JPH10121618A - 外壁パネルの取付構造および取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】外壁パネルを簡単な構造で構造躯体に支持させ
る。 【解決手段】垂直フランジ部２ａにて梁材１に固定させ
たＬ形アングル材２と、切欠部１４を有して垂直フラン
ジ部２ａから突出させた上縁部１３ａと左右の両側縁部
１３ｃ，１３ｄとを垂直フランジ部２ａに溶着した自重
受け金具１１と、該金具１１に切欠部１４を介して溶着
され、上下の外壁パネル３，７をボルト止めした介装連
結材２１とで外壁パネルを構造躯体に支持させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上下に隣り合って
位置する外壁パネルを梁材を介して構造躯体に簡単な取
付け構造のもとで支持させることができる外壁パネルの
取付構造および取付方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は、上下にて隣り合うＡＬＣパネル
（軽量気泡コンクリートパネル）等の外壁パネル３，７
相互を構造躯体の側に取り付ける際に従来から採用され
ている取付構造の一例を示すものである。

【０００３】同図によれば、構造躯体における梁材１に
は、Ｌ型アングル材２が垂直フランジ部２ａを外方に突
出させて固定されており、該垂直フランジ部２ａの外側
面には略Ｌ字形を呈する自重受け金具５１がその水平部
５２を突出させて固定されている。

【０００４】また、下方に位置する外壁パネル７の内側
に位置する上側部７ａには、該外壁パネル７の上端面か
らその上側部５５ａを突出させた係止用プレート５５が
ボルト５６により固定されており、上側部５５ａは自重
受け金具５１の垂直部５３に沿わせて形成されている図
示しない切欠部に挿通させて自重受け金具５１の側に係
止されている。

【０００５】一方、上方に位置する外壁パネル３の内側
に位置する下側部３ｂには、稲妻プレート６１が上側部
６１ａボルト６３により固定されており、外壁パネル３
の下端面３ａを自重受け金具５１の水平部５２に載置さ
せた際、稲妻プレート６１の下側拡開部６２により画成
される空隙部内に自重受け金具５１の垂直部（係止用プ
レート５５の上側部５５ａを含む）５３とＬ型アングル
材２の垂直フランジ部２ａとを導入することにより、下
方に位置する外壁パネル７の上側部７ａと上方に位置す
る外壁パネル３の下側部３ｂとが同一の梁材１に支持さ
せることができるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
による場合には、自重受け金具５１と係止用プレート５
５と稲妻プレート６１との組み合わせのもとでＬ型アン
グル材２を介して梁材１に上下に位置して隣り合う外壁
パネル３，７を支持させなければならず、必要となる金
具の部材点数が増えて取付け作業を煩雑化したり、コス
ト増を招いてしまうなどの不都合があった。

【０００７】本発明は従来技術にみられた上記課題に鑑
み、取付けに要する金具の部材点数を減らすことによ
り、簡単な構造のもとで外壁材を構造躯体に支持させる
ことができる外壁パネルの取付構造および取付方法を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべくなされたものであり、そのうち、請求項１に係る
発明の構成上の特徴は、垂直フランジ部を外方に突出さ
せ、水平フランジ部を介して梁材に固定させたＬ形アン
グル材と、上下方向に隣り合って配置される外壁パネル
のうち、上方に配置される外壁パネルの下端面を支持す
る水平部と、上縁部から下側折曲部へと至る切欠部をそ
の中央部位に有して前記垂直フランジ部の頂面から前記
上縁部を突出させ、かつ該上縁部と左右の両側部とを前
記垂直フランジ部に溶着させた垂直部とからなる自重受
け金具と、縦長孔を下側部に、下方が狭くなるテーパを
付したガイド溝を上側部にそれぞれ有し、自重受け金具
の前記切欠部に挿入して前記垂直フランジ部と所定位置
にて対面させ、かつ前記水平部に溶着して配置される介
装連結材とで構成され、下方に位置する外壁パネルは、
その上端部を縦長孔を介して導入されるボルトにより止
着し、上方に位置する外壁パネルは、その下端面を水平
部に載置し、下側部を前記ガイド溝に導入されるボルト
により止着して構造躯体にそれぞれ支持させたことにあ
る。

【０００９】また、請求項２に係る発明の構成上の特徴
は、垂直フランジ部を外方に突出させたＬ形アングル材
を水平フランジ部を介して梁材の水平面に固定する工程
と、上下方向に隣り合って配置される外壁パネルのう
ち、上方に配置される外壁パネルの下端面を支持する水
平部と、上縁部から下側折曲部へと至る切欠部をその中
央部位に有する垂直部とからなる自重受け金具を、前記
上縁部を前記垂直フランジ部の頂面から突出させ、かつ
該上縁部と垂直部の左右の両側縁部とを垂直フランジ部
に溶着する工程と、縦長孔を下側部に有し、下方が狭く
なるテーパを付したガイド溝を上側部に有する介装連結
材を前記切欠部に介して垂直フランジ部の所定位置と対
面するように挿入した後、前記水平部に溶着する工程
と、下方に位置する外壁パネルに埋設されたアンカーナ
ットに前記介装連結材の縦長孔を介して挿通させたボル
トを螺着してその上側部を固定する工程と、上方に位置
する外壁パネルの下端面を自重受け金具の水平部に載置
し、かつ埋設されているアンカーナットに介装連結材の
前記ガイド溝を介して挿通させたボルトを螺着してその
下側部を固定する工程とを少なくとも経ることにより、
上下方向に隣り合う外壁パネルを梁材を介して構造躯体
に支持させることにある。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る外壁パネルの
取付構造の好適例についての部分縦断面図を、図２は図
１に対応させた平面図をそれぞれ示すものであり、Ｌ形
アングル材２における垂直フランジ部２ａを外方に突出
させ、水平フランジ部２ｂを梁材１の水平面１ａにボル
トを介して止着したり、溶接するなどして固定されてい
る。

【００１１】また、Ｌ形アングル材２の垂直フランジ部
２ａには、上方に位置する外壁パネル３を支持するため
の自重受け金具１１が、該自重受け金具１１には、上下
に位置する外壁パネル３，７を連結するための介装連結
材２１がそれぞれ溶接されて配置されている。なお、図
中の符号２８は床パネルを、２９はモルタルをそれぞれ
示す。

【００１２】これを図３ないし図５をも参照しながら具
体的に説明すれば、自重受け金具１１は、上下方向に隣
り合って配置される外壁パネル３，７のうち、上方に配
置される外壁パネル３の下端面３ａを載置してこれを支
持する水平部１２と、上端縁１３ａから下側折曲部１３
ｂへと至る切欠部１４をその中央部位に有して垂直フラ
ンジ部２ａに溶着される垂直部１３とで形成されてい
る。

【００１３】このような構成からなる自重受け金具１１
は、垂直部１３が垂直フランジ部２ａの頂面からその上
縁部１３ａが突出する長さを有して形成されており、し
かも、該上縁部１３ａにおける垂直フランジ部２ａとの
境界部位と、左右の両側縁部１３ｃ，１３ｄと垂直フラ
ンジ部２ａとの境界部位とのそれぞれは、適宜の溶接手
法により溶接部１５を形成して相互に溶着されている。

【００１４】また、自重受け金具１１に位置合わせして
固定される介装連結材２１は、自重受け金具１１の切欠
部１４への挿通を自在とした横幅と厚さとを備えた適宜
長さの金属板材により形成されており、その下側部２１
ａには縦長孔２２が、上側部２１ｂには下側が次第に狭
くなるテーパが付されたガイド溝２３がそれぞれ配設さ
れている。

【００１５】このような構成からなる介装連結材２１
は、自重受け金具１１の切欠部１４を介することによ
り、垂直フランジ部２ａの外表面と所定位置にて対面す
る配置関係のもとで水平部１２の側に位置している切欠
縁部１４ａと適宜の溶接手法により溶接部２５を形成し
て相互に溶着されている。

【００１６】一方、下方に位置する外壁パネル７は、図
１に示すようにその上側部７ｂにその横幅方向に沿わせ
て形成されている長穴部８を介してアンカーナット９が
埋設されており、該アンカーナット９の螺孔９ａとの対
面部位を直進させて長穴部８と連通させた直進穴部１０
に対し、介装連結材２１の縦長孔２２を介して挿通させ
たボルト３１を送り込んで螺孔９ａと螺合させることに
よりその上側部７ｂが固定されている。

【００１７】また、上方に位置する外壁パネル３は、そ
の下端面３ａを自重受け金具１１の水平部１２上に載置
し、かつ下側部３ｂにその横幅方向に沿わせて形成され
ている長穴部４を介してアンカーナット５が埋設されて
いることから、該アンカーナット５の螺孔５ａとの対面
部位を直進させて長穴部４と連通させた直進穴部６に対
し、介装連結材２１のガイド溝２３を介して挿通させた
ボルト３２を送り込んで螺孔５ａに螺合させることによ
り、その下側部３ｂが固定されている。

【００１８】次に、請求項２に係る取付方法につき、請
求項１に係る取付構造の作用説明とともに説明する。

【００１９】まず、Ｌ形アングル材２は、構造躯体を構
成しているＨ形綱などの梁材１の水平面１ａに対し、垂
直フランジ部２ａを外方に突出させた配置関係のもとで
その水平フランジ部２ｂを載置させた状態のもとで固定
する。

【００２０】次いで、上下方向に隣り合って配置される
外壁パネル３，７のうち、上方に配置される外壁パネル
３の下端面３ａを支持する水平部１２と、上端縁１３ａ
から下側折曲部１３ｂへと至る切欠部１４をその中央部
位に有する垂直部１３とからなる自重受け金具１１を、
上縁部１３ａを垂直フランジ部２ａの頂面から突出さ
せ、かつ該上縁部１３ａと垂直部１３の左右の両側縁部
１３ｃ，１３ｄとを垂直フランジ部２ａに溶着して溶接
部１５を形成する。つまり、自重受け金具１１は、Ｌ形
アングル材２の垂直フランジ部２ａに対し切欠部１４を
介して二分割された上縁部１３ａと、左右の両側縁部１
３ｃ，１３ｄとの計４か所に形成されて総延長距離の長
い溶接部１５によりＬ形アングル材２の側に確実、かつ
強固に溶着させることができる。

【００２１】しかる後、縦長孔２２を下側部２１ａに有
し、下方が狭くなるテーパを付したガイド溝２３を上側
部２１ｂに有する介装連結材２１を切欠部１４に介して
垂直フランジ部２ａの所定位置と対面するように挿入し
た上で、水平部１２の側の切欠縁部１４ａに溶着して溶
接部２５を形成することにより、自重受け金具１１と介
装連結材２１とを一体化する。

【００２２】かくして、下方に位置する外壁パネル７に
埋設されたアンカーナット９には、介装連結材２１の縦
長孔２２に対しその長さ方向に沿わせながら最適位置を
定めて挿通させたボルト３１を螺着することにより、外
壁パネル７の上側部７ａを固定する。

【００２３】最後に、上方に位置する外壁パネル３の下
端面３ａを自重受け金具１１の水平部１２上に載置させ
るとともに、埋設されているアンカーナット５には、介
装連結材１１における頂部が最大幅となったテーパーが
付されているガイド溝２３を介することにより、施工誤
差を吸収して簡単に位置合わせしながら、最適位置を定
めて挿通させたボルト３２を螺孔５ａに螺合させて外壁
パネル３の下側部３ｂを固定する。

【００２４】この場合、外壁パネル３のアンカーナット
５には、予めボルト３２を途中まで螺着させておき、該
ボルト３２の突出部分を頂部が最大幅となっているガイ
ド溝２３内に位置合わせを簡単にして落とし込んだ後、
これを緊締螺着するすることにより、外壁パネル３の下
側部２ｂを固定するものであってもよい。

【００２５】かくして、下方に位置する外壁パネル７
は、介装連結材２１の縦長孔２２を介して挿通させたボ
ルト３１を対応するアンカーナット９に螺着してその上
側部７ａを固定し、上方に位置する外壁パネル３は、そ
の下端面３ａを水平部１２に載置し、介装連結材１１の
ガイド溝２３を介して挿通させたボルト３２を対応する
アンカーナット５に螺着してその下側部３ｂを固定する
ことができる。つまり、図６に示すように従来は必要で
あった稲妻プレート６１を不要にし、かつ所要の取付強
度を保持させながら上下方向に隣り合って配置される外
壁パネル３，７を梁材１を介して構造躯体の側にそれぞ
れ確実に支持させることができることになる。

【００２６】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、従来
は必要とされていた稲妻プレートを不要にして部材点数
を少なくするなかで、自重受け金具の上縁部を垂直フラ
ンジ部の頂面から突出させ、かつ該上縁部と垂直部の左
右の両側縁部とを垂直フランジ部に溶着したことによ
り、従来よりも総延長距離の長い溶接部を形成し、溶接
部分にかかる応力をそれだけ低減させて取付強度を向上
させることができるほか、介装連結材を自重受け金具の
水平部の側に位置する切欠縁部に溶着して溶接部を形成
して一体化しているので、外壁パネルの自重を介装連結
材から梁材へと伝えることにより、その取付強度をより
一層向上させることができる。

【００２７】しかも、先付けとなる介装連結材は、頂部
が最大幅となったテーパーが付されたガイド溝をその上
側部に有しているので、上方に位置する外壁パネルのア
ンカーナットとの位置に施工誤差が仮に生ずることがあ
っても、テーパー部分でこれを吸収しながらボルトを螺
孔に正確に螺合させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る外壁パネルの取付構造の好適例を
示す部分縦断面図。

【図２】図１に対応させて示す要部平面図。

【図３】本発明において外壁パネルを梁材に取り付ける
際に用いられる部材相互の配置関係を示す一部を省略し
た斜視図。

【図４】図３における金具材相互の配置関係を示す正面
図。

【図５】図３における金具材相互の配置関係を示す右側
面図。

【図６】外壁パネルの取付構造の従来例を示す要部側面
図。

【符号の説明】

１ 梁材 １ａ 水平面 ２ Ｌ形アングル材 ２ａ 垂直フランジ部 ２ｂ 水平フランジ部 ３ 外壁パネル ３ａ 下端面 ３ｂ 下側部 ４ 長穴部 ５ アンカーナット ５ａ 螺孔 ６ 直進穴部 ７ 外壁パネル ７ａ 下側部 ８ 長穴部 ９ アンカーナット ９ａ 螺孔 １０ 直進穴部 １１ 自重受け金具 １２ 水平部 １３ 垂直部 １３ａ 上縁部 １３ｂ 下側折曲部 １３ｃ，１３ｄ 側縁部 １４ 切欠部 １４ａ 切欠縁部 １５ 溶接部 ２１ 介装連結材 ２１ａ 下側部 ２１ｂ 上側部 ２２ 縦長孔 ２３ ガイド溝 ２５ 溶接部 ３１，３２ ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直フランジ部を外方に突出させ、水平
   フランジ部を介して梁材に固定させたＬ形アングル材
   と、上下方向に隣り合って配置される外壁パネルのう
   ち、上方に配置される外壁パネルの下端面を支持する水
   平部と、上縁部から下側折曲部へと至る切欠部をその中
   央部位に有して前記垂直フランジ部の頂面から前記上縁
   部を突出させ、かつ該上縁部と左右の両側部とを前記垂
   直フランジ部に溶着させた垂直部とからなる自重受け金
   具と、縦長孔を下側部に、下方が狭くなるテーパを付し
   たガイド溝を上側部にそれぞれ有し、自重受け金具の前
   記切欠部に挿入して前記垂直フランジ部と所定位置にて
   対面させ、かつ前記水平部に溶着して配置される介装連
   結材とで構成され、下方に位置する外壁パネルは、その
   上端部を縦長孔を介して導入されるボルトにより止着
   し、上方に位置する外壁パネルは、その下端面を水平部
   に載置し、下側部を前記ガイド溝に導入されるボルトに
   より止着して構造躯体にそれぞれ支持させたことを特徴
   とする外壁パネルの取付構造。
2. 【請求項２】 垂直フランジ部を外方に突出させたＬ形
   アングル材を水平フランジ部を介して梁材の水平面に固
   定する工程と、上下方向に隣り合って配置される外壁パ
   ネルのうち、上方に配置される外壁パネルの下端面を支
   持する水平部と、上縁部から下側折曲部へと至る切欠部
   をその中央部位に有する垂直部とからなる自重受け金具
   を、前記上縁部を前記垂直フランジ部の頂面から突出さ
   せ、かつ該上縁部と垂直部の左右の両側縁部とを垂直フ
   ランジ部に溶着する工程と、縦長孔を下側部に有し、下
   方が狭くなるテーパを付したガイド溝を上側部に有する
   介装連結材を前記切欠部に介して垂直フランジ部の所定
   位置と対面するように挿入した後、前記水平部に溶着す
   る工程と、下方に位置する外壁パネルに埋設されたアン
   カーナットに前記介装連結材の縦長孔を介して挿通させ
   たボルトを螺着してその上側部を固定する工程と、上方
   に位置する外壁パネルの下端面を自重受け金具の水平部
   に載置し、かつ埋設されているアンカーナットに介装連
   結材の前記ガイド溝を介して挿通させたボルトを螺着し
   てその下側部を固定する工程とを少なくとも経ることに
   より、上下方向に隣り合う外壁パネルを梁材を介して構
   造躯体に支持させることを特徴とする外壁パネルの取付
   方法。