JPH057283B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ピザやパン菓子等、その他の食品生
地を所定の大きさに切断、または、加工を行つて
形成した食品素材（以下、単に素材と記載する）
を、トレイ上に所定の間隔で載置出来るようにす
るための移載装置に関し、特に、所定の形状に形
成され、コンベヤ上を搬送されてくる素材をどの
ような場合においても、的確に移載出来るように
するための移載装置に関する。

（従来の技術） 成形装置等により所定の形状に形成されたパン
や菓子、またはその他の類似の素材等をコンベヤ
により搬送し、そのコンベヤから別のコンベヤま
たは、トレイ等に移載するための装置としては、
特公昭52−15670号公報に示されるようなものが
従来より用いられている。

さらに、実公昭56−47144号公報には、菓子の
自動配列装置において、天板用コンベヤを間欠的
に歩進させるようにしたものが示されているが、
このような停止−起動−停止の間欠的な運動によ
るものにおいては、次のような欠点がある。

(i) 天板に素材を移載する能力に限度がある。つ
まり、素材の一回の移載ごとにコンベヤを停止
−起動−停止を行わなければならないので、そ
の作動回数に限界があり、せいぜい40回／分が
限度である。

(ii) 蒸熱処理が必要な素材のような場合には、正
確な移載ができない。例えば、中華まんじゆう
の素材のようなものは、天板の上にあらかじめ
パラフイン（グラシン）紙を敷いて、蒸熱後に
素材が天板に粘着しないようにする必要があ
り、この際、パラフイン紙は普通、素材が複数
個載せられる天板の大きさに合わせて、一枚シ
ートのものを素材の数にミシン目をつけて、蒸
熱後に容易に個々に分離できるようにしている
が、天板上に敷かれたパラフイン紙上に素材を
移載させる時に、コンベヤの起動、停止の繰り
返しによつて、パラフイン紙の上に載つた素材
の慣性が働き、素材が紙と共に天板上を所定の
位置からズレてしまい、後続の素材の移載され
るべき位置にパラフイン紙がなかつたりして、
正確な移載ができない。また、天板上で素材が
所定位置からズレて一方に偏つたり、製品同士
がくつついてしまつたりする不具合が発生す
る。

(iii) 無端軌道で運行するオーブン上に直接、素材
を一定間隔で移載する場合、オーブンは重量物
であり、これを間欠的に作動させることは、常
識的には考えられない。

ところが、上記した従来例に示されているもの
は、成形装置から所定の間隔で供給された素材を
移載装置の板の上で一定の間隔で整列し、その後
で、一列のままでトレイ等に落下させて移載を行
うようにしているものであり、その動作は正確に
行い得るようになつているものの、素材がトレイ
に着地する際にその安定性を欠くことがあり、さ
らに、移載のタイミングを設定することが比較的
困難なものである。これに加えて、上記したよう
な装置においては、その移載装置の構成が複雑に
なり、装置の製造コストを上昇させる原因ともな
つている。

また、これらの素材の焼成において、特に、型
天板の使用を必要とする場合は、所定の形をした
天板の窪みに素材を正確に載置しなければならな
い。このような場合、上記したような移載装置で
は、正確に天板の窪みに移載を行うことが困難と
なつている。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記したような従来より用いられて
いる装置の欠点を解消するもので、搬送コンベヤ
上を一定しない状態で搬送されて来る素材を、ど
のような場合にも、トレイ上の所定の位置に、自
動的に的確に移載できるようにする装置の提供を
目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本発明の移載装置は、成形装置に接続されて、
所定の形状に形成された素材を搬送するための搬
送コンベヤと、その搬送コンベヤの排出端部に接
続され、トレイを一定の間隔で載置して搬送する
ためのトレイ搬送コンベヤとから構成されてい
る。

本発明の搬送コンベヤの排出端部から所定の間
隔を介して、光電管等により構成される素材検知
装置が設けられていて、搬送コンベヤ上を搬送さ
れる素材の検知を行い、その情報を制御装置に入
力する。

また、トレイ搬送コンベヤは、搬送速度の可変
な駆動装置により、駆動が行われるようになつて
いるもので、その駆動軸がロータリーエンコーダ
に接続されていて、搬送速度の情報が制御装置に
入力されるようになつている。

本発明の移載装置においては、あらかじめ制御
装置に入力されたトレイ上への素材の配列情報に
もとづいて、搬送コンベヤ上で素材の検知が行な
われると、トレイ搬送コンベヤの速度の制御を行
い、トレイの所定の位置に素材を移載出来るよう
にするものであり、素材の間隔が不定である場合
にも、搬送コンベヤの速度を素材の検知情報にも
とづいて制御出来るようにしているものである。

（実施例） 図示された実施例に従つて、本発明の移載装置
の構成を説明すると、第１図に示すように、本発
明の装置は、素材１を搬送するための搬送コンベ
ヤ３と、トレイ２を一定の間隔で搬送するトレイ
搬送コンベヤ５から構成されている。

搬送コンベヤ３は、素材１の切断装置や、丸め
装置等の成形装置に接続され、成形加工が行なわ
れた素材１を一定の速度で搬送するようにしてい
るもので、その排出端部の手前の部分に、光電管
等の検知装置４を設けている。

搬送コンベヤ３の排出端部から、素材１を受取
るためのトレイ２を搬送するトレイ搬送コンベヤ
５は、駆動軸６に設けられた駆動ローラ７によ
り、駆動が行われるようになつているもので、軸
６を駆動するモータ９を速度の可変なもので構成
している。

また、駆動軸６には、ロータリーエンコーダ８
が接続されていて、軸６の回転の情報、つまり、
トレイ搬送コンベヤ５の速度の情報を、制御装置
１０に入力するようにするとともに、検知装置４
の検知情報を制御装置に入力する。

トレイ２に素材１を載置する際には、第２図に
示されるような、トレイ２と素材１との関係が設
定されている。つまり、トレイ２ａと２ｂとの間
隔を一定に維持した状態で、トレイ搬送コンベヤ
５上でトレイの搬送を行うようにするが、トレイ
２の上に載置する素材１の間隔をｘ、トレイ２ａ
の最終列の素材と、トレイ２ｂの最初の列の素材
との間隔をｙに設定するものとして、以下の説明
を行う。

また、本発明の制御装置１０としては、第５図
に示されるようなものが用いられる。

制御装置１０には、ロータリーエンコーダ８の
信号と、設定値の信号１４、および、検知装置４
ａからのトレイの検知情報とが入力されるダウン
カウンタ１１が設けられており、ダウンカウンタ
１１に接続される演算装置１２には、搬送コンベ
ヤ３に設けた検知装置４からの検知情報も入力さ
れ、ダウンカウンタ１１からの情報と素材の検知
情報とを比較して、出力部１３から駆動モータ９
の回転速度の指令を出し、トレイ搬送コンベヤ５
の速度を設定するようにしている。

次に、本発明の移載装置の制御について、第２
〜４図に示す実施例にもとづいて説明を行うが、
上記したように、トレイ２の上に載置される素材
１，１間の間隔をｘ、トレイ２，２間にわたる素
材の間隔をｙとして設定し、搬送コンベヤ３の速
度をＶ（一定の速度）、トレイ搬送コンベヤ５の速
度をｖ（可変速度）としている場合において、第
３図に示すように、素材の間隔ｘに応じて、トレ
イ上に素材を移載する場合について説明する。

まず、搬送コンベヤ３に設ける検知装置４と、
その排出端部Ｄとの間隔をＬに設定する。そし
て、制御装置１０に入力されたトレイ２の搬送の
情報にもとづいて、ダウンカウンタ１１によるパ
ルスのカウントが行われる。

トレイ搬送コンベヤ５上のトレイ２上の素材を
載置する部分がＡ点に到達すると、パルスのカウ
ントを開始するが、その載置部分は、あらかじめ
ロータリーエンコーダ８の所定のパルス発信位置
に設定された設定部１４で入力されているもので
あり、さらに、その場合にカウントするパルス数
は、Ａ点とＤ点との間隔には、その距離情報を
xpとして設定する。また、トレイ２上の素材を
次に載置する位置がトレイ間に渡つている場合に
は、Ａ点とＤ点との間にはypが設定される。

そして、たとえば搬送コンベヤ３上を搬送され
る素材１が、検知装置４によつて検知されたとき
に、トレイ２上の載置部分がＢ点に到達している
と、その場合のダウンカウンタ１１のカウントの
値は、Ａ〜Ｂ間のパルス数をzpとすると、xp−
zpになり、その値がトレイ搬送コンベヤ５の速
度の変速のフアクターとなる。

つまり、この時点における搬送コンベヤ３上の
素材１が、排出端部Ｄに至る時間Ｔは、 Ｔ＝Ｌ／Ｖであり、 トレイ２の素材の載置位置がＤ点に到達すべき
時間もＴ＝（xp−zp）／ｖに設定されることが必
要となる。

したがつて、トレイ搬送コンベヤ５の速度は、
上の２つの式から、ｖ＝（xp−zp）／Ｔとなる。

上記した式より、トレイ搬送コンベヤ５を駆動
するためのモータ９の回転速度を、その設定速度
ｖにもとづいて決定することになるが、その基本
となるパルス数は、ダウンカウンタ１１の残りの
パルス数（xp−zp）に比例することになる。

また、トレイ２，２ａにわたつて載置する場合
の、素材１と１ａとの間隔がｙである場合には、
そのｙの値に対するパルス数ypは、あらかじめ
入力部１４で入力されていることになるから、前
記ｘの値と同様にして設定されることになる。

したがつて、本発明の装置においては、第４図
に示されるようにして、搬送コンベヤ５の搬送速
度ｖの制御が行われ、搬送コンベヤ３の排出端部
Ｄでの移載がなされる。素材の移載時において
は、トレイ搬送コンベヤ５の速度ｖは、搬送コン
ベヤ３の速度に一致する。つまり、ダウンカウン
タ１１のプリセツトが行われる時点は、Ａ点に設
定されているが、トレイの検知が行なわれた後
で、検知装置４による素材の検知情報が入力され
るまでは、トレイ搬送コンベヤ５の速度は一定に
維持され、パルスのダウンカウンテイングが継続
される。

そして、検知装置からの信号が入力されると、
その時点から搬送コンベヤ３によつて搬送される
素材の移動距離Ｌに対応した時間Ｔは、一定であ
るから、その時間Ｔに対応して、トレイ搬送コン
ベヤの速度ｖを演算装置１２で算出した速度に変
更し、駆動モータ９を制御する。この際に、ロー
タリーエンコーダ８により発生されるパルスの数
は、Ｂ点とＤ点との間隔に対応した数になるもの
で、xp−zpの数のパルスをダウンカウンタ１１
がカウントする。

したがつて、ダウンカウンタ１１の残りのパル
ス数が少ない場合には、第４図ハに示されるよう
に、トレイ搬送コンベヤ５の速度ｖが遅くなり、
残りのパルス数が多い場合には、速度ｖが早くさ
れることになる。

つぎに、本発明の装置における制御の過程を、
第６図にもとづいて説明すると、まず、スタート
ボタンを押して、装置の作動を開始させると、ス
テツプＡで搬送コンベヤ３と、トレイ搬送コンベ
ヤ５の速度を同じにするような駆動が行われる。
つぎに、ステツプＢで素材の移載位置の設定が入
力され、その入力値にもとづいて、移載される素
材がトレイ２内である場合には、ステツプＣに移
行し、間隔ｘにもとづいてパルス数xpがセツト
される。

また、素材がトレイ間にわたる場合には、ステ
ツプＤに移行し、間隔ｙにもとづいて、パルス数
ypが設定される。

つぎに、ステツプＥにおいて、搬送コンベヤ３
で素材１が検知されたか否かについて判断される
が、搬送コンベヤ３による素材の搬送の間隔が大
きすぎて、ダウンカウンタ１１でのパルスの残り
がゼロになつた場合には、ステツプＦに移行して
そのトレイの移載部分をスキツプし、つぎの移載
部分にトレイを移動させることも出来るようにな
つている。

そして、搬送コンベヤ３上で素材１が検知され
た場合には、ステツプＧに移行し、ダウンカウン
タ１１に残されたパルス数を演算装置１２に入力
させ、それによつて得られた値をＤ／Ａコンバー
タ１３に出力し、ステツプＨにおいて、その設定
値を変換し、その出力を行う。そして、ステツプ
Ｉにおいて、ダウンカウンタのカウント数がゼロ
になつたときがトレイと素材との一致した地点と
なるが、そのカウント数がゼロになるまでは、ス
テツプＪでＤ／Ａ変換された信号を出力しつづけ
ることになる。

本発明の装置は、上記したようなステツプでそ
の制御が行われることになるものであるから、例
えば、搬送コンベヤ３で素材が一定の間隔で供給
されていない場合にも、素材のトレイの所定位置
への移載が正確に行なわれることになり、その制
御も比較的容易に行い得るものである。

そして、本発明においては、トレイ搬送コンベ
ヤが間欠的に作動するものではなく、加速、減速
が制御できるようになつているものであるから、
従来の間欠的に作動するものにおいて、素材の移
転回数が40回／分であつたものを60回／分位まで
増やすことができ、また、蒸熱処理が必要な素材
のような場合においても、正確な移載を行うこと
ができる。

上記した本発明の実施例において、トレイとし
ては、底板が平面状に形成されているもの、そし
て、特に、焼成を行う対象物を凹部に収容出来る
ように構成しているものを用いることが可能であ
り、また、素材が一列になつて搬送コンベヤ上を
搬送されてくる場合や、複数の素材が横に複数個
並んだ状態で搬送される場合についても、同様に
して適用出来ることになる。

また、上記したような本発明の実施例において
は、トレイ２を搬送するトレイ搬送コンベヤ５を
可変速度で運行し、素材１を搬送するためのコン
ベヤ３を一定の速度で運行するように形成したも
のを示しているが、本発明の装置においては、そ
の逆の場合にもその制御装置を作動させることが
可能なものである。

つまり、素材搬送用のコンベヤ３の制御をトレ
イの検知情報に従つて制御し、トレイに形成され
た収容部にコンベヤ３によつて素材を順次移載す
るようにすることにより、その動作を行わせるこ
とも可能になる。

本発明の実施例においては、トレイの検知情報
は検知装置４ａの信号によつて、制御装置が素材
の載置距離を算出しているが、この検知装置４ａ
の代わりとして、ロータリーエンコーダが搬送コ
ンベアの等間隔に配置されているトレイの１枚ピ
ツチを１サイクルとする原点情報を発信するよう
にして、トレイの素材載置位置を制御装置が常に
把握できるようにして行うことにより、正確な素
材の移載が可能となる。

（発明の効果） 本発明の移載装置は、上記したような構成を有
するものであるから、制御装置に素材の検知情報
と、トレイの検知情報、および、移載される素材
の間隔と、ロータリーエンコーダからの情報を入
力することにより、トレイ上に所定の間隔で素材
を移載することが出来るようになる。

また、その制御に用いられる部材としても、従
来より用いられているマイクロコンピユータ等
の、一般に用いられる制御装置と同様なものを用
いることが出来、検知部材としても、光電管等の
市販のものを用いることが可能である。

そして、その移載に際しては、トレイ搬送コン
ベヤの駆動モータの制御を行うのみであることよ
り、全体の装置を簡略化出来ることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の移載装置の構成を示す側面
図、第２図は、トレイ上の素材の配列状態を示す
断面図、第３図は、本発明の装置による移載の状
態を示す説明図、第４図は、ダウンカウンタの出
力と搬送コンベヤの速度との関係を示す説明図、
第５図は、本発明の制御装置の構成を示すブロツ
ク図であり、第６図は、本発明の制御の動作を示
すフローチヤートである。 図中の符号、１……素材、２……トレイ、３…
…搬送コンベヤ、４……検知装置、５……トレイ
搬送コンベヤ、６……駆動軸、８……ロータリー
エンコーダ、１１……ダウンカウンタ、１２……
演算装置、１３……Ｄ／Ａコンバータ、１４……
設定値入力部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 成形装置に接続され、成形された食品素材を
   一定の速度で搬送する搬送コンベヤの所定の位置
   に食品素材の検知装置を設け、該搬送コンベヤの
   排出端部の下に面してトレイを所定の間隔で搬送
   するトレイ搬送コンベヤを設け、トレイ搬送コン
   ベヤにトレイ位置検知装置とコンベヤ移動距離検
   出器を接続し、前記トレイ内に載置される食品素
   材の間隔ｘと列数、トレイをはさんでの食品素材
   間隔ｙを制御装置に設定し、搬送する食品素材の
   検知信号と最先のトレイの位置検知信号とを制御
   装置に入力し、制御装置がトレイの最先の食品素
   材載置間隔ｘ，ｙを選択し、食品素材が排出端部
   に到達するまでの時間ｔと前記トレイの最先の載
   置位置から排出端部までの距離を時間ｔで到着す
   るように前記載置間隔ｘ，ｙに応じて演算し、ト
   レイ搬送コンベヤを速度増減するようにしたこと
   を特徴とする食品素材の移載装置。 ２ 成形装置に接続され、成形された食品素材を
   一定の速度で搬送する搬送コンベヤの所定の位置
   に食品素材の検知装置を設け、該搬送コンベヤの
   排出端部の下に面してトレイを所定の間隔で搬送
   するトレイ搬送コンベヤを設け、トレイ搬送コン
   ベヤにロータリーエンコーダを接続し、前記トレ
   イ内に載置される食品素材の間隔ｘ、食品素材の
   列数、トレイをはさんでの食品素材間隔ｙ、およ
   び素材をトレイに移載するための原点位置をロー
   タリーエンコーダの初期設定値として制御装置に
   設定し、搬送する食品素材の検知信号と前記原点
   位置信号とを制御装置に入力し、制御装置がトレ
   イの最先の食品素材載置間隔ｘ，ｙを選択し、食
   品素材が排出端部に到達するまでの時間ｔと前記
   トレイの最先の載置位置から排出端部までの距離
   を時間ｔで到着するように前記載置間隔ｘ，ｙに
   応じて演算し、トレイ搬送コンベヤを速度増減す
   るようにしたことを特徴とする食品素材の移載装
   置。