JPH0532356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、車体ルーフの側部にグリツプ本体を
装着して成るアシストグリツプ装置に関する。

「従来の技術」 従来のアシストグリツプ装置としては、例え
ば、第７図から第９図にそれぞれ示すようなもの
がある。

すなわち、第７図には、車体ルーフ１の側部１
ａにバー型のグリツプ本体２を単に固設したもの
が示されている。

第８図には、車体ルーフ１の側部１ａに一対の
支持ブラケツト３，３が固設され、支持ブラケツ
ト３によりグリツプ本体４の両端部が出入れ可能
に支持され、それにより、グリツプ本体４中央の
握り部５が車室内側へ突出する使用状態と、側部
１ａに沿つて格納される収納状態とに出没可能な
ものが示されている。

第９図には、車体ルーフ１の側部１ａにグリツ
プ本体６格納用の凹部１ｂが形成され、グリツプ
本体６がその基端部を中心にして格納用の凹部１
ｂに収納される収納状態と、その握り部７を車室
内側に突出した使用状態とに揺動可能に枢支され
たものが示されている。

一方、アシストグリツプ装置と同じように、車
体ルーフ側部に装着されるものとしてサンバイザ
体がある。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来のアシストグリ
ツプ装置では、第７図に示すものにおいては、グ
リツプ本体１が車室内側に常時突出しているた
め、例えば着座者が腕を伸ばしたりする際に当つ
たりして使い勝手がよくなく、さらにグリツプ本
体１とその近傍に装着されるサンバイザ体とが取
付スペースなどに関して相互に規制し合うという
問題点があつた。

第８図に示すものにおいては、グリツプ本体４
の握り部５が車体ルーフ１の側部１ａに沿つて収
納されるため、伸ばした腕などが当たらず安全性
は向上したが、前記第７図のものと同じように、
グリツプ本体４とサンバイザ体とが取付スペース
などに関して相互に規制し合うという問題点があ
つた。

第９図に示すものにおいては、前記第８図のも
のと同じように、取付スペースなどに関して、グ
リツプ本体６とサンバイザ体とが相互に規制し合
うという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、グリツプ本体を車体ルーフに沿
わせて収納し、突起感をなくして安全性を向上す
るとともに、サンバイザ体による取付スペースに
関する規制をなくし、所望の位置に装着すること
ができるアシストグリツプ装置を提供することを
目的としている。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 (1) 車体ルーフの側部にグリツプ本体を装着して
成るアシストグリツプ装置において、 前記グリツプ本体を略矩形の板状に形成し、
該グリツプ本体が車体側部開口の上部を覆う使
用位置と、該車体側部開口の上部から上部へ退
避し車体ルーフに沿つて収納される収納位置と
に前記グリツプ本体の上縁部を揺動可能に車体
ルーフの側部に枢支し、 前記グリツプ本体の略中央部に貫通口を穿設
するとともに、該貫通孔の上縁部に枢軸を配設
し、該貫通口を開閉すべく蓋体を該枢軸に揺動
可能に枢支し、 前記蓋体が揺動した際開く前記貫通口の下縁
部を前記グリツプ本体の握り部としたことを特
徴とするアシストグリツプ装置。

(2) 車体ルーフの側部にサンバイザ体が装着され
ており、 該サンバイザ体をグリツプ本体として使用可
能なアシストグリツプ装置であつて、 前記サンバイザ体を主サンバイザと、該主サ
ンバイザの略中央部に穿設した貫通口を開閉す
べく該貫通孔の上縁部に配設した枢軸に揺動可
能に枢支される副サンバイザとにより構成し、 副サンバイザが揺動した際開く前記貫通口の
下縁部をグリツプ本体の握り部としたことを特
徴とするアシストグリツプ装置に存する。

「作用」 使用位置において、グリツプ本体が車体側部開
口の上部を覆つていて、グリツプ本体の貫通口を
蓋体で閉じれば、グリツプ本体が車外から太陽光
線を遮る。

また、使用位置において、蓋体を揺動すればグ
リツプ本体の貫通口が開き、貫通口の下縁部がそ
のままグリツプ本体の握り部となる。

さらに、使用位置において、グリツプ本体を収
納位置に揺動すれば、車体側部開口の上部からグ
リツプ本体が退避し車外の光りが差込む。

すなわち、グリツプ本体が、サンバイザ体とし
ても使用することができるものである。貫通孔は
主サンバイザあるいはグリツプ本体の略中央部に
穿設されていて、その下縁部の握り部は主サンバ
イザあるいはグリツプ本体の略中央部にあるの
で、握り部に力を加えても安定している。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の各種実施例を説明
する。なお、各種実施例につき同種の部位には同
一符号を付し重複した説明を省略する。

第１図から第４図は本考案の第１実施例を示し
ている。

第１図および第２図に示すように、車体１０の
ルーフレール部１２にグリツプ本体２０が配設さ
れている。グリツプ本体２０は略矩形の形状のパ
ツド体２１に図示省略した表皮部材が被覆されて
成る。パツド体２１には略Ｕ字形のフレーム部材
３０が内装され、フレーム部材３０の両端部３
１，３１がパツド体２１の上部両側から側方へそ
れぞれ突出している。

ルーフレール部１２には枢支ブラケツト１３が
固設され、枢支ブラケツト１３により、車体側部
開口１４の上部を覆う使用位置と、ドア開口１４
の上部から上方へ退避しルーフレール部１２の収
納凹部１５に格納される収納位置とにグリツプ本
体２０を揺動可能にフレーム部材３０の両端部３
１，３１が枢支されている。

第２図から第４図に示すように、グリツプ本体
２０の略中央部には小矩形状の貫通口２２が穿設
され、小矩形状の貫通口２２を開閉可能な蓋体４
０が装着されている。

貫通口２２の上縁部であつて蓋体４０の上部に
は枢軸４１が内装され、蓋体４０の両側部から側
方へ枢軸４１の両端部４２，４２が突出してい
る。枢軸４１の両端部４２，４２が、フレーム部
材３０の両側部３２に穿設した枢支孔３３に揺動
可能に嵌入されている。

枢支孔３３は枢軸４１を中心とする略270度の
角度に相当する円弧３４を有し、円弧３４の起端
と終端には中心方向へ突出する閉ストツパ部３５
と開ストツパ３６とがそれぞれ形成されている。

枢支孔３３に嵌入する枢軸４１の両端部４２
は、中心角が略230度に相当する扇形状断面に切
欠かれ、切欠縁４５，４６が形成されている。切
欠縁４５は、蓋体４０が小矩形状の貫通口２２を
第３図に示すように閉じた際枢支孔３３の閉スト
ツパ３５に当接するものである。同じように、蓋
体４０が小矩形状の貫通口２２を第４図に示すよ
うに開いた際枢支孔３３の開ストツパ３６に当接
するものである。

枢軸４１は第３図において反時計方向へばね部
材４８により付勢されている。貫通口２２の下縁
部２５にはフレーム部材３０の水平部３８が通つ
ており、下縁部２５がグリツプ本体２０の握り部
となつている。

次に作用を説明する。

第３図において、グリツプ本体２０が使用位置
にあり、枢支孔３３の閉ストツパ３５に枢軸４１
の切欠縁４５が当接し、蓋体４０がグリツプ本体
２０の小矩形状の開口２２を塞いでいる。また、
ばね部材４８が枢軸４１を第３図において反時計
方向へ付勢しており、それにより、蓋体４０が走
行中の振動などでガタつかない。

この状態において、グリツプ本体２０と蓋体４
０とがドア開口１４の上部を覆つていて、車外か
らの太陽光線を遮つている。

また、この状態において、小矩形状の開口２２
の下縁部２５に手を掛けるべく、外側から蓋体４
０をばね部材４８の付勢力に抗して押せば、押し
た分だけ蓋体４０が枢軸４１を中心にして第３図
において時計方向へ揺動する。それにより、蓋体
４０と小矩形状の開口２２との間に手差込み用の
隙間が開設され、手を小矩形状の開口２２の下縁
部２５に掛けることができる。

小矩形状の開口２２の下縁部２５に手を掛けた
状態では、枢支孔３３の開ストツパ３６に枢軸４
１の切欠縁４６が当接しているか、または、開ス
トツパ３６と切欠縁４６との間に若干の隙間があ
る。

小矩形状の開口２２の下縁部２５から掛けた手
を外せば、ばね部材４８の付勢力で蓋体４０が枢
軸４１を中心にして第４図において反時計方向へ
揺動し、蓋体４０のグリツプ本体２０が小矩形状
の開口２２を塞ぐ。前後して、枢支孔３３の閉ス
トツパ３５に枢軸４１の切欠縁４５が当接する。

さらに、第３図に示す使用位置において、グリ
ツプ本体２０をフレーム部材３０の両端部３１を
中心にして収納位置に揺動すれば、グリツプ本体
２０が、ドア開口１４の上部から退避し、ルーフ
レール部１２側の収納凹部１５に格納される。そ
れにより、ドア開口１４の上部から車外の光りが
差込む。

ルーフレール部１２側の収納凹部１５にグリツ
プ本体２０が格納された状態では、グリツプ本体
２０が車室内側へ突出せず、例えば、不用意に伸
ばした手がグリツプ本体２０に当接してりせず、
安全である。

第５図および第６図は本考案の第２実施例を示
している。

本実施例では、グリツプ本体５０に小矩形状の
開口５２が開設され、小矩形状の開口５２の上縁
部５３が外側へ向かつて下方へ傾斜した傾斜面に
形成され、蓋体６０が小矩形状の開口５２に嵌入
した際蓋体６０の上端部６１が上縁部５３に沿う
ように形成され、蓋体６０の下端部６２の内側位
置には小矩形状の開口５２の下縁部５４に当接可
能な光り遮断用の突起６３が形成されているもの
である。

それにより、グリツプ本体５０が使用位置にお
いて、車外からの光りが小矩形状の開口５２と蓋
体６０との隙間を通して車内に差し込みにくくな
る。

前記実施例においては、アシストグリツプ装置
にサンバイザとしての機能を持たせたものを示し
たが、反対にサンバイザにアシストグリツプ装置
の機能を持たせてもよい。

「考案の効果」 本考案に係るアシストグリツプ装置によれば、
グリツプ本体をサンバイザとして使用可能に構成
し、収納した際グリツプ本体が車体ルーフに沿う
ようにしたので、グリツプ本体が車室内側に突出
しないで安全性が向上するとともに、サンバイザ
を別にグリツプ本体の近傍に装着する必要がな
く、サンバイザによる取付スペースに関する規制
をなくし、グリツプ本体を所望の位置に装着する
ことができる。握り部が主サンバイザあるいはグ
リツプ本体の略中央部にあるので、握り部に力を
加えても安定している。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案の第１実施例を示し
ており、第１図はアシストグリツプ装置の全体斜
視図、第２図はグリツプ本体を想像線で示したア
シストグリツプ装置の全体斜視図、第３図はアシ
ストグリツプ装置の要部断面図、第４図は同じく
要部断面図、第５図および第６図は本考案の第２
実施例を示しており、それぞれアシストグリツプ
装置の要部断面図、第７図から第９図は従来例を
示しており、第７図および第８図はそれぞれアシ
ストグリツプ装置の全体斜視図、第９図はアシス
トグリツプ装置の要部断面図である。 １２……ルーフレール部（車体ルーフの側部）、
２０，５０……グリツプ本体、２２……小矩形状
の貫通口、２５……下縁部、３０……フレーム部
材、４０，６０……蓋体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体ルーフの側部にグリツプ本体を装着して
   成るアシストグリツプ装置において、 前記グリツプ本体を略矩形の板状に形成し、
   該グリツプ本体が車体側部開口の上部を覆う使
   用位置と、該車体側部開口の上部から上方へ退
   避し車体ルーフに沿つて収納される収納位置と
   に前記グリツプ本体の上縁部を揺動可能に車体
   ルーフの側部に枢支し、 前記グリツプ本体の略中央部に貫通口を穿設
   するとともに、該貫通孔の上縁部に枢軸を配設
   し、該貫通口を開閉すべく蓋体を該枢軸に揺動
   可能に枢支し、 前記蓋体が揺動した際開く前記貫通口の下縁
   部を前記グリツプ本体の握り部としたことを特
   徴とするアシストグリツプ装置。 (2) 車体ルーフの側部にサンバイザ体が装着され
   ており、 該サンバイザ体をグリツプ本体として使用可
   能なアシストグリツプ装置であつて、 前記サンバイザ体を主サンバイザと、該主サ
   ンバイザの略中央部に穿設した貫通口を開閉す
   べく該貫通孔の上縁部に配設した枢軸に揺動可
   能に枢支される副サンバイザとにより構成し、 副サンバイザが揺動した際開く前記貫通口の
   下縁部をグリツプ本体の握り部としたことを特
   徴とするアシストグリツプ装置。