JPH05333573A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05333573A
JPH05333573A JP14049492A JP14049492A JPH05333573A JP H05333573 A JPH05333573 A JP H05333573A JP 14049492 A JP14049492 A JP 14049492A JP 14049492 A JP14049492 A JP 14049492A JP H05333573 A JPH05333573 A JP H05333573A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高感度にして残留電位が低くく、高い繰返し安
定性を有する電子写真感光体の提供。 【構成】一般式[I]及び[II]で示されるヒドラゾン
化合物を感光層に含有させる。 一般式〔I〕 〔一般式〔I〕中、R,R及びR,Rは置換基
を有してもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基
を示し、R,R及びRは水素原子、置換基を有し
てもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基、A
は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。〕 一般式〔II〕 〔一般式〔II〕中、R〜Rは水素原子もしくは置換
基を有してもよいアルキル基、アラルキル基、アリール
基を示し、R〜R及びR〜Rはそれぞれ環を形
成してもよい。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、更に詳しくは、キャリア発生物質とキャリア輸送物
質とを含有する感光層を有する電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真感光体としては、セレン、
酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導電体
を主成分として含有する感光層を有するものが広く知ら
れていた。しかしこれらは熱安定性、耐久性等の特性上
必ずしも満足し得るものではなく、更に製造上取扱い上
にも問題があった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
感光層を有する感光体は、製造が比較的容易であるこ
と、安価であること、取扱いが容易であること、また一
般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れていることな
ど多くの利点を有し、斯かる有機光導電性化合物として
は、ポリ-N-ビニルカルバゾールが最もよく知られてお
り、これと2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノン等のルイ
ス酸とから形成される電荷移動錯体を主成分とする感光
層を有する感光体がすでに実用化されている。
【0004】また一方、光導電体のキャリア発生機能と
キャリア輸送機能とをそれぞれ別個の物質に分担させる
積層タイプ或いは単層タイプの機能分離型感光層を有す
る感光体が知られており、例えば無定形セレン薄層から
成るキャリア発生層とポリ-N-ビニルカルバゾールを主
成分として含有するキャリア輸送層とから成る感光層を
有する感光体がすでに実用化されている。
【0005】しかし、ポリ-N-ビニルカルバゾールは、
可撓性に欠け、その被膜は固くて脆く、ひび割れや膜剥
離を起しやすく、これを用いた感光体は、耐久性が劣
り、可塑剤を添加してこの欠点を改善すると、電子写真
プロセス実施に際し残留電位が大きくなり、繰返し使用
に伴いその残留電位が蓄積されて次第にかぶりが大きく
なり複写画像を毀損する。
【0006】また、低分子の有機光導電性化合物は、一
般に被膜形成能を有しないため、適当なバインダと併用
され、バインダの種類、組成比等を選択することにより
被膜の物性或いは感光特性をある程度制御しうる点では
好ましいが、バインダに対して高い相溶性を有する有機
光導電性化合物の種類は限られている。現実に感光体、
特に電子写真感光体の感光層の構成に用い得るバインダ
の種類は少ない。
【0007】例えば、米国特許3,189,447号に記載の2,5
-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾ
ールは、電子写真感光体の感光層の材質として常用され
るバインダ、例えばポリエステル、ポリカーボネートと
の相溶性が低く、電子写真特性を整えるために必要とす
る割合で混合して感光層を形成すると、温度50℃以上で
オキサジアゾールの結晶が析出するようになり、電荷保
持力及び感度等の電子写真特性が低下する欠点を有す
る。
【0008】これに対し米国特許3,820,989号に記載の
ジアリールアルカン誘導体は、バインダに関する相溶性
の問題は少ないが、光に対する安定性が小さく、これを
帯電・露光が繰返し行われる反復転写式電子写真用の感
光体の感光層に適用すると該感光層の感度が次第に低下
するという欠点を有する。
【0009】また米国特許3,274,000号、特公昭47-3642
8号にはそれぞれ異った型のフェノチアジン誘導体が記
載されているがいずれも感光度が低く且つ反復使用時の
安定性が小さい欠点があった。
【0010】また特開昭58-65440号、同58-198043号に
記載されているスチルベン化合物は電荷保持力及び感度
等は比較的良好であるが、反復使用時による耐久性にお
いて満足できるものではない。また、これらの化合物は
低電位における感度においても問題を残している。
【0011】更にキャリア輸送物質として特開昭59‐37
549号、同63-292141号或いは特開平2‐210451号にヒド
ラゾン系化合物が提案されている。
【0012】このように電子写真感光体を作成する上で
実用的に満足すべき特性を有するキャリア輸送物質は未
だ見出されていないのが実状である。
【0013】
【発明の目的】本発明の目的は高感度な感光体を提供す
ることにある。
【0014】本発明の他の目的は、高感度にして残留電
位の低い電子写真感光体を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、高い繰返し安定性を
有する電子写真感光体を提供することにある。
【0016】
【問題を解決するための手段】前記の目的に沿い鋭意研
究を重ねた結果、前記「化1」及び「化2」に示し、ま
た結合要素を規定した一般式〔I〕或いは〔II〕で表さ
れるヒドラゾン化合物の少なくとも一つを含有した層を
有する電子写真感光体が優れた有用性を有することを見
いだした。
【0017】次に一般式〔I〕で表される化合物の具体
例を挙げる。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】以下に前記例示化合物の合成例を反応式
(1)で説明する。
【0021】化合物例(A6)の合成方法
【0022】
【化5】
【0023】反応式(1)に示す如く200mlの四つ口フ
ラスコに(1)20g(0.042mol)と(2)4.7g(0.042
mol)をアルコール100mlに分散させ酢酸0.5gを投入後
加熱撹拌して沸騰させ3時間反応させた。放冷後結晶を
濾取しカラムクロマトにて精製して目的物である(3)
を15g(収量=55%)得た。
【0024】元素分析の結果は下記の通りである。
【0025】 次に一般式〔II〕で表される化合物の具体例を挙げる。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】以下に前記例示化合物の合成例を示す。
【0030】(1)化合物例(B5)の合成方法 まづ特開平2‐210451号で示される合成方法にて(1)
を得る。
【0031】
【化9】
【0032】反応式(2)に示す如く200mlの四つ口フ
ラスコに(1)30g(0.0445mol)とオキシ塩化燐20g
を入れ加熱撹拌する。70±10℃にてDMF10gを滴下し
て反応させた後3時間撹拌した。放冷後錯体を水で分解
してトルエンで抽出し、濃縮しカラムクロマトにて精製
し目的物である(2)を12g(収量=38%)得た。
【0033】次に反応式(3)に示す様に200mlの四つ
口フラスコに(2)12g(0.017モル)と(3)4.2g
(0.0187モル)DMF50mlを投入して撹拌下NaHを添
加し反応させた。1日放置しトルエンにて抽出し濃縮し
てカラムクロマトにて精製し、目的物である(4)を9
g(収量=68%)得た。元素分析の結果は次の通りであ
る。
【0034】 (2)化合物例(B8)の合成方法
【0035】
【化10】
【0036】反応式(4)に示す如く反応式(3)と同
じ様に反応させカラムクロマトにて精製し(6)を12g
(収量=63%)得た。元素分析の結果は次の通りであ
る。
【0037】 電子写真感光体の構造は種々の形態が知られているが、
本発明の電子写真感光体はそれらのいずれの形態をもと
り得る。
【0038】通常は、図1(1)〜(6)の形態であ
る。図1(1)及び同図(2)では、導電性支持体1上
にキャリア発生物質を主成分とするキャリア発生層2
と、キャリア輸送物質を主成分として含有するキャリア
輸送層3との積層体より成る感光層4を設ける。
【0039】同図(3)及び(4)に示すようにこの感
光層4は、導電性支持体上に設けた中間層5を介して設
けてもよい。このように感光層4を二層構成としたとき
に最も優れた電子写真特性を有する感光体が得られる。
また、本発明においては、同図(5)及び(6)に示す
ように前記キャリア発生物質7をキャリア輸送物質を主
成分とする層6中に分散せしめて成る感光層4を導電性
支持体1上に直接、或いは中間層5を介して設けてもよ
い。また本発明においては、図1(4)の様に最外層と
して保護層8を設けてもよい。
【0040】本発明に係る感光層のキャリア発生層に用
いられるキャリア発生物質としては次のようなものが挙
げられる。
【0041】(1)モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリ
スアゾ色素などのアゾ系色素 (2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリ
レン系色素 (3)インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ系色素 (4)アンスラキノン、ピレンキノンおよびフラバンス
ロン類などの多環キノン類 (5)キナクリドン系色素 (6)ビスベンゾイミダゾール系色素 (7)インダスロン系色素 (8)スクエアリリウム系色素 (9)シアニン系色素 (10)アズレニウム系色素 (11)トリフェニルメタン系色素 (12)アモルファスシリコン (13)金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなど
のフタロシアニン系顔料 (14)セレン、セレン―テルル、セレン―砒素 (15)CdS,CdSe (16)ピリリウム塩色素、チアピリリウム塩色素 などが挙げられ、単独或いは2種以上の混合物として用
いることもできる。
【0042】本発明における化合物は、それ自体では被
覆形成能がないので種々のバインダを組合せて感光層が
形成される。
【0043】ここに用いられるバインダとしては任意の
ものを用いることができるが、疎水性で誘電率が高く、
電気絶縁性フィルム形成性高分子重合体を用いるのが好
ましい。このような高分子重合体としては、例えば次の
ものを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0044】(P―1)ポリカーボネート (P―2)ポリエステル (P―3)メタクリル樹脂 (P―4)アクリル樹脂 (P―5)ポリ塩化ビニル (P―6)ポリ塩化ビニリデン (P―7)ポリスチレン (P―8)ポリビニルアセテート (P―9)スチレン―ブタジエン共重合体 (P―10)塩化ビニリデン―アクリロニトリル共重合体 (P―11)塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 (P―12)塩化ビニル―酢酸ビニル―無水マレイン酸共
重合体 (P―13)シリコーン樹脂 (P―14)シリコーン―アルキッド樹脂 (P―15)フェノールホルムアルデヒド樹脂 (P―16)スチレン―アルキッド樹脂 (P―17)ポリ―N―ビニルカルバゾール (P―18)ポリビニルブチラール (P―19)ポリビニルフォルマール これらのバインダ樹脂は、単独で或いは2種以上の混合
物として用いることができる。
【0045】また、本発明に係るキャリア発生層及び輸
送層を形成するための溶剤としては、N,N-ジメチルホル
ムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、1,2-ジクロルエタン、1,2-ジクロルプロパン、 1,1,
2-トリクロルエタン、1,1,1-トリクロルエタン、トリク
ロルエチレン、テトラクロルエタン、ジクロルメタン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジ
メチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられ、
混合して用いることもできる。
【0046】本発明の感光体が積層感光体の場合、キャ
リア発生層中のキャリア発生物質に対するバインダ、キ
ャリア輸送物質の重量比はキャリア発生物質を1重量部
とした場合、バインダ0.2〜5重量部、キャリア輸送物
質0〜1重量部が好ましい。
【0047】また、キャリア発生物質単独でキャリア発
生層を形成してもよい。
【0048】キャリア発生物質の含有割合がキャリア発
生層中で15%(重量)より少ないと光感度が低く、残留
電位の増加を招き、またこれより多いと暗減衰及び受容
電位が低下する。
【0049】以上のようにして形成されるキャリア発生
層の膜厚は、好ましくは0.01〜10μm、特に好ましくは
0.1〜5μmである。
【0050】又、キャリア輸送物質はキャリア輸送層中
のバインダ樹脂100重量部当り20〜200重量部が好まし
く、特に好ましくは30〜150重量部である。
【0051】又、形成されるキャリア輸送層の膜厚は、
好ましくは5〜50μm、特に好ましくは10〜35μmであ
る。
【0052】一方、本発明の感光体が単層構成の場合、
キャリア発生物質に対する、バインダ、キャリア輸送物
質の重量比はキャリア発生物質を1重量部とした時、バ
インダ0.2〜5重量部、キャリア輸送物質1〜5重量部
が好ましく、形成される感光層の膜厚は5〜50μmが好
ましく、特に好ましくは5〜30μmである。
【0053】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、合金を含めた金属板、金属ドラムま
たは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物
や合金を含めたアルミニウム、パラジウム、金等の金属
薄層を塗布、蒸着あるいはラミネートして、導電性化さ
れた紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。
【0054】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、その他にポリアミ
ド樹脂、ナイロン樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合
体、エチレン―酢酸ビニル―無水マレイン酸共重合体、
エチレン―酢酸ビニル―メタクリル酸共重合体等のエチ
レン系樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体
等が有効である。
【0055】本発明の感光層にはキャリア発生物質のキ
ャリア発生機能を改善する目的で有機アミン類を添加す
ることができる。有機アミン類のなかでは特に2級アミ
ンを添加するのが好ましい。
【0056】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤等の
劣化防止剤を含有させることができる。そのような目的
に用いられる化合物としては例えば、トコフェロール等
のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もしく
はエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハ
イドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化合
物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜燐酸
エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化合
物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、
環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、などが有
効である。特に有効な化合物の具体例としては、Ao-1
「IRGANOX1010」,Ao-2「IRGANOX565」(チバ・ガイギ
ー社製),Ao-3「スミライザー BHT」,Ao-4「スミ
ライザー MDP」(住友化学工業社製)等のヒンダードフ
ェノール化合物、Ao-5「サノール LS―2626」,Ao-
6「サノール LS―622LD」(三共社製)等のヒンダード
アミン化合物が挙げられる。これら化合物のキャリア輸
送物質との重量比は1:0.001〜0.1で、好ましくは1:
0.05〜0.1である。
【0057】本発明においてキャリア発生層には感度の
向上、残留電位ないし反復使用時の疲労低減等を目的と
して、一種又は二種以上の電子受容性物質を含有せしめ
ることができる。
【0058】ここに用いることのできる電子受容性物質
としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブ
ロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロル無水
フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無水フ
タル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、
無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノ
キノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼ
ン、1,3,5-トリニトロベンゼン、パラニトロベンゾニト
リル、ピクリンクロライド、キノンクロルイミド、クロ
ラニル、ブルマニル、ジクロルジシアノパラベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、2,7-ジ
ニトロフルオレノン、2,4,7-トリニトロフルオレノン、
2,4,5,7-テトラニトロフルオレノン、9-フルオレニリデ
ンマロノジニトリル、ポリニトロ-9-フルオレニリデン-
マロノジニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香酸、p-
ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタフルオ
ロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロサリチ
ル酸、フタル酸、メリット酸、その他特開平1-206349
号、同2-214866号、同2-135362号、米国特許455,659号
に記載の電子親和力の大きい化合物を挙げることができ
る。
【0059】電子受容性物質の添加量は、重量比でキャ
リア発生物質:電子受容性物質=100:0.01〜200、好ま
しくは100:0.1〜100である。
【0060】電子受容性物質はキャリア輸送層に添加し
てもよい。かかる層への電子受容性物質の添加量は重量
比でキャリア輸送物質:電子受容性物質=100:0.01〜1
00、好ましくは100:0.1〜50である。
【0061】また本発明の感光体には、その他、必要に
より感光層を保護する目的で紫外線吸収剤等を含有して
もよく、また感色性補正の染料を含有してもよい。
【0062】本発明の電子写真感光体は以上のような構
成であって、後述する実施例からも明らかなように、帯
電特性、感度特性、画像形成特性に優れており、特に繰
返し使用したときにも疲労劣化が少なく、耐用性が優れ
たものである。
【0063】更に本発明の電子写真感光体は電子写真複
写機のほか、レーザ、ブラウン管(CRT)、発光ダイ
オード(LED)を光源とするプリンタの感光体などの
応用分野にも広く用いることができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、これにより本発明の実施態様が限定されるもの
ではない。
【0065】尚実施例は、後記表1、表2に示す通り諸
元のみ異り、対応する番号の実施例内容を全く同型とし
た一般式〔I〕に係る実施例群Aと、一般式〔II〕に係
る実施例群Bとしている。
【0066】§実施例群A 実施例A1 ポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着した導電
性支持体上に、塩化ビニル−酢酸ビニル―無水マレイン
酸共重合体「エスレック MF―10」(積水化学社製)よ
り成る厚さ0.04μmの中間層を設け、その上にジブロモ
アンスアンスロン「モノライトレッド2Y」(C.I. N
o.59300 ICI社製)1gを1,2-ジクロルエタン30mlに
加えてボールミルで分散して得られた分散液にポリカー
ボネート「パンライトL―1250」(帝人化学社製)1.5g
を溶解し、十分混合した塗布液を乾燥後の膜厚が2μm
になるように塗布してキャリア発生層を形成した。
【0067】その上に例示化合物(A2)の5gとポリ
カーボネート「Z―200」(三菱ガス化学)10gと表1
に示す劣化防止剤0.5gを1,2-ジクロルエタン80mlに溶
解した溶液を乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し
てキャリア輸送層を形成し本発明の感光体を作成した。
【0068】以上のようにして得られた感光体を川口電
気(株)製EPA―8100を用いて以下の特性評価を行っ
た。帯電圧―6KVで5秒間帯電した後、5秒間暗放置し
次いで感光体表面での照度が2luxになるようにハロゲ
ンランプ光を照射し、初期表面電位Va、半減露光量E
1/2を求めた。また、30lux・secの露光量で露光した
後の残留電位Vrを求めた。
【0069】実施例A2〜A6 例示化合物 (A2) の代りに表1に示す例示化合物を用
いた他は実施例1と同様にして感光体を作成し、測定し
た。
【0070】比較例A(1) キャリア輸送物質として後記「化11」に示す化合物T
1を用いた他は実施例A1と同様にして比較用感光体を
作成した。
【0071】この比較感光体について実施例A1と同様
に測定した。
【0072】実施例A1〜A6、比較例A(1)の結果を
表1にまとめる。
【0073】実施例A7 ポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着した導電
性支持体上に、ポリアミド樹脂「A―70」(東レ社製)
より成る厚さ0.1μmの中間層を設けた。
【0074】後記「化11」に示すビスアゾ顔料CG70
5;2gとポリカーボネート樹脂 「パンライトL−1250」
2gとを1,2-ジクロルエタン100mlに混合し、サンドグ
ラインダにて8時間分散した。この分散液を中間層上
に、乾燥後の厚さが0.2μmになるように塗布した。
【0075】キャリア輸送物質として例示化合物(A
4)を用いて、表1に示す劣化防止剤をキャリア輸送物
質に対し1.5wt%加え、実施例1と同様にして感光体を
作成した。この感光体についても実施例A1と同様の測
定をした。
【0076】実施例A8〜A12 例示化合物(A4)の代りに表1に示す例示化合物を用
いた他は、実施例A7と同様にして感光体を作成し、測
定した。
【0077】比較例A(2) キャリア輸送物質として「化11」に示す化合物T2を
用いた他は実施例A7と同様にして比較用感光体を作成
した。
【0078】この感光体について実施例A1と同様の測
定を行った。
【0079】以上の実施例A7〜A12、比較例A(2)の
結果を表1に示す。
【0080】実施例A13 ポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着した導電
性支持体上に、ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ
社製)よりなる厚さ0.2μmの中間層を設けた。
【0081】図2に示すX線回折スペクトルをもつチタ
ニルフタロシアニン2gとシリコーン樹脂「KR―524
0,15% キシレン−ブタノール溶液」(信越化学社製)
の20gをイソプロピルアルコール100ml中にサンドミル
を用いて分散し、この分散液を中間層の上に乾燥後の厚
さが0.2μmになるように塗布した。次いでその上にキャ
リア輸送物質として例示化合物(A19)7gとポリカー
ボネート「Z―200」10gと表1に示す劣化防止剤0.5g
を1,2-ジクロルエタン80mlに溶解した。乾燥後の膜厚が
20μmになるようにこの溶液を塗布し、キャリア輸送層
を形成した。
【0082】この感光体について実施例A1と同様にし
て測定した。
【0083】実施例A14 アルミニウムドラム上、エチレン−酢ビ−メタクリル酸
共重合樹脂「エルバックス 4260」(三井デュポンケミ
カル社製)からなる厚さ0.2μmの中間層を形成した。
【0084】本発明のキャリア輸送物質として例示化合
物(A21)の1gとポリエステル樹脂「バイロン 200」
(東洋紡社製)1.5gを1,2-ジクロルエタン10mlに溶解
した液を、中間層の上に塗布して、乾燥後、膜厚15μm
キャリア輸送層を形成した。一方、キャリア発生物質と
して図2に示すX線回折スペクトルをもつチタニルフタ
ロシアニン1g、バインダ樹脂としてポリカーボネート
「パンライトL―1250」(帝人化成社製)3g、分散媒
としてモノクロルベンゼン15mlと、1,2-ジクロルエタン
35mlをボールミルを用いて分散した後、さらに、キャリ
ア輸送物質として例示化合物(A21)をバインダ樹脂に
対して75wt%となるように添加した。こうして得られた
分散液を先のキャリア輸送層の上に、スプレー塗布法に
よって塗布して、膜厚2μmのキャリア発生層を形成し
た。
【0085】こうして得られた感光体を、帯電極性をプ
ラス極性とした他は実施例A1と同様にして評価した。
【0086】実施例A15 アルミニウムドラム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体「エスレック MF−10」(積水
化学社製)からなる厚さ0.15μmの中間層を形成した。
一方、キャリア発生物質としてジブロモアンスアンスロ
ン「モノライトレッド 2Y」1gを、ボールミル粉砕
した後、ポリカーボネート樹脂「パンライト L−125
0」3g、モノクロルベンゼン15g、1,2-ジクロルエタン
35gの液を加えて分散を行った。得られた分散液に、さ
らに本発明のキャリア輸送物質例示化合物(A24)の2
gと表1に示す劣化防止剤0.1gを添加して、先の中間
層の上にスプレー塗布法により塗布し乾燥して、厚さ20
μmの感光層を形成した。
【0087】こうして得られた感光体を、帯電極性をプ
ラス極性とした他は評価1と同様にして評価した。
【0088】以上の実施例A13,A14,A15の結果を表
1に示す。
【0089】実施例A16 「化11」に示すキャリア発生物質BIPP 1部、分
散媒としてメチルエチルケトン50部をサンドミルを用い
て分散し、これをアルミニウムを蒸着したポリエステル
ベース上にワイヤバーを用いて塗布して、膜厚0.3μmの
キャリア発生層を形成した。次いで、例示化合物(A1
1)1部とポリカーボネート樹脂「パンライトK-1300」
(帝人化成社製)1.4部、及び微量のシリコーンオイル
「KF-54」(信越化学社製)表1に示す劣化防止剤0.0
5部を1,2-ジクロルエタン10部に溶解した液をブレード
塗布機を用いて塗布し乾燥の後、膜厚22μmのキャリア
輸送層を形成した。
【0090】実施例A17〜A21 実施例A16における例示化合物(A11)を表1に示す例
示化合物に代えた他は、実施例A1と同様にして、本発
明の感光体を作成した。
【0091】比較例A(3) 実施例A16における例示化合物(A11)を「化11」に
示す化合物T3に代えた他は、実施例A16と同様にし
て、比較用の感光体を作成した。
【0092】以上のようにして得られた感光体を実施例
A1と同様に測定した。
【0093】実施例A16〜A21、比較例A(3)の結果を
表1に示す。
【0094】
【化11】
【0095】
【表1】
【0096】§実施例群B 実施例群Aに倣い、表2に実施例の諸元、及び同評価方
法でえた結果を掲げた。
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、帯電能に優
れ、高感度であり、繰返し使用した場合でも表面電位、
感度の劣化が少なく安定した性能が得られるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体構成例の断面図
【図2】実施例13,14に用いたチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図
【符号の説明】
1 支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 5 中間層 6 キャリア輸送物質を含む層 7 キャリア発生物質 8 保護層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕で示されるヒドラゾン化合
    物を含有する層を有する電子写真感光体。 【化1】 〔一般式〔I〕中、R1,R2及びR6,R7は置換基を有
    してもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基を示
    し、R3,R4及びR5は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、アラルキル基又はアリール基、Ar1は置
    換基を有してもよいアリーレン基を示す。〕
  2. 【請求項2】 一般式〔II〕で示されるヒドラゾン化合
    物を含有する層を有することを特徴とする電子写真感光
    体。 【化2】 〔一般式〔II〕中、R1〜R6は水素原子もしくは置換基
    を有してもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基
    を示し、R1〜R2及びR5〜R6はそれぞれ環を形成して
    もよい。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007197407A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Kyocera Mita Corp トリアリールアミンヒドラゾン誘導体および電子写真感光体
JP2008197458A (ja) * 2007-02-14 2008-08-28 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2008197456A (ja) * 2007-02-14 2008-08-28 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2008203766A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2008224734A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置

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