JPH053582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は底面勾配Ｕ字溝に関し、より詳しくは
水平に埋設されてもその内部に流水用勾配底面を
形成させることのできる底面勾配Ｕ字溝に関す
る。

（従来の技術） 従来、一般道路や林道等の路面部を横断するな
ど水平に埋没されるＵ字溝については各種構造の
もの又は各種施工方法が提案され実用に供されて
いる。ところがこれらのＵ字溝においては、埋没
後の溝内に雨水等の水の流れを順調に行わせるた
めのＵ字溝底面の勾配ずけは従来第４図に示すよ
うな方法で施工されている。

このうち、第４図イに示す方法は普通型Ｕ字溝
４１を勾配角度に合わせて造成した基礎４２の上
に配設し、その後Ｕ字溝４１が路面ｔより下つた
部分を現場打ちによりコンクリート４３でかさ上
げする。しかし、この方法はＵ字溝４１の蓋の表
面を覆うことになり実用上問題であつた。

第４図ロの方法は、Ｕ字溝４４を勾配のない水
平に造成した基礎４５の上に配設した後、Ｕ字溝
４４の内面底部にはコンクリート４６を流しこみ
固化させて勾配角度をとる方法で、この場合、底
部を欠いたＵ字溝を使用したり、底部に角形又は
丸形の穴４７を設けた溝を使用し、固化後のコン
クリート４６のいずれを防止する手段を構じてい
る。しかし、この方法ではコンクリートの流しこ
みによる勾配角度がとりにくく、かつ表面の平坦
な勾配とりが困難であつた。さらに林道のような
道幅の狭い道路では生コンクリート運搬車の進入
が困難な所が多い。

第４図ハの方法はＵ字溝を道路４９に対して斜
めに布設することにより流水のための勾配角度を
とる方法である。この方法は斜めに布設するため
溝が長くなり経費がかかるなどの問題があつた。

なお、これらの図中の矢印は水の流れる方向を
示す。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記の従来技術の問題点に鑑みなされ
たものであつて、特に構造が簡単で製作が容易で
あるとともに、施工しやすく流水のための必要勾
配を好適、かつ選択自在に確保できる底面勾配Ｕ
字溝を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） すなわち、本考案は一般道路、林道等の路面部
を横断するなど水平に埋設されるＵ字溝におい
て、Ｕ字溝内の底面に、その長さ方向に傾斜した
溝底面形成用勾配パネルを配設したことを特徴と
する底面勾配Ｕ字溝を提供するものである。

（実施例） 以下、図面によつて本考案の実施態様の一例に
ついて説明する。第１図は本考案の底面勾配Ｕ字
溝の正面図、第２図イ、ロ、ハは溝底面形成用勾
配パネルの正面図、平面図、側面図であり、第３
図イ、ロは道路などに埋設した底面勾配Ｕ字溝の
正面図及び側面の断面図である。

第１図及び第３図において、符号Ａは本考案に
係る勾配用Ｕ字溝を示し、この勾配Ｕ字溝ＡはＵ
字溝本体１、溝底面形成用勾配パネル（以下勾配
パネルと略称）５及び蓋体８から構成されてい
る。Ｕ字溝本体１は側壁２，３及び底部４から形
成され、側壁２，３の上面中央から内側にかけて
切欠段部９，９が、また底部４の上面内側の側壁
ぞいに溝１０，１０がそれぞれ切られている。切
欠段部９，９には受枠金具、パツキング等（図示
せず）を適宜配設し、これによつて蓋体８を確実
に固定することができる。勾配パネル５は第２図
に示すように脚部６，６及び横断面の上表面が水
平な溝底面部７から形成され、溝底面部７の上表
面周辺には切欠段部１１，１１が、また脚部６，
６の下辺中央部には切欠部１２，１２がそれぞれ
切られている。勾配パネル５は上述のように、脚
部６，６及び溝底面部７からなる断面逆Ｕ字形の
机体状をしているが、脚部６，６は溝底面部７が
長さ方向水平面に対して傾斜するよう長辺方向の
前後７ａ，７ｂにおいて異つた高さｌ，l′を有し
ている。この異つた高さｌ，l′によつて得られる
溝底形成部７の勾配により溝内に雨水等の水が順
調に流下する。勾配パネル５の溝底面部７の上表
面は横断面からみて水平、凸状、凹状、山形状等
にすることができ、またその上表面に長さ方向の
溝を有するものであつてもよい。さらに勾配パネ
ル５はＵ字溝本体１の場合と同様にセメントコン
クリート等によつて形成するのが好ましいが、必
ずしもこれに限定されるものではない。

なお、勾配用Ｕ字溝Ａは例えば勾配を有する道
路を横断するように配設する場合、Ｕ字溝本体１
の側壁２と３は谷側と山側で高さ及び強度を適宜
差のあるものとし、蓋体８も車輌等の通過時の負
荷に耐え得る構造を有するものとしたＵ字溝とす
ることが好ましい。このような構造の勾配用Ｕ字
溝本体の例として実開昭61−170601号公報記載の
勾配用Ｕ字溝を挙げることができるが本考案は必
ずしもこれに限定されるものではない。

勾配用Ｕ字溝Ａは上述のように構成されている
ので、その使用にあたつては、第３図に示すよう
にまず勾配を有する道路の路面部ｔを横断するよ
うにして堀起して基礎１４を水平に形成するとと
もに、この基礎１４の上部にＵ字溝本体１を配設
する。このＵ字溝本体１は道路の幅員に必要な数
のブロツクを配設した後、その両側壁２，３の外
側を土砂で埋め、これらを固定する。次いでＵ字
溝本体１の内部に、予じめ幅をＵ字溝本体１の内
部と適合させ、かつ勾配は同じで脚部６の高さを
順次変えて製作した勾配パネル５，５…を溝内に
流水勾配が形成されるよう例えば脚部６の高い方
向から低い方向へ順次配設し接合する。この場
合、勾配パネル５の脚部６の下端部分はＵ字溝本
体１の底部４の表面に切込まれた溝１０に嵌合さ
れ、かつパネル脚部６の下辺の切欠段部１２がＵ
字溝底部４の溝１０に一部形成された凸起部１３
と嵌合されて勾配パネル５を確実に固定すること
ができる。また勾配パネル５の底面形成部７の上
面周辺の切欠段部１１は必要に応じてセメント等
を流しこむことによりＵ字溝本体１と勾配パネル
５との接合、及び勾配パネル間の接合を強化する
ことがてきる。勾配パネル５の配設が終れば、蓋
体８が所定位置に嵌置される。

（考案の効果） 上述のように勾配用Ｕ字溝Ａは勾配を有する道
路の路面部ｔを直角に横断するようにして配設さ
れ、Ｕ字溝内部に予じめ用意された勾配パネル５
をセツトするのみで流水に必要な勾配を確保でき
る。勾配パネル５の構造は簡単で、勾配も自由に
選択できるので、勾配パネルの製作及びＵ字溝内
への配設工事は容易かつ経済的に行うことが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る底面勾配用Ｕ字溝の正面
図、第２図イ、ロ、ハはそれぞれ本考案の勾配用
Ｕ字溝内に用いられる溝底面形成用勾配パネルの
正面図、平面図、側面図、第３図イ、ロはそれぞ
れこの勾配用Ｕ字溝を勾配を有する道路に埋設し
た状態の正面及び側面の断面図である。第４図は
従来のＵ字溝埋設方法の説明図である。 符号の説明、Ａ……勾配用Ｕ字溝、１……Ｕ字
溝本体、２，３……Ｕ字溝側壁、４……Ｕ字溝底
部、５……溝底面形成用勾配パネル、６……パネ
ル脚部、７……溝底面部、８……蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｕ字溝内の底面に、その長さ方向に傾斜した溝
   底面形成用勾配パネルを配設したことを特徴とす
   る底面勾配Ｕ字溝。