JP2007313737A - ラミネート用シーラントフィルム及びその製造方法 - Google Patents

ラミネート用シーラントフィルム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷工程やラミネート工程において広範な加工温度条件を採用しても、良好な帯電防止性と良好なラミネート強度とをもち、さらに良好な低温ヒートシール性を持つことができる帯電防止性ラミネートフィルム、及び、そのためのシーラントフィルムを提供する。
【解決手段】 表面層がそれぞれポリオレフィン系重合体からなるヒートシール層(A)及びポリオレフィン系重合体からなる層(B)である共押出法による複合フィルムの、(B)層表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理が施されたラミネート用シーラントフィルムであって、(A)層及び(B)層は、帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を含有し、(A)層中の帯電防止剤含有量は0.4〜1.5重量%であり、(B)層中の帯電防止剤含有量は(A)層中の含有量よりも少ない量である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系重合体からなる帯電防止性に優れたラミネート用シーラントフィルム、その製造方法、及び、ラミネートフィルムに関するものである。
プラスチック包装体として、シーラントフィルムをドライラミネートする方法やアンカーコート処理後に押出ラミネートするなどの方法により延伸ポリプロピレンフィルムなどの基材と積層し、このラミネート品を製袋したものが多く用いられている。この袋状包装体の中に入れる袋内容物が、粉体、顆粒状や軽量なフレーク状などの場合、静電気による弊害により、たとえば内容物の封入、取り出しの困難さ、外観悪化等を受けやすい。そこで、食品や医薬品、更には電子部品等の包装体にはこれらの影響を防ぐため帯電防止性を付与したシーラントフィルムが多く用いられている。
しかし、従来の帯電防止シーラントフィルムは帯電防止剤のブリード過多やエージング不足などによるラミネート強度不足や、また過度のエージング温度、時間のために帯電防止性が失効するなどの問題がしばしば発生していた。
これらの問題に対し、例えば特開2003−236910号公報に記載されているようにポリオレフィン系積層フィルムの片側の外層又は両側の外層に非イオン性界面活性剤とアニオン系である有機スルホン酸塩の混合系帯電防止剤を配合する方法が知られている。この帯電防止剤系はノニオン系帯電防止剤のみの場合と比べ帯電防止剤の移行が抑制される特長を持つが、この場合コア層に帯電防止剤が配合されていないため、エージング条件によっては外層の帯電防止剤がコア層に移行し易くなり所定の帯電防止性が得られず、適正エージング温度条件範囲が狭くなるという問題がある。
一方、特開2004−160964号公報に記載されているように、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる帯電防止剤を配合する方法が知られている。しかし、このように非イオン性界面活性剤のみからなる帯電防止剤は一般に熱による移行性の影響を受けやすく、従ってエージング温度による帯電防止性の低下を防ぐため、複合シーラントフィルムのヒートシール層に予め高濃度の帯電防止剤を配合しておく必要がある。このため、経時変化によるフィルムの透明性低下が大きく、また製膜時の冷却ロールに帯電防止剤が汚れとなって蓄積し易く、生産性の著しい低下を招き、また加工機ロール等に蓄積する帯電防止剤により、いわゆる白粉が発生するなどの問題が生じ、必ずしも十分な対策とはなり得ていない。
また、ドライラミネートする際の従来のエージング温度条件は、接着剤の種類、用途により異なるが、通常35〜40℃で1〜2日が採用されている。しかし、実際にはシーラントフィルムの放置期間や放置状態により帯電防止剤のブリード状態は個々に異なり、また一定のエージング条件で処理してもエージング室内の温度にバラツキや、ラミネートロールの外層部と内層部温度の違いなどにより適切なエージング条件を管理することが難しく、これがラミネート強度不足や、帯電防止性不良などの原因となっていた。
特開2003−236910号公報 特開2004−160964号公報
本発明の目的は、かかる従来技術によるこのような難点を解決し、印刷工程やラミネート工程において、従来技術よりもより広範な加工温度条件を採用しても、良好な帯電防止性と良好なラミネート強度をもち、さらに、良好な低温ヒートシール性を持つことができる帯電防止性ラミネートフィルム、及びそのためのシーラントフィルムを提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成を有する本発明によって工業的に有利に達成することができる。
[1] 表面層がそれぞれポリオレフィン系重合体からなるヒートシール層(A)及びポリオレフィン系重合体からなる層(B)である共押出法による複合フィルムの、(B)層表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理が施されたラミネート用シーラントフィルムであって、(A)層及び(B)層は、帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を含有し、(A)層中の帯電防止剤含有量は0.4〜1.5重量%であり、(B)層中の帯電防止剤含有量は(A)層中の含有量よりも少ない量であることを特徴とするラミネート用シーラントフィルム。
[2] (B)層中の帯電防止剤含有量が0.02〜0.7重量%かつ(A)層中の帯電防止剤含有量の50%以下であり、かつ、(A)層と(B)層のそれぞれの帯電防止剤含有量と厚みとから加重平均して得られる全フィルム中の帯電防止剤平均含有量が0.1〜1.0重量%であることを特徴とする[1]記載のラミネート用シーラントフィルム。
[3] 非イオン性界面活性剤が、4価又は5価のポリオールと炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル、又、有機スルホン酸塩が、アルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のラミネート用シーラントフィルム。
[4] (A)層を構成するポリオレフィン系重合体が、融点120〜130℃のエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体であり、かつ、(B)層を構成するポリオレフィン系重合体が、融点130〜160℃のエチレン−プロピレン共重合体であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のラミネート用シーラントフィルム。
[5] 帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を0.4〜1.5重量%の量含有するポリオレフィン系重合体組成物(a)と、帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を前記組成物(a)よりも少ない量で含有するポリオレフィン系重合体組成物(b)とを、共押出しすることにより、前記組成物(a)からなるヒートシール層(A)と前記組成物(b)からなる(B)層との複合フィルムを製造した後、(B)層の表面に、大気雰囲気中でコロナ放電処理を行うことを特徴とするラミネート用シーラントフィルムの製造方法。
[6] [1]記載のシーラントフィルムのコロナ放電処理された(B)層表面にポリウレタン系接着剤を塗布した後、基材フィルムと重ねてドライラミネートすることを特徴とするラミネートフィルムの製造方法。
本発明のシーラントフィルムを用いれば、印刷工程やラミネート工程において従来技術よりもより広範な加工温度条件を採用することができ、しかも、良好な帯電防止性と良好なラミネート強度が得られ、さらに良好な低温ヒートシール性をもつことができるラミネートフィルムを製造することができる。そして、このラミネートフィルムは帯電防止性等に優れ、高速製袋を実現することが可能となる。
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
一般にポリオレフィン系フィルムの練込み型帯電防止剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびステアリルジエタノールアミンなどの非イオン性界面活性剤が1種または複数の混合系として使用されている場合が多い。ポリオレフィン系フィルムの練込み型非イオン性界面活性剤は、一般にフィルム内での移行性が大きく、室温ないし約35℃までの雰囲気中であれば経時と共にフィルム表面側へ移行し、フィルム表面にブリードアウトしてくる。
従って、従来の帯電防止タイプのポリオレフィン系フィルムでは、その放置期間や温度により、界面活性剤の移行性の影響を受け、フィルム表面に過多な帯電防止剤がブリードアウトした状態で基材フィルムとラミネートされ、ラミネート強度の低下を招く傾向にある。
一方、非イオン性界面活性剤を用いた帯電防止タイプのポリオレフィン系フィルムのラミネート用フィルムの場合、帯電防止剤が約40℃以上の雰囲気下では経時的にフィルム表面側への帯電防止剤のブリードアウト性が徐々に失われ、つまり帯電防止剤がフィルム内部へと移行し、その結果、帯電防止性が経時的に悪化するという問題がある。
また、ドライラミネートによりラミネートフィルムを製造する場合、接着剤の硬化反応を促進しラミネート接着力を高めるためにはエージング温度、時間を強化しなければならないが、ある条件を越えると上述のように帯電防止性を失うため、適切な温度および時間などのエージング条件を選ぶ必要がある。そこで、エージング条件としては35〜40℃で1〜2日が一般的によく採用されている。しかし、フィルム厚さやラミネート構成更には接着剤の種類等により適切なエージング条件が異なってくるので条件管理が難しいのが実情であり、エージング不足によるラミネート強度不良やエージング過剰による帯電防止不良が発生する原因にもなっていた。
これに対し、本発明に係るラミネート用シーラントフィルムは、一般的に採用されているエージング条件よりも更に厳しい45℃で72時間のエージング条件下においても良好な帯電防止性を維持する画期的な性能を有しており、従来技術におけるラミネート強度不良や帯電防止不良の問題が十分に解消されるという顕著な改善効果を与えることができる。
本発明に係る帯電防止性のラミネート用シーラントフィルムでは、非イオン性界面活性剤と、アニオン系界面活性剤である有機スルホン酸塩との混合系帯電防止剤を使用しており、有機スルホン酸塩の存在により非イオン性界面活性剤のフィルム内での移行性が抑制されている。この特性は、帯電防止剤の過剰なブリードアウトの抑制や、フィルム層間の移行性が小さいことによる各層の濃度バランスの維持に対し極めて有効である。またエージング時の加熱の影響を受けにくいことから、従来技術よりもより幅広いエージング条件範囲を採用することができ、良好な帯電防止性とラミネート強度とを有したラミネートフィルムとすることができる。
本発明のラミネート用シーラントフィルムを製造するためには、まず、共押出法により少なくとも(A)、(B)2層からなる複合フィルムを製造する際に、非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩からなる帯電防止剤を混合使用することが必要である。また本発明の効果を阻害しない限りそれらの成分の混合比を変えることが出来、また他の成分を加えることが出来る。
また本発明の意図する効果を得るためには、(A)層、(B)層および全フィルム中における帯電防止剤濃度を次に述べるような適正濃度とする必要がある。
(A)層はシーラント層であり該帯電防止剤を0.4〜1.5重量%、好ましくは0.6〜1.2重量%含有する必要がある。(A)層の帯電防止剤濃度が0.4重量%未満であれば満足する帯電防止性が得られず、また1.5重量%を越えると製膜時の冷却ロールやその後の加工時のロール汚れ発生などの欠点が生じ易くなる。(B)層中の帯電防止剤含有量は(A)層中の含有量よりも少ない量であることが必要である。
また、(B)層中の帯電防止剤含有量が0.02〜0.7重量%かつ(A)層中の帯電防止剤含有量の50%以下であるようにし、さらに、(A)層と(B)層のそれぞれの帯電防止剤濃度と厚みからこれらを加重平均し得られる該帯電防止剤の全フィルム中の平均濃度が0.1〜1.0重量%であるようにする。(A)層のみが適正濃度範囲にあっても全フィルム濃度が0.1重量%未満であれば十分な帯電防止性は得られ難く、また全フィルム濃度が1.0重量%を越えればロール汚れ等の欠点が生じやすくなり、また過度の帯電防止剤濃度となり、製造コスト面からも不利となる。
(A)層の厚みは、複合フィルム全体の厚みに対し、1/10〜1/3であることが好ましく、1/7〜1/4であることがさらに好ましい。また複合フィルム全体の厚みは15μm〜120μmであることが好ましく、20〜60μmであることが更に好ましい。
(A)層を構成するポリオレフィン系重合体としては、融点120〜130℃のエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体が好ましい。この共重合体を用いると、フィルム単体でヒートシールする時、105〜120℃で3N/15mmのヒートシール強度を得ることができ、いわゆる低温ヒートシール性を付与することが出来る。また、この低温ヒートシール性はより高速製袋を可能とする。
(B)層を構成するポリオレフィン系重合体としては、融点130〜160℃のエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。この共重合体は(A)層の上記共重合体よりも結晶性が高いため、ベース層として必要ないわゆるフィルムの腰を高め、製膜性やその後の加工時のハンドリングを向上させることができる。なお、この(B)層を構成するポリオレフィン系重合体としては、プロピレンホモポリマーを用いても良い。
本発明のラミネート用シーラントフィルムは、上記(B)層と上記(A)層の他に、本発明の効果を阻害しない限り、他の樹脂成分からなる層が(B)層と(A)層との間に積層された構成の積層フィルムであっても良い。
本発明のラミネート用シーラントフィルムは、ドライラミネート時に基材との十分な接着力を発揮するために、(B)層表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理が施されていることが必要である。この大気雰囲気中でのコロナ放電処理は、通常工業的に行われているコロナ放電処理であり、即ち、大気中でフィルム表面に交流電気エネルギーを印可する方法で(B)層表層部に極性基を付与するものである。このコロナ放電処理を行うことにより、(B)層表面に、ポリウレタン系接着剤との十分な接着性を付与することができる。
製膜性や加工性の向上のために、(A)層や(B)層のポリオレフィン系重合体に、本発明の効果を阻害しない範囲で、エルカ酸アミドを成分とする滑剤を0.05〜0.1重量%、シリカを成分とするアンチブロッキング剤を0.1〜0.3重量%配合することが出来る。
本発明のラミネート用シーラントフィルムを製造するための製膜方法は、特に制限は受けないが、インフレーション法、Tダイ法など公知の製膜方法を用いることができ、特にTダイ法が好適である。
Tダイ法による本発明のラミネート用シーラントフィルム製膜方法の一例を下記(1)〜(4)で説明する。
(1)メイン押出機に、(B)層を構成する各原料をブレンドしたものを、一方サブ押出機には(A)層を構成する各原料をブレンドしたものをそれぞれ供給し、熔融させた後、それぞれの層の厚み比に応じた押出量を設定し、複合Tダイから積層状態で押出を行う。続いて、冷却水を通水した冷却ロールに、熔融押出しした積層フィルム状物を圧着させて冷却し、希望する厚みの積層フィルムにした後、(B)層表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、引取機を通して所定の巻き長さに巻き上げる。
(2)この時のコロナ放電処理条件は、フィルム幅や巻き取り速度等の条件に応じて決ればよい。例えば、製膜後30分以内の処理面のぬれ張力が38mN/m以上、好ましくは41〜45mN/mとなるように、電流、電圧値などの処理条件を決めればよい。ただし、必要以上に処理強度を強めれば、放電ムラを生じ、フィルム外観不良を招くことがある。
(3)複合Tダイからの積層押出し時の押出温度は、高すぎると樹脂組成物の熱劣化や帯電防止剤などの分解・揮散が進行するので良くない。逆に押出温度が低すぎると押出機のモーター負荷が大きくなり、生産性が低下し、またフィルムの表面特性などに悪影響を与えることがある。この観点から、押出温度は190〜240℃が好ましく、Tダイ温度もこれと同程度の温度範囲が好ましい。
(4)溶融押出後の冷却ロールの温度は、高すぎるとフィルムの透明性が悪くなり、低すぎるとフィルムの腰が弱くなるなどの欠点がでる。この観点から、冷却ロールの温度は20〜60℃が好ましい。
このようにして得られる本発明のラミネート用シーラントフィルムは、印刷工程やラミネート工程において、従来技術よりも広い加工温度条件範囲を採用することができ、良好なラミネート強度と良好な帯電防止性とをもち、さらに、良好な低温ヒートシール性をもつことができる。
本発明において用いた物性値の測定法、実施例における効果の評価方法を下記する。
(1)表面抵抗率
東亜DKK(株)製の平板試料用電極(型式 SME−8310)および極超絶縁計(型式 SM−8220)を用い、23℃、50%RH調湿下で測定した。
表面抵抗率はその値が小さいほど帯電防止効果が良好となるが、本発明では表面抵抗率 (logΩ)が13.0以下であれば帯電防止効果が良好であると判定した。
(2)融点
(株)島津製作所製の示差走査型熱量計(型式 DSC−60)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定したときの結晶融解に伴う吸熱カーブのピーク温度を融点とした。
(3)MFR(メルトフローレート)
JIS K 6758により測定する。
(4)ぬれ張力
和光純薬工業(株)製のぬれ張力試験用混合液を用い、JIS K 6768に準じ測定した。
(5)ラミネート強度
ラミネートフィルムを縦方向(フィルムの流れ方向)に幅10mm、長さ約150mmにカットし、場所を変えて少なくとも3カ所からサンプリングする。これらのサンプルの端部を数センチほど手にて剥離し、(株)オリエンテック製“テンシロン”(型式 RTC−1210A)にセットし、引張速度300mm/分、90度剥離したときの各サンプルの平均強度をラミネート強度とした。この時のラミネート強度が2.0N/15mm以上であればラミネート強度は良好(○)と判定し、2.0N/15mm未満であればラミネート強度は不良(×)と判定した。
(6)ヒートシール開始温度
テスター産業(株)製のヒートシーラー(型式 TP−701−B)の平板シールバーを用い、単体フィルムのシール面を向かい合わせ、圧力0.1MPaで0.5秒両面加熱し、温度を変えてシールする。各温度のシールサンプルの中央部から15mm幅で4個サンプリングし、これらを(株)オリエンテック製テンシロン(型式 RTC−1210A)にセットし、引張速度300mm/分、90度剥離する。この4個の最大強度の平均値をヒートシール強度とし、これが3N/15mmに達するときのシール温度をヒートシール開始温度とした。
次に、本発明を実施例および比較例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
メインとサブの2台の押出機を用い、メインの押出機からは、滑剤として0.07重量%のエルカ酸アミド、アンチブロッキング剤として0.19重量%のシリカ、0.18重量%の帯電防止剤を配合した融点144℃、MFR6g/10分のエチレン−プロピレン共重合体を熔融押出し、(B)層となし、一方、サブの押出機からは、0.07重量%の上記滑剤、0.20重量%の上記アンチブロッキング剤、0.90重量%の上記帯電防止剤を配合した融点128℃、MFR6g/10分のエチレン−プロピレン−ブテン1共重合体を熔融押出し、これを(A)層とし、これらの層が共押出ダイで積層フィルム状に押し出し、続いて冷却水を通水した冷却ロールに圧着させて冷却した後、(B)層表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、引取機を通して所定の巻き長さに巻き上げた。この際の押出温度、ダイ温度は共に210℃とし、冷却ロール温度は30℃とした。
得られた積層フィルムにおける(B)層の厚みが24μm、(A)層の厚みが6μmであり、(B)層表面のぬれ張力が製膜後室温放置30分以内で42mN/mとなるようにコロナ放電処理条件を設定した。なお、各層の帯電防止剤濃度は表1に示すとおりであり、また、(A)層、(B)層の帯電防止剤濃度と厚みから加重平均により求めた全フィルム濃度は表1に示すとおりであった。
得られた複合フィルムを、製膜後7日間室温放置した後、延伸ポリプロピレンフィルムと、次の条件でドライラミネートし、45℃雰囲気中で72時間エージング処理し、ラミネートフィルムとした。
ドライラミネートの接着剤として、武田薬品工業(株)製“タケラック”A−610(主剤)と“タケネート”A−50(硬化剤)を8対1の重量比で混合し、酢酸エチルにて希釈したものを用いた。
製膜後23℃で7日間エージングした後、コロナ放電処理面側にバーコーターNo.10を用い、接着剤を塗布量が約3g/mとなるように塗布し、これを乾燥した後、東レ(株)製の帯電防止タイプOPP(“トレファン”BO 2548 #25)のコロナ放電処理面側を接着剤に接するようにゴムローラーにて圧着し、ラミネートフィルムとなし、このラミネートフィルムを、45℃雰囲気中で72時間オーブン中にてエージング処理した。
得られたラミネートフィルムは、表1に示すように、シーラント層表面での表面抵抗率(logΩ)が11.4と極めて良好な帯電防止性を示し、ラミネート強度も良好であり、ヒートシール開始温度は112℃であった。
[実施例2]〜[実施例9]
各層中の帯電防止剤濃度、各層の厚み、及び全厚みが表1記載の値となるように条件変更した以外は、実施例1と同様にして共押出し、冷却、コロナ放電処理を行い積層フィルムを製造した。なお、(A)層、(B)層の厚み比率は、実施例2〜7では実施例1と同じ1対4であり、実施例8、9ではそれぞれ1対5、1対6.5であった。
得られた複合フィルムをシーラントフィルムとして実施例1と同様にしてドライラミネートを行い、ラミネートフィルムとした。得られたラミネートフィルムは、表1に示すとおり、帯電防止性やラミネート強度が良好であった。
[比較例1]
各層中の帯電防止剤濃度が表1記載の値となるように条件変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを製造し、ラミネートフィルムを製造した。得られた複合フィルムの(A)層中の帯電防止剤濃度が0.32重量%と少なかったので、ラミネートフィルムの帯電防止性が不良であった。
[比較例2]〜[比較例4]
(A)層、(B)層の帯電防止剤濃度がそれぞれ表1記載の値となるように条件変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを製造し、ラミネートフィルムを製造した。
比較例2の場合は、(A)層、全フィルム濃度の帯電防止剤濃度が高いため帯電防止性は良好だがラミネート強度は不良であり、製膜時の冷却ロール汚れも発生した。比較例3及び比較例4の場合は、(B)層には帯電防止剤が含まれないため、いずれも、ラミネート強度は良好であったが、帯電防止性が不良であった。
[比較例5]
滑剤としてエルカ酸アミド0.035重量%と、アンチブロッキング剤としてシリカ0.20重量%とを含む、融点144℃、MFR6g/10分のエチレン−プロピレン共重合体に、いずれも非イオン性界面活性剤であるグリセリンモノステアレートとステアリルジエタノールアミンの2成分系帯電防止剤を0.20重量%配合したものを熔融し、単層ダイでフィルム状に押し出し、続いて冷却水を通水した冷却ロールに圧着させて冷却した後、片表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、引取機を通して所定の巻き長さに巻き上げた。この際の押出温度、ダイ温度は共に220℃、冷却ロール温度は30℃とした。一方の表面にコロナ放電処理が施された、厚みが40μmの単層フィルムが得られた。得られた単層フィルムを、実施例1と同様にドライラミネートし、45℃雰囲気中で72時間エージング処理した。得られたラミネートフィルムのラミネート強度は十分であったが、表面抵抗率(logΩ)が15.8と高く、帯電防止性は不良であった。
[比較例6]〜[比較例7]
帯電防止剤濃度を表1に記載の値となるように条件変更した以外は、比較例5と全く同様にして単層フィルムを製造し、ラミネートフィルムを製造した。得られたラミネートフィルムは、比較例6、7ともに、ラミネート強度および帯電防止性が不良であった。また比較例7では製膜時の冷却ロールに汚れとして帯電防止剤が付着し、生産性が著しく低下した。
[比較例8]〜[比較例9]
帯電防止剤の種類を、比較例8では、非イオン性界面活性剤であるグリセリンモノステアレートと4価ポリグリセリンモノステアレートの2成分系帯電防止剤に変更し、比較例9では、非イオン性界面活性剤であるグリセリンモノステアレートと4価ポリグリセリンモノステアレートとステアリルジエタノールアミンの3成分系帯電防止剤に変更した以外は、比較例5と全く同様にして単層フィルムを製造し、ラミネートフィルムを製造した。配合した帯電防止剤はいずれも、非イオン系のみの帯電防止剤であり、得られたラミネートフィルムはラミネート強度も帯電防止性も不良であった。
Figure 2007313737
本発明のシーラントフィルムを用いた帯電防止性ラミネートフィルムは、帯電防止性が求められる食品、医薬品の包装材、更に電子部品の包装材などとして好適に使用される。

Claims (6)

  1. 表面層がそれぞれポリオレフィン系重合体からなるヒートシール層(A)及びポリオレフィン系重合体からなる層(B)である共押出法による複合フィルムの、(B)層表面に大気雰囲気中でコロナ放電処理が施されたラミネート用シーラントフィルムであって、(A)層及び(B)層は、帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を含有し、(A)層中の帯電防止剤含有量は0.4〜1.5重量%であり、(B)層中の帯電防止剤含有量は(A)層中の含有量よりも少ない量であることを特徴とするラミネート用シーラントフィルム。
  2. (B)層中の帯電防止剤含有量が0.02〜0.7重量%かつ(A)層中の帯電防止剤含有量の50%以下であり、かつ、(A)層と(B)層のそれぞれの帯電防止剤含有量と厚みとから加重平均して得られる全フィルム中の帯電防止剤平均含有量が0.1〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1記載のラミネート用シーラントフィルム。
  3. 非イオン性界面活性剤が、4価又は5価のポリオールと炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル、又、有機スルホン酸塩が、アルキル基の
    炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラミネート用シーラントフィルム。
  4. (A)層を構成するポリオレフィン系重合体が、融点120〜130℃のエチレン−プロピレン−ブテン1共重合体であり、かつ、(B)層を構成するポリオレフィン系重合体が、融点130〜160℃のエチレン−プロピレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート用シーラントフィルム。
  5. 帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を0.4〜1.5重量%の量含有するポリオレフィン系重合体組成物(a)と、帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を前記組成物(a)よりも少ない量で含有するポリオレフィン系重合体組成物(b)とを、共押出しすることにより、前記組成物(a)からなるヒートシール層(A)と前記組成物(b)からなる(B)層との複合フィルムを製造した後、(B)層の表面に、大気雰囲気中でコロナ放電処理を行うことを特徴とするラミネート用シーラントフィルムの製造方法。
  6. 請求項1記載のシーラントフィルムのコロナ放電処理された(B)層表面にポリウレタン系接着剤を塗布した後、基材フィルムと重ねてドライラミネートすることを特徴とするラミネートフィルムの製造方法。
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