JP6834705B2 - 積層体、その製造方法およびこの積層体から成る包装材料 - Google Patents
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Description
しかし、いずれの手法も耐油性、易開封性は優れるものの製袋適性に劣るため、生産性に劣っていた。
(ii)JIS K6922−1(1997年)により測定した測定されたメルトマスフローレート(MFR)が2g/10分以上30g/10分以下
(iii)表面酸化度が0.02以下
(iv)厚みが5μm以上25μm以下
(v)厚みが0.01μm以上3.0μm以下
(vi)JIS K7121に基づき測定されたガラス転移点が−30℃以上+10℃
(vii)20℃の貯蔵弾性率E’が1.0×106Pa以上2.5×107Pa以下
また、上記積層体からなる包装材料に関するものである。
溶解度パラメーターの算出方法および各構造のeiおよびviは、井本稔著「接着の基礎理論」P91−93(高分子刊行会出版、1993年)やR.F.Frdors,Polymer Engineering & Science,Vol.14,P147−154(Wiley出版、1974年)などに記載されている。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)ガラス転移点(Tg)
TgはJIS K7122(1987年)に準拠して測定した。
(4)貯蔵弾性率(E’)
E’は、(株)ユービーエム製Rheogel E4000を用い、引張モードで測定した。周波数を10Hzとし、−100〜200℃の範囲で測定し、貯蔵弾性率を求めた。
(5)表面酸化度
赤外分光光度計(日本分光(株)製 IRT−3000/FTIR−4100)を用い、実施例により得られた積層体の(A)層表面をATR法で測定し、吸光度スペクトルを得た。得られた吸光度スペクトルのうち、1700〜1750cm−1付近にあるカルボニル基由来の吸光ピークの高さHC=Oと1471cm−1付近にあるメチレン基由来の吸光ピークの高さHCH2の比HC=O/HCH2を表面酸化度の値とした。なお、検出下限が0.01のため、0.01未満は0.01<と表記した。
(6)ホットタック性
実施例により得られた積層体をホットタックテスター(テスター産業(株)製 TP701)を用いて、30mm幅に切り出し積層体の(A)層面が内側で接するように2枚を重ね、シール温度140℃、両面加熱、エアー圧力0.2MPa、シール時間0.3秒の条件で幅10mm、長さ300mmのシールバーでヒートシールを行った0.8秒後に、積層体の端につけた錘の荷重(各15g)でT剥離を行った。ホットタック性は、シール部分のうち剥離した距離で評価した。剥離距離が短いほど製袋適性が良好であり、20mm以上であれば×、15mm以上20mm未満であれば△、10mm以上15mm未満であれば○、10mm未満を◎とした。なお、剥離距離が20mm未満であれば良好と評価した。
(7)易開封性
実施例より得られた積層体をホットタックテスター(テスター産業(株)製 TP701)を用い、シール温度140℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒にて上下加熱でヒートシールし、100cm2のピロー袋を作成した。このピロー袋を用い、引張試験機(ORIENTEC製 テンシロンRTE−1210)により、300mm/分の引張速度にて、ピロー袋の開封を行い開封強度を測定した。また剥離外観は、積層体に破れがないか有無を確認した。
(8)破袋強度
実施例より得られた積層体をホットタックテスター(テスター産業(株)製 TP701)を用い、シール温度140℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒にて上下加熱でヒートシールし100cm2のピロー袋を作成した。このピロー袋を用い、ピロー袋内に注射針を用いてエアーを0.75L/分の速度で注入し、破袋時の最大圧力を計測した。なお、測定方法はJIS Z 0238に準拠した。
(A)層のポリオレフィン(A1)として、MFRが20g/10分、密度が964kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000)(C1)とMFRが2.0g/10分、密度936kg/m3であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロン−ZZF260)(D1)とMFRが24g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン202K)(E1)とSP値が10.2である酸化防止剤(住友化学(株)製、商品名スミライザーGP)(F1)を30/10/60/0.050重量部の割合でドライブレンドし、50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度180℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとした。このポリオレフィン(A1)のMFR、密度は各々18g/10分、934kg/m3であった。
(A)層のポリオレフィン(A2)として、高密度ポリエチレン(C1)とエチレン・1−ヘキセン共重合体(D1)とMFRが13g/10分、密度が918kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン212)(E2)と酸化防止剤(F1)を35/10/55/0.050重量部の割合でドライブレンドした以外は(A1)の製造例と同様の方法で製造した。このポリオレフィン(A2)のMFR、密度は各々13g/10分、936kg/m3であった。
(A)層のポリオレフィン(A3)として、高密度ポリエチレン(C1)とエチレン・1−ヘキセン共重合体(D1)とMFRが8.0g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン203)(E3)と酸化防止剤(F1)を35/10/55/0.050重量部の割合でドライブレンドした以外は(A1)の製造例と同様の方法で製造した。このポリオレフィン(A3)のMFR、密度は各々10g/10分、936kg/m3であった。
(A)層のポリオレフィン(A4)として、高密度ポリエチレン(C1)とエチレン・1−ヘキセン共重合体(D1)とMFRが4.5g/10分、密度が923kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン217−1)(E4)と酸化防止剤(F1)を30/10/60/0.050重量部の割合でドライブレンドした以外は(A1)の製造例と同様の方法で製造した。このポリオレフィン(A4)のMFR、密度は各々6.5g/10分、937kg/m3であった。
(A)層のポリオレフィン(A5)として、酸化防止剤(F1)の代わりにSP値が9.6である酸化防止剤(BASFジャパン(株)製、商品名イルガノックス1076)(F2)を添加した以外は(A1)の製造例と同様の方法で製造した。このポリオレフィン(A5)のMFR、密度は各々18g/10分、934kg/m3であった。
(A)層のポリオレフィン(A6)として、酸化防止剤(F1)を添加しなかった以外は(A1)の製造例と同様の方法で製造した。このポリオレフィン(A6)のMFR、密度は各々18g/10分、934kg/m3であった。
(A)層のポリオレフィン(A7)として、高密度ポリエチレン(C1)とエチレン・1−ヘキセン共重合体(D1)とMFRが70g/10分、密度が916kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン249)(E4)と酸化防止剤(F1)を20/10/70/0.050重量部の割合でドライブレンドした以外は(A1)の製造例と同様の方法で製造した。このポリオレフィン(A4)のMFR、密度は各々38g/10分、928kg/m3であった。
(A)層としてポリオレフィン(A1)を用い、90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター((株)ムサシノキカイ製)へ供給し、基材の引取速度を100m/分として、開口幅を600mmとしたTダイより307℃の温度で押出し、(C)層として第一給紙部から繰り出した二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名東洋紡エステルフィルムE−5100、厚み25μm、以下、PET)(C1)のコロナ処理面に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤層(B1)として以下に示す比率で配合した接着剤を塗布し溶剤を乾燥した上にポリオレフィン(A1)が20μmの厚さになるように押出ラミネートしたラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートHL)を重量比100/5で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を7%となるように希釈した。
(A)層を形成するときのポリオレフィン(A1)の樹脂温度を295℃とし、押出し層とした直後に、該層の基材接着面にフィルム1m2当り20mgのオゾン気体に曝した以外は、実施例1と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
(A)層の樹脂として、ポリオレフィン(A2)を使用した以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
(A)層の樹脂として、ポリオレフィン(A3)を使用した以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
(A)層の樹脂として、ポリオレフィン(A4)を使用した以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
(A)層の樹脂として、ポリオレフィン(A5)を使用した以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
(A)層の樹脂として、ポリオレフィン(A6)を使用した以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例8
(A)層を形成するときにオゾン気体に晒さなかったこと以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
(A)層を形成するときの樹脂温度を320℃とした以外は、実施例1と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。ホットタック性に劣っていた。
(A)層を形成するときの樹脂温度を320℃とした以外は、実施例3と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。ホットタック性に劣っていた。
(A)層を形成するときの樹脂温度を320℃とした以外は、実施例4と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。ホットタック性に劣っていた。
(A)層を形成するときの樹脂温度を320℃とした以外は、実施例5と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。ホットタック性に劣っていた。
(A)層を形成するときの樹脂温度を320℃とした以外は、実施例6と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。ホットタック性に劣っていた。
(A)層を形成するときの樹脂温度を320℃とした以外は、実施例7と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って、ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。ホットタック性に劣っていた。
(A)層の樹脂として、ポリオレフィン(A7)を使用した以外は、実施例2と同様の手法によりラミネートフィルムを得た。ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。(A)層の成膜時にラミ厚みが安定せず、ラミネートフィルムの評価ができなかった。
(C1)のコロナ処理面に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤層(B2)として以下に示す比率で配合した接着剤を塗布した以外は、実施例2と同様の手法によりよりラミネートフィルムを得た。ホットタック性、開封強度、開封外観、剥離外観を評価した。結果を表3に示す。開封外観に劣っていた。
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートHL)を重量比100/15で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を7%となるように希釈した。
Claims (7)
- 少なくとも(A)層、(B)層、(C)層の順に積層された3層から構成され、(A)
層が下記要件(i)から(iv)を満たすポリオレフィン(a)及び溶解度パラメーターが10.0以上の酸化防止剤からなる層、(B)層が下記要件(v)から(vii)を満たす接着剤(b)からなる層、(C)層が少なくとも1層以上の基材からなる層であることを特徴とする積層体。
(i)JISK6922−1(1997年)により測定した測定された密度が900kg/m3以上970kg/m3以下
(ii)JISK6922−1(1997年)により測定した測定されたメルトマスフローレート(MFR)が2g/10分以上30g/10分以下
(iii)表面酸化度が0.02以下
(iv)厚みが5μm以上25μm以下
(v)厚みが0.01μm以上3.0μm以下
(vi)JISK7121に基づき測定されたガラス転移点が−30℃〜+10℃
(vii)20℃の貯蔵弾性率E’が1.0×106Pa以上2.5×107Pa以下 - ポリオレフィン(a)が、密度が940kg/m3以上980kg/m3以下である高密度ポリエチレン(c)を10重量部以上70重量部以下、密度が940kg/m3未満であるエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体(以下、エチレン・α−オレフィン共重合体(d)という。)を5重量部以上80重量部以下、高圧法低密度ポリエチレン(e)が10重量部以上85重量部以下((c)と(d)と(e)の合計は100重量部)を含むエチレン系樹脂組成物(f)であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- ポリオレフィン(a)100重量部に対し、酸化防止剤を0.010重量部以上、0.20重量部以下含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層体。
- 前記(A)層が、(C)層上に(B)層を介し押出ラミネート法により形成され、(A)層を形成するときのポリオレフィン(a)の樹脂温度が240℃以上310℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- (A)層を形成するときに、ダイから押し出されたポリオレフィン(a)からなる溶融フィルム1m2当り0.5mg以上100mg以下のオゾンを吹き付けることを特徴とする請求項4に記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体からなる包装材料。
- 油脂成分含有内容物の包装用であることを特徴とする請求項6に記載の包装材料。
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