JPH0541138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は積雪地において軒樋内に雪が堆積する
のを防止する軒樋の雪避け構造に関するものであ
る。

［背景技術］ 一般に積雪地においては冬季に軒樋の雪が堆積
して軒樋に大きな荷重がかかつて破損することが
ある。このため積雪地では冬季に軒樋を外してい
るが、この作業が面倒であるという欠点がある。
また従来、雪避けでないが、落葉避けとして軒樋
の上面に網を貼る方法もあり、積雪地においてこ
の方法を応用して軒樋内に雪が堆積するのを防止
することも考えられるが、網を軒樋に取り付けて
あるため網上に雪が堆積すると軒樋に荷重がかか
り軒樋が破損する虞れがある。

［考案の目的］ 本考案は叙述の点に鑑みてなされたものであつ
て、本考案の目的とするところは軒樋内に雪が堆
積するのを防止できて積雪地でも冬季に軒樋を外
さなくてもよい軒樋の雪避け構造を提供するにあ
る。

［考案の開示］ 本考案軒樋の雪避け構造は、屋根勾配と平行に
傾斜した傾斜片９と傾斜片９の先端より一体に垂
下した垂下片１０とを雪避け板２に設け、傾斜片
９で軒樋１の上面開口を覆うように雪避け板２を
配置すると共に雪避け板２の基部の固定片３を屋
根の野地板４の軒先の上面に載置して固着し、雪
避け板２の固定片３の手前に設けた位置決め片５
を野地板４の軒先端面に当接し、雪避け板２の傾
斜片９に多数個の水切り孔６を設けると共に上記
傾斜板９の先端を軒樋１の屋外側の側壁まで至ら
せずに雪避け板２の垂下片１０を軒樋１内に挿入
したものであつて、上述のように構成することに
より従来例の欠点を解決したものである。つま
り、軒樋１の上方を雪避け板２の傾斜片９で覆つ
たことにより軒樋１内に雪が入つて堆積するのを
防止できて軒樋１が破損するのを防止できて冬季
でも軒樋１を外す必要がないようになり、しかも
雪避け板２の基部の固定片３を野地板４に固着し
たことにより、雪避け板２を野地板４で支持でき
ると共に雪避け板２に雪が堆積しても軒樋１に荷
重がかからなく、軒樋１を確実に保護できるよう
になり、さらに雪避け板２の固定片３の手前に設
けた位置決め片５を野地板４の軒先端面に当接し
たことにより、野地板４に対して雪避け板２を位
置決めして所定の位置に簡単に取り付けることが
できるようになり、さらにまた雪避け板２の傾斜
片９に水切り孔６を設けたことにより、雪解け水
や雨水を軒樋内に確実に受けて排水できるように
なり、また傾斜板９の先端を軒樋１の屋外側の側
壁まで至らせずに雪避け板２の垂下片１０を軒樋
１内に挿入したことにより、水切り孔６を通らず
に傾斜片９を伝つて流れる雨水が垂下片１０にて
軒樋１内に導かれるようになつたものである。

以下本考案を実施例により詳述する。

第１図、第２図に示すように屋根の軒先で野地
板４の下には鼻板７を設けてあり、鼻板７に軒樋
受け具８を装着してあり、軒樋受け具８に軒樋１
を支持してある。野地板４上には平板瓦のような
屋根瓦が葺かれている。雪避け板２は軒樋１の長
手方向に長い板材を折曲して形成されており、屋
根の勾配と平行な傾斜片９と垂下片１０とにより
主体が構成されている。傾斜片９には長孔状の水
切り孔６を長手方向に多数個穿孔してあり、傾斜
片９と垂下片１０との間には上方に突曲する水切
り部１１を設けてある。傾斜片９の基部手前には
位置決め片５を設けてあり、基部には固定片３を
設けてある。第１図、第２図に示す実施例では固
定片３と傾斜片９との間の段部を折曲形成するこ
とにより位置決め片５を形成してあり、第３図の
実施例では別体の小片を取着することにより位置
決め片５を形成してある。この雪避け板２は軒樋
１上に配置され、固定片３が野地板４の軒先端の
上面に載置されると共に位置決め片５が野地板４
の軒先端面に当接されて位置決めされた状態で釘
１２にて固着される。雪避け板１の垂下片１０は
軒樋１内に挿入されている。しかして冬季に積雪
があつても雪避け板２で軒樋１内に雪が堆積する
のが防止され、また傾斜片９上に雪が堆積しよう
としても傾斜にて滑り落ちる。また降雨時に雨水
が水切り孔６から軒樋１内に集められる。このと
き水切り部１１にて水が軒下に落ちるのが防止さ
れる。

［考案の効果］ 本考案は叙述のように軒樋の上方を雪避け板の
傾斜片で覆つたので、軒樋内に雪が入つて堆積す
るのを防止できるものであつて、軒樋が破損する
のを防止できて冬季でも軒樋を外す必要がないも
のであり、しかも雪避け板の基部の固定片を野地
板に固着したので、雪避け板を野地板で支持でき
ると共に雪避け板に雪が堆積しても軒樋に荷重が
かからなく、軒樋を確実に保護できるものであ
り、さらに雪避け板の固定片の手前に設けた位置
決め片を野地板の軒先端面に当接したので、野地
板に対して雪避け板を位置決めして所定の位置に
簡単に取り付けることができるものであり、また
固定片と位置決め片とで野地板の軒先端が覆わて
野地板が濡れて腐食したりするのを防止できるも
のであり、さらにまた雪避け板の傾斜片に水切り
孔を設けたので、雪解け水や雨水を軒樋内に確実
に受けて排水できるものであり、また傾斜板の先
端を軒樋の屋外側の側壁まで至らせずに雪避け板
の垂下片を軒樋内に挿入したので、水切り孔を通
らずに傾斜片を伝つて流れる雨水が垂下片にて軒
樋内に導かれ、雪避けがあつても、降雨時に雨水
を軒樋内に確実に受けることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
同上の断面図、第３図は同上の他の実施例の断面
図であつて、１は軒樋、２は雪避け板、３は固定
片、４は野地板、５は位置決め片、６は水切り
孔、９は傾斜片、１０は垂下片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根勾配と平行に傾斜した傾斜片と傾斜片の先
   端より一体に垂下した垂下片とを雪避け板に設
   け、傾斜片で軒樋の上面開口を覆うように雪避け
   板を配置すると共に雪避け板の基部の固定片を屋
   根の野地板の軒先の上面に載置して固着し、雪避
   け板の固定片の手前に設けた位置決め片を野地板
   の軒先端面に当接し、雪避け板の傾斜片に多数個
   の水切り孔を設けると共に上記傾斜板の先端を軒
   樋の屋外側の側壁まで至らせずに雪避け板の垂下
   片を軒樋内に挿入して成る軒樋の雪避け構造。