JP5030318B1 - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムであって、経時的に安定して優れた防曇性、層間接着性及び透明性を同時に有する積層フィルムを提供する
【解決手段】ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムにおいて、ポリオレフィン系多層フィルムとして、共押し出し法により成形されたものであって、且つポリウレタン系接着剤層と隣接する層の反対側の最外層として特定の非イオン界面活性剤と特定の有機スルホン酸塩とを所定割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物Aから形成されたポリオレフィン系フィルム層Aを有しており、またポリオレフィン系フィルム層Aよりも内側層として特定の非イオン界面活性剤を所定割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物Bから形成されたポリオレフィン系フィルム層Bを有していて、更にポリオレフィン系フィルム層Bよりも内側のポリウレタン系接着剤層と隣接する層としてポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系フィルム層Cを有するものを用いた。
【選択図】図1

Description

本発明は積層フィルムに関する。プラスチックフィルムは、食品包装をはじめ、様々なものの包装材料として広く使用されている。かかるプラスチックフィルムは、その用途に応じて複数の機能を同時に要求されるため、二つ以上の材質の異なるフィルムを貼り合わせた積層フィルムが主流となりつつある。本発明は、かかる積層フィルムのうちで、ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムの改良に関する。
従来、ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムとして、ポリオレフィン系多層フィルムが両最外層のフィルム層としてグリセリンモノ・ジステアレートとステアリン酸アマイドとを含有させたフィルム層を有するもの(例えば特許文献1参照)、ポリオレフィン系多層フィルムがポリウレタン系接着剤層と隣接していないフィルム層としてグリセリン脂肪酸エステルとイオン性界面活性剤とを含有させたフィルム層を有するもの(例えば特許文献2参照)、ポリオレフィン系多層フィルムがポリウレタン系接着剤層と隣接していないフィルム層として非イオン界面活性剤と有機スルホン酸塩とを含有させたフィルム層を有するもの(例えば特許文献3参照)、ポリオレフィン系多層フィルムがポリウレタン系接着剤層と隣接していないフィルム層及び中間層としてグリセリン脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪酸エステルを含有させた層を有するもの(例えば特許文献4参照)等が提案されている。
しかし、かかる従来の積層フィルムには、経時的にも安定な優れた防曇性、層間接着性及び透明性を同時に有することができないという問題がある。
特開平10−230575号公報 特開2006−281725号公報 特開2009−142997号公報 特開2004−160964号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムであって、経時的にも安定な優れた防曇性、層間接着性及び透明性を同時に有する積層フィルムを提供する処にある。
本発明者らは前記の課題を解決するべく検討した結果、ポリオレフィン系多層フィルムとして特定のものを用いた積層フィルムが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムであって、以下の条件1及び2を満足することを特徴とする積層フィルムに係る。
条件1:ポリオレフィン系多層フィルムが、共押し出し法により成形されたものであること。
条件2:ポリオレフィン系多層フィルムが、ポリウレタン系接着剤層と隣接する層の反対側の最外層として下記のポリオレフィン系樹脂組成物Aから形成されたポリオレフィン系フィルム層Aを有しており、またポリオレフィン系フィルム層Aよりも内側層として下記のポリオレフィン系樹脂組成物Bから形成されたポリオレフィン系フィルム層Bを有していて、更にポリオレフィン系フィルム層Bよりも内側のポリウレタン系接着剤層と隣接する層としてポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系フィルム層Cを有すること。
ポリオレフィン系樹脂組成物A:ポリオレフィン系樹脂に下記の非イオン界面活性剤Aと有機スルホン酸塩とを合計で0.05〜4質量%となるよう含有させ、且つ該非イオン界面活性剤A/該有機スルホン酸塩=30/70〜90/10(質量比)の割合となるよう含有させたもの
非イオン界面活性剤A:3〜6価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物、脂肪族炭化水素基の炭素数が8〜22であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミン及びアシル基の炭素数が8〜22であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミドから選ばれる一つ又は二つ以上
有機スルホン酸塩:アルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキル基の炭素数2〜22のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩及びアルキル基の炭素数2〜22の1,2−ビス(アルキルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる一つ又は二つ以上
ポリオレフィン系樹脂組成物B:ポリオレフィン系樹脂と下記の非イオン界面活性剤Bとのみからなり且つ該非イオン界面活性剤Bを0.05〜2質量%含有するもの
非イオン界面活性剤B:3〜12価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物であって且つ該部分エステル化合物の水酸基の価数が2〜11であるもの
本発明に係る積層フィルム(以下、本発明の積層フィルムという)は、ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムであって、且つ前記の条件1及び2を満足する積層フィルムである。
条件1は、ポリオレフィン系多層フィルムが、共押し出し法により成形されたものであることである。共押し出し法とは、2台以上の押し出し機を使用して可塑化した異種の樹脂を共通ダイに導き、ダイの内部又はダイの開口部において樹脂同士を接触させて2層以上の多層フィルムを1工程で製造する方法である。かかる成形方法としては、Tダイ法やインフレーション法等が挙げられる。ポリオレフィン系多層フィルムの成形方法、層数及び厚み等は特に制限されないが、層数は3〜5層とするのが好ましく、また厚みは通常10〜250μmとするが、15〜150μmとするのが好ましい。
条件2は、ポリオレフィン系多層フィルムが、ポリウレタン系接着剤層と隣接する層の反対側の最外層として下記のポリオレフィン系樹脂組成物Aから形成されたポリオレフィン系フィルム層Aを有しており、またポリオレフィン系フィルム層Aよりも内側の層として下記のポリオレフィン系樹脂組成物Bから形成されたポリオレフィン系フィルム層Bを有していて、更にポリオレフィン系フィルム層Bよりも内側のポリウレタン系接着剤層と隣接する層としてポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系フィルム層Cを有することである。
したがって本発明の積層フィルムには、ポリオレフィン系多層フィルムの構成によって、1)ポリオレフィン系フィルム層A、ポリオレフィン系フィルム層B、ポリオレフィン系フィルム層C、ポリウレタン系接着剤層及び基材フィルムがこの順で積層されたもの、2)ポリオレフィン系フィルム層A、他のポリオレフィン系フィルム層、ポリオレフィン系フィルム層B、ポリオレフィン系フィルム層C、ポリウレタン系接着剤層及び基材フィルムがこの順で積層されたもの、3)ポリオレフィン系フィルム層A、他のポリオレフィン系フィルム層、更に他のポリオレフィン系フィルム層、ポリオレフィン系フィルム層B、ポリオレフィン系フィルム層C、ポリウレタン系接着剤層及び基材フィルムがこの順で積層されたもの等が含まれる。
本発明の積層フィルムにおいて、ポリオレフィン系フィルム層Aを形成することとなるポリオレフィン系樹脂組成物Aは、ポリオレフィン系樹脂に前記の非イオン界面活性剤Aと有機スルホン酸塩とを合計で0.05〜4質量%となるよう含有させ、且つ該非イオン界面活性剤A/該有機スルホン酸塩=30/70〜90/10(質量比)の割合となるよう含有させたものであるが、なかでもポリオレフィン系樹脂に非イオン界面活性剤Aと有機スルホン酸塩とを合計で0.2〜3質量%となるよう含有させ、且つ該非イオン界面活性剤/該有機スルホン酸塩=40/60〜85/15(質量比)の割合となるよう含有させたものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物Aのベースとなるポリオレフィン系樹脂としては、1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン等の炭素数が2〜8のα−オレフィンから選ばれる一つから得られる、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン単独重合体、2)前記のような炭素数が2〜8のα−オレフィンから選ばれる二つ以上から得られる、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体等のα−オレフィン共重合体、3)エチレンと酢酸ビニルとから得られる共重合体等が挙げられるが、なかでも前記1)のα−オレフィン単独重合体、前記2)のα−オレフィン共重合体が好ましい。また前記2)のα−オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体であって、炭素数4〜8のα−オレフィンから形成された単位を3.5〜50質量%含有するものが好ましい。かかるα−オレフィン共重合体は、いずれも公知の高活性チーグラー触媒、メタロセン触媒等の均一系触媒を用い、気相法、溶液重合法等によって得られるものがより好ましく、密度が0.86〜0.94g/cmMFRが0.01〜20g/10分であるものが特に好ましい。以上例示したポリオレフィン系樹脂は、二つ以上のポリオレフィン系樹脂を混合して用いることもできる。尚、ポリオレフィン系樹脂それ自体については以下同様である。
ポリオレフィン系樹脂に含有させる前記の非イオン界面活性剤Aには、1)3〜6価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物、2)脂肪族炭化水素基の炭素数が8〜22であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミン、3)アシル基の炭素数が8〜22であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミド、4)以上の1)〜3)のうちでいずれか二つ以上の任意の混合物が含まれる。
非イオン界面活性剤Aについて前記した1)の部分エステル化合物において、原料となる3〜6価の脂肪族多価アルコールとしては、1)グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール、2)ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビタン、ジグリセリン、エチレングリコールジグリセリルエーテル等のテトラオール、3)トリグリセリン、トリメチロールプロパンジグリセリルエーテル等のペンタオール、4)ソルビトール、テトラグリセリン、ジペンタエリスリトール等のヘキサオール等が挙げられる。また他の原料となる炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸としては、オクタン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、テトラデセン酸、オクタデセン酸、エイコセン酸、イソオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸等が挙げられる。非イオン界面活性剤Aとしての部分エステル化合物は、以上説明した3〜6価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との適宜の組み合わせから得られるものであり、いずれの場合においても分子中に少なくとも1個の遊離の水酸基を有するものであるが、なかでも3価又は4価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステル化合物が好ましい。
また非イオン界面活性剤Aについて前記した2)のN,N−二置換脂肪族第3アミンとしては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)パルミチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベヘニルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エイコシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドコシルアミン等が挙げられるが、なかでも脂肪族炭化水素基の炭素数が12〜18であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミンが好ましい。
更に非イオン界面活性剤Aについて前記した3)のN,N−二置換脂肪族第3アミドとしては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクタンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)デカンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)テトラデカンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサデカンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクタデカンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エイコサンアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドコサンアミド等が挙げられるが、なかでもアシル基の炭素数が12〜18であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミドが好ましい。
非イオン界面活性剤Aとしては、以上説明したもののなかでも3価又は4価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物がより好ましい。かかる部分エステル化合物としては、ジグリセリン=モノステアラート、ジグリセリン=モノラウラート、ソルビタン=モノステアラート、グリセリン=モノステアラート等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂組成物Aに供する有機スルホン酸塩には、1)アルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、2)アルキル基の炭素数2〜22のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩、3)アルキル基の炭素数2〜22の1,2−ビス(アルキルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸アルカリ金属塩、4)以上の1)〜3)のうちでいずれか二つ以上の任意の混合物が含まれる。
有機スルホン酸塩について前記した1)のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸リチウム、オクタデシルスルホン酸リチウム、エイコシルスルホン酸カリウム、ドコシルスルホン酸カリウム等が挙げられるが、なかでもアルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩が好ましく、アルキル基の炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩がより好ましい。
また有機スルホン酸塩について前記した2)のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩としては、エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、プロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸カリウム、エイコシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられるが、なかでもアルキル基の炭素数8〜18のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩が好ましい。
更に有機スルホン酸塩について前記した3)の1,2−ビス(アルキルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸アルカリ金属塩としては、1,2−ビス(エチルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸エステルナトリウム、1,2−ビス(プロピルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸エステルナトリウム、1,2−ビス(オクチルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸エステルナトリウム、1,2−ビス(ドデシルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸エステルリチウム、1,2−ビス(エイコシルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸エステルリチウム等が挙げられるが、なかでもアルキル基の炭素数4〜18の1,2−ビス(アルキルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸アルカリ金属塩が好ましい。
有機スルホン酸塩としては、以上説明したもののなかでもアルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩が好ましく、アルキル基の炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩がより好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、ポリオレフィン系フィルム層Bを形成することとなるポリオレフィン樹脂組成物Bは、ポリオレフィン系樹脂と前記の非イオン界面活性剤Bとのみからなり且つ非イオン界面活性剤Bを0.05〜2質量%含有するものであるが、なかでも非イオン界面活性剤Bを0.05〜1質量%含有するものが好ましい。
前記の非イオン界面活性剤Bは、1)グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール、2)ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビタン、ジグリセリン、エチレングリコールジグリセリルエーテル等のテトラオール、3)トリグリセリン、トリメチロールプロパンジグリセリルエーテル等のペンタオール、4)ソルビトール、テトラグリセリン、ジペンタエリスリトール等のヘキサオール、更にはヘキサグリセリン、オクタグリセリン、デカグリセリン等、以上のような3〜12価の脂肪族多価アルコールと、オクタン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、テトラデセン酸、オクタデセン酸、エイコセン酸、イソオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸等の炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物であり、且つ該部分エステル化合物の水酸基の価数が2〜11であるものであるが、なかでも4〜6価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物であり、且つ該部分エステル化合物の水酸基の価数が3〜5のものが好ましい。
本発明の積層フィルムに供するポリオレフィン系多層フィルムは、ポリオレフィン系フィルム層Bよりも内側のポリウレタン系接着剤層と隣接する層としてポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系フィルム層Cを有するものである。
以上説明したポリオレフィン系樹脂組成物Aは公知の方法で調製できる。これには例えば、1 ) ポリオレフィン系樹脂と非イオン界面活性剤と有機スルホン酸とをタンブラーブレンダーやヘンシェルミキサー等の混合機に投入して混合した後、単軸押出し機や多軸押出し機等の押出し機により溶融混練しつつ造粒して、非イオン界面活性剤及び有機スルホン酸を高濃度に含有するマスターペレットを作製し、このマスターペレットを更にポリオレフィン系樹脂と所定割合で混合してポリオレフィン系樹脂組成物Aとする方法、2) ポリオレフィン系樹脂と非イオン界面活性剤と有機スルホン酸とを所定割合でタンブラーブレンダーやヘンシェルミキサー等の混合機に投入して混合した後、ニーダー、単軸押出し機、多軸押出し機等で溶融混練しつつ造粒して、ポリオレフィン系樹脂組成物Aとする方法等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂組成物Bも、同様に調製できるので、その説明を省略する。
本発明の積層フィルムに供するポリオレフィン系多層フィルムにおいて、それを構成するフィルム層には、本発明の効果を損なわない範囲内において、合目的的に他の剤を併用することができる。かかる他の剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、中和剤、滑剤、耐候剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤が挙げられるが、これらの他の剤の含有量は可及的に少量とするのが好ましい。
本発明の積層フィルムに供する基材フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム等が挙げられる。これらの基材フィルムは単層で用いられる場合もあれば、積層で用いられる場合もある。
本発明の積層フィルムに供するポリウレタン系接着剤層を形成することとなるポリウレタン系接着剤としては、1)主剤である水酸基含有化合物と硬化剤であるポリイソシアネートとの反応によりウレタン結合を形成して硬化する二液反応型接着剤、2)ポリウレタンプレポリマーを単独で使用し、空気中等の水分との反応により尿素結合を形成して硬化する一液反応型接着剤等が挙げられるが、市販のラミネート用接着剤を使用することもできる。かかるポリウレタン系接着剤に用いられる水酸基含有化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、及びポリウレタンポリオール等が挙げられる。またポリウレタン系接着剤に用いられるポリイソシアネートとしては、1)2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート化合物、2)ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物、3)イソホロンジイソシアネート等の脂環族系イソシアネート化合物、4)前記1)〜3)のイソシアネート化合物より誘導されるアダクト、ビューレット、イソシアヌレートが挙げられる。更にポリウレタン系接着剤に用いられるポリウレタンプレポリマーとしては、前記のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の水酸基含有化合物と、前記1)〜3)のイソシアネート化合物との反応物であるポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート、ポリエステルポリウレタンポリイソシアネート等が挙げられる。これらのうちで、特に主剤である水酸基含有化合物と硬化剤であるポリイソシアネートとの反応によりウレタン結合を形成し硬化する二液反応型接着剤が好ましい。
本発明の積層フィルムは、以上説明したようなポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層したものである。ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤により貼り合わせて積層する方法は特に制限されず、公知のラミネート法により行うことができる。これには例えば、基材フィルムにポリウレタン系接着剤を塗工量が0.1〜5g/m(固形分)となるよう塗布し、ポリオレフィン系多層フィルムとニップロールで貼り合せた後、30〜50℃で12〜60時間放置してポリウレタン系接着剤を硬化させる方法が挙げられる。
以上説明した本発明の積層フィルムには、経時的に安定して優れた防曇性、層間接着性及び透明性を同時に有するという効果がある。
本発明の積層フィルムを例示する部分断面図。 本発明の他の積層フィルムを例示する部分断面図。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
図1は本発明の積層フィルムを例示する部分断面図である。図1に例示した積層フィルムは、ポリオレフィン系多層フィルム11と基材フィルム31とをポリウレタン系接着剤層21を介して積層したものとなっている。この積層フィルムでは、ポリオレフィン系多層フィルム11は、ポリウレタン系接着剤層21と隣接していない最外層の11aで示されるポリオレフィン系フィルム層Aと、中間層の11bで示されるポリオレフィン系フィルム層Bと、ポリウレタン系接着剤層21と隣接している最内層の11cで示されるポリオレフィン系フィルム層Cとの合計3層を有し、前記の共押し出し法により成形されている。ポリオレフィン系フィルム層Aは前記のポリオレフィン系樹脂組成物Aから形成されており、ポリオレフィン系フィルム層Bは前記のポリオレフィン系樹脂組成物Bから形成されていて、ポリオレフィン系フィルム層Cは前記のポリオレフィン系樹脂から形成されている。
図2は本発明の他の積層フィルムを例示する部分断面図である。図2に例示した積層フィルムは、ポリオレフィン系多層フィルム12と基材フィルム32とをポリウレタン系接着剤層22を介して積層したものとなっている。この積層フィルムでは、ポリオレフィン系多層フィルム12は、ポリウレタン系接着剤層22と隣接していない最外層の12aで示されるポリオレフィン系フィルム層Aと、中間層の12bで示されるポリオレフィン系フィルム層Bと、ポリウレタン系接着剤層22と隣接している最内層の12cで示されるポリオレフィン系フィルム層Cとの3層に加え、12aで示されるポリオレフィン系フィルム層Aと12bで示されるポリオレフィン系フィルム層Bとの間に12dで示される他のポリオレフィン系フィルム層と、12eで示される更に他のポリオレフィン系フィルム層との2層を合わせた合計5層を有し、前記の共押し出し法により成形されている。ポリオレフィン系フィルム層Aは前記のポリオレフィン系樹脂組成物Aから形成されており、ポリオレフィン系フィルム層Bは前記のポリオレフィン系樹脂組成物Bから形成されていて、ポリオレフィン系フィルム層C、他のポリオレフィン系フィルム層及び更に他のポリオレフィン系フィルム層は前記のポリオレフィン系樹脂から形成されている。
試験区分1(積層フィルムの製造)
実施例1(ポリオレフィン系多層フィルムが3層フィルムである積層フィルムの製造)
図1に例示した積層フィルムを次のように製造した。基材フィルム(二軸延伸ポリエステルフィルム、厚さ100μm)に非溶剤型ポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製の脂肪族エーテル系接着剤、商品名エコアドEA−N416/商品名エコアドEA−N1=3/1(質量比)の混合物)を塗工量が固形分で1g/mとなるよう塗布し、乾燥した後、ポリオレフィン系3層フィルムとニップロールで貼り合せ、50℃で72時間放置し、ポリウレタン系接着剤を硬化させて製造した。ここで用いたポリオレフィン系3層フィルムは次のように作製した。エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.920g/cm、MFR2.1g/10分、エチレン共重合比率95%)90部、ジグリセリン=モノラウラート8部及びテトラデシルスルホン酸ナトリウム2部をタンブラーブレンダーに投入して、混合した後、更に二軸押出機により溶融混練して、マスターペレットを得た。このマスターペレット20部と前記のエチレン・1−ブテン共重合体80部をタンブラーブレンダーにて混合し、エチレン・1−ブテン共重合体にジグリセリン=モノラウラート/テトラデシルスルホン酸ナトリウム=80/20(質量比)のものを合計で2.0%となるよう含有させたポリオレフィン系フィルム層A用のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。同様にして、エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.920g/cm3、MFR2.1g/10分、エチレン共重合比率95%)90部、トリグリセリン=モノラウラート10部をタンブラーブレンダーに投入して、混合した後、更に二軸押出機により溶融混練して、マスターペレットを得た。このマスターペレット5部と前記のエチレン・1−ブテン共重合体95部をタンブラーブレンダーにて混合し、エチレン・1−ブテン共重合体にトリグリセリン=モノラウラートが0.5%となるよう含有させたポリオレフィン系フィルム層B用のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。ポリオレフィン系フィルム層C用のポリオレフィン系樹脂としては、前記のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。これらのポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂を用いてTダイ法により成形し、厚さ50μmのポリオレフィン系3層フィルム(各フィルム層の厚さの比は、ポリオレフィン系フィルム層A/ポリオレフィン系フィルム層B/ポリオレフィン系フィルム層C=1/2/2)を得た。
実施例2〜23及び比較例1〜17(ポリオレフィン系多層フィルムが3層フィルムである積層フィルムの製造)
実施例1と同様にして、実施例2〜23及び比較例1〜17の積層フィルムを製造した。尚、これらの各例において、溶剤型のポリウレタン系接着剤としては、三井化学社製の脂肪族エーテル系接着剤、商品名タケラックA−969V/商品名タケネートA−5=3/1(質量比)の混合物を用い、酢酸エチルで固形分濃度20%に調製したものを塗工量が固形分で4g/mとなるよう塗布し、乾燥した。実施例1も含め各例の積層フィルムの内容を表1にまとめて示した。
実施例24(ポリオレフィン系多層フィルムが5層フィルムである積層フィルムの製造)
図2に例示した積層フィルムを次のように製造した。基材フィルム(二軸延伸ポリエステルフィルム、厚さ100μm)に非溶剤型ポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製の脂肪族エーテル系接着剤、商品名エコアドEA−N416/商品名エコアドEA−N1=3/1(質量比)の混合物)を塗工量が固形分で1g/mとなるよう塗布し、乾燥した後、ポリオレフィン系5層フィルムとニップロールで貼り合せ、50℃で72時間放置し、ポリウレタン系接着剤を硬化させて製造した。ここで用いたポリオレフィン系5層フィルムは次のように作製した。エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.920g/cm、MFR2.1g/10分、エチレン共重合比率95%)90部、ジグリセリン=モノラウラート8部及びテトラデシルスルホン酸ナトリウム2部をタンブラーブレンダーに投入して、混合した後、更に二軸押出機により溶融混練して、マスターペレットを得た。このマスターペレット20部と前記のエチレン・1−ブテン共重合体80部をタンブラーブレンダーにて混合し、エチレン・1−ブテン共重合体にジグリセリン=モノラウラート/テトラデシルスルホン酸ナトリウム=80/20(質量比)のものを合計で2.0%となるよう含有させたポリオレフィン系フィルム層A用のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。同様にして、エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.920g/cm、MFR2.1g/10分、エチレン共重合比率95%)90部、トリグリセリン=モノラウラート10部をタンブラーブレンダーに投入して、混合した後、更に二軸押出機により溶融混練して、マスターペレットを得た。このマスターペレット5部と前記のエチレン・1−ブテン共重合体95部をタンブラーブレンダーにて混合し、エチレン・1−ブテン共重合体にトリグリセリン=モノラウラートが0.5%となるよう含有させたポリオレフィン系フィルム層B用のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。他のポリオレフィン系フィルム層、更に他のポリオレフィン系フィルム層及びポリオレフィン系フィルム層C用のポリオレフィン系樹脂としては、前記のエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。これらのポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂を用いてTダイ法により成形し、厚さ50μmのポリオレフィン系5層フィルム(各フィルム層の厚さの比は、ポリオレフィン系フィルム層A/他のポリオレフィン系フィルム層/更に他のポリオレフィン系フィルム層/ポリオレフィン系フィルム層B/ポリオレフィン系フィルム層C=1/1/1/2/2)を得た。
実施例25〜46及び比較例18〜34(ポリオレフィン系多層フィルムが5層フィルムである積層フィルムの製造)
実施例24と同様にして、実施例25〜46及び比較例18〜34の積層フィルムを製造した。尚、これらの各例において、溶剤型のポリウレタン系接着剤としては、三井化学社製の脂肪族エーテル系接着剤、商品名タケラックA−969V/商品名タケネートA−5=3/1(質量比)の混合物を用い、酢酸エチルで固形分濃度20%に調製したものを塗工量が固形分で4g/mとなるよう塗布し、乾燥した。実施例24も含め各例の積層フィルムの内容を表2にまとめて示した。








































Figure 0005030318




Figure 0005030318
表1及び表2において、
非イオン界面活性剤Aの種類:表3に記載したもの
有機スルホン酸塩の種類:表4に記載したもの
非イオン界面活性剤Bの種類:表5に記載したもの
EB:エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.920g/cm、MFR2.1g/10分、エチレン共重合比率95%)
P:二軸延伸ポリエステルフィルム、厚さ100μm
NS:非溶剤型ポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製の脂肪族エーテル系接着剤、商品名エコアドEA−N416/商品名エコアドEA−N1=3/1(質量比)の混合物)
S:溶剤型ポリウレタン系接着剤(三井化学社製の脂肪族エーテル系接着剤、商品名タケラックA−969V/商品名タケネートA−5=3/1(質量比)の混合物を、酢酸エチルで固形分濃度20%に調製したもの)
Figure 0005030318



















Figure 0005030318

























Figure 0005030318
試験区分2(積層フィルムの評価)
試験区分1で製造した各例の積層フィルムについて、樹脂混練性、防曇性、ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとの接着強度及び透明性を下記の方法で評価した。結果を表6及び表7にまとめて示した。
・樹脂混練性
各例の積層フィルムについて、ポリオレフィン系多層フィルムをTダイ法により成形する際に、一定回転数での吐出量を測定し、エチレン・1−ブテン共重合体とマスターペレットとの樹脂混練性を下記の基準で評価した。
評価基準
◎:エチレン・1−ブテン共重合体のみの場合と同等量の吐出量。
○:エチレン・1−ブテン共重合体とマスターペレットとは相溶していて、吐出量にややムラがあるが、大きく厚み変動が起こらないレベル。
△:エチレン・1−ブテン共重合体とマスターペレットとは相溶しているが、吐出量にムラがあり、大きく厚み変動が起こる。
×:エチレン・1−ブテン共重合体とマスターペレットとが相溶せず、製膜不可能
・防曇性
各例の積層フィルムを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、20℃の水を入れたビーカーにポリオレフィン系多層フィルム側がビーカーの内面となるように被せ、5℃の雰囲気に1時間放置後、積層フィルムへの水滴の付着程度を観察し、下記の基準で評価した。また経時安定性の評価として、35℃で相対湿度65%の条件下に8週間保管したものについても同様の試験を行い、下記の基準で評価した。
評価基準
<1日後>
◎:水滴が無く透明で、防曇性が優れている。
○:大きな水滴があるが透明で、防曇性が良好である。
△:水滴がありやや不透明で、防曇性が劣っている。
×:小さな水滴があり不透明で、防曇性が著しく劣り実用的でない。
<経時安定性>
1日目の評価で△又は×で防曇性能を満足できなかった積層フィルムについては、この評価は行わなかった。
◎:1日後の評価基準で、1日後に◎の評価であり且つ8週間後にも◎の評価であるか又は1日後に○の評価であり且つ8週間後にも○の評価であって、極めて高い防曇安定性である。
○:1日後の評価基準で、1日後に◎の評価であり且つ8週間後に○の評価であるか又は1日後に○の評価であり且つ8週間後に△の評価であって、若干の低下は認められたものの良好な防曇安定性である。
×:1日後の評価基準で、1日後に◎の評価であるが8週間後に△又は×の評価になっているか又は1日後に○の評価であるが8週間後に×の評価になっていて、防曇安定性が悪い。
・接着強度
各例の積層フィルムを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、引っ張り試験測定装置(島津製作所製の商品名オートグラフAG−G)でT字型剥離強度(幅15mm)を測定して、下記の基準で評価した。経時評価として、35℃で相対湿度65%の条件下に4週間又は8週間保管したものについても同様の評価を行なった。
評価基準
◎:剥離強度が300g/15mm以上で、接着強度が優れている。
○:剥離強度が200g/15mm以上300g/15mm未満で、接着強度が良好である。
△:剥離強度が100g/15mm以上200g/15mm未満で接着強度が劣っている。
×:剥離強度が100g/15mm未満で接着強度が著しく劣っている。
・透明性
各例の積層フィルムを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、ヘイズを測定し、下記の基準で評価した。経日測定として、35℃で相対湿度65%の条件下に4週間又は8週間保管したものについても同様の評価を行った。
評価基準
◎:ヘイズが5%未満で、透明性が優れている。
○:ヘイズが5%以上10%未満で、透明性が良好である。
△:ヘイズが10%以上15%未満で、透明性が劣っている。
×:ヘイズが15%以上で、透明性が著しく劣っている。

Figure 0005030318










Figure 0005030318
表1及び表2に対応する表6及び表7の評価結果からも明らかなように、本発明の積層フィルムによれば、製造直後から優れた防曇性能を発揮しつつ、その防曇性能が継続的に維持されて低下せず、また積層フィルムとして良好な樹脂混練性、経時的にも安定な強い接着強度及び高い透明性を同時に満足することができる。
11,12 ポリオレフィン系多層フィルム
21,22 ポリウレタン系接着剤層
31,32 基材フィルム
11a,12a ポリオレフィン系フィルム層A
11b,12b ポリオレフィン系フィルム層B
11c,12c ポリオレフィン系フィルム層C
12d 他のポリオレフィン系フィルム層
12e 更に他のポリオレフィン系フィルム層

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系多層フィルムと基材フィルムとをポリウレタン系接着剤層を介して積層した積層フィルムであって、以下の条件1及び条件2を満足することを特徴とする積層フィルム。
    条件1:ポリオレフィン系多層フィルムが、共押し出し法により成形されたものであること。
    条件2:ポリオレフィン系多層フィルムが、ポリウレタン系接着剤層と隣接する層の反対側の最外層として下記のポリオレフィン系樹脂組成物Aから形成されたポリオレフィン系フィルム層Aを有しており、またポリオレフィン系フィルム層Aよりも内側層として下記のポリオレフィン系樹脂組成物Bから形成されたポリオレフィン系フィルム層Bを有していて、更にポリオレフィン系フィルム層Bよりも内側のポリウレタン系接着剤層と隣接する層としてポリオレフィン系樹脂から形成されたポリオレフィン系フィルム層Cを有すること。
    ポリオレフィン系樹脂組成物A:ポリオレフィン系樹脂に下記の非イオン界面活性剤Aと有機スルホン酸塩とを合計で0.05〜4質量%となるよう含有させ、且つ該非イオン界面活性剤A/該有機スルホン酸塩=30/70〜90/10(質量比)の割合となるよう含有させたもの
    非イオン界面活性剤A:3〜6価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物、脂肪族炭化水素基の炭素数が8〜22であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミン及びアシル基の炭素数が8〜22であって且つ置換基が2−ヒドロキシエチル基であるN,N−二置換脂肪族第3アミドから選ばれる一つ又は二つ以上
    有機スルホン酸塩:アルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキル基の炭素数2〜22のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩及びアルキル基の炭素数2〜22の1,2−ビス(アルキルオキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる一つ又は二つ以上
    ポリオレフィン系樹脂組成物B:ポリオレフィン系樹脂と下記の非イオン界面活性剤Bとのみからなり且つ該非イオン界面活性剤Bを0.05〜2質量%含有するもの
    非イオン界面活性剤B:3〜12価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物であり、且つ該部分エステル化合物の水酸基の価数が2〜11であるもの
  2. 非イオン界面活性剤Aが、3価又は4価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物である請求項1記載の積層フィルム。
  3. 有機スルホン酸塩が、アルキル基の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩である請求項1又は2記載の積層フィルム。
  4. 有機スルホン酸塩が、アルキル基の炭素数が12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩である請求項1〜3のいずれか一つの項記載の積層フィルム。
  5. ポリオレフィン系樹脂組成物Aが、ポリオレフィン系樹脂に非イオン界面活性剤Aと有機スルホン酸塩とを合計で0.2〜3質量%となるよう含有させ、且つ該非イオン界面活性剤/該有機スルホン酸塩=40/60〜85/15(質量比)の割合となるよう含有させたものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の積層フィルム。
  6. 非イオン界面活性剤Bが、4〜6価の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物であり、且つ該部分エステル化合物の水酸基の価数が3〜5のものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載の積層フィルム。
  7. ポリオレフィン系樹脂組成物Bが、非イオン界面活性剤Bを0.05〜1質量%含有するものである請求項1〜6のいずれか一つの項記載の積層フィルム。
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