JP6528487B2 - 易開封性包装材料 - Google Patents
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Description
(a)JIS K6922−1に基づき測定された密度が915〜947kg/m3
(b)JIS K6922−1に基づき測定されたメルトマスフローレートが2〜30g/10分
(c)膜厚が0.01〜1.0μm
(d)JIS K7121に基づき測定されたガラス転移点が−30〜+10℃
(e)20℃の貯蔵弾性率E’が1.0×106〜2.5×107Pa
以下に本発明を詳細に説明する。
このような直鎖状エチレン単独重合体(1)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(2)の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン−L、ニポロン−Zの商品名で各々市販されている。また、高圧法低密度ポリエチレン(3)の製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。
このようなポリエチレンは1種単独又は2種以上の組合せで用いてもよい。中でも、耐油性の観点から直鎖状エチレン単独重合体(1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(2)、又は高圧法低密度ポリエチレン(3)が好ましく、これらを2種以上配合した組成物が押出ラミネート加工性にも優れるため最も好ましい。
また、本発明の(B)層を構成するエチレン系重合体(B)を150mm×150mm×1mmのサイズでプレス成形した成形品(約20g)を60℃の食用油(サラダ油)に24時間浸漬後の重量変化率が1.2%以下であると、被包装物に含まれる食用油によるデラミネーションが生じにくくなるため好ましい。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR−P)
JIS K7210(1997年)に準拠して測定した。
(3)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(4)ガラス転移点
ガラス転移点は、セイコー電子社製DSC200を用い、窒素気流下で行った。すなわち2液硬化型ポリウレタン接着剤の硬化物10mgを用い、昇温速度10℃/分で−100℃から100℃までDSC測定を行い、ガラス転移点を求めた。
(5)貯蔵弾性率
貯蔵弾性率は、株式会社ユービーエム製Rheogel E4000を用い、引張モードで測定した。
周波数を10Hzとし、−100〜200℃の範囲で測定し、貯蔵弾性率を求めた。
(6)開封強度
実施例より得られた(A)層/(B)層/(C)層/(D)層の4層の順に構成された積層体をテスター産業(株)製ホットタックテスターを用い、シール温度140℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒にて上下加熱でヒートシールし 100cm2のピロー袋を作成した後、引張試験機(ORIENTEC製 テンシロンRTE−1210)を用い、300mm/分の引張速度にて、ピロー袋の開封を行い開封強度を測定した。また剥離外観は、積層体に破れがないか有無を確認した。
(7)耐油性
ペレット約20gを神藤工業(株)製50t自動プレス機を用いてプレス成形した。成形品のサイズは150mm×150mm×1mmとした。得られた成形品を60℃のサラダ油(商品名:日清サラダオイル)中に24時間浸漬し、浸漬前後での重量変化率を調査した。
(8)成形性
押出ラミネート時において、膜切れや大きな幅変動などの成形不良が起こらず、安定したラミネートフィルムが得られるどうか確認した。
(B)層のエチレン系重合体(B−1)として、メルトマスフローレート20g/10分、密度964kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000)とメルトマスフローレート3g/10分、密度924kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン205)を重量比25/75の割合でドライブレンドし、50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度180℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとした。このエチレン系重合体(B−1)のMFR、密度および耐油性を評価した。結果を表1に示す。
(B)層のエチレン系重合体(B−2)として、メルトマスフローレート20g/10分、密度964kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000)とメルトマスフローレート13g/10分、密度919kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン212)を重量比33/67の割合でドライブレンドした以外は(B−1)の製造例と同様の方法で製造した。このエチレン系重合体(B−2)のMFR、密度、耐油性を評価した。結果を表1に示す。
(B)層のエチレン系重合体(B−3)として、メルトマスフローレート8g/10分、密度920kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロン−L M55)とメルトマスフローレート8g/10分、密度918kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン918)を重量比70/30の割合でドライブレンドした以外は(B−1)の製造例と同様の方法で製造した。このエチレン系重合体(B−3)のMFR、密度、耐油性を評価した。結果を表1に示す。
(B)層のエチレン系重合体(B−4)として、メルトマスフローレート20g/10分、密度964kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000)とメルトマスフローレート3g/10分、密度924kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン205)を重量比65/35の割合ドライブレンドした以外は(B−1)の製造例と同様の方法で製造した。このエチレン系重合体(B−4)のMFR、密度、耐油性を評価した。結果を表1に示す。
(B)層のエチレン系重合体(B−5)として、メルトマスフローレート20g/10分、密度964kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000)とメルトマスフローレート45g/10分、密度924kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン209)を重量比25/75の割合ドライブレンドした以外は(B−1)の製造例と同様の方法で製造した。このポエチレン系重合体(B−5)のMFR、密度、耐油性を評価した。結果を表1に示す。
(B)層のエチレン系重合体(B−6)として、メルトマスフローレート21g/10分、密度911kg/m3のエチレン・α−オレフィン共重合体(東ソー(株)製、商品名ペトロセンHL610K)を用い、このエチレン系重合体(B−6)のMFR、密度、耐油性を評価した。結果を表1に示す。
まず、プロピレン重合体(A)として、メルトマスフローレート20g/10分、密度900kg/m3のプロピレン重合体(日本ポリプロ(株)製、商品名ノバテックPP FL02A、以下、PP−1と記す場合がある)を直径65mmφのスクリューを有する単軸押出機(ムサシノキカイ(株)製)へ、エチレン系重合体(B−1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出機(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、基材の引取速度を100m/分として、開口幅を600mmとしたTダイより320℃の温度で押出し、(D)層として第一給紙部から繰り出した二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名東洋紡エステルフィルムE−5100、厚み25μm、以下、PETと記す場合がある)のコロナ処理面に、(C)層の接着剤として以下に示す比率で配合した接着剤(C)を塗布し溶剤を乾燥した上にエチレン系重合体(B−1)が10μm、プロピレン重合体(A)が15μmの厚さになるように押出ラミネートしたラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムを使って開封強度、剥離外観を評価した。結果を表2に示す。
接着剤(C):
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートHL)を重量比100/10で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を7%となるように希釈した。
接着剤(C)として以下に示す比率で配合した接着剤を用いた以外は実施例1と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表2に示す。
接着剤(C):
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートHL)を重量比100/5で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を7%となるように希釈した。
(B)層としてエチレン系重合体(B−2)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表2に示す。
プロピレン重合体(A)として、メルトマスフローレート26g/10分、密度900kg/m3のプロピレン重合体(日本ポリプロ(株)製、商品名ノバテックPP FL03H、以下、PP−2と記す場合がある)を用いた以外は、実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表2に示す。
(B)層としてエチレン系重合体(B−3)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表2に示す。
接着剤(C)として以下に示す比率で配合した接着剤を用いた以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表1に示す。
接着剤(C):
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートHL)を重量比100/5で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を12%となるように希釈した。
(D)層として第一給紙部から繰り出したアルミ蒸着ポリエステルフィルム((株)麗光製、商品名ダイアラスターST、厚み12μm、以下、VM−PETと記す場合がある)を用いた以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表2に示す。
(D)層として第一給紙部から繰り出したナイロンフィルム(東洋紡績(株)製 商品名東洋紡ハーデンフィルムN−1100、厚み25μm、以下、Amideと記す場合がある)を用いた以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価した。結果を表2に示す。
接着剤として以下に示す比率で配合した接着剤を用いた以外は実施例1と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価したが、開封強度が高く、剥離外観に劣った。結果を表2に示す。
接着剤(B):
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートL)を重量比100/5で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を12%となるように希釈した。
接着剤として以下に示す比率で配合した接着剤を用いた以外は実施例1と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価したが、開封強度が高く、剥離外観に劣った。結果を表2に示す。
接着剤(B):
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(東ソー(株)製、商品名ニッポラン3228)とポリイソシアネート(東ソー(株)製、商品名コロネートL)を重量比100/10で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を7%となるように希釈した。
接着剤として以下に示す比率で配合した接着剤を用いた以外は実施例4と同様の方法でラミネートフィルムを作成し、得られたラミネートフィルムの物性を評価したが、開封強度が高く、剥離外観に劣った。結果を表2に示す。
接着剤(B):
ポリウレタン系接着剤(三井化学(株)製、商品名タケラックA3210)とイソシアネート系硬化剤(三井化学(株)製、商品名タケネートA3072)を重量比3/1で混合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を7%となるように希釈した。
(B)層としてエチレン系重合体(B−4)を用いた以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成しようと試みたが、安定したラミネートフィルムが得られなかった。結果を表2に示す。
(B)層としてエチレン系重合体(B−5)を用いた以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成しようと試みたが、安定したラミネートフィルムが得られなかった。結果を表2に示す。
(B)層としてエチレン系重合体(B−6)を用いた以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルムを作成しようと試みたが、安定したラミネートフィルムが得られなかった。結果を表2に示す。
Claims (12)
- 少なくとも(A)層、(B)層、(C)層、(D)層の順に4層から構成され、(A)層がプロピレン系重合体、(B)層が下記要件(a)及び(b)を満たすエチレン系重合体、(C)層が下記要件(c)〜(e)を満たす接着剤、(D)層が少なくとも1層以上の基材からなることを特徴とする易開封性包装材料。
(a)JIS K6922−1に基づき測定された密度が915〜947kg/m3
(b)JIS K6922−1に基づき測定されたメルトマスフローレートが2〜30g/10分
(c)膜厚が0.01〜1.0μm
(d)JIS K7121に基づき測定されたガラス転移点が−30〜+10℃
(e)20℃の貯蔵弾性率E’が1.0×106〜2.5×107Pa - 前記(A)層および(B)層が、(D)層上に(C)層を介し共押出ラミネート成形により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装材料。
- 前記(A)層のプロピレン重合体がプロピレンホモポリマー、エチレンが共重合されたランダムポリプロピレン、エチレンが共重合されたブロックポリプロピレン、エチレンと1−ブテンが共重合されたポリプロピレンターポリマー、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン及び長鎖分岐ポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の易開封性包装材料。
- 前記(B)層のエチレン系重合体が高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、直鎖状高密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体アイオノマー及び無水マレイン酸変性ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の易開封性包装材料。
- 前記(C)層の接着剤が、主剤であるポリオール成分と硬化剤であるイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン接着剤であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の易開封性包装材料。
- 前記イソシアネート成分が脂肪族系イソシアネートから成ることを特徴とする請求項5に記載の易開封性包装材料。
- 前記ポリオール成分の水酸基数(OH)と前記イソシアネート成分のイソシアネート基数の比(NCO/OH)が0.5〜2.5であることを特徴とする請求項5又は6に記載の易開封性材料。
- 前記(D)層の基材が、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物及びポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一項に記載の易開封性包装材料。
- 前記(D)層の基材が、アルミニウム、アルミナ、シリカの金属または金属酸化物からなる蒸着薄膜を有する少なくとも1種の蒸着フィルムであることを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項に記載の易開封性包装材料。
- 前記(D)層の基材がアルミニウム蒸着層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムまたはポリアミドフィルムであることを特徴とする請求項1乃至9いずれか一項に記載の易開封性包装材料。
- 油脂成分含有内容物の包装用であることを特徴とする請求項1乃至10いずれか一項に記載の易開封性包装材料。
- 前記(A)層同士をヒートシーラーで125℃〜140℃でヒートシールすることにより得られたピロー袋の開封強度が5〜25Nであることを特徴とする請求項1乃至11いずれか一項に記載の易開封性包装材料からなる包装袋。
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