JPH055555U - タンブルシートの係止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】タンブルシートにおけるシートクッションの前
部左、右両端に固定したブラケットと各前部ストライカ
とのガタ付き発生を防止する。 【構成】ブラケット５の開口部４における口縁に、前部
ストライカ３とのガタ付きを防止する緩衝材１０を設け
たことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シートにおけるタンブルシート（シートクッションの前部を 回転中心に後部を回動して起立状態になるシートをいわゆるタンブルシートとす る）の係止構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

タンブルシートは、例えば図３に示す様に、前記シートクッションＳＣの前部 左、右両端に固定し且つ車床Ｆの各前部ストライカ３、３に遊嵌する切欠状の開 口部４を形成したブラケット５、５と、この各ブラケット５、５に各々回動可能 に軸着し且つ各前部ストライカ３、３に係止する解除レバー９付前部ラッチ６、 ６とから構成されている。更にシートクッションＳＣには、シートクッションＳ Ｃの後部左、右両端に各々回動可能に軸着し且つ車床Ｆの各後部ストライカに係 止する後部ラッチ２、２と各後部ラッチ２、２にワイヤを介して連結し且つ前記 後部ラッチ２、２の係止状態を解除する操作レバー７とが設けられている。 尚、ＳＢはシートバックで、このシートバックＳＢは前倒し可能にシートクッ ションＳＣに装着されている。８はトーションバーで、このトーションバー８は その作動端８ａにより、シートクッションＳＣの後部を回動して起立状態となる 方向へ付勢している。

【０００３】 斯かるタンブルシートの係止構造は、シートバックＳＢをシートクッションＳ Ｃ上に前倒しして、操作レバー７を操作すると、ワイヤを介して、後部ラッチ２ 、２の後部ストライカ１、１から係止状態が解除し、トーションバー８の付勢力 により、シートクッションＳＣが前部ストライカ３、３を回動中心に後部を回動 して起立状態となる。その結果、タンブルシートの後方には空間が生じるので、 この空間を荷物室として利用することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 然しながら、起立状態のシートクッションＳＣは、前部ラッチ６、６が前部ス トライカ３、３に係止しているが、前部ストライカ３、３にブラケット５、５の 開口部４が遊嵌しているので、運転走行時には、振動によりブラケット５、５の 開口部４、４と前部ストライカ３、３とがガタ付き、このガタ付きによる異音が 生じるという不具合があった。 そこで、本考案はブラケットと前部ストライカとのガタ付き発生を解消するこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案は、ブラケットの開口部における口縁に各前 部ストライカとのガタ付きを防止する緩衝材を設けたものである。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図１乃至図２に基づいて説明するが、従来構造とはブラケ ットの開口部の構成を異にしているので、ブラケットの開口部について説明し、 他は従来構造と同一符号を付し、その説明は省略する。

【０００７】 ブラケット５、５の開口部４、４における口縁４ａ、４ａには各前部ストライ カ３、３とのガタ付きを防止する緩衝材１０、１０が設けられている。 ブラケット５、５の切欠状の開口部４、４はＵ字状からなり、ブラケット５、 ５の前部における下部にシートクッションＳＣと略平行状に形成されている。 開口部４、４の幅Ｘ、Ｘは前部ストライカ３、３の径よりも大きく、前部スト ライカ３、３が遊嵌するように、開口部４、４の口縁４ａ、４ａと前部ストライ カ３、３との間には隙間が設けられている。

【０００８】 そして、緩衝材１０、１０はブラケット５、５の開口部４、４における口縁４ ａ、４ａに沿って、締結材１１、１１によりラケット５、５に固設されている。 緩衝材１０、１０はブラケット５、５の開口部４、４と同様なＵ字状からなり 、前部ストライカ３、３がブラケット５、５の開口部４、４の入口近傍以外でブ ラケット５、５に嵌合するので、緩衝材１０、１０が開口部４、４の入口近傍を 除き、開口部４、４の口縁４ａ、４ａに沿っている。 緩衝材１０、１０は弾性を有するポリカボネートの硬質性樹脂からなり、その 幅Ｙ、Ｙが前部ストライカ３、３の径よりも小さく、前部ストライカ３、３がブ ラケット５、５に嵌合した際、緩衝材１０、１０に前部ストライカ３、３が密接 するように形成されている。

【０００９】 尚、１１、１１は引張りバネで、このバネは前部ラッチ６、６が前部ストライ カ３、３に係止する方向へ前部ラッチ６、６を付勢している。 従って、起立状態のシートクッションＳＣは、解除レバー９、９を操作すると 、前部ラッチ６、６の前部ストライカ３、３からの係止状態が解除する為、ブラ ケット５、５の開口部４、４から前部ストライカ３、３が脱出でき、車床Ｆから 取り外すことができる。

【００１０】 斯かるタンブルシートの係止構造では、シートクッションＳＣの前部ストライ カ３、３を回動中心に後部を回動して起立状態となり、図１に示す様に、前部ラ ッチ６、６が前部ストライカ３、３に係止し、一方、ブラケット５、５に固定し た緩衝材１０、１０が前部ストライカ３、３に密接しているため、振動等により 、前部ストライカ３、３とブラケット５、５とがガタ付くことがない。 従って、走行時に、前部ストライカ３、３とブラケット５、５とのガタ付きに よる異音発生が防止できる。 又、緩衝材１０、１０は弾性を有しているので、前部ストライカ３、３にブラ ケット５、５を嵌合若しくはブラケット５、５から前部ストライカ３、３が脱出 する際、容易に嵌合若しくは脱出作業を行うことができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、ブラケットの開口部における口縁に、各前部ストライカとのガタ付 きを防止する緩衝材を設けた為、前部ストライカにブラケットを嵌合すると、緩 衝材を介してブラケットを前部ストライカに密接することができる。 従って、ブラケットと前部ストライカとのガタ付きが防止でき、このガタ付き による異音発生が解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案構造を用いたタンブルシートにおけるシー
トクッションの前部の側面図である

【図２】図１におけるIIーII線に沿う部分断面図である

【図３】従来構造を用いたタンブルシートの斜視図であ
る

【符号の説明】

ＳＣ シートクッション ３、３ 前部ストライカ ４、４ 開口部 ４ａ、４ａ 口縁 ５、５ ブラケット ６、６ 前部ラッチ １０、１０ 緩衝材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大河内 勉 東京都港区芝五丁目33番８号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)考案者 池田 一夫 名古屋市天白区天白町平針黒2860ー１ (72)考案者 永田 宏 名古屋市昭和区御器所４ー11ー16 (72)考案者 安井 太志 東京都昭島市松原町３丁目２番12号 株式 会社タチエス内

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 シートクッションの前部における左、右
   両端に固定し且つ車床の各前部ストライカに遊嵌する切
   欠状の開口部を形成したブラケットと、この各ブラケッ
   トに各々回動可能に軸着し且つ前記各前部ストライカに
   係止する解除レバー付前部ラッチとからなり、前記ブラ
   ケットの開口部における口縁には前記各前部ストライカ
   とのガタ付きを防止する緩衝材を設けたことを特徴とす
   るタンブルシートの係止構造。