JPH0551990A - 壁パネル取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄骨梁に容易に取り付けることができ、段差を
生じさせることなく上層パネルと下層パネルとを固定す
ることができる壁パネル取付金具を提供する。 【構成】上層パネル１に係合する上係合面１１と、上係
合面１１の下方に下層パネル３に係合し且つ上係合面１
１と同一平面に形成された下係合面１２と、これらと交
叉する平面内に形成された連結部１３とを有し、且つ、
上係合面１１の上端にＬ型アングル５１に係止する係止
部１４を設けると共に下端両側にパネル受け面１５、１
５を設け、更に、上係合面１１の中央に上層パネル１の
Ｌ型アングル５１に締結するボルト１６を係止部１４と
同方向へ突出させて設け、また、下係合面１２の幅方向
中央に下層パネル３のボルト３Ａを通す縦方向の長孔１
７を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＡＬＣパネル等のパネ
ルを躯体に取り付ける際に用いられる壁パネル取付金具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の取付具は、図９に示すよ
うに上層パネル１を支持するＴ型プレート２と、下層パ
ネル３を支持するＬ型プレート４とを備えて構成されて
いる。この取付具では、図９に示すように、Ｔ型プレー
ト２をその内側の張り出し面２Ａで鉄骨梁５の上部フラ
ンジ５Ａの側縁に固定し、また、Ｌ型プレート４を水平
面４Ａで下部フランジ５Ｂの側縁に固定する。そして、
Ｔ型プレート２の外側への張り出し面２Ｂで上層パネル
１の下部を受け、この状態でＴ型プレート２の垂直面２
Ｃを上層パネル１とで挟持するようにイナズマプレート
６を当て、このイナズマプレート６とボルト７を介して
上層パネル１をＴ型プレート２に固定するようにしてい
る。一方、Ｌ型プレート４の垂直面４Ｂを下層パネル３
の上部に当て、更に、この垂直面４Ｂを下層パネル３と
で挟持するようにイナズマプレート８を当て、このイナ
ズマプレート８とボルト９を介して上層パネル３をＬ型
プレート４に固定するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
取付具では、上層パネル１及び下層パネル３をそれぞれ
個別に固定するＴ型プレート２及びＬ型プレート４が必
要であり、しかもこれらのプレート２、４をそれぞれ鉄
骨梁５の上部フランジ５Ａ及び下部フランジ５Ｂにそれ
ぞれ溶接等によって個別に固定しなくてはならず、パネ
ル１、３の取り付けに多大な労力が必要であるという課
題があった。

【０００４】また、Ｔ型プレート２とＬ型プレート４と
を個別に別の場所に取り付けるため、各プレート２、４
それぞれの垂直面２Ｃ、４Ｂが同一平面に揃えることが
難しく、上層パネル１と下層パネル３と境になる目地部
分に段差ができるという課題があった。

【０００５】従って、本発明の目的は、鉄骨梁に容易に
取り付けることができ、段差を生じさせることなく上層
パネルと下層パネルとを固定することができる壁パネル
取付金具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上層パネルの
下部に係合する上係合面と、上係合面の下方に下層パネ
ルの上部に係合し且つ上係合面と同一平面に形成された
下係合面と、両係合面を連結し且つ両係合面に交叉する
平面内に形成された細長形状の連結部とを短冊状の金属
プレートから一体的に形成し、且つ、上係合面の上端に
は各パネルを固定する固定部に係止する係止部を設ける
と共にこの係合面の下端両側には左右一対のパネル受け
面を上記固定部とは反対側に突出させて設け、更に、上
係合面の中央には上層パネルの固定用プレートとでこの
係合面を上記固定部に締結するボルトを上記固定部の方
向へ突出させて設け、また、下係合面の幅方向中央には
下層パネルに植設されたボルトを通す縦方向の長孔を設
けたことを特徴とする壁パネル取付金を提供することに
より上記目的を達成したものである。

【０００７】

【作用】本発明によれば、下層パネルのボルトを下係合
面の長孔に通して下層パネルを下係合面に固定し、次い
で、上係合面のボルトを固定部のボルト孔に通すと共に
係止部を固定部に係止し、更に、上係合面を固定部に締
結して壁パネル取付具を固定部に取り付け、然る後、上
層パネルを左右一対のパネル受け面に載せて固定用プレ
ート及び左右一対のパネル受け面上に上層パネルを固定
することによって各パネルの取付を終了することができ
る

【０００８】

【実施例】以下、図１〜図８に示す実施例に基づいて本
発明を説明する。尚、各図中、図１は本発明の壁パネル
取付金具の一実施例を用いて壁パネルを固定した構造を
示す側面図、図２は図１に示す壁パネル取付金具を取り
出して示す正面図、図３は図２に示す壁パネル取付金具
の側面図、図４は図２に示す壁パネル取付金具を鉄骨梁
に固定されたＬ型アングルに係止させた状態を示す斜視
図、図５は図１に示す壁構造を内側からしめず斜視図、
図６は図１に示す壁構造が地震等によって壁パネル取付
金具が変形した状態を示す正面図、図７は本発明の壁パ
ネル取付金具の他の実施例を示す正面図、図８は図７に
示す壁パネル取付金具の側面図である。

【０００９】本実施例の壁パネル取付金具１０は、図１
〜図３に示すように、上層パネル１の下部に係合する上
係合面１１と、上係合面１１の下方に下層パネル３の上
部に係合し且つ上係合面１１と同一平面に形成された下
係合面１２と、両係合面１１、１２を連結し且つ両係合
面１１、１２に交叉する平面内に形成された細長形状の
連結部１３とを後述のように一枚の短冊状の金属プレー
トを折曲して形成されたものである。

【００１０】また、上係合面１１の上端には各パネル
１、３を固定する固定部（Ｌ型アングル５１の垂直面５
１Ａ）の上端に係止する係止部１４を設けると共に、こ
の係合面１１の下端両側には左右一対のパネル受け面１
５、１５をＬ型アングル５１とは反対方向へ突出させて
設けてあり、更に、上係合面１１の中央には上層パネル
１の固定用のイナズマプレート６とでこの係合面１１を
Ｌ型アングル５１に締結するボルト１６をＬ型アングル
５１の方向へ突出させて設けてある。また、下係合面１
２の幅方向中央には下層パネル３に下部に植設されたボ
ルト３Ａを通す縦方向の長孔１７を設けてある。また、
左右のパネル受け面１５、１５には補強用金属片１５Ａ
が取り付けられている。

【００１１】而して、上係合面１１の係止部１４は、そ
の上端を折り返して形成して係合面１１から肉厚分だけ
突出しており、この折り返し端をＬ型アングル５１に引
っ掛って上述のように係止するようにしている。また、
上係合面１１の左右のパネル受け面１５、１５は、それ
ぞれ係止部１４から下方へ連続するプレート部の両側に
設けられたＬ字状の切り込みを上述のようにＬ型アング
ル５１とは反対方向へ９０°折曲して形成し、上層パネ
ル１の下端面を受けるようにしている。また、連結部１
３は、左右のパネル受け面１５、１５の内側に残された
下係合面１２に連続する細長形状のプレート部の一側
（図２において右側）から幅方向中心に至る切欠部１７
を設け、この切欠部１７とは反対側（図２において左
側）で所定間隔を隔てた位置に互いに平行させて設けた
横方向の２本の切り込みにおいてパネル受け面１５、１
５とは反対方向へ９０°縦長に折曲して形成したもので
ある。

【００１２】而して、上記壁パネル取付金具１０を用い
て上層パネル１及び下層パネル３を取り付けるには、ま
ず、下層パネル３に植設されたボルト３Ａを下係合面１
３の長孔１７に通して下層パネル３を下係合面１３に係
合させ、この状態下で長孔１７から突出したボルト３Ａ
にナット３Ｂを螺締して下層パネル３を壁パネル取付金
具１０に固定して図１、図５に示す状態にする。

【００１３】然る後、鉄骨梁５の上部フランジ５Ａの外
側縁にボルト、ナット２０によって固定されたＬ型アン
グル５１の垂直面５１Ａの上端に係止部１４を引っ掛け
て壁パネル取付金具１０をＬ型アングル５１に係止させ
ると共に、この垂直面５１Ａに形成されたボルト孔（図
示せず）にボルト１６を挿通させて上係合面１１を垂直
面５１Ａに係合させ、次いで、この垂直面５１Ａにボル
ト孔（図示せず）を介してイナズマプレート６を垂直面
５１Ａに係合させ、上係合面１１と垂直面５１Ａをナッ
ト１６Ａによって締結し、もって壁パネル取付金具１０
をＬ型アングル５１に対して固定して図４（但し、下層
パネルは省略）に示す状態にする。次いで、上層パネル
１に植設されたボルト１Ａをイナズマプレート６のボル
ト孔６Ａ（図４参照）に通しながらパネル受け面１５、
１５に載せ、上層パネル１がパネル受け面１５、１５上
に載置された状態下でイナズマプレート６から突出した
ボルト１Ａにナット１Ｂを螺締して上層パネル１を壁パ
ネル取付金具１０に固定して図１、図５に示す状態にし
て各パネル１、３の取付けを終了する。

【００１４】従って、本実施例によれば、上述のように
して取り付けられた壁パネルの構造においては、地震等
によって鉄骨躯体が層間変形を起こした時、各パネル
１、３の層間変位に対して、各パネル１、３が図６に示
すような左右の変位し、この変位に応じて連結部１３が
同図実線で示すように変形し、また、変形に伴って各パ
ネル１、３間の上下変位があっても下係合面１３の長孔
１７によって吸収されるため、各パネル１、３に損傷を
与えることがない。

【００１５】また、本実施例によれば、上層パネル１及
び下層パネル３を取り付ける金具が一体化し、ボルト締
結によってアングル等に固定することができるため、従
来の取付金具に比べて取付コストを格段に軽減すること
ができ、また、上層パネル１及び下層パネル３が係合す
る係合面１１、１２が同一平面にあるため、上層パネル
１、下層パネル３間の目地部分で段差を生じさせること
がなく、壁面を美麗に仕上げることができる。

【００１６】また、図７、図８は本発明の他の実施例の
壁パネル取付金具１０を示す図で、本実施例の壁パネル
取付金具１０は、各図に示すように、上係合面１１の上
端の左右端を折曲形成して左右一対の係止部１４、１４
を設けた以外は全て上記実施例と同様に構成されてい
る。従って、本実施例においても上記実施例と同様の作
用効果を期することができる。

【００１７】尚、本発明は、上記実施例に何等制限され
るものではなく、要は、上層パネルの下部に係合する上
係合面と、上係合面の下方に下層パネルの上部に係合し
且つ上係合面と同一平面に形成された下係合面と、両係
合面を連結し且つ両係合面に交叉する平面内に形成され
た細長形状の連結部とを短冊状の金属プレートから一体
的に形成し、且つ、上係合面の上端には各パネルを固定
する固定部に係止する係止部を設けると共にこの係合面
の下端両側には左右一対のパネル受け面を上記固定部と
は反対側に突出させて設け、更に、上係合面の中央に上
層パネルの固定用プレートとでこの係合面を上記固定部
に締結するボルトを上記固定部の方向へ突出させて設
け、また、下係合面の幅方向中央には下層パネルに植設
されたボルトを通す縦方向の長孔を設けた壁パネル取付
金具であれば、全て本発明に包含される。

【００１８】

【発明の効果】本発明の壁パネル取付金具は、鉄骨梁に
容易に取り付けることができ、段差を生じさせることな
く上層パネルと下層パネルとを固定することができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の壁パネル取付金具の一実施例を用いて
壁パネルを固定した構造を示す側面図である。

【図２】図１に示す壁パネル取付金具を取り出して示す
正面図である。

【図３】図２に示す壁パネル取付金具の側面図である。

【図４】図２に示す壁パネル取付金具を、鉄骨梁に固定
されたＬ型アングルに係止させた状態を示す斜視図であ
る。

【図５】図１に示す壁構造を内側からしめず斜視図であ
る。

【図６】図１に示す壁構造が地震等によって壁パネル取
付金具が変形した、状態を示す正面図である。

【図７】本発明の壁パネル取付金具の他の実施例を示す
正面図である。

【図８】図７に示す壁パネル取付金具の側面図である。

【図９】従来の壁パネル取付金具を用いて壁パネルを固
定した構造を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 上層パネル ３ 下層パネル ６ イナズマプレート（固定用プレート） １０ 壁パネル取付金具 １１ 上係合面 １２ 下係合面 １３ 連結部 １４ 係止部 １５ パネル受け面 １６ ボルト １７ 長孔 ５１ Ｌ型アングル（固定部）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上層パネルの下部に係合する上係合面
   と、上係合面の下方に下層パネルの上部に係合し且つ上
   係合面と同一平面に形成された下係合面と、両係合面を
   連結し且つ両係合面に交叉する平面内に形成された細長
   形状の連結部とを短冊状の金属プレートから一体的に形
   成し、且つ、上係合面の上端には各パネルを固定する固
   定部に係止する係止部を設けると共にこの係合面の下端
   両側には左右一対のパネル受け面を上記固定部とは反対
   側に突出させて設け、更に、上係合面の中央には上層パ
   ネルの固定用プレートとでこの係合面を上記固定部に締
   結するボルトを上記固定部の方向へ突出させて設け、ま
   た、下係合面の幅方向中央には下層パネルに植設された
   ボルトを通す縦方向の長孔を設けたことを特徴とする壁
   パネル取付金具。
2. 【請求項２】 上記左右のパネル受け面に補強用の金属
   片を架設してなる、請求項１記載の壁パネル取付金具。