JPH0582775U - ゴムクローラの補強構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴムクローラの内周面に内接する転輪の荷重
によるたわみやばね常数の変化が少なくなって機体の振
動が少なくなるようゴムクローラを補強可能とする。 【構成】 外周面の長手方向に所定間隔をおいて形成し
た各ラグ部１の上方部位に横方向の芯金２をそれぞれ装
填して構成するゴムクローラにおいて、同軸の両転輪３
ａ、３ｂがそれぞれ内接するクローラＡの両内周側面部
４ａ、４ｂの内方部位となる隣合う両芯金２、２の間隔
内には、各芯金２の両側部２ａ、２ｂを中央部より大き
く幅広にして延設するか、またはステー５をそれぞれ介
装し、隣合う両芯金２、２間の転輪３ａ、３ｂの接触側
クローラ部分を補強可能にして構成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、クローラの内周面に内接する転輪の変位が少なくなるようなクロー ラ構造にすることができるゴムクローラの補強構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、図１１および図１２に示すように、外周面の長手方向に所定間隔をお いて形成した各ラグ部１の上方部位に横方向の芯金２をそれぞれ装填して構成す るゴムクローラにおいて、同軸の両転輪３ａ、３ｂがそれぞれ内接するクローラ ａの両内周側面部４ａ、４ｂの内方部位となる各芯金２の両側部２ｃ、２ｃは、 図１２に示すように芯金２の中央部と略同じ幅狭の矩形状の横断面になっていた 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、転輪が芯金の上方に内接する状態では、クローラａのばね定数ｋ が硬くて転輪は沈下しにくいが、転輪が両芯金間のクローラ内周面に内接する状 態では、ばね定数ｋが図１２に示すようになって転輪の沈下が大きくなり、再び 転輪が芯金の上方に乗り上げる状態ではショックが生じて機体の振動が激しくな る、といった不具合を呈していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、そのような不具合を解決し、簡単な補強構造にして好適に実施でき るよう工夫したものであり、そのため、同軸の両転輪がそれぞれ内接するクロー ラの両内周側面部の内方部位となる隣合う両芯金の間隔内には、各芯金の両側部 を中央部より大きく幅広にして延設するか、またはステーをそれぞれ介装し、隣 合う両芯金間の転輪接触側クローラ部分を補強可能にして構成したものである。

【０００５】

【作用】 従って、両転輪が内接するクローラの両内周側面部における両芯金間のクロー ラ部分では、転輪荷重によりたわみやばね定数の変化が少なくなって、転輪が芯 金の上方側に乗り上げる際のショックが緩和されることになり、機体の振動を少 なくすることができる。

【０００６】

【実施例】

図１乃至図５は第１実施例を示し、駆動輪や遊動輪およびその間の接地側の各 転輪に掛装するゴムクローラＡは、外周面の長手方向に所定間隔をおいて形成し た各ラグ部１の上方部位に横方向の芯金２をそれぞれ装填し、隣合う両芯金２、 ２の中央部の間には駆動輪のスプロケット歯に係合する貫通孔６（図６に示す） を形成するとともに、各芯金２の両側方部の外周にはゴムクローラＡの全周にわ たって延長する数本のスチールコード７をそれぞれ装填して従来形同様に構成す るが、同軸の両転輪３ａ、３ｂがそれぞれ内接するクローラＡの両内周側面部４ ａ、４ｂの内方部位となる各芯金２の両側部２ａ、２ｂは、図５に示すように従 来形同様に矩形状に形成した中央部２ｄより大きく幅広となって、図２および図 ４に示すように台形状に形成し、両側部２ａ、２ｂの前後縁が両芯金２、２の間 隔内に図２に示すように長く延設されるようにして構成する。

【０００７】 また、図６ないし図８は第２実施例を示し、前記実施例とは同一符号で示すよ うに略同様に構成するが、各芯金２の両側部２ａ、２ｂの前後端には段部８を図 ７および図８に示すように形成し、両芯金２、２の間隔内には、上方に少しく凸 状に湾曲するステー５を、その前後端が図８に示すように各段部８に少しく隙間 Ｃをおいて接近するように装填して構成する。

【０００８】 したがって、両転輪３ａ、３ｂが内接するクローラＡの両内周側面部４ａ、４ ｂにおける両芯金２、２間のクローラ部分を補強することができることになって 、転輪荷重によるたわみやばね常数の変化が少なくなり、転輪３ａ、３ｂが芯金 ２の両側部２ａ、２ｂの上方側に乗り上げる際のショックが緩和されることにな って、機体の振動を少なくすることができる。

【０００９】 図９および図１０は他の例を示し、前記実施例とは同一符号で示すように略同 様に構成するとともに、クローラＡの両内周側面部４ａ、４ｂの内方には、クロ ーラＡの全周にわたって延長する引っ張りに強いネット状の布帯９、９をそれぞ れ装填して構成するが、前記第１実施例のクローラＡに前記布帯９、９を装填し て構成しても良い。

【００１０】

【考案の効果】

このように本考案は、両転輪３ａ、３ｂが内接するクローラＡの両内周側面部 ４ａ、４ｂにおける両芯金２、２間のクローラ部分を補強することができること になって、転輪荷重によるたわみやばね常数の変化が少なくなり、転輪３ａ、３ ｂが芯金２の両側部２ａ、２ｂの上方側に乗り上げる際のショックが緩和される ことになって、高速走行時でも転輪３ａ、３ｂの変化が少なく機体の振動を少な くすることができることになり、簡単な構造にして好適に実施できる特長を有す る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のゴムクローラを示した断面図であ
る。

【図２】図１のII−II線断面を示した側断面図である。

【図３】芯金を示した正面図である。

【図４】図３のIV−IV線断面を示した断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ線断面を示した断面図である。

【図６】第２実施例のゴムクローラを示した断面図であ
る。

【図７】図６のゴムクローラを示した側断面図である。

【図８】図７の一部を示した側断面図である。

【図９】他の例のゴムクローラを示した断面図である。

【図１０】図９の一部を示した側断面図である。

【図１１】従来例のゴムクローラを示した断面図であ
る。

【図１２】図１１の一部を示した側断面図である。

【符号の説明】

１ ラグ部 ２ 芯金 Ａ ゴムクローラ ３ａ 転輪 ３ｂ 転輪 ２ａ 側部 ２ｂ 側部 ４ａ 内周側面部 ４ｂ 内周側面部 ５ ステー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面の長手方向に所定間隔をおいて形
   成した各ラグ部１の上方部位に横方向の芯金２をそれぞ
   れ装填して構成するゴムクローラにおいて、同軸の両転
   輪３ａ、３ｂがそれぞれ内接するクローラＡの両内周側
   面部４ａ、４ｂの内方部位となる隣合う両芯金２、２の
   間隔内には、各芯金２の両側部２ａ、２ｂを中央部より
   大きく幅広にして延設するか、またはステー５をそれぞ
   れ介装し、隣合う両芯金２、２間の転輪３ａ、３ｂ接触
   側クローラ部分を補強可能にして構成したことを特徴と
   する補強構造。