JPH0545533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、キヤビン付トラクタのクラツチ連動
装置に関する。

（従来の技術） 従来のこの種のクラツチ連動装置として、例え
ば、実開昭60−69815号公報に記載のものが公知
である。

この従来のものは、キヤビン内に設けられたク
ラツチペダルと、車体側に設けられたクラツチレ
バーとを操作ワイヤにより連動連結するものであ
つた。そして、操作ワイヤの一端部はキヤビンに
保持され、他端部は車体側に保持されていた。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来のものにおいては、操作ワイヤがキヤ
ビンと車体とに跨がつて保持されていたため、独
立形成式キヤビンの場合問題があつた。

即ち、独立形成式キヤビンは、キヤビンを車体
に対して着脱自在に構成したものであるから、操
作ワイヤがキヤビンと車体の両者に亘つて保持さ
れていると、キヤビンの取付、取り外しに際し
て、操作ワイヤの処理が面倒であつた。そこで、
本考案は、独立形成式キヤビンにおいて、着脱作
業が容易になるようにしたクラツチ連動装置を提
供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため、本考案は次の手段を
講じた。

即ち、本考案の特徴とするところは、トラクタ
車体上に、キヤビンが着脱自在に搭載され、該キ
ヤビンの下方で、かつ前記車体の側部にクラツチ
断接用クラツチシフトロツドの一端部が突出さ
れ、該ロツドの突出端部にクラツチレバーが一体
回動すべく連結され、前記キヤビンに備えられた
クラツチペダルと前記クラツチレバーとが互いに
連動連結されてなるキヤビン付トラクタのクラツ
チ連動装置において、前記クラツチレバーとクラ
ツチペダルとが、インナワイヤとアウタワイヤよ
りなる操作ワイヤにより連動連結され、前記アウ
タワイヤの両端部は、前記キヤビンに保持されて
いる点にある。

（作用） 本考案によれば、操作ワイヤのアウタワイヤが
キヤビン側に設けられているので、キヤビンを車
体に取り付けたり、取り外したりするのが容易に
なる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図及び第２図において、１はトラクタ
車体で、エンジン２、ミツシヨンケース３等から
なる。４はボンネツトで、エンジン２等をおおう
ように設けられている。５は後車軸ケースで、ミ
ツシヨンケース３の後部両側に装着されており、
この後車軸ケース５に後車軸６を介して後輪７が
取付けられている。

８はハンドル９や座席１０等の運転部１１を備
えてなる独立形成式キヤビンであり、トラクタ車
体１の後部上に搭載されている。またキヤビン８
は骨格体をなすキヤビン本体１２と、キヤビン本
体１２の底部側に装着されたフロアシート１３
と、キヤビン本体１２の左右両側に装着された後
輪フエンダー１４とを有する。

キヤビン本体１２は、左右一対の前支柱１５
と、左右一対の後支柱１６と、前後支柱１５，１
６間に設けられた左右一対の中間支柱１７と、こ
れら支柱１５，１６，１７上端に取付けられた天
頂枠１８とを備えてなり、下部側には前後方向の
基礎枠１９が左右に一対設けられている。なお基
礎枠１９の前端部は、トラクタ車体１から外側方
に突出したブラケツト２０に、後端部は後車軸ケ
ース５上のブラケツト２１に夫々防振材２２，２
３を介して取外し自在に支持されている。尚、前
側のブラケツト２０は外側端部で上方に立上り状
とされ、外側端部で基礎枠１９が支持される。ま
た、キヤビン本体１２には乗降扉２４、窓ガラス
２５が組込まれている。

２６は燃料タンクで、キヤビン８のステツプ２
７下方に位置して設けられており、前部側がブラ
ケツト２０に、後部側がタンク受板２８によつて
支持されている。

キヤビン８の下方で、かつ車体１の側部にクラ
ツチ２９断接用のクラツチシフトロツド３０の一
端部が突出状に備えられ、該ロツド３０の突出端
部にクラツチレバー３１が一体回動すべく連結さ
れている。またクラツチレバー３１は燃料タンク
２６の内側側に配置され、ブラケツト２０とキヤ
ビン８下面間の間隙を通じて前方突出状に設けら
れており、突出前端部３２はキヤビン８より前方
に位置されている。

一方、キヤビン８の前面には左右前支柱１５の
下端部を連結する隔壁３３が設けらえ、この隔壁
３３にハンドル９装置やクラツチペダル３４が取
付けられている。

クラツチペダル３４は第１図に示される如く、
上端のボス部３５を介してペダル軸３６により前
後揺動自在に枢支され、またペダル軸３６は隔壁
３３に取付けられた支持台３７に挿支されてい
る。

３８はボス部３５に固定のレバーで、プツシユ
プルワイヤよりなる操作ワイヤ３９のインナワイ
ヤ４０端部が連結支持されている。またアウタワ
イヤ４１端部は、アウタ受具４２に受承れ、アウ
タ受具４２はナツト４３，４４により隔壁３３の
段部４５に調整自在に固定されている。またアウ
タワイヤ４１の他端は隔壁３３の下端部より前方
突出状に設けられた支持ブラケツト４６に取付け
られたアウタ受具４７に受承されている。また、
インナワイヤ４０の他端にはネジ軸４８が固着さ
れており、該ネジ軸４８はクラツチレバー３１の
前端部３２に左右方向の軸心回りに相対回動自在
に設けられた連結軸４９に挿通され、ナツト５
０，５１により抜止め固定されている。そしてク
ラツチペダル３４の遊び量の調整はネジ軸４８と
ナツト５０，５１の螺合調整により、インナワイ
ヤ４０の長さを調整すればよい。

５２はクラツチレバー３１の戻しバネである。

ミツシヨンケース３の後面には給油部５４が設
けられると共に、給油部５４に近接してミツシヨ
ンケース３内のオイル量を検査するめの検油棒５
５が備えられている。

検油棒５５は第５図に示される如く、屈曲自在
な線杆部５６と、線杆部５６の一端に固着された
ゴム等の弾性材よりなるつまみ部５７と、線杆部
５６の他端に固着された検油金具５８とからな
り、検油金具５８にはＨ及びＬのマーク５９が適
宜示されている。線杆部５６はソリツドワイヤよ
りなる心線６０と、コイル形の中線６１と、中線
６１と逆巻きとされたコイル形の外線６２とから
構成されている。尚、外線６２を有しない二重構
造であつてもよい。

ミツシヨンケース３内には第２図乃至第４図に
示される如く、検油棒５５の検油金具５８をミツ
シヨンケース３の中央下部に案内すべく、筒状の
ガイド管６３が設けられており、検油金具５８は
ガイド管６３内に沿つて挿入案内される。尚、ガ
イド管６３はレバーや油圧パイプ類を回避して適
宜、屈曲形成されており、また検油金具５８の先
端部は挿入時における案内を円滑とすべく弧状に
形成されている。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、クラツチペダル３４の遊び量を調整する場合
には、ネジ軸４８とナツト５０，５１がキヤビン
８より前方に突出した位置にあり、作業空間が大
きく確保でき、調整作業が容易に行なえる。従つ
て、キヤビン８下面側に従来の如く、調整用の作
業空間を確保する必要がなく、燃料タンク２６の
容量を大きくできる。またクラツチレバー３１と
クラツチペダル３４側とは直接、インナワイヤ４
０で連動連結するだけでよく、組付作業が容易と
なる。さらに中間のリンク機構が不要となり、コ
スト低減が図れると共にペダル３４の踏込操作時
におけるフリクシヨンロスが軽減でき、ペダル３
４の踏込荷重が軽減できる。

また給油部５４と検油棒５５とが近接している
ため、使い勝手がよい。

（考案の効果） 本考案によれば、操作ワイヤのアウタワイヤが
キヤビン側に設けられているので、該アウタワイ
ヤがキヤビンと車体側とに亘つて設けられている
ものに比べ、キヤビンを車体に取り付けたり、取
り外したりするのが容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部断面側面
図、第２図は同全体側面図、第３図は同検油部の
側面図、第４図は同平面図、第５図は検油棒の側
面図である。 １……トラクタ車体、８……キヤビン、２９…
…クラツチ、３０……クラツチシフトロツド、３
１……クラツチレバー、３２……前端部、３４…
…クラツチペダル、３９……操作ワイヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トラクタ車体１上に、キヤビン８が着脱自在に
   搭載され、該キヤビン８の下方で、かつ前記車体
   １の側部にクラツチ断接用クラツチシフトロツド
   ３０の一端部が突出され、該ロツド３０の突出端
   部にクラツチレバー３１が一体回動すべく連結さ
   れ、前記キヤビン８に備えられたクラツチペダル
   ３４と前記クラツチレバー３１とが互いに連動連
   結されてなるキヤビン付トラクタのクラツチ連動
   装置において、 前記クラツチレバー３１とクラツチペダル３４
   とが、インナワイヤ４０とアウタワイヤ４１より
   なる操作ワイヤ３９により連動連結され、前記ア
   ウタワイヤ４１の両端部は、前記キヤビン８に保
   持されていることを特徴とするキヤビン付トラク
   タのクラツチ連動装置。