JP3733974B2 - 食品包装用積層フイルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品包装用積層フイルムに関し、詳しくは、外気が低湿度状態であっても一定範囲の炭酸ガス透過度を有する食品包装用積層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品の多様化に伴い、包装業界においても食品に対する最適な包装フイルムの開発が進められている。例えば、発酵食品であるチーズ製品などは、熟成および保存の期間中に炭酸ガスを発生するため、この様な食品をプラスチックフイルムを使用して密封包装した場合、包装体は炭酸ガスの発生により膨張し、場合によっては破損する。従って、炭酸ガス透過性食品包装用フイルムが求められている。他方、酸素はカビの発育を促進させるため、酸素の透過し難い食品包装用フイルムが求められている。チーズ以外の食品、例えば、ニンニクの保存に際しても、同様な食品包装用フイルムが求められている。
【0003】
この様に、酸素透過度が比較的小さく且つ酸素透過度に対して炭酸ガス透過度の大きい食品包装用フイルムとして、本発明者らは既に特定のPVA、アルキレングリコール重合体および特定のエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物より構成された中間層を有する積層フイルムが有効であることを見出した(例えば、特開平5−222215号公報)。
【0004】
ポリビニルアルコール(PVA)やエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)は、ガスバリヤー性を有する樹脂であるが吸湿性を有している。これらの樹脂より成るフイルムは、吸湿した状態ではガス透過性は大きく、乾燥した状態ではガス透過性は小さくなる。従って、これらの樹脂より成るフイルムを中間層として使用した食品包装用フイルムは、外気に接する外層の水蒸気透過度が大きいと、中間層のガスバリヤー性は外気の相対湿度の影響を受け易くなる。特に、外気の相対湿度が高い場合には中間層の平衡吸水率も大きくなる。他方、外気の相対湿度が低い場合には中間層の平衡吸水率は小さくなり、例えば、炭酸ガスを多量に発生する食品においては発生ガスを透過しきれず、包装フイルムが膨張して実用上問題となる。従って、これらの食品包装においては外気が低湿度の状態であっても常に一定範囲の炭酸ガス透過度を有する食品包装用フイルムが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、その目的は、食品包装用フイルムにおいて外気が低湿度状態であっても常に一定範囲の炭酸ガス透過度を有する食品包装用フイルムの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、外層、中間層および内層より成り、前記中間層は、ケン化度60〜95モル%のポリビニルアルコール100重量部、アルキレングリコール、ヒドロキシ酸およびそれらの重合体の群から選ばれた化合物3〜200重量部、ならびに、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物5〜100重量部から構成されている積層フイルムにおいて、前記外層の水蒸気透過度(W0 )(40℃、90%RH)及び内層の水蒸気透過度(W1 )(40℃、90%RH)が次式で表されることを特徴とする食品包装用積層フイルムに存する。
【0007】
【数2】
0 <50g/m2 ・24hr
0 <W1 /2
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。中間層において使用されるケン化度60〜95モル%のポリビニルアルコール(以下A成分と略称する)の重合度は、通常300〜3500、好ましくは500〜2000の範囲である。PVAのケン化度は、通常60〜95モル%、好ましくは60〜90モル%、さらに好ましくは60〜80モル%の範囲である。A成分のケン化度が60モル%未満の場合は、得られるフイルムの酸素透過度が大きくなり好ましくない。また、PVAはケン化度が大きくなると融点と熱分解温度との差、すなわち、熱成形可能な温度範囲が小さくなる。したがって、ケン化度が極端に大きいと熱成形が困難になる。ケン化度95モル%以下のA成分を使用することにより熱成形可能な温度範囲が得られるのでA成分のケン化度は95モル%以下が好ましい。なお、A成分のケン化度が95モル%を超えるとA成分に対するB成分の含浸性が極端に小さくなる。
【0009】
中間層において使用されるアルキレングリコール、ヒドロキシ酸およびそれらの重合体の群から選ばれた化合物(以下B成分と略称する)としては、アルキレングリコール、ヒドロキシ酸またはそれらの重合体が挙げられる。アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等の単量体が挙げられる。これらの中では、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが好ましい。ヒドロキシ酸およびその重合体としては、例えば、乳酸、乳酸エステル及び乳酸重合体が挙げられる。これらの中では乳酸が好ましい。上記の重合体の典型的な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられ、平均分子量400〜2000範囲のものが使用される。
【0010】
中間層において使用されるエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下C成分と略称する)としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)が挙げられ、その成分として、エチレン含有率は、通常20〜50モル%、好ましくは20〜45モル%、ケン化度は、通常96%以上、好ましくは98%以上のものが挙げられる。
【0011】
中間層において、前記のA成分、B成分およびC成分の他に、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲に於いて、安定剤、粘着防止剤、滑剤、着色剤、充填剤などを含有してもよい。
【0012】
中間層において、A成分に対してB成分およびC成分の配合割合は、A成分100重量部に対して、B成分は、通常3〜200重量部、好ましくは3〜170重量部、C成分は、通常5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部の範囲である。B成分が3重量部未満の場合は、保湿性が劣り、炭酸ガス/酸素透過度比が改善されない。A成分100重量部に対してB成分は、飽和含浸重量部範囲内であればよく、具体的には、200重量部以下であればよい。200重量部を超える場合は、成形時にB成分の散逸量も多く、B成分のフイルムからのブリードアウトも大きい。C成分が5重量部以上であることにより酸素透過度が大きくならず、100重量部以下であることにより炭酸ガス透過度を低下させることがないので好ましい。
【0013】
外層と内層を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、オレフィン系樹脂が挙げられる。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、VLDPE、シングルサイト触媒を使用したエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体(EPC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ−4−メチルペンテン−1(TPX)、アイオノマー(IO)、エチレン・アクリレート系共重合体、エチレン・メタクリレート系共重合体、それらの酸変性物(グラフト重合体)等が挙げられる。
【0014】
上記の熱可塑性樹脂の具体的組合せは、外層と内層が同じ樹脂でもよく、異なっていてもよい。内層側に熱シール性の樹脂を使用してもよい。具体的組み合わせは、例えば、外層と内層順において、LDPEとEVA、PPとEVA、LLDPEとVLDPE、IOとEVA、PPとLDPE、IOとLDPE、PPとTPX、PPとPS、PPとIO、HDPEとEVA、IOとTPX、IOとPS、LDPEとTPX、LDPEとPS、HDPEとTPX、HDPEとPS、LLDPEとTPX、EVAとPS、EVAとTPX、TPXとPS、LLDPEとPS、VLDPEとEVA、VLDPEとTPX、VLDPEとPS等が挙げられる。
【0015】
中間層と外層、中間層と内層との間に接着性樹脂層を使用してもよい。接着性樹脂層としては、カルボキシル基またはその誘導体を含有する熱可塑性ポリマー、例えば、マレイン酸、フマール酸などでグラフト変性されたポリオレフィン、更に、ウレタン結合のカルボキシル基を有するアジピン酸系ポリエステル等を挙げることが出来る。
【0016】
本発明の中間層は、内層および外層の存在下で積層フイルムの炭酸ガス透過度を一定範囲に維持しつつ、且つ炭酸ガス/酸素透過度比を一定以上に保つための機能を有している。酸素透過度を出来るだけ抑制したい場合にはC成分を所定範囲内で増加すればよい。中間層の平衡吸水率を外気の相対湿度に拘らず一定値以上に保つことにより、中間層の炭酸ガス透過度は、外気の相対湿度の変動に余り影響されずに保たれる。ここで中間層の平衡吸水率とは中間層がおかれている雰囲気の温度、相対湿度で平衡状態になっているときの中間層の吸水量を乾燥状態の中間層重量に対する百分率で表したものである。中間層は、外気の相対湿度が低い場合(例えば20%RH)でも、平衡吸水率を、通常8重量%以上、好ましくは10重量%以上に保つことが必要である。平衡吸水率が8重量%未満の場合、炭酸ガス透過度が低くなり、炭酸ガスの透過を十分に行えない場合が生じる。
【0017】
中間層を上記条件に保つため、外層の水蒸気透過度(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)は、通常内層の水蒸気透過度(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)の1/2以下、好ましくは1/3以下で、かつ、外層の水蒸気透過度は、通常50(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)以下、好ましくは45(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)以下である。外気の相対湿度が低い場合でも、外層の水蒸気透過度が50(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)以下であるならば、中間層は外気の湿度の影響を受け難い。
【0018】
外層の水蒸気透過度が内層の水蒸気透過度の1/2以下であり、外層の水蒸気透過度が50(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)以下であることにより、中間層は内容物の水分の影響を受けて中間層の平衡吸水率を所定範囲内に維持することが出来る。その結果、中間層は、発生した炭酸ガスを通過させるに十分な炭酸ガス透過度を得ることが出来る。
【0019】
他方、外層の水蒸気透過度が内層の水蒸気透過度の1/2を超えると、外気の相対湿度が低い場合、中間層は、外気湿度の影響を受けて平衡吸水率が低くなり、中間層の炭酸ガス透過度は小さくなる。その結果、中間層は、発生した炭酸ガスを通過させるに十分な炭酸ガス透過度を得ることが出来ない。
【0020】
外層および内層は、それぞれ単層であってもよく、複数の層から構成されていてもよい。外層の厚みは、水蒸気透過度(W0 )が通常50(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)以下、好ましく45(g/m2 ・24hr、40℃、90%RH)以下になる様にすればよいが、外層の厚みは、補強層としての作用を発現するためにも、10μm以上であることが必要である。したがって、外層の厚みは、通常10〜60μm、好ましくは10〜50μmの範囲から選択される。内層の厚みも通常5〜50μm、好ましくは10〜50μmの範囲から適宜選択される。
【0021】
また、外層および内層が同じ熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。具体的には例えば、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、EVA、EPC、シングルサイト触媒を使用したエチレン・α−オレフィン共重合体、TPX、PS等が挙げられる。この場合には内層の厚さは、通常外層の厚さの1/2以下、好ましくは1/3以下である。
【0022】
本発明の積層フイルムの炭酸ガス透過度は、例えば、外気の相対湿度が20%RH(23℃)で、通常5000〜16000cm3 /m2 ・24hr・atm、好ましくは6000〜15000cm3 /m2 ・24hr・atmの範囲である。炭酸ガス/酸素透過度比は、上記の条件で、通常6以上、好ましくは8以上である。
【0023】
中間層のA成分、B成分およびC成分の混合方法は、次の様に行われる。すなわち、A成分、B成分およびC成分の混合方法は、特に限定されないが、例えば約60℃の加熱下、A成分にB成分を含浸させ、熟成後、C成分とドライブレンドすることが好ましい。なお、B成分が常温で固体である場合には3成分をそのままドライブレンドしてもよい。混合物は、予め二軸押出機などによりペレット化して使用することが好ましい。得られたペレットは、フイルム、シート等に成形されるが、未延伸であってもよく、延伸されてもよい。
【0024】
本発明の食品包装用積層フイルムの成形は、得られたペレット及び他の熱可塑性樹脂を使用して、ラミネート法、共押出しラミネート法、共押出しインフレーション法などを採用することが出来る。フイルムの延伸は、インフレーション法、テンター法などによる一軸延伸、二軸延伸などを適用する。延伸加熱温度は、70〜120℃、延伸倍率は、縦方向に2〜4倍、横方法に2〜4倍である。延伸時の加熱方法は、温水バス方式または乾熱方式などがあるが、特にこれらに限定されない。得られた食品包装用積層フイルムは、恒温、恒湿の雰囲気中で調湿を行って後、使用するまで保管するか、調湿操作をせずに使用しても差し支えない。
【0025】
本発明の食品包装用積層フイルムは、外気が低湿度状態であっても一定範囲の炭酸ガス透過度を有するため、チーズ製品、ニンニク等の包装に極めて有用である。例えば、チーズ等の包装に使用する場合、チーズの熟成工程、流通過程、消費者向け商品の各段階で使用することが出来る。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の各例において、酸素透過度、炭酸ガス透過度、水蒸気透過度、相対湿度および平衡吸水率は、次の様にして測定した。
【0027】
<評価項目および評価条件>
(1)酸素透過度:
酸素透過度の測定は、酸素透過度測定装置(Modern Control社製、OX−TRAN2/20)を使用した。内層フイルム、外層フイルム、及び積層フイルムは、23℃、20〜98%RHの条件で測定した。
【0028】
(2)炭酸ガス透過度:
炭酸ガス透過度の測定は、炭酸ガス透過度測定装置(Modern Control社製、PERMATRAN C−IV)を使用した。内層フイルム、外層フイルム、及び積層フイルムは、23℃、20〜98%RHの条件で測定した。
【0029】
(3)水蒸気透過度:
内層フイルム及び外層フイルムの水蒸気透過度測定は、水蒸気透過度測定装置(LYSSY L80−4000)を使用して、40℃、90%RHの条件で行なった。
【0030】
(4)相対湿度:
相対湿度測定は、相対湿度測定装置(ヤマト科学株式会社製、YH−12)を使用して測定した。
【0031】
(5)平衡吸水率
測定資料となる積層フイルムをシール幅5mmとし内寸縦150mm×横100mmに製袋し、内側を相対湿度100%とするため、50ccの蒸留水を入れて密封する。この袋を23℃、相対湿度20、39、48、61、72、82、89、98%RHに調湿したボックス内に10日間放置した後、中身の蒸留水を抜いて袋内表面に水滴の付着がないようにティッシュペーパーで拭き取り袋の重量(A)を測定する。次いでこの袋を105℃で1時間乾燥して重量(B)を測定し、乾燥前後の重量変化{(A)−(B)}と乾燥後の重量(B)とから各相対湿度での積層フイルムの平衡吸水率(a)を算出する。
【0032】
【数3】
積層フイルムの平衡吸水率(a)={(A)−(B)}×100/(B)
【0033】
別に、この積層フイルムを外層、内層、中間層にそれぞれ分離し、外層、内層を300mm×300mmに切断して、20%及び98%RHに調湿したボックス内に10日間放置した後重量を測定した。次にこれらのフイルムを105℃で1時間乾燥して重量を測定し、乾燥前後の重量変化から、20%及び98%RHにおける外層および内層の平衡吸水率を前記[数3]に準じて算出し、外層平衡吸水率(b20, b98 )及び内層平衡吸水率(c20, 98)とする。こうして得られた二つの相対湿度における外層、内層の平衡吸水率を平均した値を外層平衡吸水率(b)および内層平衡吸水率(c)とする。
各相対湿度における中間層の平衡吸水率(d)は以下のように算出した。
【0034】
【数4】
(d)=(a)−{(b)+(c)}
【0035】
実施例1〜2、比較例1〜2
PVA(A成分)(クラレ株式会社;ケン化度80モル%、重合度500)100重量部とPEG(B成分)(三洋化成株式会社製;平均分子量600)14.3重量部の組成物を2軸押出機で溶融混練してペレットを得た。次いで、このペレットのA成分100重量部に対し、EVOH(C成分)(日本合成化学社製;エチレン含有量29モル%、ケン化度99.4モル%、融点180℃、210℃、102 sec-1の剪断速度における溶融粘度が1.0×104 ポイズ)14.3重量部をドライブレンドした。次いで、このブレンド物ペレット(中間層)と低密度ポリエチレン(外層)(三井石油化学株式会社製;商品名ミラソン NE023H 40℃、相対湿度90%、20μmにおける水蒸気透過度が33.8(g/m2 ・24hr))、エチレン・酢酸ビニル共重合体(内層)(日本ユニカー株式会社製;商品名 NUC8425 40℃、相対湿度90%、20μmにおける水蒸気透過度が72.4(g/m2 ・24hr))及び接着性樹脂としてポリオレフィングラフト酸変性物(三井石油化学株式会社製;商品名アドマーSE800、190℃におけるMIは4.4)を使用し、樹脂温度200℃でサーキュラーダイ共押出装置によって、表1〜表4に記載の材料構成と厚み構成の5層の未延伸積層フイルムを製膜した。この積層フイルムから先に述べた方法により中間層の平衡吸水率を測定した。また、炭酸ガス及び酸素ガス透過度は同様な条件で、積層フイムについて測定し表1〜表4に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003733974
【0037】
WVTR :水蒸気透過度( g /m2 ・24hr、40℃、90%RH)
GSP(1) :PVA (100重量部)+PEG(14.3重量部)+EVOH(14.3 重量部)
(注):未延伸フイルム
【0038】
【表2】
Figure 0003733974
【0039】
【表3】
Figure 0003733974
【0040】
【表4】
Figure 0003733974
【0041】
実施例3、比較例3
中間層は、実施例1、2と同様の組成物とし、接着性樹脂としてポリオレフィングラフト酸変性物(三井石油化学株式会社製、商品名アドマーSE800、190℃におけるMIは4.4)を使用し、内層および外層には表5〜表6に記載の材料構成を使用し、これらを別々の押出機で溶融混練し、共押出装置により、樹脂温度210℃で溶融共押出し、得られたパリソンを急冷後、温水バス中、87℃、15秒間加熱し、直ちに、縦×横倍率=3.0×2.3倍でインフレーション製膜し、表5〜表6に記載の厚み構成からなる5層の延伸積層フイルムを製膜した。
【0042】
この積層フイルムから先に述べ方法により中間層の平衡吸水率を測定した。また、炭酸ガス及び酸素ガス透過度は同様な条件で、積層フイルムについて測定し表5〜表6に示した。
【0043】
【表5】
Figure 0003733974
【0044】
【表6】
Figure 0003733974
【0045】
実施例4、比較例4
実施例3において、中間層としてPVA(100重量部)+PEG(14.3重量部)+EVOH(57.1重量部)の組成物、接着性樹脂としてポリオレフィングラフト酸変性物(三井石油化学株式会社製、商品名アドマーSE800、190℃におけるMIは4.4)及び内層と外層には表7〜表8に記載の材料構成を使用した以外は、実施例3と同様な方法および条件下で、延伸積層フイルムを製膜し、中間層の平衡吸水率、積層フイルムの炭酸ガス及び酸素透過度を求めた。結果を表7〜表8に示す。
【0046】
【表7】
Figure 0003733974
【0047】
【表8】
Figure 0003733974
【0048】
比較例5
PVA(株式会社クラレ製、ケン化度60モル%、重合度500)とPEG((平均分子量600)を表9の脚注に記載した重量部で混合し、60℃の乾熱下で一夜熟成させた。得られた組成物とEVOH(エチレン含有量44モル%、ケン化度99モル%、210℃、102 sec-1の剪断速度における溶融粘度が0.6×104 ポイズ)を表9の脚注に記載した重量部ドライブレンドし、二軸押出機(BT−30、スクリュー直径30mm)により溶融混練し、ロール冷却方式ペレタイザーを使用してペレットとした。
【0049】
次に、このブレンド物ペレット(中間層)とエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)(外層)(住友化学工業株式会社製、3753)、アイオノマー樹脂(内層)(三井・ジュポンポリケミカル株式会社製、AM7908−2)及びアドマー(接着層)(三井石油化学工業株式会社製、商品名アドマーSF750、MIは4.7)を別々の押出機で溶融混練し、樹脂温度200℃で共押出装置により溶融共押出し、2.5×3.2倍延伸して、表9に示す様にEVA層(外層)/接着層/中間層/接着層/アイオノマー層〔内層〕(20/3/19/3/35(μm))の5層からなる延伸フイルムを製膜した。製膜した積層フイルムから得た内層および外層の水蒸気透過度、中間層の平衡吸水率、ならびに積層フイルムの炭酸ガス及び酸素透過度を実施例3と同様に測定した。結果を表9に示す。
【0050】
【表9】
Figure 0003733974
【0051】
比較例6
PVA(株式会社クラレ製、ケン化度80モル%、重合度300)とPEG(平均分子量600)を表10−脚注に記載した重量部混合し、60℃の乾熱下で一夜熟成させた後、得られた組成物とEVOH(エチレン含有量44モル%、ケン化度99モル%、210℃、102 sec-1の剪断速度における溶融粘度0.6×104 ポイズ)の表10の脚注に記載した重量部とをドライブレンドし、二軸押出機(BT−30、スクリュー直径30mm)により溶融混練し、ロール冷却方式ペレタイダーを用いてペレットとした。
【0052】
次いで、このブレンド物ペレット(中間層)と低密度ポリエチレン(LDPE)(外層および内層)(住友化学工業株式会社製、低密度ポリエチレン、スミカセンL708、MIは10、密度0.918)及び接着性樹脂としてアドマー(接着層)(三井石油化学工業株式会社製、商品名アドマーSF750、MI:4.7)を別々の押出機で溶融混練し、T−ダイ共押出装置により、樹脂温度200℃で溶融共押出し、表10に示す様に、LDPE層(外層)/接着層/中間層/接着層/LDPE層(内層)(20/5/19/5/17(μm))の5層の未延伸フイルムを製膜した。製膜した積層フイルムから得た内層および外層の水蒸気透過度、中間層の平衡吸水率ならびに積層フイルムの炭酸ガス及び酸素透過度を実施例3と同様に測定した。結果を表10に示す。
【0053】
【表10】
Figure 0003733974
【0054】
実施例5
上記の実施例1〜2及び比較例2〜3で得られた積層フイルムを縦125mm×横100mmに製袋した袋の中に市販ニンニクの皮剥ぎ品100gを入れ、内部を真空に引いた後、ヒートシールした。サンプル数3袋ずつとして、これを30℃、20%RH及び80%RHの条件で6日間保持し、袋の膨張状態を観察した。結果を表11に示す。
【0055】
【表11】
Figure 0003733974
【0056】
実施例1〜2では20%RH及び80%RHのいずれも6日間経過後、真空状態またはそれに近い状態を維持していた。しかし、比較例2〜3では20%RHにおいて3日目で袋が膨張し、6日目には一部破袋に至った。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明した本発明の食品包装用積層フイルムは、外気が低湿度状態であっても常に一定範囲の炭酸ガス透過度を有するため、炭酸ガスを発生する食品の包装用として有用である。特に、チーズ製品、ニンニク製品などの包装用として有用である。

Claims (4)

  1. 外層、中間層および内層より成り、前記中間層は、ケン化度60〜95モル%のポリビニルアルコール100重量部、アルキレングリコール、ヒドロキシ酸およびそれらの重合体の群から選ばれた化合物3〜200重量部、ならびに、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物5〜100重量部から構成されている積層フイルムにおいて、前記外層の水蒸気透過度(W0 )(40℃、90%RH)及び内層の水蒸気透過度(W1 )(40℃、90%RH)が次式で表されることを特徴とする食品包装用積層フイルム。
    Figure 0003733974
  2. 外層および内層がオレフィン系樹脂である請求項1記載の食品包装用積層フイルム。
  3. 内層および外層が同じオレフィン系樹脂から成り、且つ内層の厚さが外層の厚さの1/2以下である請求項2記載の食品包装用積層フイルム。
  4. オレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、VLDPE、シングルサイト触媒を使用したエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、エチレン・アクリレート系共重合体、エチレン・メタクリレート系共重合体、およびそれらの酸変性物からなる群から選ばれたものである請求項2又は3記載の食品包装用積層フイルム。
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