JP2975631B2 - 多層ヒートシール性ポリプロピレンフィルム - Google Patents

多層ヒートシール性ポリプロピレンフィルム

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JP2975631B2 JP2080546A JP8054690A JP2975631B2 JP 2975631 B2 JP2975631 B2 JP 2975631B2 JP 2080546 A JP2080546 A JP 2080546A JP 8054690 A JP8054690 A JP 8054690A JP 2975631 B2 JP2975631 B2 JP 2975631B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は良好なスリップ性、ならびに水性接着剤、た
とえば水性アクリル樹脂、ウルタン樹脂および塩化ビニ
リデンポリマー(PVDC)に対する良好な接着性を有する
多層、ヒートシール性ポリプロピレンフィルムに関す
る。
(従来の技術) ポリプロピレンフィルムは優れた光学特性、たとえば
透明性および光沢性、満足すべき機械的特性、たとえば
引張り強さおよびヤング率、ならびに実質上の無毒性お
よび無臭性を含めて多数の望ましい特性を備えている。
従ってポリプロピレンフィルムは特に食品用の包装材料
として広く用いられている。しかしポリプロピレンフィ
ルムの欠点の1つは、それらがヒートシール性に乏しい
点である。これを除くためにポリプロピレンフィルムの
一方または両方の面に塗布、積層または共押出しにより
低温ヒートシール性樹脂を積層することは広く知られて
いる。この種のヒートシール性樹脂にはたとえば中密度
および低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンコポ
リマー、ならびにエチレン、ブテンおよびプロピレンの
ターポリマーが含まれる。
未改質ポリプロピレンフィルムの他の欠点は、それら
が示すスリップ性が比較的低い点である。すなわちそれ
らは高いフィルム間摩擦係数を示し、このためそれらを
自動包装装置に用いることが困難になる。フィルムのス
リップ挙動が低いことは、それを自動加工装置に用いる
のを妨げるであろう。加工装置(たとえばヒートシール
機、製袋機、バッグ装填装置また充填装置、バッグオー
プナー、オーバーラップパッケージ)が適切にかつ再現
性をもって作動するためにはフィルムが装置を自由に通
過しなければならない。ヒートシール性フィルムにおけ
るスリップの問題を克服するためには、1種または数種
の通常のスリップ剤、たとえばオレオアミド、ステアリ
ン酸、エルカアミドなどをヒートシール性フィルムに含
有させることが一般に行われる。
結晶質ポリプロピレンフィルムは比較的低い蒸気透過
性を示すが、特に酸素または水分に対し感受性の、また
はそれらにより攻撃される食品などの製品を包装するた
めにフィルムが用いられる用途については、フィルムの
気体または蒸気遮断性をさらに高めることが望まれる場
合が多い。配向ポリプロピレンフィルムの気体および蒸
気遮断性を高めるのに有効な手段はこの種のフィルムを
塩化ビニリデンのポリマーで被覆するものであることは
当技術分野で認識されている。
ポリプロピレンフィルムを塩化ビニリデンポリマー組
成物で被覆する際には、ポリプロピレン系支持体への被
膜層の付着が適切であることを保証するのが重要であ
る。たとえば多くの包装用途において、密閉パッケージ
を形成するためには被覆フィルムをそれ自体または他の
フィルムに対しヒートシールする必要がある。支持フィ
ルムへの被覆の付着が不適当であると、パッケージは応
力を受けた際に早期に開きやすい。
ポリプロピレンフィルム表面と水性接着剤の適切な付
着を得るためにはフィルム表面を周知の予備処理操作、
たとえばコロナ放電、火災、または酸化性化学薬品で処
理しなければならないことは、当技術分野において常識
である。水性接着剤の付着を改良するために広く行われ
ている他の手段は、ポリプロピレンフィルム表面を特殊
なプライマーで被覆すること、またはポリプロピレンフ
ィルムに付着促進フィルムを共積層することである。し
かし被覆法または共積層法は共に付加的な処理工程を伴
い、これによってフィルムの加工費が増大する。
ポリプロピレンフィルムがエルカアミドなどのスリッ
プ剤を含有する場合、たとえばコロナ放電によるポリプ
ロピレンフィルムの予備処理によってすら、ポリプロピ
レンフィルム表面への水性接着剤の付着が満足すべきも
のでない場合がしばしばある。この種のスリップ剤はポ
リプロピレンフィルムの表面へブルームまたは移行し、
そこでフィルムと水性接着剤の結合の変動性を大幅に高
める作用をする。
(発明が解決すべき課題) 従って、包装機内を良好に走行し、かつ水性接着剤に
よって良好な接着を形成しうるポリプロピレンフィルム
が求められている。従って低い摩擦係数および水性接着
剤に対する良好な付着性を兼ね備えた特性を示し、かつ
単一加工工程で製造しうるフィルムが強く求められてい
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、低い摩擦係数、ならびにアクリル樹
脂、ウレタン樹脂およびPVDCを含む水性接着剤に対する
良好な付着性を示し、単一加工工程で製造しうる多層ヒ
ートシール性ポリプロピレンフィルムを見出した。この
種のフィルム構造物は本質的にヒートシール性外層
(A)、コア層(B)および外層(C)からなり、 ヒートシール性外層(A)はコア層(B)の上面に同
範囲において付着し、外層(C)はコア層(B)の下面
に同範囲において付着し、 外層(A)は本質的に、スリップ剤を1種または2種
以上を配合したヒートシール性樹脂よりなるポリマー組
成物(a)から形成され、 コア層(B)は本質的に、スリップ剤を1種または2
種以上を配合したアイソタクチックポリプロピレンホモ
ポリマーよりなるポリマー組成物(b)から誘導され、
そして 外層(C)は本質的に、スリップ剤が実質上存在しな
いアイソタクチックポリプロピレンホモポリモーよりな
るポリマー組成物(C)から形成され、 その際、上記フィルム構造物中のスリップ剤の全量
は、高速ヒートシール包装操作に十分な摩擦係数を外層
(A)の外表に与えるのに有効であるが、構造物の実質
的曇りを生じるのには不十分である。
ヒートシール層(A)中にスリップ剤が存在し、かつ
スリップ剤が層(B)から層(A)の表面へ移行するこ
とにより、外層(A)は低い摩擦係数をもち、これによ
り本発明フィルムの優れた機械適性が得られる。スリッ
プ剤はポリプロピレンと不相溶性のものであるので、こ
れは外層(C)の表面へは実質上に移行せず、従って良
好なフィルム−水性接着剤の結合を妨害しない。
従って本発明は上記フィルム、および水性接着剤が施
された上記フィルムに関する。
コア層(B)および外層(C)のアイソタクチックポ
リプロピレンホモポリマーは、好ましくは0.88〜0.94g/
C.C.(880〜940kg/m2)の密度、および230℃/2.16Kp/cm
2(0.0745N/m2)(圧力)において1〜10g/10分(1.67
×10-6〜16.7×10-6kg/S)のメルトフローインデックス
をもつポリプロピレンである(ASTMD 1238により測
定)。
外層(A)のヒートシール性樹脂は従来この目的に用
いられているコポリマー、ホモポリマーブレンド、コリ
マーとホモポリマーのブレンドのいずれであってもよ
い。ヒートシール性層に使用しうるヒートシール性コポ
リマーの例は以下のものである。約1.5〜約10、好まし
くは約3〜約5重量%のエチレンを含有するエチレン−
プロピレンコポリマー、約5〜約40重量%のブテン−1
を含有するプロピレンおよびブテン−1のコポリマー、
ならびに約1〜約10、好ましくは約2〜約6重量%のエ
チレン、約80〜97、好ましくは約88〜約95重量%のプロ
ピレン、および約1〜約20、好ましくは約2〜約15重量
%のブテン−1を含有するエチレン−プロピレン−ブテ
ン−1ターポリマー。
コア層(B)およびヒートシール性外層(A)は、ポ
リプロピレンと相溶性であるスリップ剤を含有するポリ
マー組成物から形成される。多層構造物におけるスリッ
プ剤の割合は、外層(A)の外表に高速ヒートシールパ
ッケージ操作に十分な摩擦係数を与えるが、フィルム構
造物の実質的な曇りを生じるには不十分なものでなけれ
ばならない。スリップ剤の量は達成すべき結果によって
定めるのが最良であるが、この添加物はフィルム構造物
全体に約0.02〜約0.20重量%の量で、より好ましくは約
0.025〜約1.0重量%の量で含有されることが好ましい。
好ましい形態においては、コア層(B)を形成するポリ
マー組成物中のスリップ剤の量は層(A)を形成するポ
リマー組成物中のスリップ剤の量より少ない。より好ま
しくは、コア層(B)を形成する組成物はスリップ剤を
約400〜800ppm含有し、外層(A)を形成するポリマー
組成物はスリップ剤を約1000〜2000ppm含有し;両者と
もスリップ剤は好ましくはエルカアミドである。
コア層(B)中のスリップ剤は当業者に知られるよう
に“ブルーミング”によって層(B)からヒートシール
性外層(A)を通ってフィルムの表面へ滲出する。こう
してコア層(B)中に存在する添加物が層(A)の表面
において、フィルム構造物の摩擦係数および粘着防止性
に有利に作用する状態で得られる。スリップ剤は(A)
層へ優先的にプルームし、従って(C)層のホモポリマ
ー外面上には存在せず、積層結合に不利な影響を与える
ことはない。
一般に外層(A)の外面は室温で約0.45以下、好まし
くは約0.35以下の摩擦係数(ASTM D 1894)を示す。
本発明のフィルムの製造に際し使用しうるスリップ剤
はポリプロピレンと不相溶性のもの、すなわちコア層お
よびスキン層から表面へブルームするものである。この
種の添加物は当業者に知られている。無毒性界面活性
剤、たとえばアミドおよびカルボン酸が特に重要であ
る。好ましいアミドは少なくとも5個の炭素原子を含む
カルボン酸のアミド、たとえばベヘンアミド、リノレン
アミド、アラキドアミド、リシノールアミド、パルミト
アミド、ミリストアミド、リノールアミド、ラウルアミ
ド、カプルアミド、ペラルゴンアミド、カプリルアミ
ド、オルオアミド、ステアルアミド、N,N′−エチレン
ビスオレオアミドであり、きわめて好ましいスリップ剤
はエルカアミドである。有用なカルボン酸には、少なく
とも4個の炭素原子を含むもの、たとえば酪酸、カプロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ラウロレ
ン酸、ミリスチン酸、ミリストオレイン酸、ペンタデカ
ン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、マルガリン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノレ
ン酸、リシノール酸、2,3−ジヒドロキシステアリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、エレオス
テアリン酸、アラキン酸、2−エイコサン酸、2,4−エ
イコサジエン酸、2−ドコセン酸、2−テトラコセン
酸、2,4,6−テトラコサトリエン酸などが含まれる。
スリップ剤は好ましくは層(B)のポリプロピレン樹
脂または層(A)のヒートシール性樹脂とドライブレン
ドされ、次いで溶融混合させる。あるいは添加物をマス
ターバッチとして少量の樹脂に含有させて、添加物およ
び樹脂の高濃度ミックスを調製することもできる。次い
でこれを樹脂の追加により適宜な割合に希釈することが
できる。
外層(C)は好ましくは有効量の粘着防止剤1種また
は2種以上を含有し;ヒートシール層(A)も好ましく
は粘着防止剤を含有する。これら外層に含有させるのに
好ましい粘着防止剤は、約0.5〜5ミクロンの平均粒径
をもつ粒状無機材料である。ある市販のシリカ(カオポ
ライト(Kaopolite)1152、カオポライト社から入手)
は平均粒径0.8ミクロン、他のもの(サイペルナト(Sip
ernat)44、デグサケミカル社から入手)は平均粒径4.0
ミクロンをもつ。いずれかの材料またはそれらの混合物
を用いることができる。ケイ酸金属塩、シリカガラス、
クレーおよび他の微粉砕された無機材料も用いられる。
粘着防止剤は層(A)および/または(C)の約0.05〜
0.5重量%、好ましくは約0.1〜0.3重量%の量で存在す
ることが好ましい。
微結晶性ワックスをヒートシール性外層(A)に含有
させることが好ましい。これを含有させることにより、
含有させない場合よりはるかに少ない量のスリップ剤を
用いることができ、従って優れた外観および物理的性能
を備えたフィルムが得られるからである。それはアミド
などのスリップ剤が曇った外観をもつフィルムを与える
ためである。有用なワックスは既知の微結晶性ワックス
のいずれであってもよい。しかし合成n−パラフィン系
ワックスを用いることが好ましい。好ましくはワックス
は約85〜約165℃の融点をもつ。ワックスは好ましくは
ヒートシール性層の約5〜約15重量%、きわめて好まし
くはこの層の約10重量%の量で添加される。
ヒートシール性層(A)に含有させる他の好ましい添
加物のグリセリンモノステアレートその他のモノグリセ
リドであり、これらは好ましくはこの層の約0.05〜0.3
重量%、きわめて好ましくは約0.1重量%の量で含有さ
れる。
本発明の多層フィルムは樹脂の共押出し用として市販
されているシステムを用いて製造することができる。ポ
リマー組成物(a)、(b)および(c)を互いに共押
出しすることが好ましい。ポリマーを溶融状態となし、
通常の押出し機から平板押出しダイを通して共押出しす
る。その際溶融液流はダイから押出される前にアダプタ
ー中で合流する。多層フィルム構造物はダイオリフィス
から出たのち冷却され、次いでこの急冷されたシートは
好ましくは再加熱され、たとえば縦方向に約121℃(250
゜F)で4〜6倍に、次いでたとえば横方向に約160℃
(320゜F)で8〜10倍に延伸される。次いで外層(C)
を好ましくは火炎またはコロナにより処理して、少なく
とも36ダインcm(36mN/m)、好ましくは40ダイン/cm(4
0mN/m)の表面活性となす。フィルム塩をトリミング
し、フィルムを芯に巻取る。こうして製造された構造物
を37〜52℃(100〜125゜F)に約1〜3日間保持するこ
とによりコンディショニングまたは平衡化して、摩擦係
数低下のためのスリップ剤の表面移行を促進することが
好ましい。
上記フィルムは低い摩擦係数をもち、これによりそれ
らを自動包装装置に用いることができるので、またこれ
らは外層(C)の火炎またはコロナ処理表面上の水性接
着剤との良好な結合、すなわち約80〜150g(0.08〜0.15
kg)の結合(インストロンテスターにより測定、結合を
縦方向に引張ったもの)を形成しうるので、上記フィル
ムは有利である。
水性接着剤の組成は本発明の実施にとって決定的では
ない。市販のアクリル樹、ウレタン樹脂および塩化ビニ
リデンラテックスを用いることができる。一般に塩化ビ
ニリデン含量少なくとも50%、好ましくは約75〜約92%
の市販の塩化ビニリデンラテックスが用いられる。他の
エチレン性不飽和コモノマーはα,β−エチレン性不飽
和酸、たとえばアクリル酸およびメタクリル酸;これら
の酸のアルキル(炭素原子1〜18個を含む)エステル、
たとえばメチルメタクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレートなどが含まれる。さらに、α,β−
エチレン性不飽和ニトリル、たとえばアクリロニトリル
およびメタクリロニトリルも用いられる。さらに、モノ
ビニル芳香族化合物、たとえばスチレンよび塩化ビニル
も用いられる。
考慮される塩化ビニリデンポリマーラテックスの詳細
は、塩化ビニリデン82%、エチルアクリレート14重量
%、およびアクリル酸4重量%からなる。あるいは塩化
ビニリデン約80重量%、メチルアクリレート約17重量
%、およびメタクリル酸約3重量%からなるポリマーラ
テックスも使用しうる。
本発明を実施するのに現在最良であると本発明者らが
考える形態は下記構造のフィルムである。
(A)ヒートシール系外層:プロピレン/エチレン/ブ
テン−1ターポリマー90%、およびミクロクリスタリン
ワックス10%;エルカアミド約1600ppm;グリセリンモノ
ステアレート(マイベロール(Myverol)1806、イース
トマン・ケミカル社から入手)約1000ppm、ならびに粘
着防止剤シリカ粒子(サイロイド(Syloid)、W.R.グレ
ース社から入手); (B)コア層:エルカアミド400〜800ppmを含有するア
イソタクチックポリプロピレン; (C)外層:平均粒径約0.8ミクロンの粘着防止剤シリ
カ粒子(サイペルナト44)約2400ppmおよび平均粒径4.0
ミクロンの粘着防止剤シリカ粒子(カオポライト1152)
約3000ppmを含有するアイソタクチックポリプロピレ
ン;この層の外表は約40ダイン/cm(40mN/m)にまでコ
ロナ処理されている。
本発明を下記の例により、さらに説明する。
例 1 下記の方法により3種のフィルムを製造した。この製
造法は外層(A)および(C)をアイソタクチックポリ
プロピレン製コア層(B)と共押出しすることよりなっ
ていた。コア樹脂はファイナ(Fina)8670C(エルカア
ミドを含有する)および標準的アイソタクチック非エル
カアミドポリプロピレン、たとえばファイナ828であっ
た(ファイナ樹脂はファイナ・オイル・アンド・ケミカ
ルズ、テキサス州ダラス、から入手される)。(A)層
を溶融し、コア層および(C)層と共押出しした。
(C)層は2400ppmのサイペルナト44よび3000ppmのカオ
ポライト粘着防止剤粒子を含有するアイソタクチックポ
リプロピレンであった。(A)層は同じ方法で押出さ
れ、90%のチッソ(Chisso)ターポリマー(プロピレン
/エチレン/ブテン−1、チッソ社から入手される)お
よび10%のミクロクリスタリンワックス、ならびに合計
1600ppmのエルカアミド、1000ppmの帯電防止剤マイベロ
ールおよび3100ppmの粘着防止剤粒子サイロイドであっ
た。
三層押出物を急冷し、再加熱し、約121℃(250゜F)
で縦方向に4〜6倍延伸した。次いでこの縦方向延伸シ
ートを約160℃(320゜F)で横方向に8〜10倍延伸し
た。(C)層を火災またはコロナにより約40d/cm(40mN
/m)にまで処理し、ミルロール状に巻取った。付いでこ
のフィルムを37〜52℃(100〜125゜F)で1〜3日間貯
蔵し、エルカアミドの表面移行を促進した。
フィルム1−A−このフィルムは、通常の3.5%ランダ
ムエチレン/プロピレンコポリマーのヒートシール性
層、およびエルカアミドその他のスリップ用添加物を含
有しないアイソタクチックポリプロピレンの層を含む二
層フィルムであった。このフィルムのホモポリマー側を
コロナ処理し、PVDC(モルトン(Morton)2015)で被覆
した。
フィルム1−B−このフィルムは下記の三層構造であっ
た。外層(i)のプロピレン/エチレン/ブテン−1タ
ーポリマー50%、通常の3.5%ランダムエチレン/プロ
ピレンコポリマー40%、ならびにミクロクリスタリンワ
ックスおよび粘着防止剤およびスリップ剤10%あらな
る;コア層(ii)エルカアミド400〜700ppmを含む通常
のアイソタクチックポリプロピレン;ならびにヒートシ
ール性外層(iii)プロピレン/エチレン/ブテン−1
ターポリマー90%、ミクロクリスタリンワックスおよび
スリップ剤および粘着防止剤10%。層(i)をコロナ処
理し、PVCD(グレース(Grace)8600)で被覆した。
フィルム1−C−このフィルムは外層(i)がアイソタ
クチックポリプロピレン100%ならびに3000ppmのカオポ
ライト1152および2400ppmのサイペルナト44粘着防止剤
粒子からなる点以外はフィルム1−Bと同じであった。
ホモポリマー層をコロナ処理し、PVDC(グレース8600)
で被覆した。
上記積層体の2.54cm(1インチ)ストリップを切取
り、インストロン引張り試験機で試験することにより、
各積層体のサラン積層結合強度を調べた。あるいはサッ
ター(Sutter)試験機を積層結合の測定に用いることも
できる。フィルム1−A、1−Bおよび1−Cの特性を
第1表に示す。
第1表に示すデータはフィルム1−Aおよび1−Bが
受容できないものであることを示す。フィルム1−Aは
受容できるサラン結合強度を示したが、その摩擦係数は
包装機械加工適性にとっては高すぎた。フィルム1−B
は受容できる摩擦係数を示したが、そのPVDC結合強度は
ばらつきが大きすぎた。本発明のフィルム(フィルム1
−C)は共に受容しうる高いサラン結合強度および受容
できる摩擦係数を示した。すべてのフィルムが満足すべ
きぬれ性および付着性を示した。
例 2 本発明のフィルム構造をもたないフィルムの欠陥を示
すために、例1に述べた一般法を用いて他のフィルを製
造した。
フィルム2−A−このフィルムは三層フィルムであり、
添加物を含まないアイソタクチックポリプロピレンのコ
ア、および一般的なランダムコポリマーまたはターポリ
マーのヒートシール性層である2外層からなっていた。
これらの外層には潤潤性を付与するためにシリコーン油
を添加した。
フィルム2−B−このフィルムはABA構造であり、コア
層(B)はエルカアミド2000ppmを含有し、各(A)層
は通常の3.5%ランダムエチレン/プロピレンコポリマ
ーであった。
これらのフィルムの特性を第2表に示す。
第2表のデータは、フィルム2−Aが良好な摩擦係数
を示すが、PVCD結合性が著しく乏しいことを示す。フィ
ルム2−Bは良好な摩擦係数を示すが、そのPVDC結合性
はばらつきが大きすぎる。これらの例は、外層(C)の
エルカアミドの量を最小限に抑える必要があること、お
よび受容できる包装機加工適性を得るためには他方の表
面に十分に濃度が必要であることを明らかにする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイ・キン・キュン アメリカ合衆国ニューヨーク州14502, メイスドン,アリン・パドガム・ロード 6011 (56)参考文献 特開 昭61−169245(JP,A) 特開 昭62−73941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒートシール性外層(A)とコア層(B)
    と外層(C)とからなり、外層(A)はコア層(B)の
    上面に同範囲において付着し、外層(C)はコア層
    (B)の下面に同範囲において付着しているヒートシー
    ル性多層フィルム構造物であって、 (i)外層(A)はポリプロピレンと不相溶性のスリッ
    プ剤を1種または2種以上配合したヒートシール性樹脂
    より主としてなるポリマー組成物(a)から形成され; (ii)コア層(B)は、ポリプロピレンと不相溶性のス
    リップ剤を1種または2種以上配合したアイソタクチッ
    クポリプロピレンホモポリマーより主としてなるポリマ
    ー組成物(b)から誘導され; (iii)外層(C)は、スリップ剤を実質的に含まない
    アイソタクチックポリプロピレンホモポリマーより主と
    してなるポリマー組成物(c)から形成され; その際、上記フィルム構造物中のスリップ剤の全量は、
    高速ヒートシール包装操作に十分な摩擦係数を外層
    (A)の外面に与えるのに有効であるが、構造物の実質
    的な曇りを生じるのには不十分な量である; ヒートシール性多層フィルム構造物。
  2. 【請求項2】ヒートシール性樹脂がプロピレン、エチレ
    ンおよび1−ブテンのターポリマーである、請求項1に
    記載のフィルム。
  3. 【請求項3】ターポリマーがほぼ80〜97重量%のプロピ
    レン、ほぼ1〜10重量%のエチレン、およびほぼ1〜20
    重量%のブテン−1からなる、請求項2に記載のフィル
    ム。
  4. 【請求項4】ターポリマーがほぼ88〜95重量%のプロピ
    レン、ほぼ2〜6重量%のエチレン、およびほぼ2〜15
    重量%のブテン−1からなる、請求項3に記載のフィル
    ム。
  5. 【請求項5】ヒートシール性樹脂がほぼ1.5〜10重量%
    のエチレンを含有するエチレン−プロピレンコポリマー
    である、請求項1に記載のフィルム。
  6. 【請求項6】エチレン−プロピレンコポリマーがほぼ3
    〜5重量%のエチレンを含有する、請求項5に記載のフ
    ィルム。
  7. 【請求項7】ヒートシール性樹脂がほぼ5〜40重量%の
    ブテン−1を含有するプロピレン−ブテン−1コポリマ
    ーである、請求項1に記載のフィルム。
  8. 【請求項8】ヒートシール性層(A)はぼほ5〜15重量
    %の微結晶ワックスをも含有する、請求項1〜7のいず
    れかに記載のフィルム。
  9. 【請求項9】ヒートシール性層(A)はほぼ0.05〜0.3
    重量%のグリセリンモノステアレートをも含有する、請
    求項1〜8のいずれかに記載のフィルム。
  10. 【請求項10】ヒートシール性層(A)はほぼ0.5〜5
    ミクロンの平均粒径を有する粘着防止剤粒子をほぼ0.05
    〜5重量%含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の
    フィルム。
  11. 【請求項11】ポリマー組成物(b)中のスリップ剤の
    量がポリマー組成物(a)中のスリップ剤の量より少な
    い、請求項1〜10のいずれかに記載のフィルム。
  12. 【請求項12】組成物(a)および(b)中のスリップ
    剤がエルカアミドである、請求項1〜11のいずれかに記
    載のフィルム。
  13. 【請求項13】組成物(a)が実質的に1000〜2000ppm
    のエルカアミドを含有し、組成物(b)が実質的に400
    〜800ppmのエルカアミドを含有する、請求項1〜12のい
    ずれかに記載のフィルム。
  14. 【請求項14】ポリマー組成物(c)がさらに、ほぼ0.
    5〜5ミクロンの平均粒径を有する粘着防止剤粒子をほ
    ぼ0.05〜0.5重量%含有する、請求項1〜13のいずれか
    に記載のフィルム。
  15. 【請求項15】粘着防止剤粒子がシリカ粒子である、請
    求項10または14に記載のフィルム。
  16. 【請求項16】外層(A)の外面が室温で0.45以下の摩
    擦係数を示す、請求項1〜15のいずれかに記載のフィル
    ム。
  17. 【請求項17】外層(A)の外面が室温で0.35以下の摩
    擦係数を示す、請求項1〜16のいずれかに記載のフィル
    ム。
  18. 【請求項18】外層(C)の外面が少なくともほぼ36ダ
    イン/cm(36mN/m)の表面活性を有する、請求項1〜17
    のいずれかに記載のフィルム。
  19. 【請求項19】ヒートシール性樹脂がほぼ88〜95重量%
    のプロピレンとほぼ2〜6重量%のエチレンとを含むプ
    ロピレン、エチレンおよび1−ブテンのターポリマーで
    あり;ヒートシール性層(A)がさらにほぼ5〜15重量
    %の微結晶性ワックスとほぼ0.05〜0.3重量%のグリセ
    リンモノステアレートとを含有し;ポリマー組成物
    (a)および(c)がほぼ0.5〜5ミクロンの平均粒径
    を有する粘着防止剤シリカ粒子を含有し;ポリマー組成
    物(a)がほぼ1000〜2000ppmのエルカアミドを含有
    し、組成物(b)がほぼ400〜800ppmのエルカアミドを
    含有する、請求項1に記載のフィルム。
  20. 【請求項20】外層(C)の外面が室温で0.3以下の摩
    擦係数を示す、請求項19に記載のフィルム。
  21. 【請求項21】外層(C)の外面に隣接して水性接着剤
    の被膜をさらに含む、請求項1〜20のいずれかに記載の
    フィルム。
  22. 【請求項22】水性接着剤がアクリル樹脂、ウレタン樹
    脂および塩化ビニリデンポリマーから選ばれる、請求項
    21に記載のフィルム。
  23. 【請求項23】水性接着剤が塩化ビニリデンコポリマー
    である、請求項21に記載のフィルム。
  24. 【請求項24】水性接着剤の被膜と外層(C)との間の
    接着強度がほぼ3.2〜5.9kg/m(80〜150g/インチ)であ
    る、請求項23に記載のフィルム。
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