JPH0543765B2 - - Google Patents

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JPH0543765B2
JPH0543765B2 JP61127197A JP12719786A JPH0543765B2 JP H0543765 B2 JPH0543765 B2 JP H0543765B2 JP 61127197 A JP61127197 A JP 61127197A JP 12719786 A JP12719786 A JP 12719786A JP H0543765 B2 JPH0543765 B2 JP H0543765B2
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less
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cooling
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Nobuhiro Seki
Osamu Hirano
Yoshikazu Ishizawa
Kazuyoshi Ume
Tomoaki Hyodo
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JFE Engineering Corp
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Nippon Kokan Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
「発明の目的」 本発明は溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性に優
れた鋼の製造法に係り、母材部に比し劣らざるを
得ないものとされている溶接部、特に溶接熱影響
部の耐硫化物応力腐食割れ性を適切に向上するこ
とのできる鋼の製造法を提供しようとするもので
ある。 産業上の利用分野 サワーラインパイプおよびその付設物あるいは
サワーガスに曝される圧力容器、化学配管等の溶
接部の耐応力腐食割れ性を必要とする鋼材の製造
技術。 従来の技術 硫化水素(H2S)を含有した、いわゆるサワー
オイルやサワーガスを輸送するラインパイプ及び
その付属設備、或いはその他のH2Sを含む流体を
扱う化学プラントの配管や圧力容器などの鋼構造
物には耐水素誘起割れ性(耐HIC性)とともに耐
硫化物応力腐食割れ性(以下耐SSC性という)が
要求されることが多い。然してこの耐SSC性につ
いては通常NACE(National Association of
Corrosion Engineers)TM01−77規格による定
荷重型SSC試験(6.35mmφの後述第2図に示すよ
うな丸棒試験片に5%NaCl+0.5%CH3COOH+
飽和H2S液内で、ある荷重による引張応力を付与
し、種々の応力における破断時間を求める試験)
や、4点曲げ試験などによつて材料の耐SSC性が
評価される。 一般に鋼材の耐SSC性を改善するには耐HIC性
を向上させておくことが必要条件である(例え
ば、極低S化とCaの適量添加などによる介在物
形状制御や、偏析部の硬化低減策など)が、ミク
ロ組織の管理が非常に重要であつて、低炭素ベイ
ナイトの細粒組織、焼戻マルテンサイト細粒組織
などを得ることによつて、鋼材の耐SSC性(具体
的には例えば限界応力σth)が大巾に向上するこ
とが知られている。 因みに通常の耐サワー材料でフエライト−パー
ライト系組織を呈するものではNACE TM01−
77テストのσthレベルは0.5〜0.65σy(σy:降伏応
力)程度であるが、低炭素ベイナイト組織や焼戻
マルテンサイト組織を呈するものでは0.75〜
0.95σy前後にも向上する。 発明が解決しようとする問題点 ところが、溶接継手部の耐SSC性(σth)母材
のミクロ組織に依らず、ほぼ0.45〜0.65σyの範囲
にあり、母材の耐SSC性を向上させても、必ずし
も継手SSC性は改善しないことが知られている。
これは溶接による熱履歴によつて良好な組織が変
化するのに加えて溶接熱影響部が大きく硬化した
り、溶接熱歪によるミクロ的な残留応力などが関
与するからと考えられる。 溶接部の耐SSC性を母材なみに改善する方策の
1つとして、溶接後に焼入焼戻のような熱処理を
施すことも1つの手段であるが、必ずしも工業的
にやりやすい方策でもないし、焼きの入りにくい
鋼の場合はそれほど耐SSC性の改善は期待できな
い。 「発明の構成」 問題点を解決するための手段 (1) C:0.005wt%〜0.15wt%未満、Si:0.05〜
0.8wt%、Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、
P:0.025wt%以下、S:0.004wt%以下、
Nb:0.010〜0.080wt%、 V:0.020〜0.10wt%、Al:0.005〜0.070wt
%、 N:0.01〜0.02wt%、Ca:0.0005〜0.0080wt
% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなる鋼を1000〜1300℃に加熱し、未再結晶温
度以下における圧下率を20〜80%とし、圧延終
了温度650〜800℃で圧延することを特徴とする
溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性に優れた鋼の
製造法。 (2) C:0.005wt%〜0.15wt%未満、Si:0.05〜
0.8wt%、Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、
P:0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、Nb:0.010〜0.080wt
%、V:0.020〜0.10wt%、Al:0.005〜
0.070wt%、 N:0.01〜0.02wt%、Ca:0.0005〜0.0080wt
% を含有すると共に、 Cu:1.0wt%以下、Ni:1.0wt%以下、 Cr:1.0wt%以下、Mo:0.5wt%以下、 Ti:0.1wt%以下、B:0.0020wt%以下 の何れか1種または2種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1000〜
1300℃に加熱し、未再結晶温度以下における圧
下率を20〜80%とし、圧延終了温度650〜800℃
により圧延することを特徴とする溶接部の耐硫
化物応力腐食割れ性に優れた鋼の製造法。 (3) C:0.005wt%〜0.15wt%未満、Si:0.05〜
0.8wt%、 Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、P:
0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、Nb:0.010〜0.080wt
%、 V:0.020〜0.10wt%、Al:0.005〜0.070wt
%、 N:0.01〜0.02wt%、Ca:0.0005〜0.0080wt
% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなる鋼を1000〜1300℃に加熱し、未再結晶温
度以下における圧下率を20〜80%とし、圧延終
了温度650〜800℃により圧延後、直ちに冷却速
度3〜50℃/sec、冷却停止温度400〜650℃で
冷却することを特徴とする溶接部の耐硫化物応
力腐食割れ性に優れた鋼の製造法。 (4) C:0.005wt%〜0.15wt%未満、Si:0.05〜
0.8wt%、 Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、P:
0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、Nb:0.010〜0.080wt
%、V:0.020〜0.10wt%、Al:0.005〜
0.070wt%、 N:0.01〜0.02wt%、Ca:0.0005〜0.0080wt
% を含有すると共に、 Cu:1.0wt%以下、Ni:1.0wt%以下、 Cr:1.0wt%以下、Mo:0.5wt%以下、 Ti:0.1wt%以下、B:0.0020wt%以下 の何れか1種または2種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1000〜
1300℃に加熱し、未再結晶温度以下における圧
下率を20〜80%とし、圧延終了温度650〜800℃
により圧延後、直ちに冷却速度3〜50℃/sec、
冷却停止温度400〜650℃で冷却することを特徴
とする溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性に優れ
た鋼の製造法。 作 用 上記したような本発明について更に説明する
と、本発明者等は前記したような従来技術の問題
点に鑑み、種々検討を重ねた結果、溶接部の耐
SSC性を改善せしめる鋼の製造法を見い出したも
のであつて、仔細は以下の如くである。 即ち、本発明によるものは、wt%(以下単に
%という)で、C:0.005%〜0.15%未満、Si:
0.05〜0.8%、Mn:0.5%を超え2.2%まで、P
0.025%、S0.004%、Nb:0.010〜0.080%、
V:0.020〜0.10%、Al:0.005〜0.070%、N:
0.01〜0.02%、Ca:0.0005〜0.0080%で残部がFe
及び不可避的不純物から成る鋼、あるいはこれに
Cu1.0%、Ni1.0%、Cr1.0%、Mo0.5%、
Ti1.0%、B0.0020%を母材強化のための任
意添加元素とした鋼を加熱温度1000〜1300℃、未
再結晶温度以下の圧下率20〜80%、圧延終了温度
650〜800℃で制御圧延し、あるいはこの制御圧延
に加えてその後3〜50℃/secの冷却速度で、停
止温度400〜650℃まで制御冷却する溶接部の耐
SSC性に優れることを特徴とする鋼の製造法であ
る。 本発明の骨子としては、まずNb添加による制
御圧延の細粒化効果と、通常N量(<60ppm)よ
りも大幅にN量を増加させることによる窒化物の
微細分散析出の効果を重畳させ、700〜850℃の溶
接熱サイクルがかかつても、良好な組織をできう
る限り維持し、軟化を防ぐことであり、更に、制
御圧延、または制御圧延−制御冷却することによ
り細粒の高転位密度組織を導入し、水素のトラツ
プ効果を増加させることである。 また、溶接継手部に生ずるSSCは、一般にビツ
カース硬さ248以上とか、260以上の硬化組織があ
ると、その部分から発生することは既に公知であ
る。しかしこのような硬さ制御(Hv280or
260)を行つた溶接継手部でも前述した如く従来
はNACE定荷重SSC試験でσthレベルは0.55σy前後
であつた。しかも該SSCは溶接金属や粗粒域
HAZ(Fusion Lineに近い高温HAZ)に発生する
のではなく、むしろ上記の700〜850℃に溶接熱サ
イクルがかかつた2相域HAZで主に発生し、伝
播する。2相域HAZ(Ac1点〜Ac3点)は、強度が
低下することの他にミクロ組織的にも水素感受性
の高い島状マルテンサイトなどが発生しやすく、
耐SSC特性が劣化しやすいことが知られている。 次に、溶接部耐SSC特性に及ぼす母材N量の影
響と制御圧延および制御圧延と制御冷却の効果の
例については第1図に示す如くであつて、鋼成分
は0.06%C−0.22%Si−0.87%Mn−0.009%P−
0.001%S−0.025%Nb−0.07%V−0.02%Al−
0.0025%Ca系で、板厚は15mmであり、制御圧延条
件は、加熱温度1150℃で、未再結晶温度以下の圧
下率50%、仕上圧延温度750℃であつて、制御冷
却条件は冷却速度8℃/secであり、冷却停止温
度は570℃である。溶接条件としては、X開先内
外面1層のサブマージアーク溶接で、入熱は内面
35KJ/cm、外面39KJ/cmである(溶接ワイヤー
はC−Mn−Ni−Mo−Ti系、フラツクスは塩基
性溶融型)。SSC試験法は、NACE TM01−77に
基く丸棒試片の定荷重テストで、採取法は第2図
に示す如く、母材1間における溶接部2に関して
丸棒状の試片3をG.L.の中心にFusoin Lineが来
るように内面側から採取したものである。 即ち第1図によれば、100ppm以上のNを含有
したときの限界応力σthは制御圧延することによ
り従来レベルより向上すること、また制御圧延に
加えて制御冷却を施すと、制御圧延のみの場合と
比較し、より一層σthレベルが改善することがわ
かる。 尚、破断位置はいずれもAc1直上の2相域HAZ
である。継手における耐SSC性の向上の理由は必
ずしも明確にできないが、概ね次の〜のよう
に推論できる。 Nb添加による溶接前組織の細粒化。 Nb、V添加、高NによるNb(CN)、VNな
どの微細分散析出による細粒化への寄与。 溶接熱サイクルがかかつたときの2相域
HAZでの軟化防止と窒化物による水素のトラ
ツプ効果。 制御冷却による高転位密度のサブ組織確保に
よる水素のトラツプ効果。 即ちこれらの〜の相乗作用により、2相域
HAZの耐SSC性が従来より改善され、延いては
継手の耐SSC性が向上したものと考えられる。 次に、本発明鋼における添加元素の限定理由に
ついて述べると以下の如くである。 Cは、強度確保上少なくとも0.005%以上必要
であるが、0.15%以上となると溶接性が劣化し、
SAWなどでは高温割れの危険性も生ずるので
0.005%〜0.15%未満とした。 Siは、脱酸上少なくとも0.05%以上必要である
が、0.80%を超えると靭性急激に劣化するので、
0.05〜0.8%とする。 Mnは、ミクロ組織を改善し、強度靭性の確保
の為に少なくとも0.5%超えが必要であるが、2.2
%を超えると靭性劣化や耐HIC性の劣化が懸念さ
れ、0.5%を超え〜2.2%までとしとた。 Pは、耐HIC性確保の観点から0.025%とす
る。 Sは、延靱性及び耐HIC性の確保の観点から
0.004%とする。 Nbは、制御圧延時の細粒化効果を発揮するに
は少なくとも0.010%必要であるが、過剰に添加
しすぎると低C系の場合HAZのHIC性、靭性に
加え母材の靭性も劣化するので上限は0.08%とす
る。 Vは、VNとして析出させ、特に溶接部の2相
域HAZにて析出させることによつてSSC性の改
善が期待できるので少なくとも0.020%とし、上
限は靭性劣化の点から0.10%とした。 Alは、脱酸剤として0.005%は最少必要である
が、0.08%を超えると表面疵の発生及び靭性劣化
のため0.08%を上限とする。 Nは、既に述べてあるように窒化物分散析出の
為に100ppmは必要であるが、200ppmを超えると
表面疵の問題及び溶接部の靭性劣化が著しいので
200ppmを上限とすべきである。 Caは、HIC発生の起点となり、SSC性能を劣
化させる伸長したMnS(マンガンサルフアイド)
の形態および組成を制御し、耐HIC特性と耐
SSCC特性の向上に有効であり、特に前記Nb、
Vと共に含有させることにより耐SSCC性を大幅
に向上する。なおこのときのCaとSとの添加量
の比、Ca/S=1.5〜10程度が適当であるが、Ca
量としては少くとも5ppmでないと上記の効果が
得られず、一方多く入れ過ぎると却つて鋼を汚し
(カルシウムオキシサルフアイドなどにより)、耐
HIC性に有害であるから上限は80ppmとする。 以上は、本発明鋼の必須元素であるが、更に任
意添加元素である母材の強化元素として、Cu、
Ni、Cr、Mo、TiおよびBの何れか1種または
2種以上を含有させることができる。 即ちこれらのCu、Ni、Cr、Mo、TiおよびB
は何れも母材強度上昇に有効であるが、Niは1
%を超えて添加すると耐HIC、耐SSCC特性上好
ましくないことになり、又Cu、CrおよびTiはコ
ストの上昇およびHAZ靭性溶接性の劣化を招く
ので1.0%を上限とする。更にMoも同様の理由か
ら上限を0.5%とする。Bは特に極低C領域での
強度低下を補うものとして添加してもよいが、
0.002%を超えると却つて靭性に有害であるため
上限は0.002%とすることが必要である。 以上の成分を有する鋼を加熱温度1000〜1300
℃、未再結晶温度以下における圧下率20%以上、
仕上圧延温度650〜800℃の普通の制御圧延を行つ
ても従来よりSSCのσthレベルは向上する(例え
ば第1図)が、更に制御圧延に引き続き、冷却速
度3〜50℃/S、冷却停止温度400〜650℃の制御
冷却を組合わせることによつて、より改善度は大
きくなる。 次に、上記のような成分組成の鋼に対する本発
明製造法の限定理由について述べると以下の如く
である。 加熱温度:1000〜1300℃。 1300℃を超えると結晶粒が粗大化し、靭性が
大幅に劣化する。一方、下限1000℃を下廻ると
製品強度を確保できないばかりか、組織が不均
一となり靭性が劣化する。 未再結晶温度以下の圧下率20%〜80%。 オーステナイト未再結晶域での圧下は、オー
ステナイトの結晶粒を圧延方向に延ばし、結晶
粒界面積を増加させるとともに、結晶粒内に変
形帯とよばれる歪み集中部を導入し、オーステ
ナイトからフエライトへの変態の核生成サイト
を増加させ、変態組織を微細なものとし、鋼を
強靭化するのに有効な手段である。このオース
テナイト未再結晶域での圧下率が20%未満で
は、結晶粒微細化の効果が小さく鋼の高強度と
十分な低温靭性が得られないので20%以上とす
る。一方これが80%以上になつてもその効果は
飽和してしまい、また、厚さ200mm程度の連続
鋳造スラブの場合、オーステナイト未再結晶域
での圧下率を大きくすると、オーステナイト再
結晶域での圧下率が低下し靭性の劣化をまね
く。したがつて、オーステナイト未再結晶域で
の圧下率上限は80%とする。Nb、V、Ti等を
含有する鋼においては、オーステナイト未再結
晶域の上限温度は約900℃である。 圧延終了温度:650〜800℃ 仕上圧延は、オーステナイト温度域あるいは
オーステナイトとフエライト2相域から圧延を
開始して、鋼板の温度を測定しながら連続的に
行う。このとき最終圧延温度すなわち圧延終了
温度は鋼板の機械的性質に重要な影響を及ぼ
す。圧延終了温度が800℃を超えると、圧延終
了後のサブ組織あるいはフエライトの回復が進
行し、高強度と優れた低温靭性および優れた耐
SSC特性が得られない。また、圧延後加速冷却
を施す場合にも高強度および優れた耐SSC特性
が得られない。これは、このような低温域の圧
延後の加速冷却は、圧延により生じ、強度の上
昇と耐SSC特性の向上に寄与するサブ組織の回
復を抑制する効果が大きいためである。一方、
圧延温度が低下すると鋼の圧延時の変形抵抗が
増大し、1回の圧延ごとに大きな圧下がとれな
くなる。また、温度の低下も小さくなり圧延能
率の低下をまねく。また、低温での圧延はSSC
試験時にHICを発生させて耐SSC性能を劣化さ
せる。したがつて圧延終了温度の下限は650℃
とする。 仕上温度から冷却停止温度までの冷却速度3
〜50℃/sec。 3℃/sec未満では加速冷却によるサブ組織
回復抑制による充分な高張力化が期待できない
ため3℃/secを下限とした。また50℃/secを
超えるとサブ組織回復による高張力化が飽和す
ることに加え、鋼板の歪が大きくなり精度の良
い形状を持つた厚鋼板の製造が困難となるため
50℃/secを上限とした。 停止温度400〜650℃ 下限を400℃としたのは、400℃未満では鋼板
の歪が大きく製造工程上好ましくないからであ
る。また上限を650℃としたのは、650℃より高
い停止温度ではベイナイトが充分生成しない等
変態組織の改善効果が期待できないためであ
る。 尚、溶接はSAW、TIG、MIG、MMA(手)な
どの何れによつてもよく、特に限定はしないが溶
接金属、溶接熱影響部のヴイツカース硬さが260
を超えないように溶接材料(ワイヤ、棒、フラツ
クス)、溶接条件(入熱など)を選定することは
本発明の前提である。 実施例 実施例 1 本発明によるものの具体的な製造例について従
来法と共に仔細を説明すると、以下の如くであ
る。 第1表、第2表、第3表にそれぞれ本発明法と
従来法の比較として鋼成分、圧延条件と溶接条
件、及び継手強度と継手SSC試験結果(NACE
TM01−77規格に基づく評価)を示す。即ちこの
ような結果によるときは、本発明によるものが従
来法によるものに比較して優れた継手の耐SSC特
性を有していることは明白である。
【表】
【表】
【表】 記(1) 試片採取方法は第2図に準ず (2) NACE SSCテストはTM01−77規格に基
く (溶液5%NaCl+0.5%CH3COOH+飽和
H2S) (3) 試験片方向は溶接線に直角(C方向) (実施例2) 次の第4表に示した化学成分を有する鋼1〜4
を準備する。即ち鋼1は本発明の成分組成を満足
するものであるが、鋼2はNbを含有せず、鋼3
はVを含有しないもので、また鋼4はCaを含有
しないものであつて、その他の成分については何
れも本発明の要件を満足するものである。
【表】 然してこれらの鋼は1150℃に加熱後未再結晶域
での圧下率56%、圧延終了温度720℃で18mmまで
圧延し、SAW溶接した溶接部のSSCC試験を行
つた。前記第4表にはその結果も示すが、Nb、
V、Caがそれぞれ含まれていない比較鋼2〜4
は何れも0.7σyの応力下で250時間以下の破断時間
しか得られていないのに対し、本発明による鋼1
は720時間以上であつて、Nb、VおよびCaを共
に含有することによつて溶接部の耐SSCC特性を
大幅に改善し得ることが確認された。 「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときはサワー
オイルやサワーガスに曝されるラインパイプや圧
力容器それらの付属機器、あるいは化学配管など
の溶接部ないし溶接熱影響部における耐硫化物応
力腐食割れ性を有効に改善し、従来技術によるも
のに比し頗る卓越した特性を得しめるものであつ
て、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図は溶接部の耐SSC特性に及ぼす母材N
量の影響と制御冷却の効果についての具体例を要
約して示した図表、第2図はその試片採取法を示
した説明図である。 然してこれらの図面において、1は母材、2は
溶接部、3は丸棒試験片を夫々示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.005wt%〜0.15wt%未満、 Si:0.05〜0.8wt%、 Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、 P:0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、 Nb:0.010〜0.080wt%、 V:0.020〜0.10wt%、 Al:0.005〜0.070wt%、 N:0.01〜0.02wt%、 Ca:0.0005〜0.0080wt% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
    なる鋼を1000〜1300℃に加熱し、未再結晶温度以
    下における圧下率を20〜80%とし、圧延終了温度
    650〜800℃で圧延することを特徴とする溶接部の
    耐硫化物応力腐食割れ性に優れた鋼の製造法。 2 C:0.005wt%〜0.15wt%未満、 Si:0.05〜0.8wt%、 Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、 P:0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、 Nb:0.010〜0.080wt%、 V:0.020〜0.10wt%、 Al:0.005〜0.070wt%、 N:0.01〜0.02wt%、 Ca:0.0005〜0.0080wt% を含有すると共に、 Cu:1.0wt%以下、Ni:1.0wt%以下、 Cr:1.0wt%以下、Mo:0.5wt%以下、 Ti:0.1wt%以下、B:0.0020wt%以下 の何れか1種または2種以上を含有し、残部が
    Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1000〜
    1300℃に加熱し、未再結晶温度以下における圧下
    率を20〜80%とし、圧延終了温度650〜800℃によ
    り圧延することを特徴とする溶接部の耐硫化物応
    力腐食割れ性に優れた鋼の製造法。 3 C:0.005wt%〜0.15wt%未満、 Si:0.05〜0.8wt%、 Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、 P:0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、 Nb:0.010〜0.080wt%、 V:0.020〜0.10wt%、 Al:0.005〜0.070wt%、 N:0.01〜0.02wt%、 Ca:0.0005〜0.0080wt% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
    なる鋼を1000〜1300℃に加熱し、未再結晶温度以
    下における圧下率を20〜80%とし、圧延終了温度
    650〜800℃により圧延後、直ちに冷却速度3〜50
    ℃/sec、冷却停止温度400〜650℃で冷却するこ
    とを特徴とする溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性
    に優れた鋼の製造法。 4 C:0.005wt%〜0.15wt%未満、 Si:0.05〜0.8wt%、 Mn:0.5wt%を超え2.2wt%まで、 P:0.025wt%以下、 S:0.004wt%以下、 Nb:0.010〜0.080wt%、 V:0.020〜0.10wt%、 Al:0.005〜0.070wt%、 N:0.01〜0.02wt%、 Ca:0.0005〜0.0080wt% を含有すると共に、 Cu:1.0wt%以下、Ni:1.0wt%以下、 Cr:1.0wt%以下、Mo:0.5wt%以下、 Ti:0.1wt%以下、B:0.0020wt%以下 の何れか1種または2種以上を含有し、残部が
    Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1000〜
    1300℃に加熱し、未再結晶温度以下における圧下
    率を20〜80%とし、圧延終了温度650〜800℃によ
    り圧延後、直ちに冷却速度3〜50℃/sec、冷却
    停止温度400〜650℃で冷却することを特徴とする
    溶接部の耐硫化物応力腐食割れ性に優れた鋼の製
    造法。
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