻戻し力が重くなってしまい、一方、離型特性の効果が出るくらいまでに添加剤量を増加すると、背面層中に残留して経時で表面析出し、汚染が発生する場合が生じてしまう。
さらに、前記背面処理層には、脂肪酸アミド系添加剤の表面析出効果が低下しない程度にポリエチレン系樹脂以外のオレフィン系樹脂を添加しても構わない。オレフィン系樹脂の添加量としては、ポリエチレン系樹脂に対して0〜30重量%であることが好ましく、0〜20重量%であることがより好ましく、特に0〜10重量%であることがさらに好ましい。これらのオレフィン系樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明の前記背面処理層は脂肪酸アミド系添加剤を含有するものである。
前記脂肪酸アミド系添加剤としては、たとえば、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、芳香族系ビスアミド、および置換尿素などがあげられる。
より具体的には、たとえば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイイン酸アミド、N,N−ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリル−N’−ステアリル尿素などのN−ステアリル−N’−ステアリル酸アミドなどがあげられる。これらの脂肪酸アミド系添加剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明の前記背面処理層は、前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有するものであるが、0.10〜0.90重量部含有することが好ましく、0.30〜0.80重量部含有することがより好ましい。添加量が0.05重量部未満であると、巻戻し力が重く、離型効果が十分でない場合がある。一方、添加量が1.00重量部を超えると、ロール体にした際に、粘着剤層に脂肪酸アミド系添加剤が多く移行してしまい、被着体に対する汚染を生じたり、残留接着性の低下の原因となってしまう場合がある。
また、前記脂肪酸アミド系添加剤は、融点が100℃以上であることが好ましい。融点が100℃未満のものは低分子型脂肪酸アミド系添加剤であるため、粘着層表面への転写が顕著であり、粘着力の低下が発生しやすい場合がある。
本発明の背面処理層の厚さは、特に制限されないが、1〜20μmが好適であり、より好ましくは2〜18μm、特に好ましいのは3〜15μmである。背面処理層の厚みを1μm以上とすることにより共押出し時に厚みムラを抑止し、背面処理層を有効に付設して加熱や加圧された環境下においてもブロッキングを防止することができる。なお、背面処理層が20μmを超える場合には、添加剤の総量が多いために、汚染や添加剤の転写による剥離不良が発生しやすくなる傾向がある。また背面処理層は1層であってもいいし、2層以上であっても構わない。
さらに本発明の表面保護シートに用いられる背面処理層には、従来公知の各種の添加剤が任意成分として適宜添加できる。たとえば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤などの光安定剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、可塑剤、低分子ポリマー、腐食防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機および有機の充填剤(たとえば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等)、金属粉、着色剤、顔料などの粉体、粒子状、箔状物、耐熱安定剤、顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤などがあげられる。
本発明における粘着剤層は、前記基材層の一方の面に形成され、前記粘着剤層のベースポリマーとして熱可塑性樹脂が用いられる。
前記熱可塑性樹脂として、粘着性を発揮する熱可塑性樹脂であれば適宜使用でき、たとえば、オレフィン共重合体、芳香族基含有オレフィン/ジエン共重合体、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、などの公知の熱可塑性粘着樹脂をあげることができる。なかでも、たとえば、スチレン・ジエン共重合体(ブロックポリマー、グラフとポリマー、ランダムポリマーを含む)、さらにはそれらの水添物などが好ましいものとしてあげられる。
より具体的には、たとえば、スチレン・ブタジエン(SB)、スチレン・イソプレン(SI)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体(SEP)などのA−B型ジブロックポリマー、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレン(SEBS)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレン(SEPS)などのA−B−A型トリブロックまたはA−B−A−B型テトラブロック以上のマルチブロックポリマー、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)などのスチレン系ランダム共重合体、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(SEBC)などのA−B−C型のスチレン・オレフィン結晶系ブロックポリマー等のスチレン系粘着樹脂、オレフィン結晶・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(CEBC)などのC−B−C型のオレフィン結晶系ブロックポリマー、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系粘着樹脂、さらにはそれらの水添物等などがあげられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
さらに本発明の表面保護シートに用いられる粘着剤層には、粘着特性の制御等を目的に、従来公知の各種の軟化剤、粘着付与剤、基材層に用いたようなオレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、リン酸エステル系化合物、老化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、表面潤滑剤、レベリング剤、可塑剤、低分子ポリマー、酸化防止剤、腐食防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機および有機の充填剤(たとえば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等)、金属粉、着色剤、顔料などの粉体、粒子状、箔状物、耐熱安定剤などの従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することができる。
本発明において、前記軟化剤の配合は粘着力の向上に一般的に有効である。
軟化剤としては、たとえば、低分子量のポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、およびこれらの片末端および両末端にOH基、COOH基もしくはエポキシ基等の反応基を持った誘導体、エチレンプロピレンゴム、ひまし油、アマニ油、大豆油、プロセス油、ナフテン油、フタル酸エステル系可塑剤やリン酸エステル系可塑剤、液状脂肪族系石油樹脂などがあげられる。
前記誘導体としては、より具体的には、たとえば、水添ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンモノオール、水添ポリイソプレンジオール、水添ポリイソプレンモノオールなどがあげられる。なかでも、被着体に対する接着性の向上を抑制する目的からは、水添ポリブタジエンや水添ポリイソプレン等のジエン系ポリマーの水添物やオレフィン系軟化剤等が特に好ましい。
前記軟化剤の数平均分子量は特に制限されず適宣に設定できるが、5000〜10万程度、特に1万〜5万であることが好ましい。分子量が小さくなると、粘着層からの被着体への物質移行や重剥離化等の原因となるおそれがあり、一方、分子量が大きくなると、接着力の向上効果に乏しくなる傾向がある。
また前記軟化剤を使用する場合、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、前記軟化剤の配合量は特に制限されないが、熱可塑性粘着樹脂および軟化剤を含む粘着剤組成物100重量部に対して、60重量部以下、好ましくは50重量部以下であり、特に30重量部以下とするのが好ましい。配合量が60重量部より多くなると、高温や屋外暴露時での糊残りが増加する傾向にあり、一方、5重量部より少なくなると、軟化剤添加の効果が十分には得られない。
本発明において、粘着付与剤の配合は粘着層の接着力の向上に一般的に有効である。
粘着付与剤としては、たとえば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、アルキル)フェノール系樹脂、重合ロジン系樹脂などのロジン系樹脂、キシレン系樹脂、さらにはこれらの水素化物などの、粘着剤で用いられている公知のものを1種および2種以上適宜に選択して用いることができる。また、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されているものを使用することもできる。なかでも、剥離性や耐候性などの点から、水添系の粘着付与剤が好ましい。
粘着付与剤を使用する場合、その配合量は特に制限されないが、凝集力の低下による糊残り問題の発生を回避した接着力の向上などの点より、熱可塑性粘着樹脂100重量部に対して、80重量部以下、好ましくは60重量部以下であり、特に50重量部以下とするのが好ましい。配合量が100重量部を超えると、高温や屋外暴露時での糊残りが顕著となる。
本発明の表面保護シートにおいて、粘着剤層の厚さは、通常1〜50μm程度であり、好ましくは2〜40μm、さらに好ましくは5〜20μmである。
また、本発明の表面保護シートの全体の厚さは、通常80〜150μm程度であり、90〜130μm程度であることが好ましい。
なお、粘着層の表面には、たとえば、コロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理やスパッタエッチング処理などの、粘着性の制御や貼付作業性等を目的とした表面処理を必要に応じて施すこともできる。
さらに、粘着層には必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレー夕などを仮着して保護することもできる。
また、表面保護シートの背面処理層側には、手切れ性や耐スリップ性付与のために、エンボス加工や凹凸加工等を施しても構わない。
本発明における表面保護シートの製造方法としては、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層、当該基材層の片面に形成されたポリエチレン系樹脂からなり、前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有する背面処理層、および熱可塑性樹脂からなる前記粘着剤層を構成する素材を、それぞれ溶融加熱して共押出し成形し、基材層の片面に背面処理層を、もう一方の片面に粘着剤層を一体に形成し、所定の厚さを有する3層構造(もしくは前記3層構造を含む4層以上の多層)のテープを製造する方法が、高効率かつ安価に本発明の表面保護シートを製造できる点で好ましい。
また、本発明の表面保護シートの製造方法を用いることにより、前記背面処理層と前記粘着剤層が溶融加熱状態で接することがないため、前記背面処理剤の熱劣化による副生成物の生成、および前記粘着剤層への移行がなく、優れた巻戻し性を示し、粘着剤層表面の汚染を抑制した、粘着強度に優れる表面保護シートを製造することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<密度の測定>
各樹脂の密度(g/cm)は、ISO 1183に準拠して測定された値を用いた。
<巻戻し力(巻戻し性)の測定>
JIS Z0237(2000)に基づき、表面保護シートのロール品(ロール幅:20mm、長さ:50m)の初期状態および50℃で7日間保存した後の状態についての低速巻戻し力(N/20mm)を、インストロン型引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いてそれぞれ測定した。
なお、測定は23℃×50%RHの環境下で、引張速度300mm/minで、巻戻すシートとロール面との角度が垂直になるように巻戻しを行い測定した。また、巻戻し性の評価基準は以下のとおりである。
巻戻し力が1.5N未満であった場合:○
巻戻し力が1.5N以上2.5N未満であったが、本発明の用途には支障ないもので あった場合:△
巻戻し力が2.5N以上であった場合:×
<汚染性の評価>
表面保護シートのロール品(ロール幅:20mm、長さ:50m)の初期および50℃で7日間保存した後にステンレス板(ニッキン鋼、SUS304BA)に貼り付けて評価サンプルをそれぞれ作製した。
次いで、上記評価サンプルを50℃で1日間保存した後、23℃下にて前記表面保護シートをステンレス板から剥離し、ステンレス板上に、粘着剤に由来する汚染の発生の有無を目視にて観測評価した。評価基準は以下のとおりである。
汚染の発生が認められなかった場合:○
汚染の発生が僅かに認められたが、本発明の用途には支障ないものであった場合:△
汚染の発生が認められた場合:×
<粘着力(粘着性・残留粘着性)の測定・評価>
表面保護シートのロール品を初期もしくは50℃で7日間保存した後に、ステンレス板(SUS304BA)に貼り付け、インストロン型引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)にて、JIS Z0237(2000)に基づき、引張速度300mm/minで、剥離角度が180°になるようにした際の力(N/20mm)を測定し、粘着力とした。
また、(50℃×7日間処理後の粘着力/初期粘着力)×100(%)で求められた値を残留粘着性(%)とした。
さらに、上記の残留粘着性の値をもとに粘着性を評価した。粘着性の評価基準は以下のとおりである。
残留粘着性が70%以上であった場合:○
残留粘着性が70%未満(浮き・剥がれの恐れあり)であった場合:×
<共押出成形条件>
各実施例、比較例において、下記の成形条件にしたがって、インフレーション法によって成形した。
溶融温度: 背面処理層;180℃
基材層 ;180℃
粘着剤層 ;180℃
ダイス温度;180℃
共押出温度;180℃
〔実施例1〕
密度0.897(g/cm)のポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニティ PF1140)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.6重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:5μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:115μm)を得た。
〔実施例2〕
密度0.918(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 213)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.2重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:10μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:120μm)を得た。
〔実施例3〕
密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.4重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:7μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:117μm)を得た。
〔実施例4〕
密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.5重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:5μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:115μm)を得た。
〔実施例5〕
密度0.918(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 213)およびメチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、ビスアマイドLA、前記ポリエチレン100重量部に対して0.5重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:5μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:115μm)を得た。
〔実施例6〕
密度0.932(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 219)およびN−ステアリル−N’−ステアリル尿素(日本化成社製、ハクリーンSS、前記ポリエチレン100重量部に対して0.2重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:8μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:118μm)を得た。
〔参考例1〕
密度0.951(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ニポロンハード 1200)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.5重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:5μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:115μm)を得た。
〔参考例2〕
密度0.918(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 213)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.5重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:60μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:40μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:110μm)を得た。
〔参考例3〕
密度0.948(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ニポロンハード)およびN−ステアリル−N’−ステアリル尿素(日本化成社製、ハクリーンSS、前記ポリエチレン100重量部に対して0.1重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:15μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:125μm)を得た。
〔比較例1〕
密度0.897(g/cm)のポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニティ PF1140)からなる背面処理層形成材(厚さ:10μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:120μm)を得た。
〔比較例2〕
密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して5重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:7μm)、密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる基材層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、3層構造の表面保護シート(厚さ:117μm)を得た。
〔比較例3〕
密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.5重量部添加)からなる背面処理層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、2層構造の表面保護シート(厚さ:110μm)を得た。
〔比較例4〕
密度0.922(g/cm)のポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン 180)からなる背面処理層形成材(厚さ:100μm)、ならびにスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテック H1221)およびエチレンビスステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスE、前記ポリエチレン100重量部に対して0.3重量部添加)からなる粘着剤層形成材(厚さ:10μm)を用いて、前記成形条件を用いたインフレーション法により、2層構造の表面保護シート(厚さ:110μm)を得た。
上記方法に従い、作製した表面保護シートの巻戻し力(巻戻し性)、汚染性、ならびに粘着力(粘着性)の測定・評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005148816
上記表1の結果より、本発明によって作製された表面保護シートを用いた場合(実施例1〜5)、いずれの実施例においても、良好な巻戻し力(巻戻し性)、粘着剤層の汚染の抑制、ならびに良好な粘着性が並立されていることが明らかとなった。
一方、背面処理層のポリエチレンの密度が大きくなりすぎた場合(参考例1、3)、巻戻し性が実施例に対して劣るものの、本発明の用途には支障のないものであった。また、背面処理層の厚みが大きくなりすぎた場合(参考例2)、汚染性が実施例に対して劣るものの、本発明の用途には支障のないものであった。
これに対して、前記脂肪酸アミド添加剤を用いなかった場合(比較例1)では、汚染の発生が認められなかったが、巻戻し性に問題がある結果となった。また、前記脂肪酸アミド添加剤を5重量部用いた場合(比較例2)では、巻戻し性は良好であったが、汚染が発生してしまう結果となった。一方、基材層に前記添加剤を添加した場合(比較例3)、および粘着剤層に前記添加剤を添加した場合(比較例4)では、高温環境下に保管したところ、いずれにおいても汚染が発生し、粘着性に劣る結果となった。
したがって、比較例ではいずれも、良好な巻戻し性、粘着剤層の汚染の抑制、ならびに良好な粘着性を並立することができない結果となり、表面保護シート用の粘着剤組成物には適さないことが明らかとなった。
以上より、本発明の表面保護シートは、高温環境下に保管された場合であっても、粘着力を低下させることなく、容易に剥離でき、被着体表面を汚染することのない、共押出成形により一体に形成される表面保護シートであることがわかる。


Claims (8)

  1. ポリオレフィン系樹脂からなる基材層、当該基材層の片面に形成されたポリエチレン系樹脂からなる背面処理層、および当該基材層のもう一方の片面に形成された熱可塑性樹脂からなる粘着剤層が共押出成形により一体に形成されてなる光学部材用表面保護シートであって、
    前記背面処理層が前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有し、
    前記基材層が、リサイクル品を含まないことを特徴とする光学部材用表面保護シート。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂の密度が0.880〜0.940(g/cm)である請求項1に記載の光学部材用表面保護シート。
  3. 前記脂肪酸アミド系添加剤がメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、および/またはN−ステアリル−N’−ステアリル酸アミドである請求項1〜2のいずれか一項に記載の光学部材用表面保護シート。
  4. 前記背面処理層の厚みが1〜20μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部材用表面保護シート。
  5. ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、当該基材層の片面に形成されたポリエチレン系樹脂からなり、前記ポリエチレン系樹脂100重量部に対して脂肪酸アミド系添加剤0.05〜1.00重量部含有する背面処理層と、当該基材層のもう一方の片面に形成された熱可塑性樹脂からなる粘着剤層とを、共押出成形により一体に形成する工程を有し、
    前記基材層が、リサイクル品を含まないことを特徴とする光学部材用表面保護シートの製造方法。
  6. 前記ポリエチレン系樹脂の密度が0.880〜0.940(g/cm)である請求項5に記載の光学部材用表面保護シートの製造方法。
  7. 前記脂肪酸アミド系添加剤がメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、および/またはN−ステアリル−N’−ステアリル酸アミドである請求項5〜6のいずれか一項に記載の光学部材用表面保護シートの製造方法。
  8. 前記背面処理層の厚みが1〜20μmである請求項5〜7のいずれか一項に記載の光学部材用表面保護シートの製造方法。
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